トヨタ ヴォクシー▲押し出しの強いデザインが人気のヴォクシー。デビューから7年がたち、現行型だが手頃な中古車が増えてきた

ロングセラーの現行型はハイブリッドも選択可能

トヨタ ヴォクシー ▲全グレード3ナンバーサイズになったが、取り回しのしやすさはこれまでどおり

日々の買い物や送り迎えから家族旅行まで、様々なシーンで便利に使えるミニバンとして初代から人気が高いヴォクシー。現行型は2014年1月に登場した3代目だ。

全グレード全幅が1735mmで3ナンバーになるが、取り回しに関しては競合モデルの日産 セレナやホンダ ステップワゴンと同等と考えていい。

現行型は、先代よりもフロントフェイスで力強い“箱感”を強調し、洗練された雰囲気を高めている。

使い勝手の面では、新開発の低床フラットフロアを採用。これにより、クラストップレベル(デビュー時)の室内空間を確保するとともに、小さな子供から年配者まで楽に乗り降りできるパッケージングになっている。
 

トヨタ ヴォクシー ▲7人乗りは2列目席に超ロングスライド機構を搭載。3列目を格納すれば、足を思い切り伸ばしての移動も可能

乗車人数は2列目がキャプテンシートになった7人乗りと、2列目ベンチシートの8人乗りがある。7人乗りの2列目キャプテンシートは、前後スライドに加えて横スライドもできる。前後スライドは、最大810mmという超ロングスライドが可能だ。

パワートレインは2Lガソリンエンジンと、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドの2種類。ハイブリッドはJC08モードで23.8km/Lとコンパクトカー並みの燃費性能となっている。
 

直近6ヵ月で価格は下落傾向に

トヨタ ヴォクシー ▲ヴォクシーはたくましい父親像をイメージし、力強さを表現したデザインに
トヨタ ノア ▲老若男女に好まれるプレーンなデザインのノア
トヨタ エスクァイア ▲メッキを多用し高級感を演出したエスクァイア

ヴォクシーにはノアの他、2014年10月にデビューしたエスクァイアという兄弟車が存在する。

3車種ともサイズ感は同じだが、ヴォクシーは迫力あるルックス、ノアはプレーンなスタイル、エスクァイアは1クラス上の高級なイメージと、異なる個性が与えられている。

現在、3車種における現行型モデルの流通量は下記のとおり。

ヴォクシー:約4500台
ノア:約2300台
エスクァイア:約1600台

圧倒的に流通量の多いヴォクシーは、予算やグレード、装備内容に応じて中古車を探しやすい状態にあるのだ。
 

トヨタ ヴォクシー ▲ヴォクシーの平均価格は半年で約20万円近く下落。200万円を切るのも時間の問題だ

そんな現行型ヴォクシーの中古車平均価格が、直近6ヵ月で20万円近く下がっている。

年式ごとの流通量を見ると、2014年式(初度登録から7年)、2016年式(初度登録から5年)、2018年式(初度登録から3年)が圧倒的に多いことから、車検を機に乗り替えられたものが市場に多く流通しているとみて間違いない。

中でも、2014年式はまだ現行型でありながら、車両本体価格100万円以下の中古車が出始めている他、中心価格帯も120万~200万円と、予算が少なめの人も探しやすい状態になっている。
 

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(現行型) × 2014年式

【現行型ヴォクシーの注目モデル①】
「煌」系の5万km以下の物件が、総額200万円以下で!

トヨタ ヴォクシー ▲カタログモデル以上に人気がある特別仕様車の煌シリーズ

歴代ヴォクシーの中でも非常に人気が高いのが、ガソリンエンジンを積むトップグレードの「ZS」をベースに、専用のエアロパーツやインテリアのシルバー加飾で煌びやかな印象を高めた特別仕様車の「煌(きらめき)」シリーズだ。

2014年11月に「ZS煌」が登場。2016年1月には、ハイブリッド車にもエアログレードの「ZS」が設定されたことで、2016年7月に登場した「ZS煌II」はガソリン車とハイブリッド車が選べるようになった。

2017年11月には再び「ZS煌」が、2019年1月には「ZS煌II」が、そして2020年10月には「ZS煌III」が登場した。

現在流通している現行型ヴォクシーの中古車のうち、なんと2600台近くが煌シリーズとなっている。このことからも、いかに人気が高い特別仕様車かがわかるはずだ。

うれしいのはこの煌シリーズの8割超が、走行距離5万km以下ということ。この中で比較的手に入れやすい予算200万円以内に絞っても、流通台数は700台ほどある。
 

トヨタ ヴォクシー ▲煌シリーズはシート表皮が専用色になり、ディスプレイフードにシルバー加飾が施される

最安値帯は総額160万~180万円。修復歴があるものも散見されるが、180万~200万円の価格帯では修復歴がなくボディカラーも人気の黒が多い。モデルは最初の「煌」が中心だが、中には2016年7月に登場した「煌II」も見つかる。

ただ、さすがにこの予算だとハイブリッドの煌シリーズを見つけるのは難しい。予算200万円以内で煌シリーズを探すならガソリン車に的を絞ろう。

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(現行型) × 煌シリーズ × 走行距離5万km以下 × 総額200万円以下

雪国に住んでいたり、冬に家族や仲間とゲレンデに行く機会が多い人だと4WDがマスト。ハイブリッドにはFFしか設定がないので、4WDが欲しい人はガソリン車一択になる。

煌シリーズの4WDは約2600台のうち、180台ほど。総額190万~220万円が最安値帯となっている。走行距離を5万km以下で探すなら、予算250万円で選択肢を確保できる。
 

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(現行型) × 煌シリーズ × 4WD

【現行型ヴォクシーの注目モデル②】
ハイブリッドも総額200万円以下で狙える!

トヨタ ヴォクシー ▲ハイブリッドのカタログ燃費は、23.8km/L(JC08モード)。駆動方式はFFのみ

ヴォクシーは、現行型からハイブリッド車が設定された。ハイブリッドの流通台数は1000台ほどある。

ガソリン車に比べると少なめだが、様々な条件から選択するのに十分な台数が流通していると言えるだろう。

最安値帯は総額120万~140万円。このあたりは修復歴のあるものや走行距離も10万km前後のものが多い。

修復歴がなく走行距離5万km以下のもので探すなら、予算の目安は170万~200万円。予算200万円あれば、リアのオートエアコンなど快適装備が充実した上級グレードの「ハイブリッドV」を探すことも可能だ。

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(現行型) × ハイブリッド × 総額200万円以下

また、予算を230万円までアップすれば、バイビームLEDヘッドランプなどが備わり静粛性も向上した2017年7月以降の後期型も見つけることができる。
 

トヨタ ヴォクシー ▲先進安全装備付きを求めるなら、Toyota Safety Sense Cが備わった2016年1月以降の中古車を探そう(写真は2019年1月に搭載されたToyota Safety Senseのプリクラッシュセーフティの作動イメージ)

ヴォクシーは煌以外のカタロググレードだと、運転席側の電動スライドドアはオプションになっている。

また、先進安全装備であるToyota Safety Sense Cが備わったのは2016年1月以降。最新のToyota Safety Senseが搭載されたのは2019年1月からだ。

快適装備や安全装備が充実したものが欲しいなら、予算230万円で前期型をチェックしてみるという手もある。
 

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(現行型) × ハイブリッド

※記事内の情報は2021年6月8日時点のものです。
 

文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/トヨタ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL