素敵なフラッグシップワゴン、ボルボ V90が値下がりして200万円台から狙える! どんな買い方がオススメ?
2025/09/17
▲ボルボの最上級ステーションワゴン、V90。高級輸入ワゴンですが、昨今はその中古車が総額200万円台から狙える状況になっています。上手な選び方を検討してみることにしましょう!新車価格は約700万~1000万円ほどだった高級ステーションワゴンだが
北欧スウェーデンの「ボルボ」がつい先日まで製造していた2代目ボルボ V90は、同ブランドのフラッグシップ(最上位モデル)だったステーションワゴン。
車としての出来の良さとデザインのハイセンスっぷりに加え、フラッグシップモデルならではのゴージャスな装備と質感も大いに魅力的な1台です。
そんな2代目ボルボ V90も最近になって中古車平均価格が大きくダウンし、市場では総額200万円台の予算からでも狙える状況になっています。
それってかなり魅力的に思えるわけですが、とはいえ元々の新車価格は約700万円から1000万円級だった輸入車が格安価格に落ち着いた中古車には、正直「……買っても大丈夫だろうか?」という不安を覚える人も多いでしょう。
▲この素敵なたたずまいを本当に200万円台で入手できるなら、言うことなしではあるのだが……しかし、調べてみると2代目ボルボ V90のお手頃中古車は、基本的には大きな問題はない模様です。
もちろん、どんな中古車でも起こりうるマイナートラブル(ちょっとした不具合)や、消耗部品の劣化に伴う不具合はありえるでしょう。ですが、「2代目ボルボV90固有の弱点」みたいなものは特にないため、しっかりメンテナンスされた個体でさえあれば、普通に安心して乗り続けることができるはずなのです。
であるならば今、私たちは「どんな2代目ボルボ V90」を選び、それを購入するべきなのでしょうか?
次章以降、モデル概要の振り返りを含めて検討してまいります。
▼検索条件
ボルボ V90(2代目)モデル概要:新世代の骨格とデザインが採用されたフラッグシップワゴン
2代目ボルボ V90は、日本へは2017年2月に上陸したボルボの最上級ステーションワゴン。
ボディサイズは全長4945mm×全幅1890mm×全高1474mmという堂々たるもので、いわゆる風格や存在感を強く感じさせるとともに、抜群の居住性も堪能することができます。
▲こちらが2代目ボルボ V90。長めの全長を生かした伸びやかなフォルムがなんとも素敵
▲ボディサイズは全長4945mm×全幅1890mm×全高1474mm。細かな数字は少し異なるが、ニュアンスとしてはメルセデス・ベンツ Eクラスとおおむね同様のサイズ感になるプラットフォームと呼ばれる車の基本骨格部分も新世代のものが採用されたため、乗り心地と走りの安定感も非常に良好。
そしてボルボはエクステリアデザインも、ちょうどこの2代目V90から新コンセプトのものを採用したため、きわめて現代的であり、端的に言ってしまえば「美しくてカッコいい造形」です。
そしてインテリアデザインも、ちょっと北欧性の家具や雑貨を感じさせるシンプルで温かみのある世界観となっており、安全装備も、昔からそこにはかなりこだわっているボルボだけあって、抜かりはありません。
▲いかにも北欧の製品らしい、やわらかで自然派なイメージとなるV90のインテリア(※写真は本国仕様のため左ハンドル)
▲荷室容量は通常時で560L。リアシートを倒せば1526Lまで拡大可能パワーユニットは、バージョンが異なる2Lの直4ターボエンジンが数種類用意されています。詳細は次章でご説明しますが、どのエンジンを選んだとしても、普通または普通以上にスムーズでパワフルな走行フィールを味わうことができるでしょう。
それでは次章、2代目ボルボ V90のグレードごとの差異をご説明いたします。
グレード解説:数種類の2Lターボエンジンとプラグインハイブリッドを用意
これはボルボ社が公式に言っている分け方ではありませんが、2代目ボルボ V90のグレードバリエーションは、デビューからの時間軸に沿って「前期型」「中期型」「後期型」に分けてみると、把握しやすくなります。
