スポーツカーでドラテク講習を1日受けたら、劇的に進化して驚きを隠せない!【カーセンサーモータースポーツ部】
2025/01/10

先生! 俺たちもっと速くなりたいんです!!
我々カーセンサー編集部は、毎年「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」に参加しています。
ありがたいことに、毎年マツダさんからご招待いただいており、編集部みんながこの年に一度の大イベントを楽しみにしています。
少し気が早いかもしれませんが、次回の大会も「安全第一! 無事完走!」をモットーに、車で走る楽しさを1人でも多くの人に伝えたいと、今から意気込んでいます。
しかし……我々チーム・カーセンサーには、もろ手を上げて喜べない悩みがあります。
それは、他のチームに比べて、「とっても遅い!」ということ。

それもそのはず。チーム・カーセンサーのドライバーは、編集長以下すべてが普通の会社員。なんとか出場資格のライセンスは取得したものの、ほぼ100%自己流でサーキットを走っているのです。
当然、自己流の練習では早々に限界を感じており、これ以上速く走れる気がしない……。
こんなに遅く走ってたら、いつかレースに呼ばれなくなっちゃうのでは……。そんなことが脳裏をよぎり、仕事に身が入りません(汗)!!
「俺らが独学でできるのはここまでだな。あとはプロのレクチャーを受けるしかない」
編集部で1、2位を争う大脇がそんなことを呟く。
……そうだ! プロに教えてもらおう!!
そこで今回は、サーキット走行用の車両をレンタルしているHC GALLERYさんとドライビングレッスンを行うワンスマさんにご協力いただき、ドライビングテクニックの基礎が学べる広場トレーニングに参加してきました!
果たして、カーセンサー編集部員は速く走れるようになるのか!?
1日でドライビングの基礎をしっかりたたき込む!
今回はカーセンサー編集部から、大脇、河瀬、神崎、芝本の4名がレッスンを受けることに。
申し込んだ「広場トレーニング」コースは、富士スピードウェイの大型駐車場を使い、プロのレーシングドライバーが実際にデモ走行を行うだけでなく、同乗走行などを通して基礎を身につけるプログラムです。

まずは事前に当日のプログラムや講習の目的、注意事項などを、座学を通してしっかりと学びます。
車両はメディア対抗レースを意識し、マツダ ロードスター(ND型)と同じくFRレイアウトのトヨタ 86をご準備いただきました。


初めのプログラムは、直線でのフルアクセル&フルブレーキング。指定の場所で止まれるように、タイミングを見計らって思いっきりブレーキをかけます。
グランツーリスモのライセンス試験の一番最初のやつ、と言えばピンとくる方も多いのではないでしょうか。
(さすがにこれくらいはできるっしょ)
おそらく4人ともそう思っていたはず。しかし、いざやってみるとこれが意外と難しい! 慎重派の神崎はだいぶ手前で止まってしまい、逆に大胆な芝本は大幅にラインを越えて停車。

いい感じに思えた大脇も、狙ったところに止められず「うーん、うーん」唸っている始末。
「こんなに意識してブレーキを踏んだのは初めてかも」
誰かがそんなことを呟きます。もちろん普通に公道を運転しているときは、しっかり停止線に合わせて止まることができますが、“一発のフルブレーキング”で狙った場所に止まるのがめちゃくちゃ難しいんです。
続いては、大きな円を描いての走行です。


当然ですが直線だけではなく、コーナーも交じってくるため、ブレーキングによるスピードのコントロールが必要になります。
なるべく速く回りたいけど、速すぎるとコースアウトしちゃう、アクセルを開けるタイミングが変だとスピンしてしまう……。ただの円形コースなのに、一気にハードルが上がります。



思った以上に基礎ができていないことを痛感しながら、講師の先生からフィードバックを受けます。
「言葉を選ばずに言わせてもらうと……よくこれでレースに出ていましたね」
くぅーーー悔しいけれど、先生のおっしゃるとおり!!
サーキットを走るうえで、なんとなく「アウト・イン・アウト」や「スローイン・ファーストアウト」は意識してきましたが、それ以前の基礎が身についていなかったことを痛感します。

変なこだわりやプライドは捨てて、今日は先生たちを信じまくって、ひとつひとつのことをスポンジのように吸収することを決意します。
「先生! 俺たちもっと速く走れるようになりたいです!!」

車を運転するためには、アクセルやステアリング、MTの場合はシフトチェンジなどの操作を複合的に行いますが、今回のポイントはブレーキ。
速く走るためにブレーキが大事? なんとなくわかるけど、それってどういうことなのでしょうか。
コーナーに差し掛かるタイミングでは、当然ですが各R(半径)に合わせたブレーキングが必要になります。
ブレーキが早すぎたり強すぎたりすると減速しすぎて遅くなり、逆に遅すぎたり弱すぎたりすると曲がりきれずにコースアウトしてしまします。
そして、コーナーを速く抜けるためには、当然早いタイミングでアクセルを全開にすることが必須です。
ですが、車の姿勢が安定している状態で踏み込まないと、やはりスピンしてしまいます。
そこで重要になってくるテクニックが「ブレーキ残し」。
コーナーに進入するタイミングでは、なるべく早く最適なスピードまで速度を落とすために100%のフルブレーキをかけます。
十分に減速したら、100%ブレーキをリリースするのではなく、徐々にじわじわと踏力を弱め、車の姿勢がちゃんと加速できる状態になったらアクセルを踏み込む……これが、サーキットを速く走るうえで大事なポイントのひとつなのです。

