日産 ルークス ▲2020年2月にフルモデルチェンジを果たしたルークスは標準モデル(左)とハイウェイスター(右)の2本立て

装備充実の最後発スーパーハイト軽ワゴン、ルークス

今を時めくスーパーハイト軽ワゴンの中でも、最も後発(執筆時点)となるのが、2020年2月にフルモデルチェンジを果たした日産 ルークスです。

三菱自動車との合弁会社NMKVで共同開発したこのモデル。実質的な先代モデルとなるデイズルークスは三菱主導で開発がなされていましたが、新型は日産主導となったことで、パワートレインやプラットフォームも一新されています。

650mmを誇る大開口のスライドドアはもちろん、ロアグレードの「S」以外には車体下に足をかざすだけで開閉できる「ハンズフリーオートスライドドア」を採用。電動スライドドアが閉まる前にドアロックの予約が可能な「前ドア連動ロック機能」など、使い勝手に優れる装備が備わるのはさすがといったところでしょうか。
 

日産 ルークス ▲買い物後や雨の日など、両手がふさがった状態でも足の動きだけでスライドドアの操作ができる「ハンズフリーオートスライドドア」

また、先進安全装備は衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い衝突防止アシストに加え、車線逸脱防止支援システム、前方衝突予測警報、ふらつき警報、などなど多数の機能が全車標準装備に。

一部グレードには、万が一のときの通報機能を備えた「SOSコール」も備わる徹底ぶりです。
 

日産 ルークス ▲「SOSコール」は社会問題となっているあおり運転時にも効果的と話題となった装備

さらに、運転支援システムの「プロパイロット」装着グレードも用意されており、これを活用すれば加減速やステアリングアシスト、停止保持もしてくれます。長距離移動の疲労軽減に大きくつながるため、余裕があればぜひ選んでおきたい装備です。
 

日産 ルークス ▲運転支援システムの「プロパイロット」にはステアリングアシスト機能も備わるため、長距離移動が非常に楽なものに

パワートレインはターボとノンターボが用意されるのは従来型と共通です。エンジンは一新され、全車マイルドハイブリッド仕様となるのが大きな違いです。

そんなルークスのグレードは大きく分けて、標準仕様とエアロ仕様の「ハイウェイスター」、そしてオーテックジャパンが手がける「AUTECH」となります。
 

日産 ルークス ▲標準仕様のフェイスは三菱 eKスペースとほぼ共通となるが、ハイウェイスターのエクステリアは日産独自のものとなる

この中で、ターボエンジンやプロパイロットが設定されるのはハイウェイスターのみ。

標準仕様とAUTECHには設定なしというのはやや残念です。どうしても標準仕様のルックスが好みでプロパイロットが欲しいという人は、兄弟車関係にある「三菱 eKスペース」には該当する組み合わせがあるので、そちらをチェックするのもいいかもしれません。

このように、最後発だけにユーザーが求める装備がほとんど備わっていますが、最上級グレードとなると、新車時には車両本体価格だけで200万円に迫る勢い(4WDだと200万円超)というのがつらいところ。

しかし、中古車に目を向けてみると、およそ2年でかなり平均価格が下がってきているのです。
 

現行型日産 ルークスの気になる中古車平均価格と流通台数の推移は?

日産 ルークス

新型登場直後は、中古車平均価格は180万円台で推移していましたが、2021年2月に150万円台に入るとなだらかに下降を続けています。そして、2022年1月の時点では153.8万円と当初よりも25万円以上も価格が下がってきているのです。

一方の掲載台数は、一気に増えて一時は2500台を超えるほど。現在は落ち着いていますが、それでも1700台ほどが安定して流通しているので選びたい放題といったところでしょう。

では、今現行型ルークスを狙うのであればどんな仕様がいいのか、ここからはいくつか例を挙げてみたいと思います。
 

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日産 ルークス(現行型)×全国

家族のメインカーとして毎日使いたい!
ターボエンジンモデル × プロパイロット搭載車

日産 ルークス ▲ターボエンジンやプロパイロットは上級グレード扱いの「ハイウェイスター」のみに設定される

メインカーとして、近所のアシからレジャーまで幅広く使いたいと考えているのであれば、動力性能に余裕のあるターボエンジンモデルがオススメ。それに加えて、長距離移動では、運転アシストによって疲労軽減をしてくれるプロパイロットを搭載したグレードを選ぶのがいいでしょう。

