カイエン ▲通算4代目のポルシェ カイエンとなる「カイエン エレクトリック」が発売されたが、性能も価格もちょっとすごすぎて手が出ない……ということで、その3分の1の予算で入手可能な「3代目カイエン」の最新中古車事情をチェックしてみることにしよう

「最高出力1156ps」は確かに魅力的だが……

ポルシェジャパンは2025年11月、新たな超高性能SUV「ポルシェ カイエン エレクトリック」の予約受付を開始した。

2026年9月2日から納車開始となるカイエン エレクトリックは、その名のとおりバッテリーとモーターを動力源とするBEV(電気自動車)。すべてのグレードがきわめて高性能であるのは当然として、最上級モデルの「カイエン ターボ エレクトリック」は、ローンチコントロール作動時にはポルシェの市販車史上最強の最高出力1156pを発生し、0-100km/hをわずか2.5秒で駆け抜けるという。
 

カイエン▲こちらがカイエン エレクトリック ターボ。前述のとおり0-100km/h加速タイムは2.5秒で、0-200km/h加速のタイムもわずか7.4秒であるとのこと!

なんとも素敵なSUVであるため「欲しい!」とは思うものの、あまりにもハイスペックゆえに「畏れ多い……」と感じてしまう部分はある。また超絶ハイスペックだからこそ、価格もカイエン ターボ エレクトリックの場合で2101万円というすさまじい水準。ハッキリ言って、そう簡単に手が出せる類のSUVではない。

だが、純ガソリンエンジンまたはプラグインハイブリッドシステムを採用している「3代目カイエン」の中古車であれば、カイエン エレクトリックのざっくり3分の1ぐらいの予算でも、十分に好条件な1台が見つかるものだ。

ということでこの記事では「3代目ポルシェ カイエンの中古車」に的を絞り、その上手な狙い方を検討してみることにしよう。
 

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ポルシェ カイエン(3代目)
 

モデル概要:多種多様なパワーユニットを用意するフラッグシップSUV

3代目ポルシェ カイエンは、2017年12月に予約受付が開始されたポルシェのフラッグシップSUV。ボディサイズは――細かい数字は時期やグレードにより異なるが、初期モデルの場合で全長4918mm×全幅1983mm×全高1696mmだった。
 

カイエン▲こちらが3代目ポルシェ カイエンの前期型ベースグレード
カイエン▲荷室容量は5人乗車時でも770Lを確保。40:20:40分割式の後席を倒せばさらに拡大できる
カイエン▲3代目カイエン前期型の運転席まわり。インパネ中央には12.3インチのタッチスクリーンがあり、各種情報が表示されるほか、車両のセッティングなどもこのスクリーンを通じて行うことができる

駆動方式は全車フルタイム4WDで、トランスミッションは「ティプトロニックS」という名称の8速AT。基本となるパワーユニットは純ガソリンエンジンが4種類プラグインハイブリッドが3種類で、前期型の各グレードに搭載されたそれぞれの詳細は下記のとおりだ。

・ベースグレード(※カーセンサーnetでは3.0 ティプトロニックSと表記)|3L V6ターボ|最高出力340ps
・S|2.9L V6ツインターボ|最高出力440ps
・GTS|4L V8ツインターボ|最高出力460ps
・ターボ|4L V8ツインターボ|最高出力550ps
・E ハイブリッド|3L V6ターボ+モーター|システム最高出力462ps
・ターボS E ハイブリッド|4L V8ツインターボ+モーター|システム最高出力680ps

2023年4月にはマイナーチェンジを実施し、内外装デザインを変更するとともに、インフォテインメントシステムを刷新。また低速走行時の快適性などを向上させる2バルブテクノロジー採用のスチールスプリングサスペンションを採用し、パワーユニットとラインナップも下記のものへと変更された。

