フォレスター ▲「アウトドアといえばSUV」というのはある意味正解ですが、決して唯一の正解というわけではありません。SUV以外のボディタイプでも、むしろSUV以上に本格的アウトドアに向いているかもしれない車を探してみることにしましょう!

荷室の長さや乗車人数の関係で、SUVではない方が好都合な場合も

走行性能と積載性能が両立している「SUV」というボディタイプは、本格的なアウトドアを楽しみたい人にとってはかなり重宝するものであり、世の中で一番人気のカテゴリーになっているのもうなずける話です。

とはいえ荷室容量がもっと欲しい人や、大人数でアウトドアを満喫したい人の一部は、SUVとはまた別のボディタイプを探しているかもしれません。

そこでこの記事では、そんな「SUV以外の、アウトドアでがっつり使えるモデル」5車種をピックアップしてみたいと思います。
 

 

オススメ①|三菱 デリカD:5(初代)
→想定予算:総額120万~650万円

SUV以外のボディタイプで本格的なアウトドアが楽しみたいなら、まず最初に検討すべきはコレでしょう。ほぼSUV並みの悪路走破性能を有しつつ、箱型のミニバンとして便利に使うこともできる三菱 デリカD:5です。
 

デリカD:5▲こちらが三菱 デリカD:5。写真はビッグマイナーチェンジ以降の世代

三菱 デリカD:5は発売から20年近くが経過した今なお大人気の、オフロード走行も得意とするオールラウンダー型ミニバン。2007年1月のデビュー当初は4WD+2.4Lガソリンエンジンのみでしたが、その後は何度かの改良を経て2013年1月、オフロードを愛する歴代デリカ愛好家の要望に応える形で2.2Lディーゼルターボエンジンを追加。

そして2019年2月にはフロントフェイスなどを大幅に変更するビッグマイナーチェンジが行われましたが、つい近頃となる2026年1月には、またもや大幅改良が行われています。

この車の何がどうアウトドアに向いているのかといえば、まずはその走破性です。3種類のモードを切り替え可能な電子制御4WDシステムと、185mmという高い最低地上高、そして前後バンパー形状の関係で、深いわだちや段差でも下まわりをこすりにくいという特徴を備えているのです。デリカD:5の4WD車があれば、わざわざSUVを買う必要はない――とすらいえるでしょう。

そして、3列シートのミニバンですので最大7~8人が乗ることもでき、ソロキャンプやデュオキャンプなどの場合は2~3列目シートをたたんでしまえば、車両の後部は広大で奥行きが長い荷室または寝室として活用することができます。
 

デリカD:5▲アプローチアングル(前輪が前方の障害物を乗り越えられる角度)は21.0°で、ディパーチャーアングル(リアバンパーなど後輪より後ろの車体が障害物に接触せずに越えられる角度)は23.0°と、ほぼ本格SUV並みの数値
デリカD:5▲3列目シートを使用する場合の荷室はさほど広くはないが、3列目をたたんでしまえば、荷室に相当するスペースは十分以上に広くなる

そんな三菱 デリカD:5の中古車価格は、なにせ20年近くにわたって販売されているだけあって千差万別なのですが、とりあえずディーゼルターボエンジンを搭載する4WD車の価格は、おおむね下記が目安となります。

・ビッグマイチェン前(2019年1月以前)(前期型):総額120万~360万円
・ビッグマイチェン後(2019年2月以降)(中・後期型):総額350万~650万円
 

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三菱 デリカD:5(初代)
 

オススメ②|スバル レガシィアウトバック(6代目)
→想定予算:総額280万~460万円

車をアウトドアでがっつり活用するうえで、荷室容量は確かに重要な指標です。しかし、いくら容量があっても荷室の「奥行き」が短いと長尺物を積載できないため、実はけっこう難儀したりもします。

その意味で「4WDのステーションワゴン」はかなりアウトドア向きといえるのですが、ステーションワゴン的フォルムのクロスオーバー車である6代目スバル レガシィアウトバックであれば、より本格的なアウトドア趣味が可能になるでしょう。
 

レガシィ アウトバック▲こちらが最終型スバル レガシィ アウトバック。写真は「エックスブレイク EX」という、アウトドアでの使用を強く意識したグレード

2025年3月まで販売された最終型のレガシィアウトバックは、日本では2021年10月に発売された全長4870mm×全幅1875mm×全高1675mm のステーションワゴン風クロスオーバーモデル。車両骨格は「フルインナーフレーム構造のスバルグローバルプラットフォーム」という最新世代のもので、パワーユニットは最高出力177psの1.8L水平対向4気筒直噴ターボ。駆動方式はスバル得意のフルタイム4WDです。

この車はいわゆる走りが非常に良く、なおかつ「アイサイト」の恩恵もあるため、まずは目的地(アウトドアを楽しむ場所)と自宅との往復が非常にラクであるという特徴があります。

