センチュリークーペ ▲センチュリークーペの発売はまだまだ先であり、お金があったとしても、注文できるかどうかは未知数。ならば、代わりになるような車を今、探してみましょう

買いたけど、買えるかどうかはわからない……

昨年秋に開催されたジャパンモビリティショー2025で発表されたセンチュリークーぺ。その大胆なフォルムや2+1の斬新なシートレイアウト、そして発表当日に行われた豊田章男会長による感動的なスピーチ等々にシビれてしまった人も多いのではないでしょうか。

とはいえ、センチュリークーペは現段階ではまだコンセプトモデルであり、販売開始は早くても2027年になる予定とのこと。しかも、購入には厳格な条件が設けられ、ほぼ受注生産に近い形になるとのことなので、仮にうなるほどのお金を持っていたとしても、購入のハードルはきわめて高いものになる見通しです。

しかし、「……センチュリークーペに魅了されてしまったこの思いを、自分はどこにぶつければ良いのだ!」とお嘆きの諸兄もいらっしゃることでしょう。この記事ではそんな各位に向け、センチュリークーペの“代わり”になりそうなモデルをピックアップしてみることにします!
 

 

センチュリークーペの代わり①|ロールスロイス ドーン(初代)
想定予算:総額3600万~5000万円

「レクサスを超える最上級ブランド」である新生センチュリーの代わりは、そんじょそこらの車では務まりません。しかし、英国のロールスロイスであれば、しかもそのドロップヘッドクーペ(オープンカー)である「ドーン」ならば、センチュリークーペにも近い存在感と満足感を十分に得られるでしょう。
 

ドーン▲2016年1月に発売されたロールスロイス ドーン。当時の新車価格は3470万円

2ドアクーペであるセンチュリークーペの代替品としては、同じロールスロイスでも「レイス」や「スペクター」といった2ドアクーペの方がふさわしいのかもしれません。しかし、レイスは設計年次がいささか古いという部分が若干気になりますし、スペクターはBEVであるため、好き嫌いは分かれることになります。

一方、2016年から2023年まで販売されたドーンであれば――これもセンチュリークーペと比べれば設計年次は古いといえるのですが、「ドロップヘッドクーペ(オープンカー)である!」という一点において、センチュリークーペに対しても精神的勝利を収めることが可能になります。

考えてもみてください。「ロールスロイス」というだけでも相当なモノですが、その「コンバーチブル」ともなれば、それはもう贅の極みというほかありません。存在としてのラグジュアリー性においては、2027年に発売されるだろうセンチュリークーペに決して負けていませんし、むしろ凌駕している可能性すらあります。
 

ドーン▲ドーンのインテリア。写真の内装はたまたまオレンジ色のレザーだが、インテリアはオーナーの希望により、いかようにもオーダーすることができた

そんなロールスロイスを「スペック」で語るのもやぼな話ではあるのですが、いちおう申し上げておきましょう。

ロールスロイス ドーンは、日本では2016年1月に受注スタートとなった全長5295mm×全幅1945mm×全高1500mmの4シーターコンバーチブル。ソフトトップは(当然ながら)電動式で、車速が50km/h以下であれば走行中でも開閉可能。左右のドアは、レイスと同じ「後ろヒンジの前開き」です。

パワーユニットは最高出力570ps/最大トルク820N・mの6.6L V12ツインターボで、トランスミッションは8速AT。0-100km/h加速は4.9秒をマークし、最高速度はリミッターが作動する250km/hとなります。
 

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ロールスロイス ドーン(初代)
 

センチュリークーペの代わり②|ベントレー コンチネンタルGT(4代目)
想定予算:総額3800万~4400万円

ロールスロイス ドーンは、センチュリークーペと比べるといささか(というか、かなり)古い――という部分がもしも気になるようでしたら、2024年6月に発表され、2025年からデリバリーが始まった4代目ベントレー コンチネンタルGTはどうでしょう?
 

コンチネンタルGT▲こちらが2025年初頭からデリバリーが始まった4代目ベントレー コンチネンタルGT
 

2027年に発売予定のセンチュリークーペは、いわゆるショーファードリブンも視野に入れている車であるはずですが、「モリゾウ」というレーサー名で走りにも情熱を燃やしている豊田章男会長肝入りのモデルだけあって、ドライバーズカーとしての側面も強いことが予想されます。

であるならば、ロールスロイス以上にドライバーズカー寄りであるベントレーの方が、「センチュリークーペの代わり」としてはふさわしいのかもしれません。そしてそんなベントレーの主力モデルであり最新モデルでもある4代目コンチネンタルGTであれば、後席に座ることと同時に「自分でステアリングを握ること」も大好きな貴殿を大いに満足させてくれるでしょう。
 

コンチネンタルGT▲インパネル中央部は「ベントレーローテーションディスプレイ」となっており、3連アナログメーターと液晶ディスプレイが、パネルごと回転することで入れ替わる
 

