レクサスIS F フロント|ちょい乗り試乗 レクサスIS F リアスタイル|ちょい乗り試乗
レクサスIS Fの公道試乗会に参加してきました。
"おもてなし"のレクサスが作ったスーパースポーツカーには、BMWのMのように、車名の最後にFがつきます。ISに搭載されたV8の5Lは311kW(423ps)の最高出力と505N・m(51.5kg-m)の最大トルクを発生。
一方、ライバルと目されるBMW M3もV8ですが4Lとなります。こちらは309kW(420ps)/400N・m(40.8kg-m)の最高出力/最大トルクを発生。
ついでに価格がほぼ同じ日産GT-R(IS Fが766万円、日産GT-Rは777万円)はV6の3.8Lツインターボで353kW(480ps)/588N・m(60kg-m)の最高出力/最大トルク、となります。

張り出した前後フェンダーや前輪のエアアウトレットなど、見た目はスポーツカー然としているのですが、いざ乗り込んで見ると、ドアを閉める音からして高級車。センターコンソールの、宝石の輝きとまでは言わないけれど、それを思わせるようなパネルなど、まったくスポーツカーっぽくありません。しかしステアリングにあるパドルシフトや、300km/hまで刻まれたスピードメーター、少し走れば誰もが感じる乗り心地の硬さに「あ、スポーツカーだった」と気がつきます。一般道を走る限り、ちょっと道路が凸凹していると同乗者から苦情がくるのはやむを得ません。はっきりと突き上げ、時には跳ねます。

しかしこの硬さ、自分と道路の間に硬いゴムがある感覚です。これが高速道路になると実に頼もしい乗り心地へと変化します。まるで路面にピタッと吸いつくように、どこまで走っても疲れないような乗り心地へ。
8速ATはDレンジに入れておけば、よどみなくスムーズに加速します。実際日本の法定速度なんてあっという間。またMポジションに入れてパドルシフトで操れば、MT並みというよりMTでシフトするよりずっと速くシフトチェンジが行えます。シフトダウンする際には自動的にエンジン回転数を上げるブリッピングコントロールも付いていて、そのエンジン音とともにちょっと運転が上手くなった気分になれます。そのほか8速でクルーズしていて、左手でマイナスのパドルを引くと瞬時に6速となったのですが、実に自然なエンジンブレーキが得られたのも好感をもちました。
レクサスIS F インパネ|ちょい乗り試乗 レクサスIS F メーター|ちょい乗り試乗 レクサスIS Fと日産GT-R|ちょい乗り試乗
ただ、私程度のドライバーではこのクルマのもつポテンシャルを引き出せないせいでしょうか? あるいは公道では所詮IS Fの本能を出すチャンスがないから? 正直あまり楽しく感じられませんでした。そこで、以前レクサスIS350バージョンLのオーナーだったカーセンサーエッジ編集長・堀江に聞いてみました。
「すごく楽しい車。すごくパワーがあって、乗り心地が良くて。BMWのMよりもマナーがある動き方」
とのこと。
若い頃はMT車で随分走りを楽しんだ、という人にはいいと思います。今は年齢的にも体力的にもMTはちょっと…というような人でも、このクルマを買ったらきっと一度はサーキットを走りたいと思ってしまうでしょうね。公道じゃあ、IS Fは牙を隠したままかもしれませんから。
<カーセンサーnetデスク・ぴえいる>