フォルクスワーゲン タイプⅠ(ビートル)の中古車価格と維持が不安な人に贈る「ほぼ同額で代わりにコレ、どうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: スズキ / フォルクスワーゲン / ルノー / フィアット / ハッチバック / カングー / ジムニーシエラ / タイプI / 500(チンクエチェント) / ザ・ビートル / 伊達軍曹
2024/09/03
▲世界中で愛され続けている「ビートル」ことフォルクスワーゲン タイプⅠを「いつかは買いたい」と思っている人も多いはずですが、その平均価格は昨今上昇しており、年式ゆえのメンテナンスの不安もつきまといます。ならば、ビートルを買った場合と同じような満足が得られる「別の車」をチェックしてみるのも、ひとつの手かもしれません昔は総額100万円以下でも余裕で買えたのだが
「ビートル」の通称で愛され続けているフォルクスワーゲン タイプⅠ。1938年から2003年までの長きにわたって作り続けられた、言わずと知れた世界的名車です。
そんなフォルクスワーゲン タイプⅠに対して「いつかは……」と思い続けている人は少なくないだろうと推測しますが、残念ながらフォルクスワーゲン タイプⅠの中古車価格は今、世界的な「ちょっと古いモノ人気」の影響を受けて上昇中です。
昔は総額100万円ぐらいの予算を用意していけば余裕で買うこともできたタイプⅠですが、現在、カーセンサーnetに「タイプⅠ」という車名で登録されている物件の平均価格は、筆者が手動集計したところによれば323.6万円。同じくカーセンサーnetに「ビートル」という車名で登録されている物件の平均価格は214.1万円です(どちらも2024年8月下旬現在、筆者調べ)。
▲じりじりと中古車平均価格が上昇しているフォルクスワーゲン タイプⅠこの平均価格は1950年代や60年代の希少物件が引っ張り上げている部分もあるわけですが、それにしてもここ数年で「ビートルは高くなってしまった」と言うことはできます。また、最終年式から数えても20年をすでに超えているため「メンテナンスが不安だ(維持できるかどうか不安である)」という人も少なくないでしょう。実際、タイプⅠは現代の車と違ってメンテナンスフリーではないため、そこそこ手がかかることは事実です。
であるならば、直近のフォルクスワーゲン タイプⅠ(ビートル)の中古車価格と同じぐらいの予算で買えて、ほぼ同じぐらいの満足を得られて、なおかつメンテナンスの不安もほとんどない車をとっとと入手した方が、人生のクオリティは上がるのではないか――という考え方も成り立つはずです。
とはいえ本当にそんな選択肢があるのかどうかわかりませんが、ここはひとつ真剣に考えてみることにしましょう。
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フォルクスワーゲン タイプⅠ × 全国タイプⅠの代わりその①|フォルクスワーゲン ザ・ビートル
想定予算:総額160万~290万円
▲2011年に発売された「フォルクスワーゲン ザ・ビートル」。写真はマイナーチェンジ後の後期型順当なところではコレでしょう。フォルクスワーゲン タイプⅠの(ある意味)直系子孫にあたる、日本では2011年11月に受注開始となった1台です。
タイプⅠのオマージュモデル第1弾として登場したフォルクスワーゲン ニュービートル(1999~2010年)もなかなか素敵ではあるのですが、もはやそこそこ古い車に属する世代であるため、今回の前提条件のひとつである「メンテナンスの不安がほとんどない」という部分には合致しづらいものがあります。
しかし、オマージュモデル第2弾であるザ・ビートルであれば、年式的に考えて「メンテナンスの不安」は比較的少ないでしょう。それでいて「タイプⅠ(ビートル)と似た世界観の内外装デザインは、存分に味わうことができるわけです。
▲ザ・ビートルのインテリアはこのようにポップな世界観でまとめられているザ・ビートルのエンジンはタイプⅠと違って水冷方式であり、駆動方式も異なるため、乗り味はぜんぜん違います。しかし「フォルクスワーゲン タイプⅠの正式な末裔である」という部分に、けっこうな意義と満足は見いだせるはず。
前期型は総額50万円ぐらいから探すことができますが、メンテナンス面での不安が比較的少ない2017年式以降の後期型の価格イメージは下記のとおりです。
●デザイン:総額160万円~230万円
●Rライン:総額220万~290万円
「デザイン」と「Rライン」の搭載エンジンは2Lではなく1.2Lの小排気量ターボですが、パンチ力は普通に十分です。
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フォルクスワーゲン ザ・ビートル × 全国タイプⅠの代わりその②|フィアット 500(3代目・現行型) ツインエア