・ベースグレード|3L V6ターボ|最高出力353ps
・S|4L V8ツインターボ|最高出力474ps
・GTS|4L V8ツインターボ|最高出力500ps
・E-ハイブリッド|3L V6ターボ+モーター|システム最高出力470ps
・S E-ハイブリッド|3L V6ターボ+モーター|システム最高出力519ps
・ターボ E-ハイブリッド|4L V8ツインターボ+モーター|システム最高出力739ps
 

カイエン▲こちらが2023年4月以降の後期型。新デザインのボンネットなどによりワイド感が強調され、マトリックスLEDヘッドライトが標準となった
カイエン▲テールライトも今どきの「横一文字タイプ」に変更されている
カイエン▲後期型は12.3インチのポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)センターディスプレイの他、フルデジタル12.6インチメーターパネルも採用した

そんな3代目カイエンの中古車のねらい目を、次章から紹介していこう。
 

 

選択肢1:エレクトリックの3分の1で狙えて、そつなく“良さ”が味わえるのは?
→前期型ベースグレード

カイエン エレクトリックの新車支払総額の約3分の1、つまり総額600万~700万円ほどの予算感で購入可能な「そつなく“良さ”が味わえるモデル」は、なんといってもベースグレード(※カーセンサーnetでは3.0 ティプトロニックSと表記)の前期型だ。
 

カイエン▲こちらが3L V6ターボエンジンを搭載する前期型ベースグレード

前期型ベースグレードが搭載するパワーユニットは、前述したとおり最高出力340psの3L V6ガソリンターボ。これは同世代のターボやGTS、あるいはカイエン エレクトリックなどが搭載している怒涛のパワーユニットと比べるならば、「物足りない」という印象を覚えるかもしれない。

だが冷静に考えてみれば、例えば前期型ターボの「550ps」という最高出力や、カイエン エレクトリック ターボの「2.5秒」という0-100km/h加速性能など、日本の公道ではフルに発揮できる場所はどこにもない。

しかし、340psの3L V6ターボであれば――もちろんこれとてフル加速をし続けることは日本の法律的に難しいが――ある程度は存分に、そのパフォーマンスを味わうことができる。そして「身のこなし」的な部分に関しても、実はベースグレードこそが最も軽快であり、さすがはフラッグシップSUVだけあって、ベースグレードであっても装備内容に何ら不満はない。

そんな「実はオススメ」といえる前期型ベースグレードは総額550万~680万円付近にて、まずまず好条件な1台が見つかるはずだ。
 

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ポルシェ カイエン(3代目)×3.0 ティプトロニックS ×2017年12月~2023年3月 ×総額680万円以下
 

選択肢2:少し価格は上がっても、「ポルシェらしさ」を体感できるのは?
→前期型カイエンS

もう少々予算をプラスできるなら、総額700万~800万円を目安に「S」の前期型を選んでみるのも素敵だ。
 

カイエン▲高出力な2.9L V6ツインターボを搭載する前期型カイエンS

先ほど「3代目カイエンの中古車を買うならベースグレードで十分」という旨の発言をしたが、やはり前期型Sの2.9L V6ツインターボエンジンは、440psという最高出力以上に「いかにもポルシェらしいサウンド」がきわめて魅力的である。

また足回りに関しても、Sは前期型であってもPASMダンパーシステム(走行状況や路面状況に応じてダンパーの硬さ(減衰力)を電子制御するサスペンションシステム)が標準装備であるというのも大きなポイント。3代目カイエンというSUVを「快適な実用車」であると同時に「超高性能なマシン」としても使いこなしたい場合、PASMは絶対にあった方がいい装備である。

そんなカイエン Sの前期型中古車は、ベースグレードと比べて流通量が少なめなのがネックではあるが、それでも総額700万~800万円付近にて、なかなか好条件な1台を見つけることは十分に可能。前述のとおりベースグレードでも十分ではあるのだが、より「らしさ」を堪能したい場合にはSを探してみるべきだろう。
 

▼検索条件

ポルシェ カイエン(3代目)×S ×2017年12月~2023年3月 ×総額800万円以下
 

選択肢3:エレクトリック ターボほどではなくても「走りの“ヤバさ”」が実感できるのは?
→下記の都合9モデル!

