ロールスロイス ▲SUVタイプのトヨタ センチュリーが登場したこと自体も驚きですが、その新車価格が2500万円であるというのもちょっとした驚きでした。しかし、世の中にはセンチュリーSUVと同等またはそれ以上の値段がついているSUVもあります。そんな「超絶高級SUV」の世界をのぞいてみましょう!

「超高級SUV」は新型トヨタ センチュリーだけじゃない

もちろんそれを「自分の車」として使っているユーザーもいますが、基本的にはショーファーカー=専用運転手付きの車であるトヨタ センチュリーに、このたび「SUVタイプ」が追加されることになりました。

カーセンサー▲2023年9月6日にワールドプレミア(世界初公開)となった新型トヨタ センチュリー発表会にて

その車両価格は2500万円とのことですが、これからの時代はセンチュリー的な超絶高級乗用車の世界においても、従来のような「セダン型」ではなく、「SUVタイプ」あるいは「ミニバンタイプ」が主流になっていくのかもしれません。

いや、その流れは「今後、主流になっていくのかもしれません」という話ではなく、すでに主流になっている可能性もあります。なぜならば、世の中にはセンチュリーSUVの新車価格2500万円を大きく超える超絶高級SUVが、すでに何車種も存在しているからです。

ということで、センチュリーSUVのデリバリー開始が待ちきれないあなたに向けて(?)、新車価格だけでなく中古車平均価格も2500万円を超えている「世界の超絶高級SUV5選」をご紹介しましょう。

カーセンサー▲こちらがSUVタイプとなった新型トヨタ センチュリー。これと同等またはそれ以上のSUVとは、果たしてどんなモノなのでしょうか?(撮影:編集部)
 

その1|ロールスロイス カリナン(現行型)

新車価格:3894.5万~4530万円
中古車平均価格(支払総額):約5760万円

カリナン▲英国のロールスロイスが初めて開発したSUV「ロールスロイス カリナン」
 

ロールスロイス カリナンは、英国の超高級車ブランドであるロールスロイスが初めてリリースしたSUV。日本では2018年6月に発売されました。

車台は「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」という豪勢なネーミングの新世代のオールアルミ製プラットフォームがベースで、ボディサイズは全長5340mm×全幅2000mm×全高1835mm。パワーユニットは最高出力571ps/最大トルク850N・mの6.75L V12ツインターボで、ロールスロイス初となる4WDシステムを介し、空車重量2660kgのボディをリミッターが作動する250km/hまで引っ張ります。

SUVゆえに高めの地上高が取られていますが、乗車時には車高が40mm下がり、観音開きのドアからパッセンジャーを迎え入れることになります。その後席は、3人掛けベンチタイプの「ラウンジシート」と、「個人シート」と呼ばれる2人掛け独立シートの2種類を用意。ラウンジシートにはロールスロイス車としては初の折り畳み機構が備わっていて、通常600Lの積載容量を1930Lまで拡大可能。荷室の前後長は、レンジローバーのロングホイールベース版より長い2245mmが確保されています。

最大渡河水深は540mmで、ロールスロイスいわく「世界有数のオンロード性能を保証しつつ、すべての地形において“魔法のじゅうたんのような乗り心地”を実現している」とのこと。ご興味とご予算のある方は、ぜひカリナンで水深540mm以内の河を渡ってみてください。

カリナン▲リアルレザーとウッドに包まれたインストゥルメントパネルは左右対称なデザイン。中央のモニターはロールスロイス初のタッチパネル式

2023年10月上旬現在、ロールスロイス カリナンの中古車流通量は、2019年11月に追加設定された「ブラックバッジ」シリーズと合わせてわずか3台。その支払総額は、一番安い部類でも約5200万円であり、走行1万km未満のブラックバッジになると6000万円を軽く超えます。

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その2|ランボルギーニ ウルス(現行型)

新車価格:2574万~2917.8万円
中古車平均価格(支払総額):約3740万円

ウルス▲こちらがランボルギーニ ウルス

イタリアのランボルギーニといえば「カウンタック」や「アヴェンタドール」などのスーパーカーでお馴染みのメーカーですが、こちらウルスは、同社が2017年に初めて発売したSUVタイプの高性能モデルで、ランボルギーニはこれを「世界初のスーパーSUV」と称しました。

ボディサイズは全長5112mm×全幅2016mm×全高1638mmで、最低地上高はエアサスペンションにより158~248mmの間で変化。そこに組み合わされるパワーユニットは、最高出力650ps/最大トルク850N・mの4L V8ツインターボエンジン。トランスミッションは8速ATのみで、駆動方式は4WDです。

