“タルケンおじぃ”の相棒は、恐竜がペイントされた最強のメルセデス・ベンツ Eクラスワゴン
2019/09/03
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
車がキャンバスに! 世界に1台の“重戦車ベンツ”
沖縄の道路で、道行く人々の視線を集める車がある。カメラマン 垂見健吾さんの愛車、通称“重戦車ベンツ”だ。
ご覧の通り、ボディにはデカデカとイラストが描かれているが、特別仕様車や限定車というわけではない。自らカスタムしたオリジナル。世界に1台の恐竜仕様車だ。
「2年前、下田昌克というアーティストに沖縄で個展を開いてもらったんです。彼は後輩でね。恐竜をモチーフにしたおもしろい作品を作るんですが、その期間中にふと思いついて“俺の車にも描いてくれ!”ってお願いしたんですよ」
驚いた。下田昌克さんといえば、2018年のパリコレで、コム・デ・ギャルソン・オムプリュスのモデルたちがまとった“恐竜のスカル”を手がけ、一躍有名になったアーティストである。
完全なる“思い付き”だった。しかし、かの有名なアーティスト下田氏はその話に乗り、個展会場には垂見さんのメルセデス・ベンツ Eクラスが運び込まれた。
画材は、垂見さんが買ってきた「車用塗料」。一般的にこすり傷などを隠すための品である。
下田氏は、ライブビューイングなどと銘打つわけでもなく、会の合間を見て作画を進めた。そして、3~4日ほどで「ヴェロキラプトル」「ティラノサウルス」「ステゴサウルス」が産み落とされた。
……繰り返すが、かねてから構想があったわけではない。一般的な塗料で、下絵などなく、氏の一発描きで完成したアートだ。
これまでも、これからもこのEクラスと共に
垂見さんが、ここ沖縄に移り住んだのは30年以上前のこと。
その明るく大らかな人柄が、うちなんちゅ(沖縄県民)と相性抜群だったのだろうか。今では多くの仲間に囲まれ“タルケンおじぃ”の愛称でみんなから愛されている。
カメラマンの仕事は全国から依頼がくるため、東京にも事務所を構えているが、住居を沖縄から移すつもりはないそうだ。仕事の際は、沖縄から全国へ飛び回る。
このEクラスベンツは、沖縄での愛車3台目にあたり、もう20年近く愛用しているという。
愛車遍歴は割愛するが、移住する前はサーキットに通っていた時期もあり、「レーサーになりたい!」とも考えた、俗にいう“車好き”だ。
「もともと、おじぃ(自分)よりも丈夫に長持ちするように、と選んだ車なんです。実際によく走ってくれてますから“重戦車ベンツ”って呼んでます。それにこの恐竜ペインティングでしょ。最強やっさぁ~」
重戦車ベンツは、これからもタルケンおじぃのうちなーライフを楽しく頼もしく支えていくのだろう。
垂見健吾さんのマイカーレビュー
メルセデス・ベンツ Eクラスワゴン(初代)
●購入金額/約370万円
●年間走行距離/約5000㎞
●購入する際に比較した車/特になし
●マイカーの好きなところ/すごく頑丈なところ
●マイカーの愛すべきダメなところ/修理にお金がかかるところ
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/(ボディをオリジナルでペイントすることは)個性的なものが欲しい人にオススメしたい
インタビュアー
井上恵利
カーセンサー編集部員。メカ的なことにはめっぽう弱いザ・文系女子。「自動車メディアには珍しい20代女子!」とちやほやされ調子に乗っていたら、いつの間にかアラサー独女となってしまいキャラ設定に迷走している。人生初のマイカーは8万円で買ったホンダ モビリオスパイク
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