抜群の乗り味と悪路走破性をもつ
最高峰のラグジュアリィSUV

<img src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/19_main2.jpg" width="565" height="424" border="0" alt="トヨタ ランドクルーザー100|人気車購入ガイド" />

コンセプト
高級感とタフネスさを融合させた最上級モデル

 クロカン4WDブームが一段落したH10年、80系の後を受け、「King Of 4WDとTop Of SUVの融合」をコンセプトにデビューしたのが100系ランドクルーザーだ。北米市場ではレクサスブランドからLX470として販売される一方で、オーストラリアには鉱山経営者の足となるワークホース仕様を用意。プレミアムSUVの高級感と、オフロード4WDのタフネスさを兼ね備えるという点では、他の追随を許さない車だ。ちなみにレクサスLX470は「ランドクルーザーシグナス」の名前で日本でも販売された。
 グレード構成はシンプルで、系列としてはVXのみ。その上にVXリミテッド、さらにGセレクションが用意される。グレードにかかわらず、ガソリン/ディーゼル両方のエンジンが選択可能だ。ただし、ガソリン車は3ナンバー登録だが、ディーゼル車は1ナンバーの商用車登録となっている。

メカニズム
AHCなどを採用して足回りが大幅に進化

 80系までの伝統だった4輪リジッド式サスペンションを変更。快適な乗り心地と高い静粛性の得られるダブルウィッシュボーン式のサスペンションが、新たにフロントに採用されたのは、古くからのランクルファンにとって衝撃だった。
 さらにGセレクション以上には、油圧とガスバネを使用して減衰力のリアルタイム制御と車高調整を行うAHC&スカイフックTEMSを標準で装備。停車時に車高を約5cm下げられるほか、悪路走行時には標準位置より5cm上げることが可能だ。
 ガソリンエンジンは、セルシオの4.3L V8がベース。シリンダーブロックをアルミから鋳鉄製に変更することで極限までボアアップし、4.7Lに拡大されている。ディーゼルエンジンは4.2Lの直6ターボで、分配型の高圧噴射ポンプを採用。
 4WDシステムは機械式センターデフをもつフルタイム方式で、センターデフロックも付く。

エクステリア&インテリア
力強いエクステリアと上質な印象のインテリア

 エクステリアは水平基調の端正なイメージ。押し出し感のあるフロントグリルは単にデザイン上のものではなく、砂漠での冷却性能を確保できる大きさとした結果だ。1940mmに達したワイドボディは、後付けのオーバーフェンダーを廃止。スマートな外観に加えて、リアシートに大人が3人掛けしても窮屈ではない居住性を手に入れた。
 スペアタイヤは背面式のものと床下吊り下げ式の2種類があり、エンジンやグレードにかかわらず選択可能。背面式は全長が5mを超えるため、フェリーを多用する人は要注意だ。  インテリアは高級セダンそのもので、副変速機を切り替えるトランスファーレバーがなければ4WD車のそれとはわからない。控えめな木目パネルが、逆に上品さを醸し出しているが、残念ながらイミテーションだ。
 3ナンバー仕様はサードシート付きの8人乗り。このサードシートは着脱も可能だ。

インプレッション
低速トルクが太いため長距離も快適に走行可能

 エンジンはガソリン、ディーゼルともトルクフルで、加速性能は2Lのセダン並みもしくはそれ以上。静粛性と乗り心地の良さは特筆もので、100km/h巡航時でもリアシートの乗員と普通に会話が可能だ。NVH(路面のザラザラ感や継ぎ目のショック)の遮断性の高さはフレーム付きならではで、重厚な乗り心地は高級サルーンさえ凌駕する。
 コーナリング時の姿勢変化はそれなりに大きく、オールシーズンタイヤのグリップ限界も高くはない。が、操舵応答性はマイルドながらリニアリティは高く、慣れてしまえばワインディングでも持て余すことはない。
バイヤーズガイド
狙い目グレード
ガソリン代が軽減する5AT車を検討しよう
予算を抑えたいなら、価格がこなれたH10年式から。流通量が最も豊富なため、気に入った物件に出会える可能性も高い。特にこだわらないなら、H14年8月以降がオススメ。5ATの採用で燃費が改善されており、コストパフォーマンスが高い。なお、全年式を通して豊富なのはVXリミテッドGセレクション。シグナスはほとんど流通しておらず、価格も高めとなる。
購入時のチェックポイント
様々な使用状況を考慮し下回りの確認を万全に
悪路走行性に長けているとはいえ、実際に走行していた物件はそれほど多くない。しかし、念のために下回りの確認はしておこう。エアロパーツ装着車も多いので、その場合は必ずのぞき込んでチェックしたい。また、希にドアミラーやパワーウインドウの作動不良が聞かれる。下見の際には、動かせるものはすべて動かして動作状態を確認しておくと安心だ。
<img src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum- 19_01.jpg" width="180" height="123" border="0" alt="トヨタ ランドクルーザー100 フロント|人気車購入ガイド" />
↑80系までのオーバーフェンダーを廃し、ボディをワイド化したことで安定感を増大。さらに横線基調のグリルにより、力強さがアピールされている
トヨタ ランドクルーザー100 リア|人気車購入ガイド
↑どっしりとした安定感を備えるリアビュー。ボディパネルと一体化したハイマウントストップランプと、大型リアコンビランプの視認性は良好だ
トヨタ ランドクルーザー100 インテリア|人気車購入ガイド
↑内装色は落ち着いたベージュ系に加え、すっきりしたグレー系も用意。デビュー時は、上級グレードのみに本革巻きステアリングが標準で装備された
トヨタ ランドクルーザー100 ダブルウィッシュボーンサスペンション|人気車購入ガイド
↑フロントには、ダブルウィッシュボーン式独立懸架サスを採用。車高調整機能などを新たに追加し、オンオフ問わず卓越した走破性を実現している
トヨタ ランドクルーザー100 走り|人気車購入ガイド
↑遮音性の高さに加えて、直進安定性に優れた点も魅力。ロングクルージングでも十分快適に過ごせるだろう