三菱 エクリプスクロス(現行型)▲端正なスタイリングと全幅1805mmのちょうど良いサイズ感、優れた4WD性能がエクリプスクロスの長所だ

大穴だけど大本命にしてほしい、三菱渾身のクロスオーバーSUV

今、まさに百花繚乱、より取り見取りの様相を呈しているミドルクラスSUV。その中でも特に人気なのは、ややコンパクト寄りの国産クロスオーバーだ。

トヨタ カローラクロスやマツダ CX-3といった車種が人気だが、人気車種は中古車市場での価格もちょっと高め。

すでにこれらのモデルをチェック済みの人にオススメしたいのが、2018年に三菱が4年間の沈黙を破って投入した新型車、エクリプスクロスだ。

ちょうど良いボディサイズ、エッジの効いた精悍なマスク、三菱らしいこだわりの4WD機構など、競争激烈な同カテゴリーにおいても個性が際立つもでるである。

デビューから4年以上たったことで、中古車市場での流通量も充実。デビューに近い年式のモデルなら、総額200万円台前半で狙えるようになってきた。

この記事ではエクリプスクロスがどのようなモデルなのか、またオススメのグレードなどを解説する。

エクリプスクロス ▲2分割式のリアガラスにも特徴があったが、2020年のマイナーチェンジでシングルガラスに変更されている

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モデル概要:キレのいいデザインと優れた走行性能が特徴のMサイズSUV

ミドルクラスSUVの中でも比較的大きなアウトランダーと、コンパクトなRVRの間を埋める車種として登場したエクリプスクロス。

ボディサイズは全長:4405mm × 全幅:1805mm × 全高:1685mm(デビュー時)と全長、全幅に比して全高がやや高めのSUVらしいスタイルとなっている。

マツダ CX-3よりも全体的にひと回り大きく、トヨタ カローラクロスよりわずかに小さめ(ただし全高は高い)というサイズ感だ。

外観では切れ長のLEDヘッドライトと大型のバンパー&フォグランプ、クーペをほうふつとさせる傾斜したリアウインドウなどが特徴。

バンパーなどボディ下部に厚みを持たせることでSUVらしさを強調しつつ、背高のキャビンを感じさせないデザインワークが見事だ。

なお、2020年12月のビッグマイナーチェンジではヘッドランプをバンパーに移動、従来2分割だったリアガラスをシングルガラスに変更するなど、デザインに大胆な変更が行われた。

エクリプスクロス ▲デビュー~2020年11月に生産された前期型のデザイン
エクリプスクロス ▲2020年12月以降生産されている後期型のデザイン

エクリプスクロスの優れた点は、何と言っても優れた走行性能だ。しっとりとした乗り味とスポーティさを両立しており、街中走行でもボディ剛性の高さが感じられる。

三菱らしく4WDシステムにもこだわっており、状況に応じて後輪に伝達するトルク変化させるアクティブトルクスプリット式4WDに、AYCブレーキ制御を追加した「S-AWC」が採用された。競合他車が比較的簡素な4WDシステムを採用する中で、これは大きなアドバンテージだ。

エンジンは当初、1.5L 直列4気筒ガソリンターボのみを設定。ターボの採用によって自然吸気2.4Lエンジンなみの低中速トルクを実現した。パワフルとは言えないが、実用十分なスペックと言えるだろう。

2019年6月には、デリカD:5にも採用されている2.2L 直列4気筒ディーゼルターボを追加設定。尿素SCRシステムを採用したクリーンディーゼルで、380N・m(38.7kg・m)という大きなトルクを発生する。

2020年12月にはディーゼルにかわり、アウトランダーPHEVにも採用されている2.4L直列4気筒ガソリンエンジン+2モーターのプラグインハイブリッド仕様が設定された。こちらも前後両方にモーターを搭載し、4WDシステムと統合制御されるハイレベルなPHEVだ。

 

グレード構成:エントリーグレードの「M」でも装備充実

エクリプスクロス ▲インテリアもシルバー加飾などが採用されて上質な雰囲気。「G」グレード以上には電気式パーキングが採用される

グレード構成はシンプル装備の「M」と上級装備の「G」、最上級の「Gプラスパッケージ」という3本立て。それぞれにFFとフルタイム4WDが設定される。

「M」はエントリーグレードながら、先進安全装備である「e-Assist」や左右独立温度調整式フルオートエアコンなどを標準装備。アルミホイールは16インチ、ヘッドランプはハロゲン式となるが、エントリーグレードとしては十分な装備内容と言えるだろう。

「G」は「M」の内容に、LEDヘッドランプ、18インチ・アルミホイール、電動パーキングブレーキ、レーダークルーズコントロールなど便利な装備を追加した仕様。

「G プラスパッケージ」にはさらにタッチパネルコントローラー付きスマートフォン連動オーディオ、レーンチェンジアシスト機能などが追加されている。

エクリプスクロス ▲リアガラスが傾斜しているエクリプスクロスだが、後席居住性も悪くない。ただし、荷室容量は少なめ
 

オススメの中古車:4WDの「G」がお得で選びやすい

現在、中古車市場に流通しているエクリプスクロスは約450台。年式ではデビュー年が最も多いものの、その後は満遍なく分布している。中古車平均価格は270万円前後だ。

他のクロスオーバーSUVに比べて、4WD比率が全体の7割近くとかなり高いことも特徴。どのパワーユニットであっても4WDを選べること、高度な4WDシステムを採用していることが主な理由だろう。

価格で選ぶなら、1.5L 直4ガソリンの「G」がオススメ。

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三菱 エクリプスクロス(現行型) × ガソリン × 「G」

装備が充実しており、流通台数も全グレード中で最も多い。走行距離3万km未満・修復歴なしの物件でもFFなら総額230万円から狙える。新車価格が270万円以上であることを考えると十分にお買い得と言えるだろう。

ディーゼルの「G」も魅力的なモデルだが、販売期間が約1年半しかなかったために流通台数が少ない。条件に合致する物件があったら早めに問い合わせることをオススメしたい。

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三菱 エクリプスクロス(現行型) × ディーゼル × 「G」
エクリプスクロス ▲「G」グレード以上ではヘッドランプがLEDに、フロントグリルもメッキとなる

同じガソリンの「G」でも、4WDを選ぶ場合、予算は250万円~となるが、新車価格が320万円超ということを考えると、お得な水準ではないだろうか。

この4WDシステムはオフロードだけでなくオンロードでも威力を発揮するタイプであるため、スポーティな走行感覚が好きな人はぜひ4WDを選びたい。

パワー&トルク重視で選ぶなら、PHEVで決まり。ただし、燃費面でのメリットは意外に少なく、ガソリン・FFが14.4km/Lであるのに対して、PHEVは16.4km/Lとなっている。

中古車市場での価格帯は総額350万円~とガソリンに比べてかなり高価だが、PHEVの力強い走りは他では味わえない。予算アップが可能なら、ぜひ選択肢として検討してほしい。

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三菱 エクリプスクロス(現行型) × PHEV

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※記事内の情報は2022年12月15日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/三菱
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。