直5エンジン、FF、ロングホイールベース……。絶滅危惧車のアコードインスパイアは「高級車異説」を唱えるモデルだ!
カテゴリー: 特選車
タグ: ホンダ / アコードインスパイア / 絶滅危惧車 / 古賀貴司
2019/01/05

売れに売れた高級車の異端児
1989年9月、4代目アコードの登場から1ヵ月後、アコードインスパイアがデビューした。
ホンダの高級車、レジェンドが投入されて以来、アコードとレジェンドに生まれたラインナップ上の“隙間”を埋める上級小型セダンであった。
姉妹車として「ビガー」と呼ばれるモデルも投入された。
アコードインスパイアは、FFミッドシップレイアウトにショートオーバーハング、ロングホイールベースのハードトップセダンだった。
ショートオーバーハングでハンドリング性能を、ロングホイールベースで高速安定性を追求したカタチだ。
ホイールベースに至っては2805mmで、同時期のレジェンドより長かったというから驚く。
この頃、3ナンバーはレジェンドにのみ許された“贅沢”で、アコードインスパイアは5ナンバー枠に収まるよう、当初は2Lエンジンでデビュー。
一般的に2Lエンジンであれば4気筒でも十分なのだが、高級を目指したからにはトルクフルに仕上げる必要があった。
かといって、6気筒エンジンにするとサイズが大きすぎ、アコードインスパイアのボディには収まらない。

そこで新開発されたのが、2L 5気筒エンジンだった。
しかも通常であればFF車はエンジンを横置きにするものだが、アコードインスパイアでは縦置きされることになった。
物理的に横置きにできなかった、ということもあるが縦置きを工夫することでフロントミッドシップ・レイアウトになり、FF車としては理想の前後重量配分60:40を実現することにもつながった。
FF、5気筒エンジン、ロングホイールベース、という組み合せから「高級車異説」という当時のキャッチコピーにも納得できる。
内装へのこだわりはレジェンド譲りで、どことなく英国車の雰囲気が漂う。
これは初代レジェンドから培ったノウハウで、当時ブリティッシュ・レイランド(後のローバー社)との技術提携関係のたまもの。
AX-iとAG-iというグレードには天童木工製の木目パネルが奢られ、柄が揃うように一枚板を使う贅沢ぶりだった。
本革シートには高級ななめし革が用いられ、今見ても色あせない普遍的な高級感すら漂っているのは不思議だ。


アコードインスパイア、売れに売れ、当時のアコードの2倍は売れたという。
まぁ、時代はバブル景気真っ只中で、より高級なものが求められた時代だった。
1992年にはマイナーチェンジし、排気量が2.5Lまで引き上げられ3ナンバーサイズへと“格上げ”された。と同時に「アコード」という名称が車名から外された。
デビューから29年選手とあって、もうカーセンサーnet掲載物件はごくわずかになってしまった。
開発予算が潤沢にあったことを感じさせる、“異説”ぶりは今味わっても面白いはずだ。
ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!
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