想定予算:総額120万~280万円
▲こちらがフィアット 500。推しは0.9Lの2気筒ターボエンジンを搭載する「ツインエア」フォルクスワーゲン タイプⅠと同じ「空冷エンジンを搭載する軽量なRR車」ではありませんが、タイプⅠと同じく「スマイリーでハッピーな車」であり、なおかつ「小気味よく走らせることもできる車」なのが、こちらフィアット 500です。ご承知のとおり往年のフィアット ヌオーヴァ500のオマージュモデルですので、フォルクスワーゲンのザ・ビートルやニュービートルに近い存在とも言えるかもしれません。
こちらもザ・ビートルと同じく乗り味も駆動方式もタイプⅠとはまったく異なるのですが、0.9Lの2気筒ターボエンジン「ツインエア」を搭載しているグレードであれば、「速いわけではないが、軽量であるせいか、普通に運転しているだけでなんだか妙に気持ちいい」という、フォルクスワーゲン タイプⅠにどことなく似た運転フィールを味わうことができます。
▲なんとなくご先祖様(ヌオーヴァ500)のテイストを感じさせるフィアット 500のインテリアまた、ヌオーヴァ500に通じるちょっとレトロな内外装デザインも、ビートルがお好きな人であれば嫌いじゃないはず。そして、2016年1月に行われたマイナーチェンジを経た世代の中古車であれば、メンテナンスに関する不安もさほどありません。
ただし、セミATの「デュアロジック」は走行距離が延びてくるとやや微妙になることもあるのですが、走行3万km台までの物件に限ったとしても、フィアット 500は下記のとおりの手頃な価格で見つけることができます。
●ツインエア ポップ:総額120万~190万円
●ツインエア ラウンジ:総額130万~200万円
●ツインエア カルト:総額160万~240万円
●ツインエア ドルチェヴィータ:総額220万~280万円
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フィアット 500 (3代目・現行型) × ツインエア × 全国タイプⅠの代わりその③|ルノー カングー(2代目)
想定予算:総額100万~230万円
▲通算では2代目となる先代ルノー カングー。写真のグレードはゼン(6MT)これまたフォルクスワーゲン タイプⅠとはなにもかもが異なる、フロントエンジンの箱型MPVです。そのため「なんでカングーがビートルの代わりなんだ!」という苦情も出てきそうです。
しかし、フィアット 500の場合と同じく、先代ルノー カングーの「スマイリーでハッピーな空気感」はビートルにちょっと通じる部分があり、「おおらかな運転感覚」も、今となってはややユルい部分もあるビートルのニュアンスに(少しだけ)重なる部分があるように思えます。
フォルクスワーゲン タイプⅠの代わりに先代ルノー カングーで行くとする場合、狙い目となるのは、1.2Lのターボエンジンを搭載した2014年5月以降の「カングー ゼン(6MT)」でしょう。
▲4速ATの先代カングーはややもっさり感もあるが、1.2Lターボに6MTを合わせたグレードであれば、かったるさやもっさり感はほとんど感じないそれ以前の初期型(デザイン変更される前の世代)はさすがにちょっと古いですし、普通の1.6L自然吸気直4に4速ATを合わせたモデルは少々のかったるさも感じられるため、フォルクスワーゲン タイプⅠの「軽くキビキビした感じ」とは大きく異なります。
しかし、1.2L直4ターボに6MTを組み合わせたゼンであれば、加速はまずまず俊敏です。そしてカングーの方が重量があるためニュアンスはちょっと異なるのですが、ビートルにも少だけし通じる「軽快な走り」を楽しむことができます。
先代ルノー カングー ゼン(6MT)の中古車価格は2024年8月下旬現在、総額100万~230万円といったところ。総額180万円前後で、中古車として見た場合に好バランスな1台が見つかることでしょう。
▲欧州でフルゴネット(ライトバン)として愛されているカングー。独特のかわいらしさで日本でも人気になっている。写真はこちらが2021年7月に登場した「リミテッド」▼検索条件
ルノー カングー(2代目) × ゼン × 6MT × 全国タイプⅠの代わりその④|スズキ ジムニーシエラ(3代目・現行型)
想定予算:総額210万~250万円
▲超本格軽オフローダーである「スズキ ジムニー」の普通車版である現行型スズキ ジムニーシエラ前項にて、先代ルノー カングー ゼン(6MT)について「フォルクスワーゲン タイプⅠに若干通じる部分がある」との旨を申し上げました。しかし、あらためて冷静に考えてみると、車両重量1430kgのカングー ゼン(6MT)は、1978年式1200LEの場合で同830kgだったビートルの動きのニュアンスと比べると、あまりにも違いすぎるかもしれません。
であるならば、例えば車両重量1080kgである現行型スズキ ジムニーシエラでどうでしょうか?
