ポルシェ 911(992型)の中古車流通台数が600台に迫る! 価格相場の最新情報も詳しく解説
2025/01/05
もちろん安くはないが、探しやすい状況にはなってきた!
2019年に上陸した「タイプ992」こと現行型ポルシェ 911は、1964年に登場した初代から数えて8代目にあたる911。電子制御式ウェイストゲートバルブやシンメトリック構造のツインターボチャージャーなどを採用したパワーユニットは、従来型以上にパワフルかつ俊敏なものとなり、新開発された8速PDKや、濡れた路面でもスタビリティを確保する「ウエットモード」を世界で初めて全車に標準装備。「新時代のポルシェ 911」として、とてつもない魅力を放つ1台に仕上がっています。
そんなタイプ992の中古車流通量が今、グイグイと増加しているのです。直近の2023年11月ではややダウンしていますが、全国で500台を超え600台に迫ろうとしています。
比較的選びやすい状況になってきた992型ポルシェ 911について、そのモデル概要をふりかえるとともに、最新の中古車相場を詳しくチェックしてみることにしましょう。
▼検索条件
ポルシェ 991(992型・現行型) × 全国モデル概要:伝統とテクノロジーが融合した世界有数のスポーツカー
2019年に、まずは「カレラS」系統から販売が始まったタイプ992は、従来型より45mmワイドになったフロントセクションや、大型化されたホイールアーチなどがエクステリア上の特徴。ホイール径はフロント20インチ/リア21インチが標準となり、よりスポーティな印象に生まれ変わりました。
初代911から続く丸目2灯式ヘッドライトをモチーフにデザインされたヘッドライトユニットには新設計のLEDが採用され、フロントボンネットには初代をほうふつとさせるプレスラインを入れ、「半世紀以上にわたる伝統」を強く印象づけています。
インテリアは、メカニカルスイッチを極力排したシンプルで機能的なデザインに。伝統の5連メーターは、中央に配置されるタコメーターを機械式として残しましたが、左右部分は液晶モニター化されています。
運転支援システムの充実もタイプ992のセリングポイントで、衝突被害軽減ブレーキや自動再発進機能付きアダプティブ・クルーズコントロール、レーンキープアシストなどを装備する他、前述のLED式ヘッドライトは対向車や先行車を検知し、ハイビーム照射を自動で配光する「マトリクスLED」が採用されました。
前述のとおり、まずは最高出力450psの3L V6ターボを搭載する「カレラS」系から販売を始めましたが、その後は順次、ベーシックな「カレラ」やスポーティな「GTS」、あるいは超強力な「ターボS」等々を追加。
そして2024年5月には、カレラGTSに「T-ハイブリッド」と名づけられた超軽量ハイブリッドシステムを搭載し、現在も大好評のまま新車販売が続けられています。
グレードの差異:パワーユニットと駆動方式が異なる多種多様なグレードを用意
992型ポルシェ 911には多種多様なグレードが存在しています。それぞれの違いがすべて頭に入ってらっしゃる人も多いでしょうが、ここでは今一度タイプ992の主なグレード別の差異を、パワーユニット軸で整理しておきます。
●カレラ:最高出力385psの3L対向6ターボ(※2024年5月以降は394ps)を搭載するベーシックグレード
●カレラ4:上記の4WD版
●カレラT:軽さと爽快な走りを追求したカレラ。2024年11月以降は394ps
●カレラS:最高出力450psの3L対向6ターボを搭載する高出力版カレラ
●カレラ4S:上記の4WD版
●カレラGTS:最高出力510psの3L対向6ツインターボを搭載する超高性能カレラ
●カレラ4 GTS:上記の4WD版
●ターボ:最高出力580psの3.8L対向6ターボを搭載。駆動方式は4WD
●ターボS:最高出力650psの3.8L対向6ツインターボを搭載。駆動方式は4WD
●GT3:最高出力510psの4L対向6自然吸気を搭載する超スポーティグレード
●GT3 ツーリングパッケージ:上記の大型リアウイングを撤去し、内外装のデザインを「控えめ」にしたグレード
