セレナ(旧型)▲クラストップの室内長と室内幅を誇る、広い室内が人気の旧型セレナ。エクステリアデザインはノーマル(写真左)と、スポーティなハイウェイスター(同右)の2系統があった

今後中古車市場の過熱が予想される旧型・5代目セレナ

人気の5ナンバーサイズミニバン、日産 セレナが2022年11月に6代目へとフルモデルチェンジした。

第2世代に進化したe-POWERや、ミニバン初搭載となる同社の先進運転支援システム「プロパイロット2.0」を搭載するなど魅力的だが、旧型・5代目の魅力もまだまだ見過ごせない。

デビュー時から「プロパイロット」が搭載されており、2018年2月からはe-POWER搭載車が追加されるなど、年々その魅力が磨かれ、同クラスで幾度も販売台数1位を獲得した人気モデルだ。

そんな旧型もデビューから6年以上が経ち、今後は新型への乗り替えなどにより中古車市場が活気づくことが予想されるが、ライバルたちよりも一足先に今の状況をチェックしておこう。

新型 日産 セレナ▲こちらは新型 日産 セレナ。より上質でモダンな要素を取り入れたデザインと、最新のe-POWERやプロパイロットが採用されている。しかし、まだまだ旧型も魅力的なモデルではないだろうか

▼検索条件

日産 セレナ(5代目)×全国
 

台数が多く「プロパイロット」搭載車も選びやすい

中古車市場での旧型・5代目セレナの中古車平均価格は、2022年夏頃まで約230万円だったが、そこから上昇に転じ、原稿執筆時点(2022年12月20日)では約260万円に。

昨今の中古車ニーズの上昇による影響ともとれるが、登録済未使用車などの高年式・低走行な高価格帯物件が増えていることも理由と言えそうだ。

中古車掲載台数を見ると約4600台とかなり豊富で、現在でも十分すぎるほどの選択肢が存在する。

この先、新型への乗り替えが順調に進めば、下取り車両などが増え、台数はさらに増えることが予想できる。

また、平均価格は約260万円だが価格帯は約90万~430万円とかなり幅広く、事前にグレードや年式、欲しい装備など条件をしっかり決めておかないと目移りしてなかなか決められなくなるだろう。

一方で、平均走行距離は約3.4万kmなので、まだまだ良コンディションを期待できる中古車が多いのも特徴だ。

なお、2020年8月までは一部ブレードにオプションで用意されていた「プロパイロット」だが、デビュー直後の2016年9月の同社発表によると、装着率は約7割と高い。

カーセンサーに掲載される物件でも装着している中古車が多いようで、フリーワードに「プロパイロット」と入力して検索すると、半数近くがヒットする。

「プロパイロット」付きが欲しいなら、上記のようにフリーワード検索を上手く活用しよう。

 

「プロパイロット」や「e-POWER」を搭載した快適ミニバン

セレナ(旧型)▲2Lガソリン車は一部グレードを除き、小型モーターがエンジンの再始動などをアシストする「Sハイブリッド」を搭載。また一部グレードに、ドア下で足を振ると自動で開閉するハンズフリーオートスライドドアが設定されていた。写真はノーマルのエクステリアのグレード「S」

それでは、旧型・5代目セレナがどんなモデルだったか、改めて振り返ってみよう。

2016年8月に登場した旧型セレナ。デビュー当時でクラストップとなる室内長と室内幅により、車内が広々としていたのが魅力の1つだ。

その室内空間を生かすシートアレンジも多彩で、幼い子どもを連れたお出かけから三世代一緒の旅行まで、幅広い利用シーンに対応できた。

また、「プロパイロット」が用意されたのも旧型の特徴だ。新型に搭載された「プロパイロット2.0」と比べて、ハンズオフ機能こそないが、高速道路では渋滞時を含めアクセルやブレーキ、ステアリング操作を自動で制御してくれるから、長距離ドライブが格段に楽になる。

デビュー時のパワートレインは 2Lエンジン×CVTのみだったが、2018年2月にe-POWER搭載車が追加された。

1.2Lエンジンを発電機として使い、モーターのみで駆動するこのe-POWERは、新型が採用している第2世代e-POWERと違い、アクセルペダルの操作のみで加減速を調整することもできた(e-POWER Drive)。

