「現行型」ベンツのCクラスが新車の半値以下=総額100万円台に! でもそれって本当にお値打ちなの?
2021/01/23
▲新車時はなんだかんだで総額500万~800万円級だった現行型のメルセデス・ベンツ Cクラス。それが今、総額100万円でも検討可能な相場状況になっています。でもそういったお安い中古車って、買っても大丈夫なものなんでしょうか? 本当に満足できるのか? 様々な角度から検証してみます!総額100万円台の現行Cクラスって実際どうなんだ?
メルセデス・ベンツといえば「高そうな車」の筆頭格であり、実際にその価格は当然ながら高い。まぁ古めの中古車だと実は安かったりもするが、「現行型のメルセデス」であれば、中古車相場もそれなり以上に高くなるのが通例である。
しかし今、総額100万円台で買えてしまう現行型世代のメルセデス・ベンツがある。
2014年にデビューしたW205こと現行型Cクラスだ。
いやもちろん「総額100万円台」といっても、100万円とか120万円ではさすがに無理なのだが、総額170万~200万円未満のゾーンで、そこそこ好条件な1台が探せるのである。
だが世の中というのは「光あるところに必ず影がある」もので、お安い中古車にもたいていの場合、安いだけの「理由」がある。
そう考えると、新車時価格(いちばん安いグレードでも419万円)の半値以下で買えてしまう総額100万円台の現行型メルセデス・ベンツ Cクラスは本当に「お値打ち」なのか、それとも「やめておいた方がいい」なのか、早計には判断しかねる。
ただし気になる存在であることは間違いないため、様々な角度からそのお値打ち度(または、やめておいた方がいい度)を検証してみることにしよう。
▲現行型Cクラスは、それまでの世代とは一線を画す、Eクラスにも匹敵しようかという各種性能と、その存在感が特徴。2018年途中までの前期型は様々な方式のエンジンを用意していたが、中心となるのはC180系が搭載した1.6L 直4ターボと、C200系が搭載した2L 直4ターボ
▲グレードやパッケージによって微妙な違いはあるが、現行型メルセデス・ベンツ Cクラス(前期型)の運転席まわりはおおむねこのような雰囲気とデザイン100万円台で検討可能なのは、前期型のC180系
お値打ち度を検証する前に大前提として、「100万円台の予算で買える現行型Cクラスはどれなのか?」ということについて整理しておく。
残念ながら、強力な3L V6ターボエンジンを搭載した「C450 AMG 4マチック」などは総額100万円台ではとうてい狙えず、それどころかベーシックな「C180アバンギャルド」であっても、2018年7月のビッグマイナーチェンジを受けた後期型は狙えない。
総額100万円台(約170万~199万円)でイケるのは、前期型(2014~2018年)の中でも初期年式となる2014年式または2015年式の、ベーシックな「C180アバンギャルド」または「C200アバンギャルド」である。
両グレードの搭載エンジンはどちらも直4ターボだが、「C180アバンギャルド」は排気量1.6Lで、「C200アバンギャルド」は2L。そして総額100万円台の予算で狙える中古車は、1.6Lターボである「C180アバンギャルド」が中心だ。走行距離は――物件により千差万別ではあるのだが――基本的には「6万km前後ぐらい」である場合が多い。
これらの状況をどうとらえるべきか、次章以降、項目ごとに考えてみよう。
▲こちらの写真がその直列4気筒直噴ターボエンジン後期型は確かに◎だが、前期型でも大きな不足はない
まずは「後期型は狙えない」という問題について。
2018年7月のマイナーチェンジで、現行型Cクラスは部品変更点数が約6500にものぼる大掛かりな改変を行った。
