カングー▲2025年7月にマイナーチェンジした3代目カングー。写真はカングーならではのカラーであるジョン アグリュム(イエロー)仕様

荷物をたっぷり積めて、人も心地よく運んでくれる――日本のミニバンとは似て非なる存在である欧州のMPV(マルチ・パーパス・ビークル・多目的乗用車)。代表的な車種であるルノー カングーは2002年の日本上陸以来、わが国で熱烈なファンを生み続けています。

そんなカングーの3列シート・7人乗りのグランカングーが2026年2月に販売され、カングーファンはもちろん、世間の3列シート車を検討している方も大注目されたのではないでしょうか。
 

カングー▲日本初上陸となるグランカングー。こちらは無塗装のブラックバンパー仕様、カラーは「ベージュ サハラ」
カングー▲シートの配列は前から2・3・2名乗車の独立タイプ。日本仕様のリアハッチは、既存のカングーでお馴染みの観音開きのダブルバックドアに

このグランカングーのベースとなっているのが、2023年3月から日本で販売されているカングーの3代目。言わずと知れた人気モデルです。2025年7月にはマイナーチェンジもされましたが、そこに至るまでにも様々なモデルが用意されています。
 

カングー▲2代目の登場(国内では2009年)から14年の歳月を経てフルモデルチェンジした3代目カングー

今回は、グランカングーの盛り上がりも気になるけれど、カングーにも興味がある方に向けて魅力ご紹介。また、中古車におけるオススメの選び方も解説します。

実は筆者、2024年から3代目カングーに乗っています。購入の際にはどのモデルにしようかいろいろ悩んだものです。ということで、せんえつではありますが、ちょっと先輩面して、3代目のあれこれを語らせていただきます!
 

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ルノー カングー(3代目)
 

3代目カングーってどんな車?

2023年に3月から日本で販売が開始された3代目カングー。この記事を読んでいる皆さんの中には、2007年から14年も活躍した2代目のイメージが強い方もいるかもしれません。
 

カングー▲2013年に発売された2代目カングー(写真は「カングー・ゼン」モデル)。初代モデルに比べて大きくなった

「デカングー」とも呼ばれた2代目より全幅30mm、全長210mm大きくなったこともあり、登場時は「どデカングー」との声もあった3代目。筆者はもともとハッチバックに乗っていて、初めて3代目を試乗した際は、そのサイズ感に少し戸惑いを覚えました。

しかし運転しているうちに視界の良さ、さらに小回りの良さから、あっという間に“どデカ”な印象もどこへやら。見た目を裏切る運転のしやすさにとても驚きました。

もともとカングーは本国フランスでは郵便局の配達車など商用バンとして活躍していました。3代目では、その質実剛健を踏襲しつつ、より乗用車としての乗り心地が追求。

足回りはもちろん、防音材や窓ガラスの厚みも増し、静粛性もアップしています。

さらに、アダプティブクルーズコントロールやレーンセンタリングアシストをはじめとした、運転・駐車支援システムも標準装備されています。
 

カングー▲顔つきも丸っこく、愛嬌のあった2代目に比べ、3代目はちょっとシャープな顔つきに。写真はボディ同一カラーのモデル「インテンス」。カラーはオレンジとブラウンを組み合わせたような色合いの「ブラウン テラコッタM(メタリック)」
カングー▲他の欧州のMVPにはない観音開きのダブルバックドアが特徴のカングー。後席の両側スライドドアは2代目と同じ手動式だが、改良されて以前より楽に開け閉めできるようになった
カングー▲インテリアも一新。全体的に直線基調となり、素材の質感も大幅にアップ。スマートフォンのミラーリンク機能が付いた8インチのセンターモニターも装備。タッチ操作が可能となった一方、使いやすさも考慮してダイヤル式のエアコン操作などの物理スイッチも用意

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ルノー カングー(3代目)
 

3代目カングーのグレード別の違いは?

