日刊カーセンサー

カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。

今年2020年の発表は、12月15日(火)を予定しています。

発表を間近に控える中、日々多くの車に触れている自動車業界の方たちに、2020年のランキングTOP3を予想していただきました!

今回予想いただいたのは、“ドリキン”ことレーシングドライバーの土屋圭市さん。

順当に予想しつつ、合わせて「自分ならどんな車をランクインさせたいか?」という超私的なカー・オブ・ザ・イヤーも大発表!

果たして土屋さんは何を選ぶのか? みなさんも、ぜひ一緒に予想してみてください!
 

土屋圭市

レーシングドライバー

土屋圭市

1956年生まれ。長野県出身。1977年にプロデビュー後、ル・マン24時間レースをはじめとする数々のトップカテゴリーでタイトルを獲得。その走りのスタイルからドリフト・キング“ドリキン”の称号を得る。

まずは昨年の振り返りから

編集部 カーセンサーでは毎年12月に、その1年間で注目度の高かった中古車を発表する「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」という企画を行っています。その予想を土屋さんにもお願いできたらと思って。

土屋 去年のベスト10を見て一番驚いたのは、現行型ジムニーが1位になっていることだよ。ジムニーの中古車ってまだ高いのにすごいよね。

編集部 新車がまだ長期の納車待ち状態なので、「多少高くても待たずに乗りたい!」という人が中古車に走っているのだと思います。掲載台数1台あたりの問い合わせ数もかなり多いです。

土屋 現行型アルファードも高いのに人気があるよね。

編集部 アルファードは先代を安く手に入れたい人だけでなく、「現行型を新車より安く買いたい」という人が高年式の中古車に注目しているのでしょうね。土屋さんは今年のランキングTOP3にどんな車が入ってくると思いますか?

土屋 王道スポーツカーがどんどん値上がりした中、RX-8はコスパが高くて、何より運動性能がいい。この車が常にベスト10に入っているのはうれしいし、みんなわかっているなと感じるよ。RX-8は今年もランクインするんじゃないかな。
 

日刊カーセンサー▲実はマツダ RX-8(初代)は、カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーが始まった2014年以来、毎年TOP3に入っています!

編集部 コスパが高いっていうのは中古車選びで外せませんね。

土屋 ジムニーも間違いなくランクインするね。世の中的にジムニー人気が衰える気配がないから。

編集部 車媒体の関係者でも欲しがっている人は多いモデルです。

土屋 俺もつい最近試乗したけれど、「街中を移動するならこれでいいじゃん」って思ったから。
 

日刊カーセンサー▲スズキ ジムニー(現行型)

編集部 ランクインしそうな車、もう1台選んでいただくとしたら何ですかね?

土屋 昨年は3代目オデッセイがランクインしていたけれど、さすがに古くなってきた。だとしたら、その次の世代となる4代目オデッセイがランクインしてもおかしくない頃かも。
 

日刊カーセンサー▲ホンダ オデッセイ(4代目)

土屋 俺はスタイルも含めて3代目より4代目の方が好きだったから。3代目と同じように乗用車感覚で運転できるし、穴場の存在かもね。
 

FRスポーツの入門モデルがいよいよおいしくなる!?

編集部 今度は少し角度を変えて、土屋さんが個人的にオススメしたい「迷ったらこれに乗れ!」というモデルも教えてほしいです。カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーは競争率ランキングのようなもので、車好きの“熱”が順位に反映される傾向があるので。

土屋 気持ち的にはR32~34のGT-Rと言いたいけれど、相場が爆上げしちゃったのでもう気軽に勧めることはできなくなった。そうなると絶対に外せないのはトヨタ 86/スバル BRZだよね。
 

日刊カーセンサー▲トヨタ 86(現行型)

土屋 これらは近いうちにフルモデルチェンジするとうわさされている。現行型に乗っている人が新型に買い替えて現行型の中古車がたくさん出てくるのは間違いないよ。

編集部 現行型スポーツカーはなかなか中古車相場が下がりませんが、フルモデルチェンジすればいよいよ買い時が訪れそうですね。まだ車両本体価格100万円以下の中古車は少ないですが、一気に増えそう!

