新型レクサス NXにも見劣りしない、初代のオススメグレードを紹介
2022/02/12
▲都会的で洗練されたプレミアムクロスオーバーSUV。新型が登場したが、先代も十分に魅力的なモデルだ2代目の登場で初代の魅力がさらに際立った
初代の登場から7年。2021年10月、満を持してフルモデルチェンジしたレクサス NX。
レクサス初のプラグインハイブリッドをラインナップ。プラットフォームも一新され、先進性、洗練された走りが話題となっている。
しかし、冷静に眺めてみると初代NXのスペック、装備内容で十分な部分も多く、すべての面で“2代目が優れている”とは限らない。
そこで提案! 「新型のNXが欲しい! でも予算的に今はまだ」とか「新型の納期を待てない」と思っている人は、初代NXに目を向けてみてはいかがだろうか?
NXに求めるモノの多くは初代でも十分に満たせ、さらに初代だからこそ、といった魅力もある。
ここでは初代NXと新型NXを比べ、それぞれの優位性、割り切れる部分とそうでない部分を明らかにしてみたい。
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レクサス NX(初代) × 全国
▲初代NXは2017年にビッグマイナーチェンジ行っている。グレード名称を「200h」から「300」に変更。グリルまわりなどのデザインも変更された【初代NXがオススメの理由】新型じゃなきゃダメな理由は意外に少ない
走りも装備内容も洗練された新型NXだが、その多くは初代の長所をアップデートしたもの。プラグインハイブリッドのような“2代目にしかない要素”はあまり多くない。
例えばボディサイズ。実は全長、全幅がわずかに大きくなった程度で、居住性には大きな差はなし。
デザインについてもキープコンセプトで、好みによっては「初代の方が個性的で良かった」と感じる人もいるはずだ。
特にビッグマイナーチェンジが行われた2017年9月以降の後期型はデザインがリファインされ、安全装備も充実。2代目とのスペック的な差はわずかと言えよう。
マイナーチェンジ後の後期型は、フロントまわりやリアコンビネーションランプまわりのデザインをリニューアル。さらに「ハンズフリーバックドア」を新たに設定(一部グレード)、先進安全装備をパッケージした「Lexus Safety System+」を標準装備化するなど安全性能も向上した。
「中古車であるがゆえ、納期が短くすぐに手に入る」「後期型は年式が新しいため、多走行車が少なく、コンディションが安定している」など、生産終了した初代ならではのメリットもある。
ここでは初代の後期型を取り上げ、新型NXと比較検討してみる。
▲ガソリンエンジンとハイブリッド、初代には2種類のパワーユニットが設定されていた【ボディサイズ】車格はほとんど同じ
初代のボディサイズは全長4640mm × 全幅1845mm × 全高1645mm。後期型はデザイン変更にともなって全長が10mm延長された。
対して2代目のボディサイズは全長4660mm × 全幅1865mm × 全高1660mmで、初代よりも全長で20mm、全幅で20mm、全高で15mm大きい。
初代は2代目よりも全体的にややコンパクト……ということになるが、15~20mmの違いだけに、見た目ではほとんど分からない。
▲フルモデルチェンジにより車体設計は一新されたが、ボディサイズの違いはわずか【デザイン】初代は好みが分かれる
▲こちらが2017年9月にマイナーチェンジした初代・後期型NXのフロントマスク
▲こちらが2021年10月にフルモデルチェンジした新型NXのフロントマスクレクサス共通のスピンドルグリルを中心に、先進性やスポーティ感を表現するアバンギャルドな外観デザインが採用されている初代。
フロントバンパーを切り裂くように埋め込まれたLEDポジションランプや前後ドアを彫刻刀で削り取ったかのようなサイドのプレスラインなど、なかなかに挑戦的なデザインだ。
対して新型のデザインは、流れるような美しいフォルムを初代から継承しながら、全体的にスッキリとまとめられたもの。洗練されているのは新型だが、逆に言うと初代のような大胆さはない。
好き嫌いが分かれる初代に対し、新型は万人受けを狙ったものとも言える。個人的には初代のデザインもいまだ新鮮さを失っていないように思う。
▲こちらが初代・後期型NXのリア
