ボルボ V40(2代目)▲現在ボルボは電動化にまい進中。それに伴い、いくつかのエンジン車モデルが生産を終えたが、今回紹介するV40もそのひとつだ

北欧プレミアムコンパクトのボルボ V40が安い!

ボルボのエントリーモデルとして2013年2月にデビューした2代目V40。フォルクスワーゲン ゴルフなどに代表されるCセグメントのハッチバックで、安全性に定評のあるボルボらしく先進運転支援機能で勝負したハッチバックだ。

そんなボルボ V40だが、生産が終了した2019年末以降、中古車価格は着実に値落ちが進み、直近2023年9月の平均価格は112.5万円まで落ちている。

そのため、かなり手頃な価格、具体的には総額100万円以下でも狙える物件も増えているのだ。

この記事では、そんなうまみを増しているV40の中古車を狙うならどんなものがオススメか、モデル概要や中古車状況と併せて見てみよう。
 

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【中古車状況】生産終了後も着実に値落ちを続け、平均価格は100万円目前に

まずは、2代目ボルボ V40の中古車平均価格の推移を見てみよう。

同社の電動化シフトによって2019年末に生産が終了したV40。それから4年近く経つが、中古車は経年による値落ちが順調に続いている。2023年9月の平均価格は112.5万円。昨年9月より30万円近く下がっていることになる。

ボルボ V40のグラフ

平均価格こそ100万円を超えているが、当然それよりも低いプライスタグを掲げた中古車もあるということ。つまり、総額100万円以内とかなり手頃な価格でも狙えるV40が昨年よりも増えているわけだ。

順調に値落ちしているのだから、もう少し待てばさらに安くなりそうなものだが、一方で流通量は減少傾向であるためそうとも言い切れない。生産が終了したモデルゆえ、今後急激に台数が増えることもないだろう。

つまり、平均価格は下がりつつも比較的良コンディションの物件が狙える今のうちに、購入検討することをオススメしたいというわけだ。

原稿執筆時点でのカーセンサーの掲載台数は約390台で、価格帯は約30万~340万円と幅広い。平均走行距離は約4.7万kmだから「まだまだ良コンディションが選びやすい」と思うかもしれないが、価格帯からも想像できるように、10万km超もあるし、初期型の物件は10年落ちを迎えたものもある。

価格帯が広く選択肢も多いV40だが、今狙うならどんなものが良いのか? それを検証するためにも以下よりV40の遍歴を振り返ってみよう。

 

【モデル概要】10種類の先進運転支援機能が用意されたプレミアムコンパクト

V40(2代目)▲AピラーとCピラーが大きく寝た流線型フォルムが当時のボルボデザイン

2013年2月にデビューしたV40の最大のセールスポイントは、衝突被害軽減ブレーキ(シティ・セーフティ)の標準装備だ。後に登場したライバルのフォルクスワーゲン ゴルフも同機能を標準装備していたが、作動域は30km/hまで。しかし、V40は50km/hまでとライバルを上回っていた。

加えて、全車速追従機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロールや、車線をはみ出そうとするとステアリングを自動で修正して車線内にとどめようとするLKA(レーン・キーピング・エイド)など、合計10種類の先進運転支援機能をセットにしたオプション・パッケージ(セーフティ・パッケージ)が用意されていた。

しかも登場から1年も経たない同年12月には、早くも同パッケージを全車に標準装備としている。なお、2014年12月にこれらの先進運転支援機能は「インテリセーフ・テン」という名称が与えられた。

その他にも、世界初の歩行者エアバッグがオプションで用意されるなど、 同社の“エントリーモデル”とは思えないほど、安全&先進性能の高いモデルだ。

加えて、スカンジナビアデザインと評される内外装の魅力も、同車がヒットした一因だろう。
 

V40(2代目)▲スポーツモード付きダイナミックススタビリティ&トラクションコントロールをはじめ、積極的にスポーツ走行を楽しめる機能が用意されていた
V40(2代目)▲7インチディスプレイは標準装備。USB&AUX端子が備わる他、Bluetoothにも対応するオーディオが備わる。メーター色は3種類、アンビエントライトも7色用意されていた
V40(2代目)▲本革シートは一部グレードにオプションまたは標準装備された
V40(2代目)▲ラゲージフロアを二つ折りにして立てると荷物を区切ることができる