土屋 そのとおり! ようやく若い車好きも手が届くようになるはず。次にオススメなのがマツダ ロードスター。ロードスターは初代のNA型から最新のND型まで、ノーマルでも走りを存分に楽しめるモデル。コーナーではアンダーステアも出るし、オーバーステアも出る。そんな車、まずないからね。予算に余裕があるなら現行型でもいいけれど、お金をかけずに遊びたいなら先代のNCを探してみるといいよ。
 

日刊カーセンサー▲マツダ ロードスター(NC型)

編集部 相場がそこまで高くないから、初めて車を買う人にも注目してほしいですね。

土屋 ロードスターで車デビューしたら、その後の人生が変わると思うよ。そして走り好きには現行型ミニもアリだと思う。ミニって見た目とは裏腹に乗ると完全にスポーツカーなんだよ。

編集部 乗るならやっぱりトップグレードのジョン・クーパー・ワークスですか?

土屋 もちろんジョン・クーパー・ワークスはずば抜けて走りがいいけれど、クーパーSだって驚くほど速い! ミニの気持ち良さは1人でも多くの人に味わってほしいね。俺のオススメは3ドア。でも家族がいる人なら利便性を考えて5ドアを選んでも十分楽しめるよ。
 

日刊カーセンサー▲ミニ ミニ(現行型)

編集部 今、鉄板的中古車3台と土屋さん好みの3台、計6台選んでいただきました。その中で、最終的なTOP3を選ぶとしたらどうなりますか?

土屋 そうだな……よし、2020年の順位予想はこんな感じでいこう。

1位:トヨタ 86(現行型)
2位:マツダ ロードスター(NC型)
3位:スズキ ジムニー(現行型)

トップは迷わず86/BRZ! これは本当に面白いことになるから、絶対に注目してほしいね。2位は気軽に走りを楽しめるロードスター。3位は世の中的に大ブームになっているジムニーかな。
 

魅力的な中古車を探している若者のために、お金持ちはどんどん買い替えて(笑)!

編集部 2020年はコロナで世の中が激変しました。人々の車に対する考え方も大きく変わったと思います。土屋さんの周りでも車がらみで変化を感じることはありましたか?

土屋 今年はとにかく車を買い替える人が多かったな。中でも金持ちがこぞって車を買っていた。コロナ前は毎日飲み歩いていたのにそれができなくなったから、街で使っていたお金を車に注ぎ込んでいるんだよ。

編集部 すごい話ですねえ。

土屋 でもね、まず新車が売れないと中古車は生まれないわけでしょう。だからこそお金に余裕がある人にはどんどん買い替えてもらって、若いやつらのためにも世の中に良質な中古車を増やしてもらわないと(笑)。

編集部 中でも土屋さん的にはスポーツカーをたくさん買ってほしいですね。

土屋 そうだね。俺もカーセンサーを見て100万円の86を買ったんだ。世の中には新車は高くて買えないという人も多いし、新車を買うなら同じ予算でもっといい車に乗りたいという人もいる。車両本体価格を抑えれば、余った予算で車をちょこちょこといじっていくこともできるでしょう。盆栽じゃないけれど、1台を長く、少しずついじっていくとそれが生きがいにもなるもの。車は走るだけじゃなくてそういう遊び方もできるから楽しいんだよ。
 

日刊カーセンサー

【カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2020結果発表について】
12月15日(火)にWeb上の特設ページで発表されるだけでなく、カーセンサー2021年2月号(2020年12月19日発売号)でも総特集! Webでは100位までのランキング結果や動画コンテンツを楽しむことができ、雑誌では今年のランキングを“とある”切り口で徹底考察。どちらもお楽しみに!

文/高橋満、写真/尾形和美、向後一宏、篠原晃一