アルファ ロメオ ミト ▲車名のMiTo(ミト)は、アルファ ロメオの本拠地ミラノ(Mi)と生産地トリノ(To)の頭文字をとって名付けられた。また、Mitoはイタリア語で神話や伝説を意味するという

アルファ ロメオ ミトの中古車は今

全長約4mの「ベイビーアルファ」と呼ばれるアルファ ロメオ ミト。ミニやプジョー 208などと同じBセグメントに属するコンパクトハッチバックだ。

日本では2009年5月から販売されたが、第2世代に進化することなく、またミトに続く同社のBセグメントも現れないまま2018年10月に1代きりで販売が終了した。

そのためミトは、現在では中古車でしか手に入れることができないモデルとなっている。

中古車流通台数は約110台と同じサイズのライバル車と比べれば少なく、輸入車の中でも他人とはかぶりたくないという人にとってうってつけのモデルだ。

平均価格94万円はライバルモデルとあまり変わらない。希少なアルファ ロメオのコンパクトカーと考えれば、お手頃な価格と言えるだろう。

ここからはアルファ ロメオ ミトの特徴や中古車相場について紹介する。

 

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アルファ ロメオ ミト(初代) × 全国

ミト(初代)の特徴と中古車相場

■ミト(初代) DATA
生産期間:2009年5月~2018年10月
中古車流通量:約110台
中古車価格帯:30万~260万円

アルファ ロメオ ミト ▲約4mのコンパクトなボディに、「盾」グリルや縦長のヘッドライト、円形のリアコンビネーションなど、当時のフラッグシップである8Cコンペティツィオーネと共通のアイテムが盛り込まれた

■ミト(初代)の特徴
2009年5月に日本デビューしたミト。同じフィアットグループのフィアット グランデプントをベースとしているが、グランデプントとは違い3ドアボディのみとなる。

デビュー時のラインナップは、1.4Lターボエンジンに6速MTが組み合わされた「1.4ターボスポーツ」のみ。乗車定員は4名だった。
 

アルファ ロメオ ミト ▲エントリーグレードの「スプリント」が195/55R16サイズのタイヤを履くのに対し、上級グレードの「コンペティツィオーネ」は215/45R17となる。ラゲージ容量は270L

翌2010年3月には、新しい1.4Lターボエンジンであるマルチエアを搭載。アルファTCT(デュアルクラッチ式2ペダルMT)が組み合わされた「スプリント」と「コンペティツィオーネ」に切り替わり、乗車定員も5名となった。

従来の1.4Lターボが最高出力155ps/最大トルク201N・mだったのに対し、マルチエアは135ps/190N・mとなる。

低回転域でのアクセルレスポンスがアップし、有害物質の低減やアイドリングストップ機能も備えられた環境にも優しいエンジンだ。
 

アルファ ロメオ ミト ▲「コンペティツィオーネ」にはパドルシフトが備わる。車両特性を任意に選べる「D.N.A.システム」(ダイナミック/ノーマル/オールウエザーの頭文字から名付けられた)のレバーはシフトノブの奥にある

さらに、2010年7月に最上級グレード「クアドリフォリオ ヴェルデ」が追加された。「四つ葉のクローバー」を意味するこの名はアルファ ロメオのスペシャルマシンに冠されるものだ。

同車も他と同じマルチエアエンジンを搭載するが、最高出力170ps/最大トルク250N・mに高められ、6速MTのみが組み合わされた。また、ポルトローナフラウ社製のシートも標準装備される。

いずれのミトも車両特性を「ダイナミック/ノーマル/オールウエザー」の3モードから選べる「D.N.A.システム」が搭載され、モードに応じて駆動輪空転防止や旋回時ブレーキ、ステアリング操作補助などが制御される。

ダイナミックを選ぶと、トルクは一時的にブーストアップされるなど胸のすく走りが楽しめる。一方、オールウエザーでは早めに横滑り防止機能のVDCが作動するため、滑りやすい路面などでの安心感もある。

2014年1月にラインナップが整理され、「スプリント」と「コンペティツィオーネ」の2グレードとなった。

2017年2月には初めてマイナーチェンジが行われ、内外装のデザインが新しくなるとともに、従来の「コンペティツィオーネ」改め「スーパー」の1グレードのみとなった。

このミトの生産終了以降、アルファ ロメオのBセグメントコンパクトハッチバックは登場していないだけに、貴重なモデルと言えるだろう。
 

アルファ ロメオ ミト ▲「1.4ターボスポーツ」ではマニュアルエアコンだったが、「スプリント」「コンペティツィオーネ」はオートエアコンに改められた。ポルトローナフラウ社製の本革シートもオプションで用意されていた

■ミト(初代)の中古車相場
最安値帯は総額50万~70万円。このゾーンで狙えるのは走行距離10万km前後で、2010年前後の初期型がほとんどだ。なお、グレードによる価格差はほとんどない。

この走行距離となるとコンディションの確認は必須。実車はもちろん、整備記録のチェックも入念に行いたい。

予算を120万円程度までアップすれば、走行距離5万km以下の物件が狙えるようになる。

また、車両本体価格で200万円以上の価格帯では、2017年2月のマイナーチェンジで登場した「スーパー」の低走行車が見つかる。

新車販売が終了した今、走行距離の少ない物件が増えることは考えにくい。コンディション重視なら、走行距離5万km以下の条件でも40台超の選択肢のある今のうちから探した方がいいだろう。

専用のコルサイエローをまとい、ポルトローナフラウ社製シートを備えた限定車の「イモラリミテッドエディション」や、同じくポルトローナフラウ社製シートを備えるスペシャルモデルの「クワドリフォリオ ヴェルデ」は、台数が少ないものの流通はしている。

同年式の「コンペティツィオーネ」よりは価格が高くなるが、それでも総額150万~200万円で走行距離5万km以下の物件を狙うことができる。予算内であれば、希少価値が高いだけに狙ってみるのも一考だ。
 

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※記事内の情報は2021年9月1日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/アルファ ロメオ
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。