V40の特徴として、エンジンやミッションなどパワートレインバリエーションが豊富なことも挙げられる。下記にまとめたので、中古車を選ぶ際の参考にしてほしい。

・T4系(2012年12月~2015年6月)|1.6Lガソリンターボ×6速AT

・T5系(2013年4月~2014年10月)|2Lガソリンターボ×6速AT

・T5系改良型(2014年11月~2020年12月)|新型2Lガソリンターボ×8速AT

・D4系(2015年7月~2020年12月)|2Lディーゼルターボ×8速AT

・T3系(2015年9月~2020年12月)|1.5Lガソリンターボ×6速AT

・T2系T2系(2017年2月~2020年12月)|1.5Lガソリンターボ×6速AT

なお、2016年7月のマイナーチェンジでは、アルミホイールの径の大きさやクロス生地/本革、高級オーディオなど、装備の違いにより、同じエンジン搭載車でもグレードが細分化されるようになった。価格の安い順から「キネティック<モメンタム<インスクリプション」となる。

また、従来オプションだった歩行者エアバッグが標準装備されたのもこのマイナーチェンジ時だ。

V40(2代目)▲T5系はすべてスポーティな装いの「Rデザイン」となる
V40(2代目)▲2016年7月にマイナーチェンジで、北欧神話由来のトールハンマーを模したT字型LEDヘッドライトに変更された。また歩行者エアバッグの標準装備化など、安全装備もさらに充実している

以上を踏まえて、今狙い目となるオススメの中古車はどんなものかを紹介していこう。

 

オススメ中古車1|とにかく安く狙うなら「前期型・T4系」を

V40(2代目)▲発売時のエントリーグレードとなるT4系だが、安全装備に抜かりはない

とにかく安く、総額100万円以内で狙うなら、1.6Lガソリンターボ×6速ATの前期型(2012年12月~2016年6月生産)のT4系がオススメだ。特に最初期型の2013年式のベースグレードなら、走行距離5万km以下の物件が総額約60万円以下から見つけることができる。

衝突被害軽減ブレーキはデビュー時から全車に標準装備されているし、同年12月からは衝突被害軽減ブレーキを含む10種類の先進運転支援機能が標準装備化されているため、前期型といっても安全性能は十分高い。

また、USBやBluetooth対応オーディオやオートエアコンも備わるので、ドライブ中も快適に過ごせるはずだ。

なお、運転席電動シートやリアアームレストなどが備わるT4の上級グレード、T4 SEも走行距離5万km以下が支払総額約70万円から選べる。台数はベースグレードのT4より多いので、積極的に探してみよう。
 

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ボルボ V40(2代目)×総額100万円以内×2012年12月~2016年6月生産×T4系グレード×全国
 

オススメ中古車2|燃費の良いディーゼル車を狙うなら「5万km超の前期型D4系」を

V40(2代目)▲低燃費ながらもトルクフルで力強い走りがウリのディーゼルエンジン

燃費も良く力強い走りを楽しむことができるディーゼルモデルを狙いたい人も多いのでは?

そうなると2Lディーゼルターボ×8速ATを搭載したD4系一択となる。とはいえ、原稿執筆時点でV40の中古車の約30%を占め、流通量が多いので選びやすいだろう。

そんなD4系の中でも、なるべく安くお得に買いたいなら、走行距離5万~10万km以下の前期型のD4系が狙い目になりそうだ。総額約90万円からと、かなり手頃な価格で見つけることができる。

ちなみに後期型にもD4系は設定されているが、同条件では50万円ほど高くなる。基本的に搭載されるディーゼルエンジンは、前期型も後期型も同スペックのため、後期型の見た目や安全性能を重要視する人を除き前期型をチェックしてみることをオススメしたい。
 

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ボルボ V40(2代目)×2012年12月~2016年6月生産×D4系グレード×全国
 

オススメ中古車3|後期型を手頃な価格で狙うなら「T3系」を

V40(2代目)▲よりスタイリッシュなデザインになった後期型

デザインが変わった高年式の後期型を、なるべく安く手に入れたいなら、1.5Lガソリンターボ×6速ATのT3系がオススメだ。

1.5Lガソリンターボは、いわゆるダウンサイジングターボエンジンで、それまでの1.6LガソリンターボのT4と入れ替わってT3は2015年8月に導入された。

最高出力152ps/最大トルク250N・mは、T4の同180ps/240N・mと比べてあまり遜色がなく、JC08モード燃費もT4の16.2km/Lに対し、16.5km/Lとほぼ同じだ。ただし、排気量が小さくなったので、毎年の自動車税を安く抑えることができるというメリットも!

そしてこの後期型・T3系の中古車は、走行距離5万km以下でも約140万円から狙うことができる。コンディション的に期待できるものも多く、この価格で狙えるのはお得度が高いと言えるだろう。

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ボルボ V40(2代目)×2016年7月~2020年12月生産×T3系グレード×全国

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ボルボ V40(2代目)×全国
文/ぴえいる、写真/ボルボ、河野敦樹、尾形和美、向後一宏

※記事内の情報は2023年10月18日時点のものです

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。