RX ▲より魅力的なアッパーミドルクラスのSUVとなった新型RX。とはいえ中古車の平均価格は1000万円近いという状況。それはさすがにちょっといろいろキツい……ということで、RXのおおむね半額である「総額500万円前後」で狙える、SUVを探してみることにしましょう!

魅力的だが、なかなか買えない新型RX

2022年11月に発売された3代目レクサス RX。「スピンドルボディ」という新デザインのフロントマスクや新世代のプラットフォームおよび最新の運転支援システム等々が非常に魅力的なプレミアムSUVですが――中古車平均価格はざっくり1000万円近くであり、流通台数も約60台と少なめです。

要するに「そう簡単には買えない車である」ということです。

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レクサス RX(3代目)

しかし世の中をもっとよく見渡してみれば、3代目レクサス RXの約半値で、つまり総額500万円ぐらいで買える、レクサス RXに勝るとも劣らぬ(?)実力と個性を備えたプレミアムSUVだってあるのかもしれません。

ということで、さっそく探してみることにしましょう!
 

RX▲新型レクサス RXの運転席まわり。ややアグレッシブな外観デザインと違い、インテリアデザインは比較的オーソドックスである
 

候補1|BMW X3(3代目・後期型)
想定予算:総額500万~580万円

3代目(現行型)レクサス RXというSUVの魅力を分解して考えてみるなら、それはおおむね下記のとおりとなるでしょう。

●魅力1 「最新のレクサスである」というブランド性あるいはステイタス性
●魅力2 全長4890mm × 全幅1920mm × 全高1700mmというサイズ感と新世代のデザインがもたらす程よい迫力
●魅力3 最新の運転支援システムを搭載し、ハンズオフ走行も可能であること
●魅力4 「500h」というグレードに代表される走りの良さ

他にもあるかもしれませんが、主にはこんなところでしょうか。

そして上記の4要素は、500万円台の予算で狙える現行型BMW X3の後期型でもおおむね代替可能です。
 

X3▲こちらが現行型BMW X3の後期型。ボディサイズは「新型レクサス RXより少し短くて、ほんの少々車幅が狭い」といえる全長4720mm × 全幅1890mm × 全高1670mm

1の「ブランド性あるいはステイタス性」は、レクサス RXと同等または同等以上といえるはず。現行型X3は、現行型レクサス RXと違って「デビュー時期がやや古い(2017年10月)」というのが若干玉にキズではあるのですが、そこは「ビーエムである!」というパワーでもって(?)うやむやにできます。

また、ここで推奨する2021年10月以降の後期型は外観デザインも変更されていますので、「2017年デビュー」という字面から感じるほどの“古さ”はほとんど感知できないはず。

2の「サイズ感とデザインがもたらす程よい迫力」についても、現行型X3の後期型は現行型レクサス RXとおおむね同等であるといえます。

実際のボディサイズはX3の方がひと回りほど小ぶりですが、「デザインの妙」と「ブランド性の魔法」により、X3はRXと同程度またはそれ以上の「程よい迫力」を、路上で放つことに成功しているのです。

X3▲「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」が全車標準となる現行型BMW X3後期型の運転席まわり

3の「最新の運転支援システムとハンズオフ走行」は、現行型X3の後期型もかなり得意としている部分です。

現行型X3の運転支援システムは2021年10月の大幅改良時に著しく進化しました。従来のものより精度と正確性が向上した「ドライビングアシストプロフェッショナル」が全車標準装備となり、渋滞時の手放し運転を可能にする「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」も全車標準。このあたりに関しては、現行型RXに対して「まったく遜色なし!」と断言してしまっていいでしょう。

4の「走りの良さ」も何ら問題ありません。さすがに総額500万円台で買える「xドライブ20d」(2L ディーゼルターボエンジを搭載するグレード)と、RXのトップグレードである「500h Fスポーツパフォーマンス」(2.4L 直4ガソリンターボに高出力モーターを組み合わせたグレード)を比べてしまうと、軍配はRX500hに上がります。

しかしそれ以外のグレードと比較するのであれば、X3 x ドライブ20dの走りは「レクサス RXと同等または同等以上」であると感じられます。

で、そんなX3 xドライブ20dの後期型は今、走行距離が数千kmから1万km台ぐらいの物件を総額500万~580万円あたりの価格レンジで狙えるわけです。

なんだかんだで総額900万円前後にはなる現行型レクサス RX350 Fスポーツの代替としては「十分な資質を持ち合わせている」と言っていいでしょう。
 

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BMW X3(3代目) × 2021年10月~
 

候補2|メルセデス・ベンツ GLC(初代・後期型)
想定予算:総額480万~570万円

メルセデスのコンパクトSUV(といっても、日本の道路ではけっこう大きく感じますが)であるGLCの初代モデル後期型も、現行型BMW X3の後期型とほとんど同じ意味で「現行型レクサス RXの代わりになり得る1台」です。
 

