新型シビックタイプRの新車が受注停止中だが、中古車はどんな感じ？ 最新の価格や流通量をチェック！

▲2023年1月に受注停止のアナウンスが出た新型シビックタイプR。気になる今の中古車状況をチェックしてみましょう

新型シビックタイプRが受注停止に……気になる中古車の状況は？

2023年1月に、ホンダは新型シビックタイプRの受注を一時停止することを発表しました。

残念ながら執筆時点（2023年4月13日）でも状況は改善しておらず、受注再開のめどはたっていません。それどころか、3月にはタイプR以外の新型シビックも受注を一時停止する事態となっています。

その理由についてホンダ公式サイトでは、「慢性的な半導体不足および不安定な部品入荷や物流遅延」をあげています。

この状況はすぐには解消されないことが予想されるため、「だったらすぐに納車される中古車も見てみよう」と考える人もいらっしゃるのでは？

そこでこの記事では、新型シビックタイプRの概要を振り返るとともに、現在の中古車状況を見ていきたいと思います。
 

【モデル概要】究極を超える究極のスポーツモデル

▲NSX、インテグラに続いて登場した初代シビックタイプR

まずはシビックタイプRの歴史についておさらい

新型シビックタイプRの解説に入る前に、簡単に歴代モデルを振り返ってみましょう。

“タイプR”とは、ホンダが最高のポテンシャルを与えたピュアスポーツモデルのみにつけられる称号。シビックは、6代目となるEK型シビックをベースに開発したシビックタイプR（1997年）が初代となります。

その後、2001年に2代目（EP3型）、2007年に3代目（FD2型）が登場。2009年には欧州仕様車がシビックタイプRユーロとして発売されました。

2015年にはイギリスで生産され先に発売された4代目タイプR（FK2型）を750台限定で発売。商談申込みはWEBサイトで行われ、販売台数より申し込みが多い場合は抽選になることが発表されました。この時の倍率は10倍以上だったといわれています。

2017年にはシビックが6年ぶりに日本で販売されることに。そのラインナップの中にタイプRも含まれました。
 

▲2020年11月に200台限定で発売されたシビックタイプRリミテッドエディション。鈴鹿サーキットで2分23秒993というFF車最速のラップタイムを記録した

新型シビックタイプRは「究極を超える究極のスポーツモデル」

そして、シビックは2021年にフルモデルチェンジ。2022年9月に最新のシビックタイプRが登場したのです。

“アルティメットスポーツ” というコンセプトで開発された先代タイプRをさらに進化させた新型は、“アルティメットスポーツ2.0”というコンセプトで開発されています。

エクステリアでは、冷却性能を高めるために開口部が大きく広げられたフロントグリルに目がいきます。ラジエターの有効開口面積は先代比で48％も拡大。ワイド＆ローを強調したスタイルは、ピュアスポーツモデルならではの美しさを感じさせてくれます。
 

▲より冷却性能を高めるため、グリル開口部が広げられた

▲センター3本出しマフラーや大型リアウイングがピュアスポーツモデルであることを象徴している

インテリアにはタイプRの伝統である赤いバケットシートとカーペットが採用され、気分を高揚させます。センターコンソールにはアルミ製パネルとアルミ製シフトノブが。これもタイプRらしいギミックと言えるでしょう。
 

▲サポート性が増したシート形状を含め、キャビン全体でタイプRの世界観を表現している

搭載エンジンは、先代の2L VTECターボをベースにターボチャージャーを刷新。最高出力が243kW、最大トルクが420N・mにまで高められました（先代後期モデルは235kW、400N・m）。デビュー時のプレスインフォメーションにも掲げられていたように、まさに「FFモデル世界最高峰のパフォーマンス」を誇っています。

車載ナビにはタイプR専用のデータロガーアプリがインストールされており、車の機械的な運動情報などをリアルタイムに知ることができるうえ、ユーザー同士でデータをシェアすることも可能です。

そして、先進安全装備であるHonda SENSINGが標準装備されるなど、現代の車に求められる安全性も十分備わっています。
 

▲先代に比べてレスポンス性が高められた2L VTECターボエンジン

▲新設計のレバー構造により、剛性を高めたマニュルトランスミッション。シフト形状も見直され、斜めに動かすときのスムーズさがアップしている

【中古車速報】価格は高騰しプレミア化している

では、気になる新型シビックタイプRの中古車状況を見てみましょう。

新型シビックタイプRの中古車は約40台流通していて、価格帯は570万～950万円となっており、一部「価格応談」となっているものもあります。

750万円以上の価格帯のものが最も多いですが、次に多いのは650万～660万円の価格帯でした。

このことから、販売店によって値付けの仕方にかなりばらつきがあることがわかります。ただ、シビックタイプRはモノグレードで新車価格が499.73万円ですから、かなりのプレミア相場になっているのは間違いなさそうです。

流通している中古車は、登録済未使用車がほとんどで、最も走行距離が多いものでも0.1万kmでした。

ちなみに、ボディカラーはタイプRを象徴するチャンピオンシップホワイトが圧倒的に多く、続いてレーシングブルー・パールが11台、ソニックグレー・パールが2台という状況です。
 

▲新型シビックタイプRには5色のボディカラーが設定されている。写真は現在中古車で流通しているもので、上からチャンピオンシップホワイト、レーシングブルーパール、ソニックグレーパール

新車よりもかなり高い金額で中古車を買うことに、抵抗を感じる人も多いでしょう。

しかし定価（車両本体価格）がある新車と違い、中古車は需要と供給のバランス（相場）で販売価格が決まります。

新車の月間販売台数が400台とかなり少なく、そこに多数の注文が集中して受注停止にまでなった現状を考えれば、プレミア相場になっていることも致し方ないと言えそうです。

どうしても早く新型シビックタイプRに乗りたい人は、こまめに中古車物件をチェックし、少しでも条件に合うものを探していくことをオススメします。
 

※記事内の情報は2023年4月12日時点のものです。
 

自動車ライター

高橋満（BRIDGE MAN）

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター／ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL

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