新型フェアレディZ同様にV6ツインターボを搭載したZ32型の中古車の状態や相場はどんな感じ?
2020/09/28
▲新型が早くも話題なフェアレディZ。今回は、現時点で最後のV6ツインターボとなるZ32型に注目してみます新型が早くも話題ですがZ32型にフォーカス!
先日公開となった「フェアレディZプロトタイプ」。歴代フェアレディZのモチーフを随所に散りばめたデザインとなっており、発表直後から車好きの話題の中心となっています。
現段階では、発売日はおろか詳細なスペックすら発表されていませんが、パワートレインにはV型6気筒ツインターボエンジンと、6速マニュアルトランスミッションが搭載されることはアナウンスされています。
▲こちらが新型Zのプロトタイプ。歴代モデルのテイストを取り入れたデザインが特徴的ですV6ツインターボといえば、歴代フェアレディZの中では1989年に登場した、4代目のZ32型のみが唯一採用したエンジンであり(V6シングルターボはあり)、当時を知る方たちは久しぶりにワクワクさせてくれる響きではないでしょうか?
ということで、今回は現時点でZ史上最後のV6ツインターボエンジンを搭載した、Z32型フェアレディZの現状をチェックしてみたいと思います!
エンジンは280psを発生し様々なボディタイプを用意したZ32型
そもそも、北米市場におけるイメージリーダーとして誕生した、という経緯をもつフェアレディZ。代を重ねるごとにボディが大型化され、3代目までは5ナンバーボディも用意されていましたが、Z32型からは完全なる3ナンバーボディ車となっています。
ボディは完全なる2シーターモデルと、ミニマムなリアシートをもつ2by2の2種類が用意され(のちに2シーターボディをベースとしたコンバーチブルも設定)、それぞれホイールベースも異なる専用設計となっていました。
また、先代から引き続きオープンエアモータリングも楽しめる、Tバールーフ仕様を設定。2by2モデルは、全グレードがTバールーフ仕様となり、2シーターモデルにのみ、標準ルーフ仕様も設定されています(のちに2シーターのTバールーフ仕様は廃止)。
▲こちらがTバールーフモデル
▲コンバーチブルモデルも存在しましたターボモデルのエンジンは、1987年の東京モーターショーに登場したコンセプトカー「MID4-II」に搭載され、330psを発生させるVG30DETT型ツインターボエンジンをデチューンしたものを採用。
輸出仕様は300psとなっていましたが、日本仕様を販売するにあたっては、当時の運輸省から物言いがつき280psとなりました。これが長く続いた馬力規制のきっかけとなったのです。
なお、ノンターボモデルに搭載されるVG30DE型エンジンも230psを発生し、鼻先がターボモデルよりも軽量なことから、軽快なハンドリングをもつモデルとして高い評価を集めていました。ツインターボにこだわらないのであれば、あえてNAを選ぶというのも選択肢のひとつです。
▲VG30DETTはトルクも39.6kg・mとパワフル中古車の流通は少なく価格は総額70万円前後から
日本国内では6万5千台ほどが販売されたZ32ですが、最終型でも20年選手ということで、執筆時点での掲載台数は69台とそこまで多いとは言えません。その中でツインターボモデルとなると、28台と半数以下となってしまいます。
一時期のように、格安で販売されるような個体は淘汰されたのか存在せず、最も安い部類でも総額70万円前後からといった状況。手ごろな価格帯の車両は2by2のNA、ATモデルが中心で、年式も初期型に近いものがほとんどとなっています。
逆に高いものでは総額250万~300万円超のものも多く存在し、こちらはツインターボのMT車が中心。絶対数が少ない2シーターが高値と思いきや、もはや程度重視で2by2、2シーターを問わず、状態の良いものが高値となっています。
また、最終型と呼ばれる1998年10月以降のモデルに関してはわずか8台と、当時のスポーツカー人気の冷え込みをまざまざと実感する結果になりました。
ただし、価格の安い初期型に比べると、当然ながら各部がブラッシュアップされており経年劣化も少ないため、少々値段が張ったとしてもトータルでは安く済む可能性もあります。
ちなみに日本国内では、2000年8月まで生産が続けられたロングセラーモデルとして知られるZ32型ではありますが、実はメイン市場の北米や欧州では96年に販売が終了しています。
そのため、98年のビッグマイナーチェンジを受け、刷新されたエクステリアをもつ後期型は、日本国内でのみ販売されたため海外には存在しません。
この後期型、今後海外からの需要が高まり価格が高騰する可能性があるので、もしこれを狙うなら決断は早い方がいいでしょう。
また、実際に見ていただければ分かるように、ギュウギュウという表現がピッタリなくらい余裕のないツインターボモデルのエンジンルームは熱がこもりやすく、その結果細かなプラスチック製パーツなどの劣化が早いともいわれています。
さらに、そのギュウギュウぶりから整備性も決して良いとは言えず、予想以上に作業工賃が発生する可能性があるので注意が必要です。
そのため、価格や走行距離、年式といった表面上の部分だけでなく、Z32型フェアレディZに精通した店舗で購入するということが、選ぶうえで大切なポイントとなります。
▼検索条件
日産 フェアレディZ(4代目・Z32型)×ツインターボモデル×全国▼検索条件
日産 フェアレディZ(4代目・Z32型)×全国
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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