ポルシェ マカン ▲高値安定状態が続いていた大人気のプレミアム輸入SUV「ポルシェ マカン」の中古車平均価格が、この1年間で60万円以上ダウンしているとのこと。ならばその購入を真剣に検討してみるしかない! ということで「今オススメのポルシェ マカン」について集中的に考えてみることにしましょう!

ポルシェ マカンの中古車平均価格が1年で65万円も安くなった!

ポルシェ 911譲りの運動性能と、SUVとしての実用性の高さ、そして日本の道路でのジャストなサイズ感などから大人気となっている輸入SUV「ポルシェ マカン」。

ポルシェゆえに、そして大人気ゆえに新車価格も中古車価格ももちろん基本的には高額なわけですが、そんなマカンの中古車平均価格が今、そこそこ大きくダウンしています。

まずは下のグラフをご覧ください。
 

ポルシェ マカン

ずっと上げ基調だったポルシェ マカンの中古車平均価格でしたが、2023年の春先から下降トレンドに転じ、直近の2024年1月には少し上昇していますが、それでも前年の同月と比べて約65万円ものダウンを記録しています。

そして中古車の流通台数も、今が過去3年間の中で最多となっています。

この記事では、比較的狙いやすい状況になってきたポルシェ マカンのモデル概要を今一度整理するとともに、「今現在のオススメグレード」をケース別に考えてまいります。
 

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ポルシェ マカン(初代・現行型) × 全国
 

【モデル概要】ポルシェ初となる「ちょうどいいサイズのSUV」

ポルシェ マカンは、日本では2014年2月に予約受注が始まったポルシェ初のコンパクトSUV。コンパクトといっても「グローバル基準では」であって、全長4680mm×全幅1925mm×全高1625mmというボディサイズは、日本においては「ミドルサイズ」と呼ぶべきでしょう。

基本設計は同時期のアウディ Q5と共有し、プラットフォームも「MLBプラットフォーム」を採用していますが、Q5よりも幅広く、低くなったボディや、ちょっと911的なフォルムなどにより、アウディ Q5との共通性を見いだすのは困難です。
 

ポルシェ マカン▲こちらが2014年に上陸したポルシェ マカンの前期型。写真のグレードはマカンS
ポルシェ マカン▲前期型のリアビュー。デザインモチーフは2013年に発売された「918スパイダー」であるとのこと
ポルシェ マカン▲前期型マカンSのインテリア。トランスミッションは全車7速PDK

搭載されるパワーユニットは基本的には4種類。後のマイナーチェンジで最高出力などは少々変わってきますが、前期型で用意されたのは、ベースグレードである「マカン」が搭載する最高出力237psの2L直4ターボと、高出力版である「マカンS」が積む同340psの3L V6ターボ、そして「マカンターボ」の同400psをマークする3.6L V6ターボと、マカンSとマカンターボの中間に位置する「マカンGTS」が搭載する同360psの3L V6ターボ。

ちなみにこれらの他、「マカンターボパフォーマンス」という、同440psの超高出力版もラインナップされました。トランスミッションはいずれも7速PDKで、駆動方式はフルタイム4WDです。

2018年11月から2020年1月にかけて各グレードのマイナーチェンジを順次行い、カイエン譲りとなるエクステリアデザインを採用。新デザインのLEDヘッドライトや「PORSCHE」のロゴが入ったリアガーニッシュ、4灯式ブレーキランプを内蔵する新しいテールライトなどが、前期型と異なるポイントです。

インテリアでは10.9インチに拡大したフルHDタッチスクリーンをセンターコンソール上部に配置した他、「ポルシェコミュニケーションマネージメント(PCM)」と呼ばれるコネクティビティシステムも搭載されました。

また、このマイナーチェンジでは各グレードのエンジンも刷新され、それぞれの最高出力などが向上しています。
 

ポルシェ マカン▲2018年12月から2020年1月にかけて順次マイナーチェンジを受けた「中期型」に相当する世代。同世代の911などと似た4灯式LEDヘッドライトなどが採用された
ポルシェ マカン▲中期型ではテールランプも左右がつながっている新世代のデザインに変更されている
ポルシェ マカン▲10.9インチに拡大したフルHDタッチスクリーンの他、歩行者検知機能を含むブレーキアシスト機能やアダプティブクルーズコントロール、レーンチェンジアシスト、サラウンドビュー付きパークアシストなども標準装備