4代目ベントレー コンチネンタルGTは、全長4895mm×全幅1966mm×全高1397mmの2ドアクーペで、動力源は「ウルトラパフォーマンスハイブリッド」と呼ばれる新開発のプラグインハイブリッドが基本。ベースとなるのは最高出力600psの4L V8ツインターボエンジンで、そこに同190psのモーターを組み合わせることで、782psのシステム最高出力を発生。トランスミッションは8速ATです。

そして4代目コンチネンタルGTは、新しいパワートレインのパフォーマンスに合わせてシャシーも一新。足回りは新設計の2チャンバーエアスプリングとデュアルバルブダンパーで構成され、ベントレーダイナミックライド(48V電動アクティブアンチロールコントロール)やトルクベクタリングシステム、四輪操舵システムなども搭載。ちなみに0-100km/h加速は3.2秒で、最高速は公称335km/hです。

現在、4代目ベントレー コンチネンタルGTの中古車流通量は7台しかありませんが、主にはシステム最高出力782psの「スピード」を総額4000万~4400万円付近で見つけることができます。また1台のみですが、システム最高出力680psのバージョンである「アズール」も、総額3800万円付近で流通しています。
 

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ベントレー コンチネンタルGT(4代目)
 

センチュリークーペの代わり③|メルセデス・マイバッハ GLS(初代)
想定予算:総額1400万~4000万円

ロールスロイスにベントレーときたら、お次は「メルセデス・マイバッハ」でしょう。センチュリークーペの代わりとしては、スポーティな2シーターオープンである「メルセデス・マイバッハ SL 680 モノグラムシリーズ」を推したいところですが、あいにく2025年10月に発売されたこちらの中古車は、まだ流通していません。

となれば、なんだかんだで一番人気のカテゴリーであるSUVのマイバッハモデルである「メルセデス・マイバッハ GLS」を選びたいところです。
 

GLS▲こちらがメルセデス・マイバッハ GLS。ボディサイズは全長5210mm×全幅2030mm×全高1840mmという堂々たるもの
 

2021年7月に登場したメルセデス・マイバッハ GLSは、メルセデス・ベンツ GLSをベースとする4人乗りの超ラグジュアリーSUV

エクステリアは、上部に「MAYBACH」の文字が刻まれたフロントグリルやクローム仕上げのBピラー、ボディ前後のアンダーカバーなどで、ベースとなった「メルセデス・ベンツ GLS」と差別化。

そしてインテリアでは、ベースモデルに対して後席を後方に120mm、内側に30mm移動させ、さらにゆとりを感じさせる空間を実現しています。後席のバックレストは最大43.5度までリクライニング可能で、後席後方には固定式のパーテイションを設置することで、居住スペースとラゲージスペースはしっかり分離されています。

なお、後席中央には専用シャンパングラスが収納でき、750ccのシャンパンボトル3本が入るクーリングボックスも装備しています。
 

GLS▲インテリアは5種類のウッドトリムと3種類のナッパレザーから組み合わせを選ぶことができた
GLS▲一般的にはアームレストが収納されている場所にシャンパングラスが格納されており、その後方には750ccのシャンパンボトル3本をしまえるクーリングボックスが標準で備わっている
 

パワートレインは、気筒休止システムを備えた4L V8ツインターボエンジンに、48V電気システムとISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせたマイルドハイブリッドシステムで、システム最高出力は558ps。

トランスミッションは9速AT、サスペンションには、四輪それぞれに追加された48V対応のアクチェーターがスプリングレートとダンパーの減衰力を個別に制御する「Eアクティブボディコントロール」が採用されました。

そんなメルセデス・マイバッハ GLSの中古車は現在、この種の車としては豊富といえる44台が、総額1400万~4000万円付近で流通中。2023年12月以降の一部改良が行われた世代は希少ですが、それ以前の世代であれば、総額2000万円前後で超低走行物件を見つけることが可能です。
 

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メルセデス・マイバッハ GLS(初代)
 

センチュリークーペの代わり④|アストンマーティン ヴァンキッシュ(3代目)
想定予算:総額5500万~6000万円

前席は通常の2シーターですが、後席は1人のみが座れる「2+1」の3人乗りとなるセンチュリークーペは、きわめてスポーティな車でありながら、後席の居住性も抜群以上であると予想されます。

こちらの車は、そういった部分ではセンチュリークーペにまったくかなわないのですが、もしもあなたが「とにかく自分でステアリングを握りたい!」と考えるタイプの運転好きなエグゼクティブであるならば「アストンマーティン ヴァンキッシュ」も、センチュリークーペに勝るとも劣らぬ1台になるはずです。
 

ヴァンキッシュ▲こちらが2024年9月に登場した3代目アストンマーティン ヴァンキッシュ
 

2024年9月に発表され、同年第4四半期にデリバリーが始まった3代目アストンマーティン ヴァンキッシュは、フロントミッドに世界最高レベルの5.2L V12ツインターボエンジンを搭載する超ラグジュアリースポーツ。

アストンマーティンが新開発したV12ツインターボユニットは、リッターあたり160psとなる最高出力835psを発生。トランスミッションはZF製8速ATで、0-100km/h加速はわずか3.3秒。最高速度は実に345km/hに達します。