魅力たっぷりの3代目には、さまざまなモデルがラインナップされています。

2023年のデビュー時には同一カラーの「インテンス」、そして前後のバンパーを無塗装、いわゆるブラックバンパー仕様の「ゼン(受注生産)」と「クレアティフ」の3グレードをカタログモデルとして設定。さらに、特別仕様車として「クレアティフ」に「インテンス」のカラーを施した「プルミエールエディション」も用意されました。その「クレアティフ」に「インテンス」のカラーを施した特別仕様車「プルミエールエディション」も登場。

パワートレインは軽快な走りの1.3L直噴ガソリンターボと、トルクフルでどっしりとした走りが楽しめる1.5L直噴ディーゼルターボ車の2種類。ただ、「ゼン」はガソリンターボのみの設定となります。
 

カングー▲サイドミラーやサイドモールなどもブラックパーツで、よりギア感を感じられる「クレアティフ」。カラーはフランスの郵便車カラーでもある「ジョン アグリュム(イエロー)」と写真の「ブラン ミネラル(ホワイト)」の2色展開
カングー▲ボディ同一カラーでより乗用車ライクな印象を与える「インテンス」。カラーは写真の「ブルー ソーダライトM」に「ブラウン テラコッタM」、「グリ ハイランドM」の3つのメタリック系、そして「ブラン ミネラル」の計4色

2023~2024年には特別色を採用した限定200台の「ヴァリエテ」、3代目初のMT車を設定した限定140台の「クルール」が抽選販売。そして2025年7月にはマイナーチェンジが実施され、「インテンス」に近いグレードによる単一展開となりました。
 

カングー▲3代目カングーのマイナーチェンジ車。ブラックバンパー仕様はなくなり、カラーは「ジョン アグリュム」、「ブラン ミネラル」、「ブラウン テラコッタ M」、「ブルー ソーダライトM」、そして写真の「グリ カシオペ」の5色に
カングー▲特別仕様車以外はオプション設定であった17インチアロイホイールも標準装備に。燃費もガソリン車はWLTCモードで15km/L、ディーゼル車も19.6km/Lと向上。インテリアの大きな変更はないものの、デジタルメーターが8インチから10インチにアップし、デザインも一新。

登場から約3年がたった3代目ですが、2026年3月31日現在カーセンサーに掲載されている物件は約70台。2025年7月登場のマイナーチェンジ車も数台見かけます。中古車平均総額は350万円程度です。

いろんなモデルがあるため、どれにするか迷うところでしょう。ただ、多くの方が重視されるポイントは価格(コスパ)、次にカラー、そして燃費性能ではないかと思っています。この3点を踏まえて、中古車における3代目カングーのオススメモデルを紹介していきましょう。
 

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ルノー カングー(3代目)
 

オススメ①:コスパで選ぶなら2023年版の「プルミエールエディション」

予算はできるだけ押さえたい! という場合に狙い目なのは、デビュー直後の初期モデル、特に2023年式。

カラーがホワイトのみのベースグレードのゼンが新車時価格を踏まえれば最も安くなると思われますが、こちらは受注生産車でそもそも台数が多くありません。

そこで注目してほしいのは注目してほしいのは「プルミエールエディション」です。
 

カングー▲「ブラウン テラコッタM」、「グリ ハイランドM」、「ブルー ソーダライトM」の3色展開。「クレアティフ」の見た目と「インテンス」のカラーという2つのモデルの合体スタイルはこの「プルミエールエディション」のときだけのもの

「プルミエールエディション」では初期のカタログモデルに設定されていない「スマートフォンワイヤレスチャージャー」が標準装備されています。頻繁に使うスマートフォンを手軽に充電できるのは大きな利点でしょう。
 

カングー▲置くだけで充電できる「スマートフォンワイヤレスチャージャー」。その後に登場する限定車や現行のマイナーチェンジモデルには標準装備されている

また、新車時にはオプションだったルーフレールを装備した中古車を見かけることも。車内に収納できない大型の荷物を載せるという機能はもちろん、この存在があるかないかで、見た目の雰囲気もぐっと変わります。

円高などの影響で、オプションのアクセサリーパーツ類の価格も上昇している昨今。ルーフレール付き「プルミエールエディション」の中古車に出合えたら、まさに“ラッキー!”かなり高コスパな選択肢だと思います。
 

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ルノー カングー(3代目)×プルミエールエディション
 

オススメ②:人とかぶりたくないなら限定カラーの「特別仕様車」を!

