日本でも盛り上がり始めたツーリングカーレース‘‘TCR”に注目せよ【EDGE MOTORSPORTS】
カテゴリー: レース&イベント
タグ: ホンダ / アウディ / フォルクスワーゲン / ルノー / アルファ ロメオ / ヒョンデ / セダン / ハッチバック / メガーヌ / シビックタイプR / ジュリエッタ / i30 / EDGEが効いている / c!
2021/02/16
▲ツインリンクもてぎで開催されたTCRジャパンの2020年シリーズ第2戦。全日本スーパーフォーミュラ選手権開幕レースと併催された“リーズナブル”なマシンによる新カテゴリーに注目!
いま、世界的にFIA GT3マシンを使ったレースが隆盛を極めている。国内のレースでは、スーパーGT GT300クラスなどがその代表例だ。しかし、マシンは年々高性能、高価格化し、プロドライバーが多く参戦するようになり、カスタマースポーツ(アマチュアドライバー)のためのカテゴリーという本来的な側面は失われつつある。
そこで誕生した新カテゴリーのひとつが、TCRシリーズだ。車両は2L以下のターボエンジンを搭載するFWD 車、4ドアまたは5ドアコンパクトセダンをベースとしたマシン。2016年に世界18ヵ国、10戦のシリーズが始まり、F1のサポートレースとして実施されるなど人気が高まってきた。そうした中で、2017年末には当時の世界ツーリングカー選手権だったWTCC(FIA World Touring Car Championship)が、参戦するマニュファクチャラーの減少に伴いシリーズを終了した。それに代わってTCRインターナショナルが、世界選手権WTCR(FIA World Touring Car Cup )へと格上げされることになったのだ。
2020年シーズンの参戦マシンの顔ぶれを見てみると、アウディRS3、ルノー・メガーヌR.S.、アルファロメオ ジュリエッタ、ホンダ シビックタイプR、ヒュンダイ i30 、クプラ レオン、Lynk & Co 03などをベースとしたTCRマシン。ちなみにLynk & Coはジーリーグループであり、ボルボとプラットフォームを共用する新ブランド。日本には導入されていないが、欧州や中国などで若い世代に向けたブランドとして展開している。レース運営は、かつてボルボ S60でWTCCなどに参戦していた元ポールスターレーシング。現在はシアンレーシングと改名して、2020年のシーズンチャンピオンを獲得している。
▲2020年シリーズのチャンピオンはAudi Team Hitotsuyamaの篠原拓朗選手。車両はアウディ RS3 LMS日本でもスーパー耐久シリーズ(S.T.O.)と、TCRインターナショナル・シリーズ(W.S.C.)がパートナーシップ締結し、スーパー耐久にTCRシリーズ準拠の新カテゴリー「ST-Rクラス」を新設しており、アウディ RS3やホンダ シビックタイプRなどが参戦している。
TCRジャパンは2019年にスタート。国内で、フォルクスワーゲン ゴルフGTIやアルファロメオ ジュリエッタ、クプラ レオンなどのTCRマシンのレースを見ることができる。ちなみに昨年、フォルクスワーゲン ゴルフGTI TCRという限定車が発売されたが、これはTCRレース仕様の市販バージョンという位置づけとなる。
世界選手権であるWTCCは、ツインリンクもてぎでの日本開催もあったが、WTCRは現在、欧州をメインに韓国、中国、マカオで開催されており、今のところ日本戦の設定はない。しかし、TCRジャパンの新設でこれからさらに盛り上がりそうだ。ちなみにTCRマシンの価格はおおよそ1300万~1800万円くらい。安くても4000万~5000万円のGT3 を考えれば相当にリーズナブルだ。TCRに参戦するベースモデルをマイカーにするのも、EDGEな選択ではないだろうか。
▲2020年シリーズの模様。3月の富士スピードウェイでの合同テストの後、7月のスポーツランドSUGOでの第1戦から12月の富士スピードウェイでの第6戦までが開催された
▲マシンはTCRを統括するWSC社(World Sporting Consulting LTD)によってイコールコンディションに性能を調整される。TCRは2015年にWSCが立ち上げたツーリングカーレース
▲クプラはフォルクスワーゲングループで、セアトのスポーツブランドだ。セアト レオンのハイパフォーマンスモデルがクプラ レオン、そのTCRカーが写真(カーナンバー19)のモデルとなる【関連リンク】
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