シャシーはアルミ接着式で、世界限定449台だった直近のフラッグシップモデル「DBS 770アルティメット」と比べても横剛性は75%向上。その最新高剛性シャシーに基づくボディのサイズは全長4850mm×全幅1980mm×全高1290mm。

そして、専用のキャリブレーションが行われたビルシュタイン製DTXダンパーやカーボンセラミックブレーキ、ブレーキスリップコントロールと統合トラクションコントロール、統合ビークルコントロールなどを連携させた「コーナーブレーキング2.0」や2つのアンプと15個のスピーカーを配置したBowers&Wilkinsサラウンドサウンドシステム等々、標準装備の内容がひたすらハイレベルであることは、もはや言うまでもないでしょう。
 

ヴァンキッシュ▲上質なセミアニリンレザーがふんだんに使われたヴァンキッシュのインテリア。こちらも御多分に洩れず、オーナーのリクエストに応じて細部までカスタマイズが可能だった
 

要するにヴァンキッシュは「世界最高のドライバーズカー」のひとつであり、それが与えてくれる満足感は「後席が広くはない」という一点を除けば、これから登場するセンチュリークーペに何ら引けを取らないものであると考えられます。

そんな3代目アストンマーティン ヴァンキッシュの中古車流通量はさすがに希少ですが、それでも現在で3台の物件が、総額5000万円台後半で販売されています。後席に人を乗せる予定がなく、ご自身も運転席以外に座るつもりがないのであれば、これ以上の選択肢はそうそうないはずです。
 

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アストンマーティン ヴァンキッシュ(3代目)
 

センチュリークーペの代わり⑤|ローバー ミニ(初代)
想定予算:総額200万~500万円

ここまではセンチュリークーペに勝るとも劣らぬレベルと考えられる超ラグジュアリースポーツに限って、“代わり”を探してまいりました。

しかし、ここで改めて考えたいのは、センチュリークーペを本気で欲しがるような超エグゼクティブ層が買うべき車とは、本当にそういった「超ラグジュアリースポーツ」なのか? ということです。
 

ヴァンキッシュ▲こういった類の車は、もちろん素敵ではあるのだが……?
 

売価は数千万円に達するだろうセンチュリークーペを「買いたいな、買おうかな?」などと冗談ではなく本気で考える人は、おそらくは何台もの車を、それもかなり高級なやつを、同時に所有してらっしゃることでしょう。そしてご自宅も――ゲスな推測をして本当に申し訳ありませんが、いわゆる豪邸であり、何なら家政婦さんも雇用しているかもしれません。

そういった生活を(たぶん)されている中で、「ラグジュアリーな車」がもう1台増えたとして、果たしてそこに“感動”はあるのでしょうか?

いやもちろん車好きの夢や欲望には限りというものがありませんから、何らかの新しい車が加われば、やはりうれしいし、感動もするのでしょう。しかしそれが、「人生初のマイカーを買ったときの感動」や、ご自身の事業が成功して「昔から憧れていた高級車をやっと買うことができたときの感動」に匹敵するかと言われれば、おそらくは、しないのではないのでしょうか?

もしもそうであるならば、今の貴殿に必要な「もう1台」は、アストンマーティンやメルセデス・マイバッハ、あるいはロールスロイスやベントレーなどではありません。

もっとプリミティブでシンプルで、運転していると、まだ何者でもない若者だった頃の感覚や思いを取り戻せるような、そんな車です。

そういった類の車は中古車市場にはたくさん存在していますが、筆者が特にオススメしたいのは「ローバー ミニ」です。
 

ミニ▲1959年に登場し、最終的にはローバーブランドで2000年まで生産されたローバー ミニ
 

おそらくは大の車好きである各位に、今さらクラシックミニについての詳しいご説明は不要でしょう。1959年から2000年まで販売された傑作小型FF車です。

全長3075mm×全幅1440mm×全高1330mmとなるその小ぶりなボディは運転中、まるで自分の身体そのものであるかのように感じます。そしてシャープでダイレクトな動きは、少年あるいは青年だった頃の自分の、若々しい筋肉やバネを思い出させます。そして4MTを駆使しながらガンガン走らせるクラシックミニの車内に否応なく進入してくるロードノイズやメカニカルノイズは、まさに青春のファンファーレです。

「どこへ行くにもクラシックミニ」というのはさすがにアレでしょうが、たまに乗る分には、クラシックミニは本当に最高な1台なのです。
 

ミニ▲クラッシックミニの乗り味は、当たり前だが「快適で優雅」ではない。しかしキビキビとした筋肉質なドライブフィールは、忘れかけていた何かを確実に思い出させてくれる
 

通常のビジネスシーンやご家族での移動などの際には、おそらくはいろいろとお持ちの高級SUVなどを使う。しかし、自分一人で移動する際には時おり、万全な状態にメンテナンスしておいたクラシックミニを出動させてみる――というのが、センチュリークーペを本気で検討できる層である各位に、筆者が本当にオススメしたいことです。

ぜひ、ご検討ください。
 

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ローバー ミニ(初代)
文/伊達軍曹 写真/トヨタ、ロールスロイス、ベントレー、メルセデス・ベンツ、ローバー、アストンマーティン
※記事内の情報は2026年1月14日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。