まず前期型(2017年2月~2020年9月)。ここで用意されたのは、下記の6グレードです。
●T5 モメンタム:最高出力254psの直4ガソリンターボを搭載する標準グレード。駆動方式はFF(前輪駆動)
●T6 AWDインスクリプション:最高出力320psの直4ガソリンターボ+スーパーチャージャーを搭載する上級グレード。駆動方式は4WD
●T6 AWD Rデザイン:上記にスポーティな意匠などを加えたグレード
●T8 ツインエンジン AWD インスクリプション:プラグインハイブリッドの最上級グレード。駆動方式は4WD
●D4 モメンタム:最高出力190psの直4ディーゼルターボを搭載するディーゼルの標準グレード。駆動方式はFF(前輪駆動)
●D4 インスクリプション:上記の装備内容をやや豪華にしたディーゼルの上位グレード
▲2017年2月から2020年9月までの前期型そして中期型(2020年10月~2022年6月)。
この世代では、ガソリンエンジンがマイルドハイブリッドタイプに変更され、それまでの純エンジン車は販売終了となりました。
●B5 モメンタム:最高出力250psの直4ガソリンターボ+マイルドハイブリッドの標準グレード。駆動方式はFF(前輪駆動)
●B6 AWDインスクリプション:最高出力300psの直4ガソリンターボ+スーパーチャージャー+マイルドハイブリッドを搭載する上級グレード。駆動方式は4WD
●B6 AWD Rデザイン:上記にスポーティな意匠などを加えたグレード
●リチャージプラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプション:車名と装備内容の一部が変更されたプラグインハイブリッド車。駆動方式は4WD
▲エンジンに48Vマイルドハイブリッド機構が追加された中期型2022年7月にはグレードの整理が行われ、車名が変更されるとともに、V90のカタログモデルは下記の2グレードのみとなりました。この2022年7月以降の世代を、筆者は便宜的に「後期型」と呼んでいます。
●アルティメット B5:最高出力250psの直4ガソリンターボ+マイルドハイブリッドとなる装備充実グレード。駆動方式はFF(前輪駆動)
●リチャージ アルティメット T8 AWD プラグインハイブリッド:車名と一部の仕様が変更されたプラグインハイブリッド車。駆動方式は4WD
▲グレードが大胆に整理された2022年7月以降の後期型選択肢①:慎重に吟味して選ぶ総額200万円台の前期型T5またはT6
総額200万円台の予算で購入できる2代目ボルボ V90は、前期型のT5 モメンタム(254psのFF標準グレード)とT6 AWD インスクリプション(320psの4WD上級グレード)にほぼ限定されますが、選び方さえ間違えなければ、この予算帯であっても十分満足できる結果は得られるでしょう。
▲前期型であっても、選び方次第で普通に満足できる中古車は見つかるはずその選び方とは、まずは「走行距離」です。中古車のコンディションというのは走行距離だけで判断できるものではないのですが、いちおうの目安にはなります。
そのためここは、「2017年のデビューから年間1万kmぐらいまでのペースで走ってきた物件=走行8万kmまでの物件=悪くない可能性が高い物件」と雑に考え、まずは大ざっぱにふるいをかけます。
そのうえで販売店に現車を確認しに行き、主には下記の項目をチェックします。
・2~3mほど離れた距離から見た物件の第一印象に、違和感のようなものはないか?
・外装やホイールのふちに小キズがあってもいいが、その数が多すぎはしないか?
・タイヤの山がツルツルだったり、謎ブランドの激安タイヤを履いていないか?
・ドアを開けて車内に入ってみた際、悪臭のようなものを感じないか?
・内装の革の部分や樹脂部分などに小キズがあってもいいが、その数が多すぎはしないか?
・エンジンをかけてみたとき、エンジンルームから変な音は聞こえてこないか?
・販売店の許可を得て試乗ができた場合、走行中に何らかの違和感を覚えないか?
・整備記録簿で、これまでボルボの正規ディーラーで車検整備を受けてきたことが確認できるか?