ローンチコントロール作動時には最高出力1156psという化け物級のパワーを発生する「カイエン エレクトリック ターボ」と同レベルのスペックとなるモデルは、残念ながら3代目カイエンには存在しない。

だがカイエン エレクトリックのベースグレード(ローンチコントトロール作動時の最高出力442ps)と同等またはそれ以上の「ヤバい走り」を実感できるのは、下記の9モデルだ。

【前期型】
・GTS|4L V8ツインターボ|最高出力460ps
・ターボ|4L V8ツインターボ|最高出力550ps
・E ハイブリッド|3L V6ターボ+モーター|システム最高出力462ps
・ターボS E ハイブリッド|4L V8ツインターボ+モーター|システム最高出力680ps

 

カイエン▲最高出力460psの4L V8ツインターボを搭載する他、シャシーと足回りにもスポーティな専用チューンが施されている前期型GTS
カイエン▲どこで出せるかはさておき、最高速度は286km/hと公表されている前期型カイエン ターボ

【後期型】
・S|4L V8ツインターボ|最高出力474ps
・GTS|4L V8ツインターボ|最高出力500ps
・E-ハイブリッド|3L V6ターボ+モーター|システム最高出力470ps
・S E ハイブリッド|3L V6ターボ+モーター|システム最高出力519ps
・ターボ E ハイブリッド|4L V8ツインターボ+モーター|システム最高出力739ps

 

カイエン▲最高出力176psの電気モーターと、同599psの4L V8ツインターボエンジンを組み合わせたプラグインハイブリッドユニットを搭載するターボ E ハイブリッド

もちろん車の走りにおける「ヤバさ」はパワーユニットの数値だけで決まるものではないし、助走ゼロでいきなり最大のパワーを発生できるモーターと、そうではないエンジンとでは、加速時などにおけるニュアンスも大きく異なる。

だが、上に挙げた9モデルのうちのいずれかを手に入れれば、間違いなく「……コイツはマジでヤバいかも!」と感じられる怒涛の走りは堪能できるだろう。

ただし上記の9モデルは中古車の流通量がさほど多くなく、なおかつ中古車価格が高額であるというのがネックとなる。それゆえ誰にでもオススメできる選択肢ではなく、さらには怒涛のパワーをむやみやたらと発生させないという「自制心」も絶対に必要となる。

とはいえ、もしもあなたが希少で高額な中古車を探していく根気と財力、そして公道で無茶な走りをしない自制心を持ち合わせているのであれば、下記の予算感にてこれらモデルを購入してみるのも、間違いなく素敵な話ではある。

【前期型】
・GTS|総額970万~1300万円
・ターボ|総額670万~1100万円
・E ハイブリッド|総額750万~780万円
・ターボS E ハイブリッド|総額1000万~1100万円

【後期型】
・S|4L V8ツインターボ|総額1200万~1300万円
・GTS|総額1400万~1700万円
・E-ハイブリッド|総額1100万~1400万円
・S E ハイブリッド|総額1300万~1400万円
・ターボ E ハイブリッド|総額1600万~2200万円
 

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ポルシェ カイエン(3代目)×GTS ×ターボ ×E ハイブリッド ×ターボS E ハイブリッド ×2017年12月~2023年3月 ×

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ポルシェ カイエン(3代目)×S ×GTS ×E ハイブリッド ×S E ハイブリッド ×ターボ E-ハイブリッド ×2023年4月~

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ポルシェ カイエン(3代目)
文/伊達軍曹 写真/ポルシェ
※記事内の情報は2026年8月28日時点のものです。
※記事中の車両に関する数値表記は、新車時のメーカー発表カタログ値です
※使用画像の一部は海外仕様のため、日本仕様とは異なります。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。

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