フェラーリ 512TR▲5Lの12気筒エンジンを積んだフラッグシップとして1991年に登場したフェラーリ 512TR。至高のエンジンを積んだ人気車。現在の中古車価格は1800万~2600万円(車両協力=HIROO AUTO)

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フェラーリ 512TR× 全国

12気筒エンジンの素晴らしさと価値を改めて考えてみる

近年、大排気量エンジンはどんどん数を減らしつつあります。

ターボ(過給器)を付けて出力を上げれば小排気量でもパワーは十分、燃費や環境性能も向上するという「ダウンサイジング」の流れ、そしてハイブリッド、PHEV、BEVといった電動化の流れもあり、大排気量エンジンは絶滅危惧種になりつつあります。

限られた一部のメーカーだけが生産していた12気筒エンジンは、その消えゆく大排気量エンジンの筆頭です。

そもそも12気筒エンジンは構造の複雑さ故に、開発には莫大な時間や労力、資金が必要なビッグプロジェクトです。それでいて決して販売の主力モデルにはなりえず、利益率が良いわけでもありません。

つまり、スーパーカーブランドや高級車メーカーがコスト度外視で作り続けてきた、言ってみればメーカーの威信をかけた作品であり工業製品なのです。

その中古車相場ですが、海外に比べて日本での評価や注目度は高くなく、コストパフォーマンスという意味ではものすごく魅力的。海外の車好きからすると「その車がその価格で買えるの? 」という選択肢が多数存在しています。

12気筒エンジンは「燃費が気になる」「税金が気になる」と考える人には不向きなエンジンかもしれませんが、大排気量ならではのパワー感やエンジンサウンド、歴史やメーカーの心意気を感じたい人、消えゆく最高峰エンジンに乗っておきたい人には、今がオススメです。

今号はそんな12気筒エンジンにフォーカス。その魅力や買いの理由に迫ります。

まだ12気筒のフィーリングを味わったことがない人は、その奥深い世界をこの機会にのぞいてみてください。
 

ベントレー コンチネンタルGT▲2024年4月をもってW12エンジンの生産終了を発表したベントレー。そのW12を積んだコンチネンタルGTの滑らかな加速フィールは今後、中古車でしか味わえなくなる

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ベントレー コンチネンタルGT(W12エンジン搭載モデル)× 全国
マツダ▲マツダもかつては12気筒エンジンの開発に乗り出し、そのプロジェクトは生産直前まで進んでいたという。当時の開発スタッフから、今まで語られたことのなかったエピソードを聞いてきた
ランボルギーニ レヴエルト▲V12エンジンをブランドのアイコンにしてきたランボルギーニ。アヴェンタドールの後継モデルとなるレヴエルトは自然吸気からPHEVへと変更、新たな章に移行すると発表された
フォルクスワーゲン トゥアレグ▲フォルクスワーゲンが2005年に発表したトゥアレグのW12モデル。世界限定500台と生産台数が少なかったため、中古車流通量は少ないものの、現在のところ相場は200万円前後と割安感が高い

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フォルクスワーゲン トゥアレグ(W12エンジン搭載モデル)× 全国
フェラーリ 365GT4BB▲新車から365GT4BBに乗り続ける日本フェラーリ界の生き字引であるレーシングサービスデイノの切替氏に、フェラーリの中でも12気筒が特別な理由を存分に語ってもらった(取材協力=レーシングサービスデイノ )
文/編集部、写真/郡 大二郎、岡村昌宏、イラスト/あべ あつし

カーセンサーEDGE 2023年8月号
12気筒エンジンを手に入れろ

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