上記のチェック項目に対して「すべてOK!」という物件であれば、おそらくは大きな問題なく乗り続けることができるでしょう。
▲乗っていれば、インテリアのこういった箇所などにキズがつくこともある。だがキズの数が多すぎる物件は、メンテナンスも含めて雑に扱われてきた個体である可能性が高い254psのT5 モメンタムを選ぶか、それとも320psのT6 AWD インスクリプションを選ぶかは好みの問題ですが、流通量の多さから考えると、T6 AWD インスクリプションの方が選びやすいとはいえるでしょう。また装備内容も、T6の方が充実しています。
ただし、T6 AWD インスクリプションを選ぶ場合は、予算を「絶対に総額200万円台!」とは限定せず、総額300万円ちょいまで想定範囲を広げて探してみることをオススメします。
▼検索条件
ボルボ V90(2代目)×総額300万円未満×2017年2月~2020年9月×T5×T6▼検索条件
ボルボ V90(2代目)×総額350万円未満×2017年2月~2020年9月×T5×T6選択肢②:ちょい足しの総額400万円台で探す中期型B5またはB6
良い個体と巡り合うことさえできれば、総額200万円台または300万円ちょいでも十分満足できるはずの2代目ボルボ V90ではあります。
しかし、予算をもう少し足して「総額400万円台」で検討すると、マイルドハイブリッド機構が採用された2020年10月以降の中期型が選べるようになります。
▲外観も若干の変更を受けた中期型2020年10月のマイナーチェンジでは、マイルドハイブリッド化の他にエクステリアデザインの変更も行われ、新デザインのフロントグリルとフロントバンパー、リアバンパー、アルミホイールが採用されました。
またリアランプのデザインも変更され、ウインカーがシーケンシャルタイプ(いわゆる流れるタイプのウインカー)になりましたので、ビジュアル面での満足度も、前期型以上となるでしょう。
▲いわゆる「流れるタイプのウインカー」は、なんだかんだでちょっと素敵かも中期型ボルボ V90の、2025年9月上旬現在の価格と流通量の目安は下記のとおりです。
●B5 モメンタム|6台|総額390万~470万円
●B6 AWDインスクリプション|6台|総額410万~480万円
●B6 AWD Rデザイン|6台|総額420万~460万円
●リチャージプラグインハイブリッド T8 AWD インスクリプション|6台|総額460万~570万円
▼検索条件
ボルボ V90(2代目)×総額400万円未満×2020年10月~2022年6月×B5×B6選択肢③:「フラッグシップ感」を堪能したいなら後期型アルティメット B5
総額400万円台の中期型でも十分な満足感は得られるはずですが、「せっかくボルボのフラッグシップに乗るのであれば、さらにイイやつに乗りたい!」と考える人もいらっしゃるでしょう。
であるならば予算をさらに足しして、2代目ボルボ V90の最終型である2022年7月以降の「アルティメット B5」を選んでみるのはどうでしょうか? ちなみにこのグレードこそが、実は2代目ボルボ V90の中では最多の流通量を誇っています。
▲価格は若干高めだが、流通量の観点でいうと最も探しやすい後期型アルティメット B52022年7月にボルボが全社的にグレードの整理をしたことに伴って登場したV90 アルティメット B5は、パワーユニットに最高出力250psの直4ガソリンターボ+マイルドハイブリッドを採用しているグレードで、このタイミングでボルボが採用した「アルティメット」というグレード名は、装備が大いに充実している上級グレードであることを意味しています。
そしてアルティメット B5は、登場からまだ3年ほどしか経過していません。そのため、流通している中古車の多くは「新車同様!」とまではいかないにしても、前期型や中期型の中古車以上の「新しいモノ感」を味わえる場合が多いでしょう。
▲2021年9月以降はインフォテインメントシステムが刷新され、「Google Apps and Services」のシームレスな機能が利用できるようになっているそんな2代目ボルボ V90 アルティメット B5の直近の中古車価格と流通量は、おおむね下記のとおりです。
●アルティメット B5(全体)|46台|総額470万~820万円
・走行5000km以下|28台|総額480万~820万円
・走行5000~1万km|14台|総額470万~680万円
・走行1万km台|8台|総額490万~640万円
・走行2万km台|3台|総額480万~540万円
・走行3万km以上|0台|――
オプション装備の内容や年式などによって価格は様々ですが、総額500万円台前半付近にて、何かと好バランスな1台が見つかることでしょう。予算に余裕がある人はこのあたりのゾーンで、ご自分の好みに合致しそうなアルティメット B5を探してみてください。
▼検索条件
ボルボ V90(2代目)×2022年7月以降×アルティメット B5▼検索条件
ボルボ V90(2代目)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
【関連リンク】
この記事で紹介している物件
ボルボ
V90 アルティメット B5 パノラマガラスサンルーフ ブロンドレザー ハーマンカードン Googleマップ Googleアシスタント 全車速ACC 衝突被害軽減ブレーキ
本体価格448.0万円
支払総額471.7万円
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