スズキ ジムニーの現行型は、軽自動車と普通車シエラ、いったいどちらがオススメなのか?
2020/07/15
まずは、ジムニーの「すごさ」をおさらい!
世界的に見ても本格的な悪路走破性をもつ自動車というのは、トヨタ ランドクルーザーやジープ ラングラーなどの大きな車がほとんど。
そんな中ジムニーは、優れた悪路走破性をもちながらも小型車であるという、極めて稀有な存在です。
軽量かつコンパクトな車体は、日本特有の狭い山道や雪道などで絶大な走破性を発揮し、古くから林業関係者をはじめとする山のプロにも支持されてきました。
一般的にオフロードカーとして求められる要件と日常移動を目的とする乗用車に求められる要件は相反する関係にあります。
にも関わらず高度なバランスでその2つを両立させているところが、現行型ジムニーのすごさです。
ジムニーは悪路走破性を重視し、初代モデルから一貫して「ラダーフレーム構造」と「リジットアクスル」いうメカニズムを採用しています。しかし、これらは静粛性や乗り心地、燃費面では不利となる特性をもっています。
私はまだまだオフロード専用カーとしての側面が強かった81年式のジムニーを所有しているのですが、現行型と乗り比べると月とスッポンどころではないすさまじい差があります。
最高速が80㎞/h程度しか出ないため高速道路は実質NG。もちろんクーラーやパワステなどの快適装備は一切無し。おまけに舗装路のちょっとしたギャップを乗り越えただけで、ドリンクホルダーのコーヒーは飛び散り、天井に頭をぶつけそうなほどお尻が突き上げられる……じつに荒っぽい乗り心地です。
ですが、現行型ジムニーはそんなことはなく、乗用車としてもまず不満なく使用することができます。
ジムニーはその歴史を通して、持ち前の悪路走破性を損なうことなく、乗用車としての実用性や快適性を高め続けてきたのです。
現行型ジムニーのすごさをおさらいしたところで、ここからは本題である「軽自動車のジムニー(以下ジムニー)と普通車のジムニーシエラ(以下シエラ)、どっちがオススメなのか? 」について考えていきたいと思います。
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スズキ ジムニーシエラ(現行)× 全国普段使いの快適性を重視したい人には、シエラがオススメ!
現行型は先代と比べ、ユーティリティや快適性が飛躍的に向上しています。
したがって、軽自動車のジムニーを普段使いしても大きな不満はないと思いますが、強いて言うならシエラの方がより乗用車としての洗練度が高いです。
エンジン排気量の大きいシエラは、全般的にゆとりのある走行性能がアドバンテージ。
ジムニーには660㏄直列3気筒ターボ付きエンジンが搭載されているのに対して、シエラには1500㏄の直列4気筒自然吸気エンジンが搭載されています。
トルクの大きな1500㏄エンジンが搭載されているシエラはATでもスムーズに加速でき、660㏄のジムニーより低い回転数で高速巡行できます。
そのため、高速道路を使った長距離移動では騒音や振動による疲労感が少ないです。
また、舗装路での走行性能を重視した15インチのラジアルタイヤを採用、さらにトレッド幅(左右タイヤの距離)も広く、カーブを曲がるときやレーンチェンジするときの安定性が高いという特徴をもっています。
このようにゆとりのある走行性能をもっているので、オートマで普通の乗用車的に使うなら、シエラの方が不満は少ないと思います。
さらに、「スズキセーフティサポート」装着車であれば、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報機能、誤発進抑制機能などの先進予防安全機能が装備されています。JCグレードであれば標準装備です。
中古車の流通量は120台前後で、ほとんどの物件に「スズキセーフティサポート」が装備されています。
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スズキ ジムニーシエラ(現行)× 全国 × スズキセーフティサポート搭載非日常レベルのオフロードを楽しみたい人には、ジムニーがオススメ!
ジムニーとシエラでは得意とするシチュエーションが異なるものの、どちらも普通の乗用車とは比較にならない悪路走破性を誇ります。
日常的なレベルのオフロード、つまり河川敷の砂利道程度では、ほとんど大きな差を感じることはないと思います。
強いて言うのであれば、急こう配のヒルクライムなど、パワーが求められるシチュエーションではエンジンパワーに余裕があるシエラに軍配が上がります。
一方、非日常レベルのオフロードを楽しみたい人には、ジムニーをオススメします。
実際にガチなオフロードを走る人の多くは、ジムニーを「セカンドカー」として位置付け、タイヤやサスペンションなどをオフロード仕様にカスタムしています。
つまり、ガチオフロード専用カーとしてジムニーを購入しているのです。
このようなケースであれば、維持費の安い軽自動車のメリットが生きてきます。
1年単位で比較してみると、自動車税はシエラの34,500円に対してジムニーは半額以下の10,800円。また重量税は、シエラの12,300円に対してジムニーは3,300円と、こちらも大きな差がつきます。
また、軽快に回る小排気量のターボ付きエンジンもシエラにはない魅力。
特に5MTモデルであればキビキビとした走りが可能となり、運転自体をより楽しむことができるのでオススメです。
中古車の流通量は260台前後で、中でも5MTモデルは80台前後流通しています。
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スズキ ジムニー(現行)× 全国× ミッションMTいかがだったでしょうか。
「どう乗りたいのか? 」から逆算して、ぜひ自分にぴったりのモデルを選んでください。中古車であれば、納車まで時間もかからないですし!
ライター
佐藤旅宇
オートバイ専門誌『MOTO NAVI』 、自転車専門誌『BICYCLE NAVI』の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はスズキ ジムニー(81年式)とスズキ グランドエスクードの他、バイク2台とたくさんの自転車。
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