走行モードはSTRADAとSPORT、CORSA(サーキット)、NEVE(雪上)の4種類が用意されていますが、オプションでTERRA(オフロード)モードと SABBIA(砂漠)モードも選択可能。コーナリング性能を高める「アクティブ・トルク・ベクタリング」に加えて、低速には前後輪を逆方向にステアさせて小回り性を向上させ、高速時には同位相に動かす「リアホイールステアリング」も装備されるウルスは、純粋なSUVというよりも、ランボルギーニが言うとおりの「SUVの皮を被ったスーパースポーツ」なのでしょう。その証拠に――というわけでもありませんが、ウルスが0-100km/h加速に要する時間はわずか3.6秒で、最高速度は305km/hに達します。

そして、2022年のマイナーチェンジ時には最高出力666psの「ウルス ペルフォルマンテ」と「ウルスS」に進化。その「SUVの皮を被ったスーパースポーツ」っぷりはよりいっそう強烈なものとなりました。

ウルス▲運転席まわりには、ランボルギーニ車の特徴である「六角系の意匠」が多用されている。メーターパネルはフル液晶タイプで、カーナビの地図を表示することもできる

2023年10月上旬現在、ランボルギーニ ウルスの中古車流通量は64台と、この種のスーパーSUVとしては豊富。そして中古車平均価格(支払総額)も約3740万円と、ロールスロイス カリナンの平均価格を見た後では格安に(?)思えたりもします。

流通量が比較的多いのは2020~2021年式で、このモデルの中古車平均価格に近い総額3700万円前後のゾーンで、走行1万km程度の物件が見つかることでしょう。ただし、マイナーチェンジ版のデリバリーが始まった2023年式以降のウルスは、支払総額4000万円以上になります。

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その3|アストンマーティン DBX(現行型)

新車価格:2299.5万~3290万円
中古車平均価格(支払総額):約2550万円

DBX▲100年以上の歴史を持つアストンマーティンが初めてリリースしたSUV「アストンマーティン DBX」

映画『007シリーズ』に“ボンドカー”として登場する、数々のラグジュアリースポーツを作ってきた英国のアストンマーティン。そんなアストンマーティンが2019年に初めてリリースしたSUVがこちら、アストンマーティン DBXです。

ボディサイズは全長5039mm×全幅1998mm×全高1680mmで、搭載エンジンはDB11やヴァンテ―ジなどのスポーツモデルにも搭載される4L V8ツインターボに、独自の改良を加えたもの。最高出力550psと最大トルク700N・mをマークし、トランスミッションは9速AT。駆動システムはアクティブセンターデフと電動リアLSDを備えた4WDです。

その結果として最高速291km/h、0-100km/h加速4.5秒というSUV離れした動力性能を実現しているアストンマーティン DBXですが、トリプルチャンバーのエアサスペンションと48Vのアンチロールシステム「エレクトリック・アンチロール・コントロールシステム(eARC)」を装備することで、その乗り心地はきわめて快適なものとなっています。

2022年4月には最高出力707psのメルセデスAMG製4L V8ツインターボエンジンを搭載する「DBX707」を追加しました。

DBX▲なんとも有機的なデザインとなるDBXのインテリア。センターコンソールはブリッジ型で、下部の空間は小物入れスペースになる。中央のディスプレイは10.25インチ

そんなアストンマーティン DBXの中古車は2023年10月上旬現在、約40台が総額1900万~4300万円(支払総額)の価格レンジで流通中。平均価格である「約2550万円」付近では、走行1万kmちょいぐらいの2022年式が検討可能です。そして、もう一声といえる総額3400万円以上を拠出できるのであれば、最高出力707psの超絶エンジンを搭載する「DBX707」の走行0.1万km程度の物件も余裕で見つかるでしょう。

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その4|メルセデスAMG Gクラス(現行型)

新車価格:2035万~2860万円
中古車平均価格(支払総額):約2570万円

Gクラス▲Gクラスのトップパフォーマンスモデルである「メルセデスAMG G63」

「メルセデス・ベンツ」の方の現行型Gクラスの中古車平均価格も、2023年10月上旬現在で約1770万円と、相当なことになっています。しかし、メルセデスの超ハイパフォーマンスラインである「メルセデスAMG」のGクラスは、トヨタ センチュリーSUVの新車価格を超える約2570万円と、さらに相当なことになっているようです。