最初のうちはこの「ブレーキ残し」が難しかったのですが、繰り返し練習することで、各メンバーがコツをつかんできました。
そして最後はこれまで学んで練習したことを踏まえ、より複雑なレイアウトで走ります。左右大小のRが入り交じるコースなので、ブレーキの踏み加減やアクセルワーク、そしてステアリング操作を考えながら走行!
「あれ? 今のコーナー、結構うまくパスできたかも……!」
少しずつですが、メンバーそれぞれが実感できるようになってきました。

なおこのテクニック、実は普段の運転でも生かすことができます。例えば、信号で停車するときもいきなりガクッと止まるのではなく、停止線に合わせてジワジワとブレーキをかけ、同乗者が揺さぶられないような止め方を心がけます(ジェントルですね)。
以上、ごく一部ですが1日のレッスンで学んだことを紹介しました。
当初の目的であった「ドラテク向上」、はじめの一歩かもしれませんが、果たすことができたのではと思います!
そして、運転する楽しさ、特にFRスポーツカーのロードスター&86って本当に楽しい! と強く実感できた1日になりました。
ちなみに前述のとおり、我々はHC SHARINGで車両をレンタルしてレッスンを受けましたが、もちろんマイカーでの受講も可能です!
ご参考までに、カーセンサーの中古車情報リンクを載せておきますので、よろしければチェックしてみてくださいね!
▼検索条件
マツダ ロードスター(ND型)×全国▼検索条件
トヨタ 86(初代)×全国練習の成果は果たして!? 筑波サーキットで実践
広場トレーニングを終えた数週間後、我々は筑波サーキットで練習会を行うことに。
使用するのは、カーセンサーの社用車でもあるRX-8(通称オレンジ8)。時間があるときは、このマシンで筑波サーキットを走行していますがトレーニングで使用したロードスターや86に比べると、やや年式は古く、タイヤも日常使いを意識した銘柄のものを履いています。

それでも、NAのFRレイアウトという点は同じ。決してレッスンで学んだことは無駄にならないはず!
そんなことを思いながら実際に走ってみると、以下のような進化がありました!!
なんと今までの自己ベストを2秒近く短縮! オレンジ8では、編集部史上最速となる1分10秒台をマーク! 第1コーナーの進入を見ていると、今までより明らかに抜けるスピードが速く、安定感が増している! ちなみに、普段の運転でもブレーキのかけ方を変えたため、妻から「運転の仕方変えた?」と言われた。
劇的なタイム向上こそなかったものの、タイムのバラツキがなくなり、過去の自己ベストに近いタイムをコンスタントに出すことに成功。ブレーキコントロールのコツがわかり、早いタイミングでアクセルを開けられるようになった。
1秒未満ではあるものの、自己ベストラップを更新し1分11秒台をマーク。今までは感覚的なタイミングでブレーキをかけていたが、周を重ねるごとにポイントがわかってきて、それに伴いタイムも向上していった。
めっちゃ効果出てる!!!
「これ以上速く走るのは無理!」と思っていたのに、たった1日のトレーニングで、全員進化を実感できたのだ!!

いかに自分たちが感覚的に運転をしていたのか気づくことができ、同時に頭で考えて、車がどんな状態なのかを考えて運転することの大切さを学びました。
次回のメディア対抗ロードスター4時間耐久レースに向けて、引き続き練習がんばります!!
気軽に参加できるドラテクレッスン
最後に今回お世話になった「HC GALLERY」および「ワンスマ」についてご紹介。興味を持った方は、ぜひ各HPをご覧ください!
HC GALLERY「HC SHEARING」
一般的に「ハードルが高い」と思われがちなサーキット走行だが、もっと気軽にサーキットを走ってほしいという思いで登場したのが、このサーキット専用のカーシェアリングサービス。今回のロードスターや86(AT、MTあり)を中心に、しっかりメンテナンスされた車両で安心して楽しむことができる。
「ワンスマ」ドライビングレッスン
プロドライバーの澤 圭太氏が主宰のドライビングレッスンを行う団体。サーキットを走ったことのない人でも安心、安全に楽しさを感じられるようなスキルと知識を身につけることができる。もちろん、公式(JAF)戦での表彰台を狙うことを目標としたニーズにも対応してくれる。


カーセンサー編集部
神崎洋平
小さい頃から車が好きで、中学生のころからカーセンサーを愛読。若者の車離れに一矢報いたいという動機で、2017年にカーセンサー編集部にやって来た。いままでの車歴は圧倒的にセダンが多いが、子供が生まれたことをきっかけにステーションワゴンのゴルフヴァリアントに乗り替え。これはこれで満足だが、いつか再びセダンに乗ることを企てている。
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