そのうえで、スバル自慢の4WDシステムと213mmという最低地上高のおかげで悪路にも非常に強いわけですが、「荷室の奥行き」にも注目する必要があります。

一般的なSUVの場合、例えばスバルの中型SUVであるフォレスターだと、5名乗車時の荷室フロア長は928mmですが、レガシィアウトバックは1086mmと、フォレスターよりも16cm近く長いのです。そしてもちろんソロやデュオのときは後席をたたみ、荷室フロア長を1677mmにすることも可能です。
 

レガシィ アウトバック▲開口部が広くて使いやすいというのもアウトバックの荷室の特徴だが、荷室のフロア長が長めなため長尺物を載せやすいというのも、この種のボディタイプの魅力となる
レガシィ アウトバック▲ちなみにエックスブレイク EXの場合、シート表皮は水汚れに強い撥水ポリウレタンが採用されている

そんな6代目スバル レガシィアウトバックの中古車価格は総額280万~460万円と、上下にけっこう幅広いのですが、アウトドアを意識した「エックスブレイク EX」というグレードの走行5万km以下の物件を、総額300万円台前半から見つけることができるでしょう。

ややラグジュアリー方向のグレードといえる「リミテッド EX」というグレードはエックスブレイクより少しだけ安価な傾向はありますが、こちらもおおむね総額300万円台前半からというイメージです。
 

▼検索条件

スバル レガシィアウトバック(6代目)
 

オススメ③|トヨタ ヴォクシー(4代目)ハイブリッド S-Z
→想定予算:総額350万~480万円

アウトドアで車を活躍させるには「どれだけ積めるか」「何人乗れるか」というのももちろん重要な問題ですが、「アウトドアで電化製品への給電が行えるかどうか」というのも、実は地味に重要なポイントです。

もしもそこを重視するのであれば、AC100V/1500Wのアクセサリーコンセントが標準装備されているミニバン、4代目トヨタ ヴォクシーの「ハイブリッド S-Z」というグレードが狙い目となるでしょう。
 

ヴォクシー▲現行型ヴォクシー ハイブリッドの上級グレードである「ハイブリッド S-Z」

4代目トヨタ ヴォクシーは、みなさんよくご存じの中型ミニバン。パワーユニットは2L直4ガソリンエンジンと1.8Lハイブリッドの2種類がラインナップされており、その中のハイブリッドの上級グレードである「S-Z」というグレードには、AC100V/1500Wのアクセサリーコンセントが標準装備されているのです。

車内の2ヵ所に用意されているこのコンセントがあれば、消費電力が合計で1500W以下となるなら、自宅にある電気製品がそのままアウトドアで使用可能。消費電力をいちおうチェックする必要はありますが、電気ケトルやホットプレートなどを野外でそのまま使うことができるわけです。

また、ハイブリッド車の床下収納スペースはバッテリーが搭載されている関係で狭い場合が多いのですが、4代目ヴォクシーのハイブリッドS-Zは床下収納スペースが、キャンプチェアやテントなどが楽々収容できるぐらいの広さとなっています。
 

ヴォクシー▲4代目ヴォクシー ハイブリッドS-Zの運転席まわり。AC100V/1500Wのアクセサリーコンセントは前席センターコンソールボックス後端と、3列目左側のデッキサイドに設置されている
ヴォクシー▲床下には「スーパーラゲージボックス」が。大型バッテリーがスペースを食うハイブリッド車ではあるが、ボックスの容量は十分

そんな4代目ヴォクシー ハイブリッド S-Zの中古車価格は2026年3月上旬現在、おおむね下記のとおり。高額な物件はけっこなう高値ですが、総額370万円前後のゾーンにて、まずまず悪くない1台が見つかるはずです。

・ハイブリッド S-Z:総額330万~480万円
・ハイブリッド S-Z E-Four:総額350万~500万円
 

▼検索条件

トヨタ ヴォクシー(4代目) ×ハイブリッドS-Z
 

オススメ④|三菱 デリカミニ(初代)
→想定予算:総額180万~280万円

ここまではけっこう本気でがっつりアウトドアを楽しむための「SUV以外の車」を検討してまいりました。しかし世の中にはもうちょっと気軽に、そして安価に、アウトドアを楽しみたい人も多いのかもしれません。

もしもそのような感じでアウトドアと対峙したい場合には、先代(初代)三菱 デリカミニの4WDモデルがちょうどいいかもしれません。
 

デリカミニ▲現行型(2代目)と見た目的にはほとんど区別が付かない(?)初代三菱 デリカミニ

超絶大ヒット中の三菱 デリカミニは、アウトドアを意識した仕様とデザイン、そして車全体から漂うかわいらしさのようなものが特徴となる軽スーパーハイトワゴン。現在は2025年10月に発売された2代目が新車として販売されていますが、中古車市場で中心となっているのは、2023年5月から2025年9月まで販売された初代モデルです。