そして2021年7月には二度目のマイナーチェンジを実施。各グレードのエンジンはさらにパワーアップされ、「ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)」をマカンにオプション設定し、マカンSとマカンGTSには標準装備となりました。

二度目のマイナーチェンジではエクステリアも刷新。新しい立体構造を用いたフロントバンパーが標準装備されるとともに、同様の構造を用いたサイドブレードもオプションで選択可能。そしてLEDヘッドランプ「ポルシェダイナミックライトシステム(PDLS)」とスポーツデザインエクステリアミラーが全モデルで標準装備となり、ホイールも大径化されています。

インテリアでは、タッチパネル式のセンターコンソールやコンパクトになったシフトセレクターレバー、新デザインの「マルチファンクションGTスポーツステアリングホイール」などが特徴となります。

その後2022年2月には、マカンとマカンSの間に位置する「マカンT」を追加。これは、エンジンこそ後期型マカンと同じ最高出力265psの2L直4ターボですが、軽量化とともに、強化されたフロントスタビライザーを標準で採用するなど、さらにシャープなドライビングが堪能できる仕様になっています。
 

ポルシェ マカン▲フロントバンパーがより立体的な形状となり、黒い縁取り状の意匠も加えられた2021年7月以降の後期型。写真のグレードはマカンS
ポルシェ マカン▲シフトセレクターはコンパクトになり、センターコンソール上のスイッチ類もタッチパネル式に

なお、日本では2023年2月下旬現在でも純エンジン車の後期型が新車として販売されていますが、本国では同年1月、フル電動のBEVとなった2代目ポルシェ マカンが発表されています。

これらを踏まえ、以下からは今のオススメを検討してみましょう。
 

 

【中古車のオススメ1】とにかく安く狙いたいなら「総額300万円台の初期型マカンまたはマカンS」

ポルシェ マカンを「とにかく安く狙いたい!」というのであれば、狙うべきは最初期の、つまり2014~2015年式付近の「マカン」または「マカンS」です。この年式の両グレードであれば、走行5万km以下の物件を総額300万円台の予算で入手できるでしょう。
 

ポルシェ マカン▲写真は最高出力340psの3L V6ツインターボを搭載する前期型マカンS

前期型のマカンは、前述のとおり最高出力237psの2L直4ターボを搭載するベースグレードで、マカンSは同340psの3L V6ターボ搭載の高出力版。問題は、これらのうちどちらを選ぶべきかということですが、これがなかなか難しい問題です。

まずは中古車の流通事情の観点から考えてみると、比較的狙いやすいのは、意外にも高出力版であるマカンSの方です。総額300万~399万円で、なおかつ「走行5万km以下」という条件に当てはまる物件の数はマカンよりもマカンSの方が若干多く、そして両者の中古車価格にそれほど大きな違いはないからです。

それゆえ、「どうせなら2L直4のマカンより、3L V6ツインターボであるマカンSを選びたい」と考える人は多いでしょうし、筆者も個人的にはそちらの派閥に属しています。

しかし「車そのもののフィーリング」という観点で見てみると、2L直4ターボのベースグレードも意外とぜんぜん悪くないのです。

もちろんエンジン全体とタッチというかフィーリングは3L V6ツインターボの方が断然良好なのですが、2L直4ターボの高回転域での伸びやかさもなかなか気持ちよく、なおかつ「ノーズが軽い」という絶対的な魅力もあります。

さらにいえば、2L直4ターボは3L V6ツインターボのように「速すぎる……」ということもないため、マカンのベースグレードには「アクセルを踏みきれる歓び」みたいなものもあるわけです。
 

ポルシェ マカン▲写真のマカンSより、「踏める歓び」と「軽快感」いう部分においてはベースグレードの方が上かも?