現行型Gクラスのトップパフォーマンスモデルである「メルセデスAMG G63」は、最高出力585ps/最大トルク850N・mを発生するM177型4L V8直噴ツインターボを搭載した超高性能SUV。これは、標準車が搭載する4L V8ツインターボエンジン「M176」よりも163ps/240N・m強力な数値です。

ボディサイズは、標準の現行型Gクラスに対して56mm長く53mm広い、しかし全高は3mm低い全長4873mm×全幅1984mm×全高1966mm。トランスミッションは9速ATで、トリプルデフロックを備えたトランスファーなどは標準車と同様で、4WDシステムの前後駆動配分も、標準車と同じ40:60のフルタイム式です。

Gクラス▲ドイツ的な重厚感と合理性、そして万国ほぼ共通のゴージャス感とが上手に融合されているメルセデスAMG G63のインストゥルメントパネルまわり

メルセデスAMG Gクラスは2023年10月上旬現在、約290台の中古車が流通していて、その平均価格は約2575万円。一番安い部類では、総額2000万円前後で走行距離2万kmから3万km台ぐらいの物件を見つけることができます。走行距離1万km台までの物件が見つけたいのであれば総額2300万円前後、走行距離数千kmレベルの中古車がお好きな場合は総額2500万円前後というのがおおむねの目安となります。

また、「マヌファクトゥーア エディション」や「ストロンガー ザン タイム エディション」などのシブい限定車も総額2500万円前後が目安となりますが、2022年7月に発売されたマットカラーの「マグノヒーロー エディション」は総額3100万円以上です。

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その5|ランドローバー レンジローバー(現行型)

新車価格:1687万~3322.3万円
中古車平均価格(支払総額):約2440万円

レンジローバー▲こちらが英国の現行型レンジローバー

こちらの中古車平均価格は、トヨタ センチュリーSUVの新車価格よりも少しだけお安い約2440万円なのですが、まぁ「おおむね2500万円」ということで、このカテゴリーに含めたいと思います。ご存じのとおり、初代は「砂漠のロールスロイス」と呼ばれた超高級SUVの現行モデルで、日本では2021年11月からローンチエディションの予約注文が始まったモデルです。

車両構造は従来型とは異なる完全新設計で、プラットフォームには、電動パワートレインの搭載も念頭においた「MLA-Flex」を採用。ボディサイズは全長5065mm×全幅2005mm×全高1870mmです。

パワートレインは様々なタイプが設定されていて、最高出力300psの3L直6ディーゼルターボである「D300」と、同530psの4.4L V8ガソリンターボ「P530」の他、3L直6ガソリンターボエンジンと電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドも用意。こちらには最高出力440psの「P440e」と、同510psの「P510e」が用意されました。

足回りも大幅に進化していて、エアスプリングを使用した軽量コンパクトな5リンクリアアクスルや、路面の状況に応じて減衰力を制御する「ダイナミックレスポンスプロ」などにより、その乗り心地は「まさに雲上」といったニュアンス。それでいてスポーティなタイト感もあるのが、このSUVの不思議なところというか、素晴らしいところです。

2023年5月にはパワートレインの改良と見直しを行い、3L直6ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムの最高出力を40psアップした「P550e」を新たに追加した他、4.4L V8ツインスクロールターボエンジンにマイルドハイブリッド機構テクノロジーを採用。搭載パワートレインのすべてがハイブリッド化されました。

レンジローバー▲運転席からボンネットの先まで見通せる「コマンドポジション」は現行型でも健在。写真では伝わりにくいかもしれないが、ウッドやレザーの質感の高さはちょっと尋常ではないほど

そんな現行型レンジローバーの中古車流通量は、2023年10月上旬現在で約35台のみと、やや少なめな状況。平均価格は前述のとおり約2440万円ですが、具体的には総額2050万~3350万円あたりのゾーンで、様々なグレードが流通しています。

比較的お安めの予算で狙いたい場合は、総額2100万円前後で走行数千km程度の「D300」がターゲットとなるでしょう。トヨタ センチュリーSUVの新車とおおむね同程度の予算を拠出できるのであれば、2022~2023年式の「P530」がターゲットになります。

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ランドローバー レンジローバー(現行型) × 全国
文/伊達軍曹 写真/トヨタ、ロールスロイス、ランボルギーニ、アストンマーティン、ジャガー・ランドローバー、メルセデス・ベンツ、タナカヒデヒロ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。