X2 ▲2代目BMW X2。新世代のコンパクトSUVですが、その中古車平均価格は早くもまずまずお手頃な水準になってきた模様。BMW X2の上手な狙い方を徹底研究してみましょう!

新車を買うとなると、安くても総額600万円台半ばにはなるSUVだが

大きすぎないボディサイズのSUVが欲しいけど、十分なプレミアム感も味わいたい――と考えるならば、2023年10月に登場したBMWのコンパクトSUV、2代目BMW X2はベストに近い選択肢のひとつです。

とはいえ登場から間もない旬な輸入SUVだけあって、同クラスの国産SUVよりもいくぶん高額ではあるのですが、近頃はその中古車平均価格が順調にダウン。

ミドルサイズの国産SUVを新車で買うのとおおむね同程度の予算=総額400万円台で、2代目BMW X2の超低走行物件を狙うことも可能な状況になっています。
 

X2▲直近1年間のX2の中古車平均総額推移

この記事では、そんな2代目BMW X2のモデル概要をあらためて整理するとともに、その上手な狙い方を検討してまいります。
 

X2▲まだまだ旬な輸入SUVの価格が比較的お手頃になってきたならば、検討してみない手はないかも!

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BMW X2(2代目)
 

モデル概要:クーペ的フォルムをもつちょうどいいサイズの輸入SUV

2代目BMW X2は、日本では2023年10月に発売された全長4555mm×全幅1845mm×全高1575mmのSUV。このボディサイズは、定番の国産SUVと比べると「トヨタ ハリアーより少し小さくて、トヨタ カローラ クロスより少し大きい」というぐらいのニュアンスです。

2代目BMW X2というSUVの素敵なポイントは、前述した「ちょうどいいサイズ感」に加え、内外装の質感とデザイン性が高く、最新世代の各種装備も満載されていて、なおかつ「BMWならではの上質な走り」も堪能できるという点です。
 

X2▲こちらが2代目BMW X2
X2▲クーペ的なフォルムが特徴的。ボディサイズは全長4555mm×全幅1845mm×全高1575mm
X2▲10.25インチのメーター用ディスプレイと、10.7インチのセンターディスプレイをシームレスにつないでいる「BMWカーブドディスプレイ」を採用している(※写真はインテリアデザインが共通の電気自動車、BMW iX2)

ちょっとクーペ的なプロポーションに筋肉質なショルダーラインを組み合わせたエクステリアデザインは個性的でありながらプレミアム感たっぷりで、インテリアには「BMWカーブドディスプレイ」というおしゃれな大型パネルを採用。

そして高速道路での手放し運転も可能な運転支援システム「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」は全車標準装備で、駐車支援システムやドラレコ、そしてヘッドアップディスプレイ等々、とにかく装備類は最初から「全部盛り」といったニュアンスなのです。

パワーユニットは最高出力が異なるガソリンターボ2種類と、同じく2L直4のディーゼルターボが用意されていますが、流通のメインとなる最高出力204psの2L直4ガソリンターボはきわめてパワフルで、BMWならではの足回りの良さなどもあって、ドライバーのイメージどおりに、安全かつスポーティに走らせることが可能です。
 

X2▲SUVであってもタイトでスポーティな乗り味が堪能できるのが、いかにもBMWの車らしいところ

グレードは3種類のみというシンプルな構成で、その詳細は下記のとおり。中古車市場で主に流通しているのは前述のとおり、最高出力204psの2L直4ガソリンターボエンジンを搭載しているグレードです。

●xドライブ20i Mスポーツ 4WD
最高出力204ps/最大トルク300N・mの2L直4ガソリンターボエンジンを搭載。駆動方式は4WD。

●xドライブ20d Mスポーツ 4WD
2025年9月に追加された、最高出力150ps/最大トルク400N・mの2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載するグレード。駆動方式は4WD。中古車の流通はまだ始まっていない。

●M35i xドライブ 4WD
最高出力317ps/最大トルク400N・mの高出力版2L直4ガソリンターボエンジンを搭載する最上級スポーツグレード。駆動方式は4WD。
 

 

選択肢①:お手頃予算でいくなら総額400万円台の「xドライブ20i Mスポーツ 4WD」

2代目BMW X2の中古車平均価格は約475万円。支払総額で考えると「約490万円」といったところでしょう。そして、平均支払総額以下の予算で狙える現行型X2の数は約45台です。

通常、平均価格以下の中古車というのは各種の条件が微妙にイマイチだったりもするのですが、2代目BMW X2の場合は、何ら問題のない物件がほとんど。そのため平均支払総額以下となる総額420万~490万円の物件であっても、ごく普通に購入してOKであると考えられます。
 

X2▲底値圏の中古車というのは通常、やや難ありだったりする場合も多いものだが、2代目BMW X2の底値圏物件は、低走行な上モノである場合がほとんどだ

この価格帯で狙える物件のグレードは、すべて「xドライブ20i Mスポーツ 4WD」。つまり、X2としては標準的な2Lガソリンターボエンジンを搭載する4WD車です。しかし標準的なエンジンといってもパワー感は十分というか十分以上ですし、装備内容も、前章で述べたとおり「最初から全部盛り」と言えるのが現行型BMW X2という車の特徴ですので、これまた何ら問題ありません。