代表的なところでは、前後バンパーやヘッドライトなどのデザイン変更が挙げられるが、他にも「LEDハイパフォーマンスヘッドライト」と「マルチビームLEDヘッドライト」を採用。インテリアは前期型の基本デザインを踏襲しつつも、フル液晶メーターの「コックピットディスプレイ」を設定している。
さらにパワーユニットも刷新され、後期型のC200に搭載される1.5L 直4ターボには、スターターと発電機を兼ねるBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と48V電気システム、1kWhのリチウムイオンバッテリーによって構成されるマイルドハイブリッドシステムも採用。まぁこのように前期型とは、ずいぶんいろいろと違うのである。
この両者をフラットに比較するのであれば、言うまでもなく「後期型の方がイイ」という結果になるだろう。
しかしフラットにではなく「購入価格の高低」という要素も加えて検討するのであれば――これも人それぞれの価値観によるが――「……前期型でも特に問題ないんじゃない?」という考え方も生まれてくる。
▲こちらが2018年7月のビッグマイナーチェンジを受けた後期型
▲で、こちらが前期型。中身はさておき、ビジュアル的には違うといえば違うし、「似たようなもの」といえばそうともいえる……といった感じか1.6Lの直4ターボに不満を覚える人は少ないはず
お次は「前期型の中でもベーシックな『C180アバンギャルド』または『C200アバンギャルド』しか狙えない」という問題。つまりハイパワーなAMGモデルや、極太トルクが魅力のディーゼルターボモデルなどを狙うことはできない――という問題についてだ。
これは、C180の1.6LターボやC200の2Lターボがけっこう非力であったなら「やめておいた方がいい」となるが、実際そんなことはない。
いやもちろん、AMGの3L V6ターボやC220dのディーゼルターボと比べれば非力なのは確かだが、「狭いニッポン、そんなに急いでどこへ行く?」という古いフレーズを出すまでもなく、公道をかっ飛ばすことの価値が著しく低下している今、「C180かC200でも十分」と感じる人の方が多いはず。少なくとも筆者は、そう感じている人間のひとりだ。
まぁパワー&トルクや速さについての感じ方は「人それぞれ」という部分がかなりデカいため一概には言えないのだが、基本的には「C180かC200でも普通に事足りる」というのが答えとなるだろう。
また、同じ前期型でも「総額100万円台で狙える2Lターボは少なく、1.6LターボのC180アバンギャルドが中心になる」という点についても、答えは同じである。
超パワフルなわけではないが、それでも「まぁ普通ぐらいにはパワフル」な前期型の1.6L直4ターボでも、昨今の多くの人は特別な不満は感じないものと思われる(常にぶっ飛ばしていないと気が済まない人は別として)。
▲エンジンパワーというのは上を見れば切りがないが、基本的には「ほどほど」でも特に不満を覚えることはないのが昨今の風潮。そしてC180系の1.6L直4ターボは実用回転域からまずまずトルクフルであるため、「遅くて非力でもうイヤ!」みたいに感じることは(個人差はもちろんあるだろうが)ほとんどない購入後の故障も(基本的には)特別な心配は不要
前期型のC180アバンギャルドでも性能的には特に問題はない(と思われる)ことはわかった。だが、もしも「中古車としてのコンディションがイマイチ」であったならば、いくら新車時の性能が十分だったとしても買う意味はない。いや意味はないというか、むしろ「やめておいた方がいい」という話になる。
実際のところはどうなのか?
