世界中のファンを大いにざわつかせた、シトロエン C6【Back to SEDAN】
2020/08/03

車好きにとっての終着点。それがセダン。最もオーソドックスなスタイルにして、最もバリエーションが豊富なセダンの中から名車たちを紹介。今回はシトロエンのフラッグシップモデルとして2005年に登場したC6です
宇宙船を思わせるようなシトロエン独自のデザイン
シトロエンの歴代のフラッグシップモデルであるDS、CX、XMに続くモデルとして2005年に登場したのがC6だ。 DS、CX、そしてこのC6はフランス大統領の公用車として採用されてきた由緒正しいモデルでもある。
DSから連綿と続く、フロントに比べて極端に短いリアのオーバーハングや、特徴的なリアウインドウのグラフィックなど、宇宙船を思わせるようなシトロエン独自のデザインはC6にも受け継がれている。
XMの生産終了から約10年を経て復活したフラッグシップモデルC6は世界中のシトロエンファンを大いにざわつかせた。
日本仕様のパワートレインは最高出力215ps、最大トルク30.5kg・mを発生する3L V6のガソリンエンジンに、アイシンAW製6速ATの組み合わせ。 全車FFで、日本では2006年から2010年にかけ、右ハンドル仕様が約600台販売された。
ハイドロニューマチックサスペンションは、「ハイドラクティブⅢプラスサスペンション」へと進化し、 形式はフロントがダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク。電子制御式で油圧とエアサスを融合したサスペンションが、一般的なバネを使ったものとはひと味もふた味も違うシトロエンらしい独特の乗り味を実現していた。
また、路面状況や走行状況に応じてロードクリアランスを調整するハイトコントロール機能を備えているうえ、スイッチ一つで車高調整が可能。「ノーマルモード」と「スポーツモード」のドライブモードは自動で切り替わるほか、任意での選択もできる。
インテリアのデザインは、シンプルかつクリーン。デジタル式のメーターパネルに加えてヘッドアップディスプレイを装備。 シートはフランス車らしく容量たっぷりで、やさしく包み込まれるような着座感が味わえる。
本国では、2.2L 直4ターボディーゼルや2.7L V6ターボディーゼルエンジンを搭載したモデルが主流。数はそれほど多くはないものの、日本へ並行輸入されたディーゼルモデルが存在している。
C6のすいような乗り味は、トルクフルなディーゼルエンジンとのマッチングも良い。
中古車市場での流通量は年々減少傾向にある。購入を検討している人は、程度良好な1台との出合いを最後のチャンスと考え、迷わず買いの選択を。
▲ボディサイズは、全長4910mm×全幅1860mm×全高1465mm。シトロエンのエンブレムであるダブルシェブロンをあしらったフェイス、フロントに比べてリアのオーバーハングが極端に短いという独特のスタイルが特徴
▲サッシレスのサイドウインドウや凹型のリアウインドウなど、他のセダンとは明らかに異なるスタイリングで唯一無二の存在。ハイドラクティブⅢプラスによるふんわりとした乗り心地もシトロエンらしい仕立てといえる
▲快適性と洗練性を追求したというインテリアのデザインテーマは「テクノゼン」。ゼン=禅は日本文化をヒントにしたもので、使用する素材などシンプルさにこだわり「もてなす心」を演出したという【関連リンク】
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