そのため、この2グレードに関しては「こちらが絶対にオススメ!」と断言することはできないのですが、基本的には「総額300万円台後半の予算でマカンSを探しつつ、その途中でかなり状態の良さそうなマカンと巡り合ったら、そちらも前向きに検討する」というのが具体的な最適解となるでしょう。
 

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ポルシェ マカン(初代・現行型) × 2014年~2015年式×総額300万~400万円未満×PDK 4WD×全国

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ポルシェ マカン(初代・現行型) × 2014年~2015年式×総額300万~400万円未満×S PDK 4WD×全国
 

【中古車のオススメ2】ハイパフォーマンス版が欲しいなら「総額500万円台のターボまたはGTS」

マカンSでも動力性能は十分以上かと思いますが、よりハイパフォーマンスなグレードをお望みの場合は「マカン GTS」あるいは「マカン ターボ」がターゲットとなります。
 

ポルシェ マカン▲こちらは最高出力360psの3L V6ツインターボを搭載する前期型マカンGTS
ポルシェ マカン▲そしてこちらは同400psの3.6L V6ツインターボを積む前期型マカン ターボ

最初のマイナーチェンジを受ける前の前期型を対象に考えた場合、それぞれの中古車価格はおおむね下記のとおりとなっています。

●マカンGTS|総額480万~800万円
●マカン ターボ|総額420万~880万円

両車とも中古車価格のレンジは上下に幅広いのですが、「中古車としてちょうどいい狙い目」となるのはマカンGTSが総額550万円前後で、マカン ターボが総額500万円前後といったところ。価格は個体によりけりですので一概にはいえませんが、「ターボの方が若干安い」という傾向はあるようです。

前期型のエンジンスペックは、前述のとおり「GTS」が最高出力360psの3L V6ツインターボで、「ターボ」は同400psの3.6L V6ツインターボです。出力的には「ターボ」の方が上なわけですが、数値の比較にはあまり意味がないでしょう。なぜならば「どちらも鬼のように速い」という意味ではほとんど同じだからです。

両車の主な違いは、ターボが「超ラグジュアリーで超パワフル」であるのに対し、GTSは「超パワフルで超スポーティ」ということです。
 

ポルシェ マカン▲高出力エンジンだけでなく、スポーティな意匠と鍛え上げられた足回りも特徴となるGTS
ポルシェ マカン▲豪快なパワーとラグジュアリー性が同居するターボ

それゆえ「ゴージャスなニュアンス」がお好みであればマカン ターボを中心に探しつつ、同時にマカンGTSにも目を配る。逆に「スポーティな世界観」がお好みであればマカンGTSを中心に探し、それと同時にマカン ターボもチェックする……というような探し方が、おそらくはベストです。
 

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ポルシェ マカン(初代・現行型) × 総額500万~600万円未満×ターボ PDK 4WD×全国

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ポルシェ マカン(初代・現行型) × 総額500万~600万円未満×GTS PDK 4WD×全国
 

ちなみに最新の「後期型」の状況は?

2021年7月に行われた二度目のマイナーチェンジを受けた世代、いわゆる後期型の中古車流通量は、2024年2月下旬現在で約95台。その中古車価格は下限が総額820万円で、上限が1600万円といったところです。
 

ポルシェ マカン▲こちらが直近のマイナーチェンジを受けた後期型。写真は「マカンGTS」

とはいえ「マカン全体」で物事を考えても若干わかりづらいため、上記の数字をグレードごとに分解してみることにしましょう。

●マカン(新車価格828万円)|約25台|総額820万~1100万円
●マカンT(新車価格901万円)|約10台|総額970万~1070万円
●マカンS(新車価格1073万円)|約20台|総額900万~1300万円
●マカンGTS(新車価格1295万円)|約40台|総額1200万~1600万円

各グレードの底値圏にある中古車は、オプション装備の内容と走行距離によっては「新車を買うよりもお買い得!」となる場合もありそうです。しかし一般的には、後期型の中古車支払総額は「新車よりも明らかに安い」とは言い難い状況であるため、無理に中古車を狙う必要はなさそうです。

ただし、中古車には「ほぼ即納」という美点はありますので、もしもそこを重要視するのであれば、総額1000万円前後で後期型マカンを狙ってみるのも悪くない話ではあるでしょう。
 

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ポルシェ マカン(初代・現行型) ×2021年7月以降生産×全国

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ポルシェ マカン(初代・現行型) × 全国
文/伊達軍曹 写真/ポルシェジャパン、尾形和美、茂呂幸正
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。