2代目は デリカミニとして完全に新設計されたものですが、初代は、それまで販売されていた三菱 eKクロススペースの大規模改良モデルです。とはいえ、eKクロススペースも普通にかなり出来の良い軽スーパーハイトワゴンでしたので、そこはあまり気にする必要はありません。
 

デリカミニ▲初代デリカミニの車内はおおむねこのような感じ

そんな初代デリカミニの4WDモデルは、4WDといっても決して本格的な悪路をガシガシ走れるタイプではないのですが、165/60R15サイズの大径タイヤと専用チューニングのショックアブソーバーが採用されていますので、ある程度の非舗装路は普通に走ることができます。

ファミリーキャンプや、「ちょっとそのへんの河川敷近くまで行って、コーヒーを入れたり夕日を眺めたり」みたいな楽しみ方であれば、十分に活躍してくれるでしょう。本格的なアウトドアも素敵ですが、そういった“アウトドア”だって十分に素敵です。
 

デリカミニ▲「そのへんの河川敷」で写真のような火が起こせるかどうかはさておき、ちょっとしたアウトドア活動を堪能するうえでは、初代デリカミニの4WD車は大いに活躍してくれるはず

2026年3月上旬現在、初代三菱 デリカミニの中古車価格はおおむね下記のとおりです。車名に「T」と付くのはターボチャージャー搭載グレードですが、あまり遠出はしない予定であるならば、ノンターボの方を選んでも特に問題はないでしょう。

・G 4WD:総額180万~240万円
・G プレミアム 4WD:総額190万~260万円
・G プレミアム リミテッド エディション 4WD:総額210万~260万円
・T 4WD:総額190万~250万円
・T プレミアム 4WD:総額190万~290万円
・T プレミアム リミテッド エディション 4WD:総額210万~280万円
 

▼検索条件

三菱 デリカミニ(初代)×4WD
 

オススメ⑤|ダイハツ ハイゼット ジャンボ(10代目)またはスズキ スーパーキャリイ(11代目)
→想定予算:総額70万~300万円

ここまで検討してきた車種の中では三菱 デリカD:5とスバル レガシィアウトバックが、「本格的なアウトドアを楽しめるSUV以外の車」という命題にジャストフィットするでしょう。しかしながら、より本格的というか「よりハードコアなアウトドア趣味」を堪能したいのであれば、現行型世代の軽トラックを買ってしまうという手もあります。
 

ハイゼット▲10代目に設定されたハイゼット ジャンボ
スーパーキャリイ▲そして11代目に設定されたスーパーキャリイ

ご承知のとおりダイハツ ハイゼット トラックやスズキ キャリイなどの軽トラック(通称軽トラ)は、基本的には「はたらく車」です。しかし昨今は軽トラをアウトドア仕様にカスタマイズし、それでもってハードコアなキャンプなどを楽しんでいるユーザーもけっこういるものです。

考えてみれば軽トラは頑丈ですし、車が汚れてしまうことをあまり気にせずに様々な荷物を積載できますし、特に4WD車であれば走破性もかなり高いということで、実はアウトドアに最適な(?)カテゴリーなのかもしれません。

もちろん乗り心地などは「それなり」でしかありませんが、そこはアウトドア活動のためのスペシャルマシンだからと割り切れば、特に気になることもないはず。
 

スーパーキャリイ▲写真は東京オートサロン2026のスズキブースに参考出品された「SUPER CARRY WORK & PLAY PRO」

代表的な軽トラックである「ダイハツ ハイゼットトラック」と「スズキ キャリイ」のどちらを選んでも良いとは思いますが、普通の軽トラだとシートをリクライニングさせることもできません。仕事用としてでなくアウトドア趣味用に購入するのであれば、運転席&助手席の背後に若干のスペースがあり、シートをリクライニングさせることができる、ダイハツ車の場合は10代目に設定された「ハイゼット ジャンボ」、スズキ車の場合は11代目に設定された「スーパーキャリイ」がオススメとなります。
 

スーパーキャリイ▲このちょっとしたリクライニングができるかどうかで、疲労度はけっこう変わる。写真はスズキ スーパーキャリイのシート

軽トラックの中古車価格は現行型世代に限っても本当にまちまちですが、ちょうどいい感じのハイゼット ジャンボまたはスーパーキャリイは、ノーマル状態の場合で総額80万~140万円ぐらい、カスタム済みの場合で総額180万~280万円ぐらいのイメージ。ご興味のある方はぜひぜひ、ある意味オシャレな「軽トラ系アウトドアライフ」をご堪能ください。
 

▼検索条件

ダイハツ ハイゼットトラック(10代目)×ハイゼットジャンボ

▼検索条件

スズキ キャリイ(11代目)×スーパーキャリイ
文/伊達軍曹 写真/スバル、三菱自動車、トヨタ、ダイハツ、スズキ
※記事内の情報は2026年4月17日時点のものです。

伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。