▲国内での再販がカウントダウンとなったランドクルーザー70。写真はオーストラリア仕様のもの。4ドアバンとダブルキャブをラインナップする!? ▲国内での再販がカウントダウンとなったランドクルーザー70。写真はオーストラリア仕様のもの。4ドアバンとダブルキャブをラインナップする!?

欲しいのに売っていない、日本を代表する超実力車

アマゾンが横たわる南米、アウトバックを抱くオーストラリア大陸、シルクロードが走るユーラシア大陸、そして砂漠が延々と続くアフリカ大陸。地球上のどんな秘境であろうとも絶対的な信頼を勝ち得ている車が今秋、日本でも発売されることに!

「逆輸入」って言葉、聞いたことありますか? 国内メーカーが海外で生産したもの、もしくは国内で生産し一度海外へ輸出したものを国内へ輸入してくることです。当然、輸送代や手間がかかってしまうので無駄も多い。逆輸入されるのは、海外ではニーズが高く、一方、国内ではあまり販売が見込めないため売っていないものになります。

例えば、スズキの「隼」というバイクがあります。時速300km/h超の最高速を出すポテンシャルがあり、速度無制限区間の高速道路があるドイツなど、ヨーロッパを中心に輸出されてきました。もちろん、そんな羽根が生えたかのようなポテンシャルを日本のバイク好きがスルーするはずもなく、国内でも乗りたいライダーたちが逆輸入にすがっていたのです。根強い人気ぶりに、ついに2014年1月、スズキは国内での正規販売に踏み切ったほど!

▲スズキの隼。その最高速度は時速300km/hオーバーというモンスターマシンだ! ▲スズキの隼。その最高速度は時速300km/hオーバーというモンスターマシンだ!

人気によりプレミア価格化しているランドクルーザー70が再販される!?

では、四輪界で逆輸入されるほどのポテンシャルを持った車とは?

それが「ランドクルーザー70(以下、ナナマル)」なのです。同じ左側通行(右ハンドル)であるオーストラリアなどから逆輸入され、日本でも走り回っています。もちろんお安くはありません。高級車になった兄弟車のランドクルーザー200以上の価格です。

実はこのナナマル、2004年までは国内でも販売されていました。カーセンサーで検索すると約200台がヒットして、そのうち約40台が290万円以上の価格帯。6.9万km走った2004年式が348.8万円などというものもありました(現行執筆時点)。ちなみに当時の新車価格は297万円。堂々のプレミア価格です!

さて、このナナマル、世界のあらゆる過酷なエリアでとんでもない信頼を集めています。一例として、南アフリカでは動物保護区へ入る足として本格四駆が重用されていますが、走っているのはナナマルばかり。ちなみに南アフリカはイギリス連邦加盟国であり、イギリスといえば名門ランドローバーがあります。そのランドローバーを差し置いてのナナマルなのです。

▲安全快適にサファリを行くにはランドクルーザー70が必須。南アフリカのセレブ向けサファリツアーでは「ナナマル利用」が集客のアピールポイントにもなるほど! ▲安全快適にサファリを行くにはランドクルーザー70が必須。南アフリカのセレブ向けサファリツアーでは「ナナマル利用」が集客のアピールポイントにもなるほど!

現地のレンジャーもナナマルについて、「タフで壊れないナナマルに乗るのは当たり前。奥地で何かあったら命に関わるからね。死にたくないだろーが!」と絶対的な信頼を寄せている様子。

そんなナナマルですが、実はこの9月から、国内販売が復活するという未確定情報が駆け巡っています。情報筋によると、4ドアバンとダブルキャブ(ピックアップトラック)の2種類から選べて、いずれもV6の4Lエンジンにマニュアルミッションの組み合わせ。台数限定になるという噂もあり、スタビリティコントロールが既存車種に義務化されるため、それまでの期間限定の発売になるのでは? というのが、今のところ信ぴょう性が高そうな話です。

いずれにせよ超レアなモデルになりそうなだけに、再販されれば10年後のプレミアム化は必至!?

text/中村文大(graaab)