ご承知のとおりジムニーシエラは、本格軽オフローダーであるスズキ ジムニーの登録車版で、現行型は最高出力102psの1.5L直4自然吸気エンジンを搭載しています。
▲ジムニーシエラの運転席まわりはこのようなデザイン。写真は上級グレード「JC」の4速AT車これもRRの空冷エンジン搭載車であるビートルとはまったく異なる水冷エンジンのパートタイム4WD車ではあるのですが、「スマイリーでハッピーな空気感を持つ車である」という点と「軽量である」という部分において、フォルクスワーゲン タイプⅠの代わりがある程度務まるのではないかと、個人的には思います。また「カスタマイズをするためのパーツが豊富である」という点も、ビートルに少しだけ似ているかもしれません。
そんな現行型スズキ ジムニーシエラの中古車価格は総額210万~600万円と上下に幅広いのですが、ちょうどいい塩梅の狙いどころは210万~250万円といったところ。ジムニーシエラを入手すれば「悪路も走れる」ということで世界も広がりますので、なかなか悪くない選択ではないかと思う次第です。
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スズキ ジムニーシエラ(3代目・現行型) × 全国タイプⅠの代わりその⑤|フォルクスワーゲン タイプⅠ(メキシコ製)
想定予算:総額130万~200万円+メンテナンス代
ここまでに4車種の「ビートルの代わりになりそうなモデル」を挙げてまいりました。しかし、我ながら思うのは「どれも無理やりだなぁ……」ということです。
いや、もちろん心にもない嘘八百を申し上げたつもりはないのですが、「無理やり感」があることは否めない――ということです。要するにビートルことフォルクスワーゲン タイプⅠとは、あまりにもキャラが立った車であるがゆえに“代わり”が存在しないのです。唯一無二なわけです。
であるならばもう、他の車種を買ってお茶を濁すかのように自分の心をごまかすのはやめにして、「ビートルが欲しいならビートルを買う!」という真っ向勝負を挑むしかないでしょう。それが、唯一の根本的な解決策です。
とはいえ1978年式までの西ドイツ製ビートルは価格も高騰していますし、もはや46年以上前の車であるため、なんだかんだで維持もラクではありません。
しかし、西ドイツの工場での生産が終了してからも2003年まで作り続けられた「メキシコ工場製のビートル(通称メキビー)」であれば総額100万円台の予算で車両を入手できますし、年式的に新しい分だけ、メンテナンスも比較的――あくまで「比較的」ですが――容易です。
となれば、先ほども申し上げたとおり他の車種でお茶を濁すのではなく、メキシコ製ビートルでもって「本当のビートル生活」を送る方が、実は何倍も幸せになれるのではないでしょうか?
▲こちらがメキシコ製のフォルクスワーゲン タイプⅠ。写真は2003年のファイナルモデル
▲2003年の最終エディションがリアに搭載したエンジンは1.6Lの空冷水平対向4気筒OHV
▲1960年代頃のものと比べるとグッと現代的になっている2003年式ビートルの運転席まわりとはいえ、もちろん“メキビー”もメンテナンスフリーなんかではありませんし、乗り味や部品の精度などの部分で、西ドイツ製の「本物のビートル」とは少し違ったりもします。
それでも「代替品でお茶を濁す」という行為よりは断然ステキなはずですし、ビートルは今もなお世界的に愛されている車であるため、部品はいくらでもあります。そして頼りになる専門店も多数存在しています。また、ビートルはシンプルな作りの車ですので、専門店の手で一度しっかり直してもらえば、その後はそうそう頻繁に手間とお金がかかるわけでもありません。
そういった専門店の力を借りながらメキシコ製ビートルを楽しむ――というのが、筆者からの最後の提案です。もしもご賛同いただけたならば、カーセンサーnetにてフォルクスワーゲンの「タイプⅠ」および「ビートル」を年式が新しい順にソートして、1979年式以降の物件をチェックしてみてください。かわいくてハッピーでスマイリーな“メキビー”が、きっと見つかるはずです。
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メキシコ製 フォルクスワーゲン タイプⅠ × 全国※記事内の情報は2024年8月29日時点のものです。

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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