そして総額420万~490万円付近で流通しているxドライブ20i Mスポーツ 4WDの走行距離は、そのほとんどが走行数千kmか、せいぜい1万km台程度。そういった物件を販売しているお店も、大半がいわゆるメーカー系販売店ですので、これまた「不安も問題もない」と考えることができるでしょう。

平均支払総額以下の金額で流通している2代目BMW X2のネガをあえて挙げるとしたら、後述する「ハイラインパッケージ」というオプションが付いていな場合が多い――ということぐらいです。しかしハイラインパッケージというのは、付いているに越したことはないセットオプションですが、これがなくても装備内容はそもそも充実していますので、特に大きな問題はありません。

とにかく、総額420万~490万円付近の現行型BMW X2はきわめて高コスパな選択肢です。ちょうどいいサイズ感のプレミアムな輸入SUVを探している人は、ぜひご注目ください。
 

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BMW X2(2代目)×支払い総額490万円以下
 

選択肢②:予算ちょい足しが可能なら、総額500万円ちょいの「ハイラインパッケージ」付き物件

平均支払総額を下回る総額420万~490万円付近の物件でも何ら問題はありませんが、予算をちょい足しして総額490万~540万円ぐらいのゾーンで検討を行うと、前述した「ハイラインパッケージ」を装着しているxドライブ20i Mスポーツ 4WDが見つかりやすくなります。
 

X2▲「総額500万円ちょい」をイメージすると、選べる物件の装備レベルは如実にアップする(※写真はEVモデルのiX2)

BMWのメーカーオプションであるハイラインパッケージは、現行型X2の場合は下記の内容がセットになったパッケージオプションです。

●アクティブ・シート(マッサージ機能とランバーサポートの付いた運転席シート)
● HiFiスピーカー・システム harman/kardon(205W、12スピーカー、7チャンネル・サラウンド)
●上質なインテリアトリム
●様々な種類のレザーシート

インテリアトリムについては「割とどうでもいい」と感じる人もいるかもしれませんが、harman/kardonのサラウンドスピーカーシステムやレザーシートおよび運転席アクティブシートは、BMW X2というプレミアム感の強い輸入SUVには「必須」とまではいいませんが、「あると絶対いい!」とは言えるはずのオプション装備です。

そのため、無理をする必要はありませんが、もしも予算をちょい足しできる余裕があるならばハイラインパッケージ付きの中古車を狙った方が、後々の満足度は上がるでしょう。
 

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BMW X2(2代目)×ハイラインパッケージ
 

選択肢③:時おり超スポーティにも走りたいなら総額600万円台の「M35i xドライブ 4WD」

最高出力204psの2L直4ガソリンターボエンジンを搭載するxドライブ20i Mスポーツ 4WDであっても、その走りは十分スポーティです。

しかし、よりいっそうスポーティというか、「BMWの真髄」みたいな部分を味わいたいとしたら、選ぶべきは、高出力版の2L直4ガソリンターボを搭載するM35i xドライブでしょう。
 

X2▲こちらが強力な2Lガソリンターボエンジンを搭載するM35i xドライブ 4WD
X2▲M35i xドライブ 4WDでは「M リア・スポイラー」も標準装備となる

xドライブ20i Mスポーツ 4WDが搭載する2L直4ガソリンターボエンジンの最高出力が204psであるのに対し、こちらは317ps。そのパワー感は強烈ですが、乗り心地は思いのほかしなやかで、スポーツグレードにありがちな「嫌な硬さ」みたいなものはほぼ感じません。

そしてHiFiスピーカー・システム harman/kardon(205W、12スピーカー、7チャンネル・サラウンド)など、xドライブ20i Mスポーツ 4WDではハイラインパッケージというオプション扱いになる装備はすべて標準となり、見た目的にもカッコいいMスポーツ・シートやMスポーツ・ブレーキ(レッド・ハイグロス・キャリパー)も標準装備。

これであれば、いかにもBMWらしい「スポーティな雰囲気と性能」を存分に満喫できますし、周囲とカブることもほとんどないでしょう。
 

Aクラスセダン▲硬派な「Mスポーツ・シート」を採用すると同時に、harman/kardon のHiFiスピーカー・システムなど、ラグジュアリー系の装備も標準で付いてくる M35i xドライブ 4WDのインテリア

とはいえ残念ながら中古車の流通量はやや少なめで、現在、M35i xドライブのカーセンサーnet掲載台数は約15台のみ。そして新車時価格が800万円を超える高額グレードだけあって、中古車支払総額も590万~730万円というなかなかのモノです。

しかし総額650万円前後のゾーンでも普通に好条件な物件は見つかりますので、もしも予算的な余裕がまあまああって、なおかつ「超スポーティなSUV」を好むのであれば、M35i xドライブを狙ってみるのも悪くない話ではあります。

いずれにせよ2代目BMW X2は、新世代の輸入SUVとしては旬な時期であるにもかかわらず、まずまず手頃な予算で狙うことができる注目の1台です。スポーティで上質な、そして扱いやすいサイズ感の輸入SUVを探している人は、ぜひぜひ流通中の物件を具体的にチェックしてみてください。
 

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BMW X2(2代目) ×M35i xドライブ 4WD

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BMW X2(2代目)
文/伊達軍曹 写真/BMW
※記事内の情報は2025年11月28日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。