GLC▲初代メルセデス・ベンツ GLCの後期型。ボディサイズは、BMW X3より全長が少し短い全長4660mm × 全幅1890mm × 全高1645mm

2016年2月に国内販売がスタートした前期型は、さすがにデザイン面で(RXと比べてしまうと)古さを感じざるを得ません。しかし2019年10月に行われたマイナーチェンジを経た世代であれば、デザイン面でも機能面でも古さを感じさせません。

このときのマイナーチェンジで、エクステリアデザインは現行型GLC(2023年3月~)におおむね通じる最新世代のトーンに変わり、インテリアも、ダッシュボード上部に設置されるディスプレイを8.4インチから10.25インチにワイド化。ステアリングホイールもSクラスと同じ、指先のタッチ&スワイプで各種設定や実行ができるセンサー式コントロールスイッチが備わる最新世代のものになりました。

また、自然対話式音声認識機能を備えたインフォテインメントシステム「MBUX」も、このマイナーチェンジから搭載されています。

さらには運転支援システムも、ユーザーインターフェイスやコントロールデバイスを含め、同世代のSクラスやEクラスと同等の最新バージョンに進化しています。
 

GLC▲初代メルセデス・ベンツ GLC後期型のコックピット。アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付き)や対話型インフォテインメントシステム「MBUX」などは全車標準装備

現行型RXのおおむね半値で狙えるグレードは、最高出力194ps/最大トルク400N・mの2L 直4ディーゼルターボエンジンを搭載する「220 d 4マチック」が中心。総額500万円前後で、走行距離1万km台から3万km台ぐらいの「AMGライン」が見つかるでしょう。

これもRXの「500 Fスポーツパフォーマンス」と比べてしまうとさすがに鈍足ですが、その他のグレードと比較するのであれば、走りの質でも決して負けてはいません。もしも「先代モデルである」という点が気にならないなら、ステキな選択肢になるはずです。

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メルセデス・ベンツ GLC(初代) × 2019年10月~
 

候補3|ボルボ V60クロスカントリー(2代目)
想定予算:総額460万~560万円

ここまではBMW X3やメルセデス・ベンツ GLCといった「いわゆるSUVタイプのボディ」を採用しているモデルを、RXの代わりになり得る選択肢として取り上げてきました。

しかしよく考えてみれば、背が高いSUVタイプのボディであることに過剰にこだわる必要はないのかもしれません。

現行型RXという車の魅力の根源である「ブランド性/ステイタス性」「程よい迫力」「充実した運転支援システム」「シュアな走行性能」という要素を有してさえいれば、例えば「ステーションワゴンベースのクロスオーバーSUV」だって構わないわけです。

そう考えたときに有力な候補となるのは、2019年4月に上陸した2代目のボルボ V60クロスカントリーでしょう。
 

V60▲ボルボ V60を少し大型化し、なおかつ最低地上高を210mmまで上げたクロスオーバーモデルのボルボ V60クロスカントリー

ボルボ V60クロスカントリーは中型のステーションワゴンであるV60をベースに、悪路走破性能を向上させたクロスオーバーモデル。ボディサイズは全長4785mm × 全幅1895mm ×全高1505mmで、ベースとなったV60よりもやや大ぶりであり、最低地上高はV60より65mm高い210mmとなっています。

パワートレインは、当初は「T5」と呼ばれる最高出力254psの2L 直4ターボエンジンに8速ATを組み合わせていましたが、2020年11月からは、2L 直4ターボをモーターがアシストする48Vハイブリッドシステムの「B5パワートレイン」に変更。

2022年7月には仕様変更も行われ、最上級グレードである「アルティメット」と、充実した装備を備える標準グレード「プラス」という2グレード体制に変更されています。
 

V60クロスカントリー▲最新世代のV60クロスカントリーの運転席まわり。ドライバーディスプレイと連携する「Googleマップ」によるナビゲーションや「Googleアシスタント」による音声操作などが可能なGoogleのインフォテインメントシステムが標準装備されている

2023年10月中旬現在、RXの半値程度の予算感で狙えるのは、最新の世代である「プラス」と「アルティメット」の、走行距離数十kmから数千kmの低走行物件。

中古車価格は、標準グレードに相当するプラス B5 AWDが総額460万円~、最上級グレードであるアルティメット B5 AWDが総額510万円~といったイメージです。

「今どきの背が高いSUVスタイルではない」という部分に不満を覚える人もいるかもしれませんが、考えてもみてください。想像してみてください。猫も杓子もSUVみたいな状況の世の中に突如現れた、美しいステーションワゴンベースのSUVが生み出す絶妙な、良い意味での違和感を――。

もしもそんな違和感を「好ましい!」と思えるのであれば、ボルボ V60クロスカントリーは間違いなく“買い”の1台です。
 

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ボルボ V60クロスカントリー(2代目)
 

候補4|トヨタ クラウンクロスオーバー(初代)
想定予算:総額480万~550万円

3代目レクサス RXの代わりとして、もしもボルボ V60クロスカントリーがありであるならば、これだってありでしょう。歴代のトヨタ クラウンとはまったく異なるフォルムで登場したトヨタ クラウンクロスオーバーです。
 