歴代モデル同様、3代目カングーも限定車がいくつか出ました。しかもルーフレールといった装備や運転支援システムなどもプラスされた形で。まずは2023年10月、2024年2月に抽選販売されたガソリン車のヴァリエテからご紹介。
 

カングー▲2023年10月に200台限定で販売された「カングー ヴァリエテ グリ・アーバン」。ブラックバンパー使用の「クレアティフ」をベースとしながら、カラーはカントリーにもタウンにもマッチするスモーキーグレーに。スマートフォンのワイヤレスチャージャーも装備
カングー▲2024年2月には、赤ワインを連想させる「カングーヴァリエテ ルージュ カルマンM」が登場。ブラックバンパー使用とボディ同一カラーの2パターンで計150台を販売。スマートフォンのワイヤレスチャージャーの他、駐車をアシストするパーキングセンサーとイージーパーキングアシストも装備。足回りも17インチアロイホイールに

2024年10月からはカングーファンの強い要望に応える形で、ディーゼル+マニュアル仕様の「クルール ディーゼルMT」が登場。このモデル以降、フロントのエンブレムが新たな「ロサンジュ(ひし形)」デザインとなりました。
 

カングー▲2024年10月に登場した「カングー クルール ディーゼルMT」。ブラックバンパーにベージュの「ベージュ サハラ」と濃厚なメタリックグレーの「グリ カシオペM」が各70台、計140台の抽選販売に

先に出た限定車「カングー ヴァリエテ ルージュ カルマンM」で追加された装備の他、オールシーズンタイヤ、さらに滑りやすい路面で駆動輪のグリップ力を最適にコントロールする「エクステンデッドグリップ」も付くという充実ぶり。
 

カングー▲2025年5月には「カングー クルール ディーゼルMT」の第2弾として、鮮やかなオレンジ色のブラックバンパー仕様の限定色「オランジュ コロンジュ」が登場。しかも6速MT車だけでなく、7速AT車も用意され、計150台が抽選販売

どの限定車も新車販売時には200台以下となり、単純に47都道府県で考えるなら1県あたり3~4台という計算に。ちなみに福岡在住の筆者も 「人とかぶりたくない」という点とカラーから「カングーヴァリエテ グリ アーバン」を選択。購入して約2年がたちますが、同モデルとのニアミスすることはほとんどありません。個性を重視する人にもオススメですよ。
 

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ルノー カングー(3代目) × ヴァリエテ × クレアティフ × クルール
 

オススメ③:燃費と燃料代、そしてどっしりとした乗り心地の「ディーゼル」

ガソリン車とディーゼル車を展開する3代目カングー。なかなか落ち着かないガソリン価格ですが、まだまだかかりそうな予感の燃料費。 軽油というランニングコストや燃費の良さだけでなく、ディーゼル車ならではのトルクフルでどっしりとした乗り心地も評判です。
 

カングー▲搭載するのは直列4気筒 1.5リッターディーゼルターボエンジン。最高出力85kW(116ps)/3750rpm、最大トルク270N・m(27.5kgf・m)/1750rpmを発生。WLTCモード燃費は17.3km/L

「ディーゼルは音や振動が気になる」という方もいるでしょうが、3代目カングーの静粛性はなかなかのもの。確かにガソリン車のほうが若干優れていますが、ディーゼル車でも十分静かだと思います。

市場に出回ってる台数を考えると、探すなら「インテンス」と「クレアティフ」がメインとなります。特にディーゼルMT車は根強い人気があるうえ、中古車においても希少なので、気になる方はこまめにチェックしましょう。

ということで、3代目カングーの中古車におけるオススメなモデルをご紹介しました。歴代のカングーらしさを残しつつ、いい意味で乗用車ライクになり、ますます魅力が増した3代目。特にブラックバンパー仕様を狙うなら、2025年7月のマイナーチェンジ以前の中古車に絞られます。見つけたら即お問い合わせを。
 

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ルノー カングー(3代目)×ディーゼルエンジン

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ルノー カングー(3代目)
文/山田誠 写真/ルノー
※記事内の情報は2026年3月19日時点のものです。
山田誠

ライター

山田誠

海外、国内旅行情報誌にて広告・記事制作を行った後、2004年よりフリーランスの編集・ライターとして独立。グルメ、宿泊、温泉、うつわをはじめとする生活雑貨、さらにおでかけの相棒となるクルマ情報など、レジャーネタを中心に誌面・WEB上で発信中。取材の相棒はマツダデミオ、フォルクスワーゲン ゴルフ6を経て、2024年春からはルノーカングー3代目で九州・山口エリアを回る。福岡市在住。