ダイハツ テリオスキッド ▲1998年10月の軽自動車規格改定に合わせて登場したテリオスキッド。強固なボディ構造とセンターデフロック機能を備えた本格派の軽4WD車は、現行型ではスズキ ジムニーのみとなり、希少な存在だ

ダイハツ テリオスキッドの中古車は今

2代目スズキ ジムニーのライバル車として、1998年10月に登場したテリオスキッド。本格的な悪路走破性を備えた希少な軽4WD車だったが、後継モデルが出ることなく、1代限りで2012年6月に生産が終了した。

原稿執筆時点での中古車台数・平均価格は約400台・約30万円。ライバルより台数は少ないが、価格は安く、お手頃な本格派軽4WD車だ。

ここからは2006年8月のマイナーチェンジで前期型と後期型に分け、それぞれの特徴や中古車相場について紹介する。

 

テリオスキッド(前期型)の特徴と中古車相場

■テリオスキッド(前期型)DATA
生産期間:1998年10月~2006年7月
中古車流通量:約220台
中古車価格帯:10万~60万円

ダイハツ テリオスキッド(前期型) ▲エクステリアは兄貴分のテリオスをギュッと軽自動車にまとめた感じに。2003年8月のマイナーチェンジまで設定されていたグレード「エアロダウン」は20mmローダウンされていた他、エアロパーツやアルミホイールが標準装備されていた
ダイハツ テリオスキッド(前期型) ▲インテリアもテリオスとほぼ同じ。デフロックスイッチはステアリングの根本付近に備わる。ホイールベースが2420mmと長いため、後席の膝まわりに余裕がある

■テリオスキッド(前期型)の特徴
前年に登場した1.3Lの本格派4WD車、テリオスを軽自動車規格にリサイズしたモデルが、1998年10月に登場したテリオスキッドだ。そのため、ビルトインフレーム式+縦置きエンジンという、同社の他の軽自動車とは異なるボディ構造となっている。

デビュー時は、悪路走破時に便利なデフロック機能を備えるフルタイム4WD車のみだったが、2000年1月に2WD(FR)モデルも追加された。

搭載されたエンジンは最高出力60psのターボと、最高出力64psのインタークーラー付きターボの2種類があり、いずれも5速MTまたは4速ATが組み合わされた。

エンジンの種類を問わず、スポーティな外観を備えるカスタム系が用意されていて、グレード名に「エアロダウン」や「カスタム」といった言葉が付けられている。なお、2003年8月のマイナーチェンジで内外装の変更が行われるとともに、カスタム系の名称が「カスタム」に一本化された。

■テリオスキッド(前期型)の中古車相場
年式相応に走行距離5万km超が約200台と9割以上を占め、そのうち10万km超は70台以上となり、ほとんどが支払総額80万円以内で狙える。逆に5万km未満は30台に満たないが、それでも低年式車であれば支払総額30万円から狙える。なお、2WDと4WDの割合はほぼ同数で、約半数がカスタム系となる。

前期型は同じ660ccターボながら60psと64ps仕様の2種類あるが、64ps仕様となる「エアロダウン」「X」「CX」は約70台見つかり、その半数以上が4WDだ。ただし、走行距離5万km未満の物件は10台に満たない。60ps仕様と価格差はほとんどないので、エンジンの種類こだわりがないなら、走行距離や予算を重視して選んだ方がいいだろう。

MT車は40台ちょっとと台数が少なく、AT車よりもやや価格が高い。本格的な悪路走破を楽しむのでなければ、AT車の方が狙いやすい状況だ。

▼検索条件

ダイハツ テリオスキッド(初代)×1998年10月~2006年7月生産モデル× 全国
 

テリオスキッド(後期型)の特徴と中古車相場

■テリオスキッド(後期型)DATA
生産期間:2006年8月~2012年6月
中古車流通量:約180台
中古車価格帯:10万~100万円

ダイハツ テリオスキッド(後期型) ▲カスタム系には大型エアロバンパーが採用された。また、Lを除く全車に15インチアルミホイールが標準装備となり、リアコンビネーションタイプがクリアタイプとなった
ダイハツ テリオスキッド(後期型) ▲メーターは3眼からシンプルな2眼となった。カスタム系はメーターとセンタークラスターがガンメタ塗装された。シート地も一新され、カスタム系にはブルーステッチが入る
ダイハツ テリオスキッド(後期型) ▲シートおよびラゲージフロアカーペットに撥水加工を施し、日常用途やレジャーでの使用性が向上している

■テリオスキッド(後期型)の特徴
2006年8月のマイナーチェンジでは、エンジンは64psのインタークーラー付きターボに一本化され、それに伴いグレード構成もシンプルになった。

同時に内外装もリファインされた。外装についてはカスタム系グレードに新意匠の大型エアロバンパーを採用、よりスポーティで精悍なイメージになった。

内装は、シートおよびラゲージフロアカーペットに撥水加工が施されたのが特徴だ。これなら濡れたままのギアをサッとしまえるなど、アウトドアシーンで使いやすいし、子供が飲み物をこぼしても拭き取りが簡単なため便利だ。

■テリオスキッド(後期型)の中古車相場
後期型の物件は約180台あり、うち走行距離5万km超が約140台と8割以上を占める。年式が新しいこともあり、10万km超は約30台と前期型よりは少ない。

グレードの内訳を見ると、カスタム系が7割以上、4WDも約7割近くと、それぞれ前期型よりも多いのが後期型の特徴だ。カスタム系の価格はやや高いが、2WDと4WDでの差はあまりない。

後期型のほとんどの物件が支払総額100万円以内で狙え、走行距離5万~10万kmなら支払総額20万円ほどから、走行距離5万km未満でも支払総額約40万円から狙える。手頃で本格派の軽4WD車を探している人には、この後期型テリオスキッドがオススメだ。

▼検索条件

ダイハツ テリオスキッド(初代) ×2006年8月~2012年6月生産モデル× 全国

※記事内の情報は2021年6月23日時点のものです。

文/ぴえいる 写真/ダイハツ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4 オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。