クラウンクロスオーバー▲こちらがトヨタ クラウンクロスオーバー。写真のグレードは「G アドバンスト レザーパッケージ」

全長4930mm × 全幅1840mm × 全高1540mmのボディは、SUVというよりは「4ドアセダンまたは4ドアクーペに近い」というニュアンスではありますが、まぁ細かいことはいいじゃないですか。クラウンクロスオーバーは、文字どおり様々な境界がクロスオーバーした(境界線を越えて混じり合った)、魅力的な1台です。

岩がゴロゴロ転がっているような場所を走るには不向きですが、レクサス RXで岩場を走る人もほとんどいないはずですので、そこは気にする必要がありません。

総額480万~550万円付近の予算で狙えるのは、RXの「500h」と同じ強力な2.4L ターボエンジンをベースとするデュアルブーストハイブリッドの「RS」ではなく、最高出力186psの2.5L 直4エンジンにフロントモーター(119.6ps)とリアモーター(54.4ps)を組み合わせた「G“アドバンスト”」になります。

しかし、クラウンクロスオーバーのなめらかでやさしい乗り味には、むしろこちらのパワーユニットの方が合っているともいえますので、動力性能についても特に不満を覚えることはないでしょう。
 

クラウンクロスオーバー▲外観はややアバンギャルドだが、インテリアデザインからは「往年のクラウン」に通じるテイストも感じないではないクラウンクロスオーバーの運転席まわり

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トヨタ クラウンクロスオーバー(初代)
 

候補5|レクサス UX(初代・後期型)
想定予算:総額420万~540万円

ここまで、主には3代目レクサス RXの「存在感」「押し出し感」のようなものにも対抗できそうなサイズの各種SUVを挙げてきました。

しかし……「存在感」「押し出し感」を伴うボディサイズとは、我々にとって本当に必要なものなのでしょうか?

いやもちろん、乗車人数や積載物などの関係で「ある程度のサイズは絶対に必要」という方も多いでしょうし、「人や荷物はあまり載せないが、とにかく自分は大きめな車が好きなのだ!」という方だっていらっしゃるでしょう。

そういった場合は当然ながらご自由にRXや、あるいはさらに大きなLXなどを選べばいいと思います。

しかし「よく考えたら……ボディサイズが大きくても取り回しが面倒くさくなるだけで、なおかつ自分の場合、多人数はあまり乗せないので『空気を運んでるだけ』みたいになってしまう。そして今さら見栄だとか世間体みたいなものも、あまり気にするつもりはないんだよね……」という方だって、それなりにいらっしゃるでしょう。

もしもそうであるならば、「RXと同じぐらいのボディサイズである」ということにはもはやこだわらず、「いっそ大幅にダウンサイジングしてしまう」という選択だってありになってきます。

そしてその場合には――もちろん様々な候補が多数あるわけですが、適任なモノのひとつとして「2022年7月以降のレクサス UX」を挙げることができます。
 

UX▲レクサスのコンパクトSUVであるUX。写真はパフォーマンスダンパーやAVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)などを標準設定する「Fスポーツ」

レクサス UXは、2018年11月に登場したレクサスのコンパクトSUV。ボディサイズは全長4495mm × 全幅1840mm × 全高1540mmと比較的小ぶりで、インテリアの質感などもRXと比べてしまうとやや劣りますし、2L直4ガソリンエンジンまたは2Lエンジンベースのハイブリッドシステムも、例えばRXの「500h」などと比べてしまえば圧倒的に非力です。

しかし「そこまでのゴージャス感や怒涛のパワーなんて、実は必須じゃなかったよね」的な“悟り”を得たユーザーにとっては、新世代のGA-Cプラットフォームに高剛性で軽量な扱いやすいサイズのボディを組み合わせ、程よいぐらいの高級感および上質感が感じられるレクサス UXこそが「ベストな相棒」になる可能性は大いにあります。

そしてそんなレクサス UXは、2022年7月にマイナーチェンジを実施しました。

改良ポイントは多岐にわたっており、サイドドアおよびバックドア周辺開口部のスポット溶接が計20点追加された他、新規開発されたランフラットタイヤによる静粛性の向上や、予防安全技術「Lexus Safety System+」の性能向上、インフォテインメントシステムの刷新など、ここでは書ききれないほど様々な改良が施されました。そしてその結果として後期型のレクサス UXは、従来型以上に見事な「小さな高級車」へと進化したのです。
 

UX▲2022年7月以降の改良型レクサス UXの運転席まわり。インフォテインメントシステムも刷新され、高解像度の12.3インチタッチディスプレイが全車標準装備となった

そんな2022年7月以降の後期型UXは、おおむねの総額420万~540万円のレンジで走行数距離千kmほどの低走行物件か、または数十kmレベルの未使用車を見つけることが可能です。

「果てしなき上昇志向」みたいなものからは一定以上の距離を置き、シンプルで上質なダウンサイジング生活を開始してみたい人にとって、総額500万円前後の後期型UXはかなりオススメな選択肢だといえるでしょう。
 

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レクサス UX(初代) × 2022年7月~
文/伊達軍曹 写真/BMW、メルセデス・ベンツ、ボルボ、トヨタ、尾形和美
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。