また、衝突被害軽減ブレーキは全車に標準装備されており、安全装備にも抜かりはない。

セレナ(旧型)▲上部だけでも開閉できるバックドアは、セレナの特徴ひとつ。壁が近くにあるような狭い場所でも荷物を出し入れしやすい。給油口は燃料キャップがないので、給油時に楽。写真のグレードは「e-POWER ハイウェイスター G」
セレナ(旧型)▲メーターパネルを奥に配置し、その手前、ステアリングとの間に収納を用意。ナビやオーディオは全車オプションで、USBは一部グレードを除きオプションで用意された
セレナ(旧型)▲乗車定員はe-POWER車が7人乗り、2Lガソリン車は8人乗り。8人乗りの2列目シート中央の「スマートマルチシート」は1列目に移動可能で、2列目の乗員がゆったり座れる他、3列目からの移動もスムーズになる。また、2列目シートはシートベルト内蔵なので、チャイルドシートをセットしたままでも3列目の乗降時にいちいちシートベルトを外す必要がない

2019年8月のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインが一新された他、踏み間違い衝突防止アシストが全車標準装備となった。

また、車線逸脱防止支援機能や後側方衝突防止支援システムなどを含む「全方位運転支援システム」が全車に標準またはオプションで用意され、さらに安全性能が高められた。

これらを踏まえ、今中古車を狙うとしたらどんなモデルがオススメか、以下見ていこう。

セレナ(旧型)▲マイナーチェンジで、ハイウェイスターのグリルは、宝石をちりばめたようなデザインが採用された
 

とにかく安く手に入れたいなら総額200万円以内で「S」か「X」を

とにかく安く旧型セレナが欲しいなら、2L車のグレード「S」か「X」を中心に探してみよう。

全体で見ると台数は少ないが、支払総額200万円以内と比較的お手頃な価格帯の3割近くを「S」と「X」が占めている。

具体的には、走行距離10万km以下&修復歴なしで絞ると支払総額約130万円から、走行距離5万km以下&修復歴なしでも支払総額約160万円から見つけることができる。

「S」に対し「X」はにはSハイブリッドが備わり、プロパイロットがオプションで選べるという違いがある。

一方で、「S」は「X」でオプションのプッシュスタート機能や、助手側ワンタッチオートスライドドアが標準で備わるっている。

どちらもほとんど同じ価格なので、外せない条件などを決めてから探すようにしよう。

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日産 セレナ(5代目)×総額200万円以内×「S」×修復歴なし×全国

▼検索条件

日産 セレナ(5代目)×総額200万円以内×「X」×修復歴なし×全国
 

コストパフォーマンス重視なら「2.0 ハイウェイスター Vセレクション」を

手頃な価格でも少し予算をアップできるなら、充実した装備の「2.0 ハイウェイスター Vセレクション」がオススメだ。

同車は2017年5月に設定された特別仕様車で、ベースのハイウェイスターにLEDヘッドランプや両側ハンズフリーオートスライドドア、快適パック(2列目と3列目の左右にテーブル、USBソケット、セカンドシート超ロングスライド&横スライド機能等)などが標準装備されている。

その充実度が新車時でも注目されたようで、中古車台数も多く、全体の3割近くを占める1000台以上もあり選びやすい。

走行距離10万km以下&修復歴なしで絞ると、支払総額約160万円から、走行距離5万km以下&修復歴なしなら、支払総額約200万円から見つけることができる。

また、フリーワード検索で「プロパイロット」と入れても約380台がヒットし、非装着車よりもおおむね10万円アップで狙える。

▼検索条件

日産 セレナ(5代目)×「2.0 ハイウェイスター Vセレクション」×修復歴なし全国
 

e-POWER車狙いなら「e-POWER ハイウェイスター V」を

e-POWER車にこだわって探すなら、「e-POWER ハイウェイスター V」を狙うのがオススメだ。

同車は2018年2月にe-POWERが追加された時点での最上級グレードで、両側ハンズフリーオートスライドドアやLEDヘッドランプ、セカンドシート超ロングスライド&横スライド機能等々、たいていの装備が揃っており、もちろんプロパイロット付きも選べる。

新車時価格では、e-POWER搭載車で最も手頃な「e-POWER X」より約40万円高かったのだが、それでも最も売れたe-POWER車のようで、原稿執筆時点で他グレードが軒並み2ケタか1ケタの台数なのに対し、「e-POWER ハイウェイスター V」だけは1000台以上もあって選びやすい。

走行距離10万km以下&修復歴なしで絞ると、支払総額約230万円から、走行距離5万km以下&修復歴なしなら、支払総額約240万円から見つけることができる。

フリーワード検索で「プロパイロット」を入れても約640台ヒットし、走行距離10万km以下&修復歴なしで支払総額約250万円から狙うことができる。

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日産 セレナ(5代目)×「e-POWER ハイウェイスター V」×修復歴なし全国

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日産 セレナ(5代目)×全国
文/ぴえいる、写真/日産

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。