▲こちらが新型NXのリア【動力性能】初代のスペックでも十分
パワートレインの選択肢は、新型の方が圧倒的に多い。
初代と新型のラインナップは下記のとおりだ。
■初代・後期型
2L 直4ガソリンターボ(300)
2.5L 直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッド(300h)
■新型
2.5L 直4ガソリン自然吸気(250)
2.4L 直4ガソリンターボ(350 Fスポーツ)
2.5L 直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッド(350h)
2.5L 直4ガソリンエンジン+モーターのプラグインハイブリッド(450h)
比較をすると新型でしか手に入らない要素は、ガソリンの自然吸気エンジンとプラグインハイブリッドだ。NAエンジンの自然なフィーリングが好き、あるいはプラグインハイブリッドでエコに走りたい、という人は新型一択となる。
また、ガソリンターボエンジンが2L(初代)→2.4L(新型)へと排気量&パワーアップ。さらに、トランスミッションについても6速AT(初代)→8速AT(新型)へと進化している。
ハイブリッドもエンジン、モーターともパワーアップしているが、実用域での動力性能は初代のガソリンorハイブリッドでも十分なもの。よほどハイパワーを求める人以外は初代で十分と感じるだろう。
【走行性能】2代目の進化はすごいが……
一新されたプラットフォームをベースに、レーザーピーニングなどの新たな溶接技術、構造用接着剤の使用範囲拡大、高剛性発泡剤の封入などでボディ剛性を徹底的にアップした新型。
さらに車体上部、バネ下重量を極限まで軽量化することで、操縦安定性の雑味を一掃することに成功している。
サスペンション形式などは共通しているが、正直、乗り比べれば初代と新型のハンドリング、快適性には明らかな差がある。ただ、こちらも“良い方を知っていれば”違いが分かる、というレベル。
初代のそれとてスポーティかつしなやか、レクサスらしい上質感が感じられるもので、全く不満はないだろう。
▲初代Fスポーツには、2代目で標準装備化されたパフォーマンスダンパーを装備。不快な振動を吸収しつつ操舵性をシャープにする【燃費】購入費用の差を埋めるほどではない
燃費はガソリン車で12.6km/L(初代・300・FF・WLTCモード)→14.4km/L(2代目・250・FF ・WLTCモード)と1.8km/Lの差。
ハイブリッド車では、17.8km/L(初代・300h・FF・WLTCモード)→22.2 km/L(2代目・350h・FF ・WLTCモード)の差となっている。これをどう捉えるか?
ハイブリッド車で仮に1000km走行、レギュラー167円/Lで計算した場合、カタログ数値で計算すると初代300hのガソリン代は9382円、新型350hは7522円となり、1860円の差となる。
ライフサイクルを通して10万km走行しても、18万6000円の違いしか生じない計算だ。
ちなみに、新型のプラグインハイブリッドの燃費は19.8 km/Lと、ハイブリッド以下。CO2排出量削減に貢献する、という意味では新型に分があるものの、実利での差は意外に少ないと言える。
【安全性能】2代目のLexus Safety System +はさらに高度化
Lexus Safety System +が標準装備された初代NXの後期型。
安全性能については2代目と同等……と言いたいところだが、厳密には新型のLexus Safety System +はより高度化され、交差点における出会頭での衝突回避支援、夜間の自転車検知機能、衝突被害軽減ブレーキと操舵制御を同時に行うアクティブ操舵支援機能などが加わっている。
最新鋭の先進安全性を求めるなら初代だが、国産他車に比べると初代のLexus Safety System +も十分に高度なものと言える。
【居住性・荷役性】荷室の使い勝手に大きな差
車内空間の広さはNXにおける美点のひとつだが、後席足もとスペースや頭上高といった居住空間の余裕は、初代も新型も実はほとんど変わらない。
強いて違いを挙げるとすれば、前席左右の景色だろう。初代は運転席と助手席がシンメトリーに近く設計されているのに対し、新型はコントロールパネルの角度を右側に向け、運転席側は包まれ感を、助手席側は開放感を意識した作りとなっている。