現行ルークスでは、ターボエンジンは「Gターボ」、プロパイロットは「プロパイロットエディション」に搭載されているため、中古車を検索するときに迷うことがないというのがありがたいポイントです。
 

日産 ルークス ▲プロパイロットに完全に頼った運転はNGだが、加減速やステアリングといった操作をアシストしてくれるのは魅力的

その条件では、およそ100台がヒット。そのうち20台弱は登録済未使用車となっています。総額で180万円台前半で狙える物件もあり、最も安いものがそちらになります。

Gターボプロパイロットエディションの新車価格は約193万円ですから、納期を待たないでいいメリットに加えて、諸費用分+10万円以上安い計算になるのは魅力的と言えるでしょう。
 

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日産 ルークス(現行型)×Gターボ ×プロパイロットエディション ×全国

安さと最低限の安全装備はマスト!
X系グレード × 修復歴なし × 支払総額150万円以下

基本的に近所の移動にしか使わないので、ターボもプロパイロットも必要ないけれど、先進安全装備は備わっているモデルが手頃な価格で買えたらな~と思っている人には、非ハイウェイスターのX系グレードをオススメします。
 

日産 ルークス ▲プレーンなルックスの標準モデルには「S」系と「X」系が用意されるが、「X」系であれば一通りの装備が標準で備わる

先進安全装備は標準で一通り揃っているのに加え、車体下に足を入れることでオートスライドドアの開閉ができる「ハンズフリーオートスライドドア」が備わっています(助手席側は標準、運転席側はオプション)。

そのため、買い物などで両手がふさがっている状態でもスライドドア操作ができるため、日常の相棒としては最適なのです。

そんなX系グレードを修復歴なし、支払い総額150万円以下で検索すると80台近くが該当。

その中で走行距離が1万kmを超えている物件はわずか2台のみ。登録済未使用車でも支払い総額130万円台と、ターボ+プロパイロット付きモデルよりも50万円近くも安く乗り出せる点は要注目です。
 

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日産 ルークス(現行型)×支払い総額150万円以下 ×X系グレード ×修復歴なし ×全国

プレミアムグレードでリッチに!
「AUTECH」系グレード

日産 ルークス ▲専用ボディカラーの通称「AUTECHブルー」など、エクステリアにもこだわりがつまっている

街中で多く見かけるだけに、オリジナリティを出したい人にとっては悩ましいところ。そんな人にオススメしたいのが、プレミアムグレードとなる「AUTECH」です。

ベースは前述のX系グレードとなりますが、内外装にAUTECHならではのスペシャルな架装が施されています。

特に、内装には専用カラーの本革巻ステアリングやレザー調インストパネル、レザー調・トリコットのコンビシートには撥水加工までなされています。
 

日産 ルークス ▲乗るたびに目にすることになるインテリアも特別なものになるので、スペシャル感は倍増だ

そんな少し個性を出しつつプレミア感を醸成してくれる、AUTECHグレードは中古車物件としても希少な存在。

2022年3月執筆時点の掲載台数はわずか10台以下。すべてが走行距離5000km以内となっていますが、価格は総額160万円弱から200万円超まで幅広く、ナビなどの装備差が価格に反映されているようです。

新車で狙うよりは、オプション装着費用などの分いくらか安く手に入れることができますので、予算に余裕があり、プレミアム感を楽しみたい人は、早めに動くことをオススメします。
 

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日産 ルークス(現行型)×AUTECH 系グレード ×全国

今回はスーパーハイト軽ワゴンの現行型、日産 ルークスの中古車をチェックしてみました。

さすが、最後発モデルだけあって装備も充実していますが、その分新車時には価格が高いのが悩ましいところ。

しかし、中古車として狙えば20万円以上少ない予算で狙うこともできますから、かなり現実的な価格で狙いやすいと言えるのではないでしょうか。
 

▼検索条件

日産 ルークス(現行型)×全国

※記事内の情報は2022年3月3日時点のものです。
 

文/小鮒康一、写真/日産
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。