●GT3 RS:最高出力525psの4L対向6自然吸気を搭載する超絶スポーティグレード
中古車価格:総額8000万円を超えるものもあるが、1000万円台の物件も増加中
2024年12月下旬現在、992型ポルシェ 911全体としての中古車流通台数は約570台で、平均支払総額は2690.3万円。これを様々な条件別でブレイクダウンすると、おおむね下記のとおりとなります。
【トランスミッション別】
前述日現在のMT車比率は約20%で、流通の約8割はAT車(PDK)となっています。ひと昔前と違い「MT車の方が圧倒的に高い」ということはありませんが、MT車の方が「希少ゆえに若干高い」という傾向はあるようです。
カーセンサーに掲載されている物件の、主なグレードにおけるトランスミッション別の掲載台数と中古車価格帯は下記のとおりです。
●MT
カレラT|44台|総額1900万~2600万円
カレラGTS|16台|総額2500万~2800万円
GT3|9台|総額3600万~4000万円
GT3ツーリングパッケージ|14台|総額3500万~4300万円
●PDK
カレラPDK|87台|総額1500万~2300万円
カレラT PDK|9台|総額2100万~2500万円
カレラ4 PDK|13台|総額1600万~2100万円
カレラS PDK|46台|総額1600万~2600万円
カレラ4S PDK|16台|総額1600万~2500万円
カレラGTS PDK|25台|総額2400万~2900万円
カレラ4 GTS PDK|11台|総額2500万~3000万円
GT3 PDK|21台|総額3200万~3900万円
GT3 ツーリングパッケージ PDK|12台|総額3400万~4000万円
GT3 RS PDK|24台|総額3200万~6800万円
【駆動方式別】
前述日現在、流通量が多い駆動方式は2WD(RR)で、その比率は約75%。ターボやカレラ4Sなど4WD車の比率は約25%となっています。
●2WD
カレラPDK|87台|総額1500万~2300万円
カレラT/カレラT PDK|53台|総額1900万~2600万円
カレラS PDK|46台|総額1600万~2600万円
カレラGTS/カレラGTS PDK|41台|総額2400万~2900万円
GT3全般|56台|総額3200万~4300万円
GT3 RS PDK|24台|総額3200万~6800万円
●4WD
カレラ4 PDK|12台|総額1600万~2100万円
カレラ4S PDK|16台|総額1600万~2500万円
ターボ|4台|総額2600万~3100万円
ターボS|19台|総額3000万~3900万円
【グレード別】
グレード別の中古車価格は上で詳述したとおりですが、その中から「オススメ的なもの」を抽出するとしたら、おおむね下記のとおりとなるでしょう。
●流通量が多く、比較的安価=入手しやすい
カレラPDK|87台|総額1500万~2300万円
カレラT|44台|総額1900万~2600万円
カレラS PDK|46台|総額1600万~2600万円
●流通量はやや少ないが、比較的安価
カレラT PDK|9台|総額2100万~2500万円
カレラ4 PDK|13台|総額1600万~2100万円
カレラ4S PDK|16台|総額1600万~2500万円
●怒涛のパフォーマンスを相対的には安価に堪能可能
カレラGTS PDK|25台|総額2400万~2900万円
カレラGTS PDK|25台|総額2400万~2900万円
この他の「GT3」や「ターボS」などは、予算に超絶余裕がある好事家さん向けの超ハイパフォーマンスグレードですが、ここで挙げた8グレードであれば、一般的なユーザーであってもギリギリ射程圏内となるかもしれません。
ぜひ吟味のうえ、素敵なタイプ992を手に入れていただけましたら幸いです。
▼検索条件
ポルシェ 991(992型・現行型) × 全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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