荷室容量については新型の方が勝っている。特にフル乗車時の荷室長については30cmほどの差があり、これは荷物を多く載せる人にとっては大きな違いとなるだろう。
ただし、日常の買い物などであれば初代でも狭さを感じることはないはずだ。
▲ひざ前や頭上空間に余裕があり、座面も十分な広さをもつ初代のリアシート。運転席からのスイッチ操作でシートバックを折りたたむこともできる
▲スクエアな空間が確保された初代の荷室。欲を言えばもう少し奥行きが欲しいところ【装備】2代目にはユニークな先進装備も
新型で新たに採用された装備は数多くあるが、代表的なのが「e-ラッチシステム」だ。これはドアラッチのロック、解除をハンドル操作ではなく電動で行うもの。またユニークなところでは「アドバンスパーク」がスマホと連動し、ドライバーが“車外にいても”自動的に駐車を行える機能や、ドアの施錠解錠、エンジンの始動をスマホから操作できる「デジタルキー」が挙げられる。
こうした機能は確かに便利かもしれないが、正直なくても不便というわけではない。一般的な感覚では、マイナーチェンジにより装備が充実した初代・後期型NXで十分すぎるほど、と感じるはずだ。
▲初代のインテリアは伸びやかなイメージでデザインされている。エアコンスイッチなどを助手席側からも操作しやすいのは長所初代NXの後期型を買うなら、このグレードがオススメ
▲挑戦的なデザインのプレスラインなどは、初代ならではの魅力。中古車市場ではガソリン車の比率が高い初代NX後期型でオススメのグレードをガソリン車、ハイブリッド車それぞれで紹介していく。
まずはガソリン車から。前述したように初代NXのガソリン車は全車、ターボ搭載モデルだ。瞬発力に優れたエンジンの実力を存分に発揮するには、やはりスポーツモデルということで「300 Fスポーツ」をオススメしたい。
「Fスポーツ」はエンジンのスペックこそスタンダードモデルと同じだが、専用フロントグリルや専用アルミホイール、専用色が設定されたインテリアなどで差別化されたモデルだ。
さらに、ボディに生じる微細な振動を吸収してハンドリングを一層シャープにする「パフォーマンスダンパー」や、地図上のデータからカーブを先読みしてダンパーの減衰力を調整する「NAVI・AI-AVS」など、NXの走行性能をさらに引き上げる装備が与えられている。
新車当時、「バージョンL」と並ぶ最上級グレードだったが、中古車市場での流通量は多い。マイナーチェンジ直後の物件なら支払総額400万円前後から狙えるリーズナブルさも魅力だ。
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レクサス NX(初代) × 後期型 × 300 Fスポーツ × 全国ハイブリッドでは、「300h バージョンL」がイチ推し。こちらは本革シートや両手がふさがっていてもバックドアを開閉できる「ハンズフリーパワーバックドア」などが装備された仕様で、2代目と比べても遜色ない豪華な内容となっている。
ガソリン車に比べて新車販売価格が60万円以上高かったハイブリッド車の中古車流通台数は多くないが、それでも選択肢は十分にある。
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レクサス NX(初代) × 後期型 × 300h バージョンL × 全国低走行な物件も中古車市場に多数存在する初代NXだが、今後、人気が高まれば品薄になったり、割高になったりする可能性もある。
程度の良い初代NX後期型を狙うなら、フルモデルチェンジから間もない今がグッドタイミングだ。
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レクサス NX(初代) × 後期型 × 全国※記事内の情報は2022年2月7日時点のものです。

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
この記事で紹介している物件
レクサス
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支払総額278.2万円
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