これも物件ごとに千差万別であるため、「絶対にこうです!」という統一見解を出すのは難しい。しかし基本的には「総額100万円台でも、そんなに悪くはない場合が多い」というのが、筆者のフィールドワークに基づく見解である。
「かなりいい感じ!」というコンディションの内外装および機関を備えた前期型を購入するなら、総額230万円は見ておきたいのが正直なところ。しかし、だからといって総額190万円前後の個体が「くっそボロい」ということも特にはない(場合が多い)。
それゆえ、ここは現車を見て「あなたがどう感じるか?」で決めるほかない。「まぁ(値段から考えれば)悪くはないな」とあなたが思えるならば買いであり、「……少し予算を足してでも、もうちょっといい感じのやつを探したいな」と感じたならばステイ(待ち)である。
▲これは「絶対的な法則」では決してないのだが、「おおむねの傾向」としては、内装に手荒く扱われた痕跡が容易に見つかる中古車は、全体のコンディションもイマイチである場合が多いで、内外装などのコンディションは「値段の割に悪くはないな」と思える総額100万円台の現行型メルセデス・ベンツ Cクラスがあったとしても、それが購入後に「故障ばかりでしょっちゅう工場に入ってる」ということでは、買う意味がないどころか、金食い虫でしかなくなる。
実際のところはどうなのか? つまり、C180アバンギャルドを中心とする前期型の現行型メルセデス・ベンツ Cクラスの「故障しやすさ」は、果たしてどんなあんばいなのか?
これまた「それまでの使われ方次第」という部分が大だが、基本的には、W205型メルセデス・ベンツ Cクラスは「故障が頻発する類の車ではない」と言える。
もちろん電気系統のマイナートラブルなどがたまに発生する可能性はあり、C200アバンギャルド以上に用意された「エアサス」は、使っていれば故障するというか、必然的に寿命を迎える。
だが金属サスであるC180系はエアサス関係の心配がなく、その他全般もW205型は、「エンジンが弱い」とか「トランスミッションがすぐにぶっ壊れる」みたいなことは特にない。
それゆえ、新車時からの6~7年間をほったらかしのノーメンテできた物件ではなく、「2年に一度、正規ディーラーで点検および必要な整備を受けてきた物件」で、なおかつ「前オーナーや前々オーナーが荒っぽい人ではなかった物件=主に内装にひどい荒れが見られない」であれば、故障問題についてはさほど心配する必要はないはずなのだ。
▲電装系などの細かな不調は、乗っているうちに発生する可能性はある。しかしエンジン本体やトランスミッションなどの根幹部分については、点検と整備を普通に受けてきた前期型W205であれば、さほど心配する必要はないはず。写真はW205型から採用されたヘッドアップディスプレイ国産車より高額な部品代が気にならないなら検討を!
とはいえもちろん、部品代は「さすがのメルセデス」というか、国産車のパーツ代に慣れている人からすると「高っ!」と感じられるものではある。それゆえ――新車の保証期間も当然終わっているため――ある程度のメンテナンス費用がかかることを頭に入れたうえで買う必要があることは、当然ながら指摘しておきたい。
長くなってしまったが、結論としては「本当は総額230万円ぐらいは出したいところだが、総額100万円台の物件でも(ちゃんと吟味すれば)そこそこイケる。
そしてちゃんと扱われてきた物件であれば、購入後の故障についてもさほど神経質になる必要はない」というのが、総額100万円台の現行型メルセデス・ベンツ Cクラスについての真相である。
焦らず、中古車選びの基本にのっとって――つまり値段の安さだけに目を奪われず、整備履歴と現状のコンディションをしっかり把握しながら――探せば、きっとステキな買い物となるだろう。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Cクラス × 総額200万円未満
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
この記事で紹介している物件
メルセデス・ベンツ
Cクラス C200 アバンギャルド AMGライン AMGスタイリングPKG レーダーセーフティPKG 純正HDDナビ バックカメラ 前席シートヒーター アンビエントライト エアサスペンション フルセグTV Bluetooth ETC 黒革シート ステアリングアシスト AMGフロアマット
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メルセデス・ベンツ
Cクラス C200 アバンギャルド AMGライン AMGライン ワンオーナー ユーザー買取車 黒合皮レザーシート アダプティブクルーズコントロール レーンキープ パドルシフト シートヒーター アイドリングストップ 前後ドライブレコーダー 純正ナビ地デジ
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Cクラス C220 d アバンギャルド AMGライン ディーゼルターボ レーダーセーフティ ブラックレザー バックカメラ ナビTV ブルートゥース LEDライト キーレスゴー シートヒーター ブラインドスポット パーキングセンサー
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