カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2021 第3位入賞の現行型スズキ ジムニー。中古車価格が高騰している今、どのように探すのがオススメか?
2021/12/25
▲全車に標準装備されるブレーキLSDトラクションコントロールにより、4L(4WD低速)走行時に車輪が空転しても、空転側にブレーキをかけて、もう一方の車輪に駆動トルクをかけることで脱出を容易にしてくれるもはやカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーの常連車
カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。2021年の第3位に入ったのは現行型スズキ ジムニーだ。
2018年7月にデビューした現行型ジムニーは、翌年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2019年に第1位、同2020年も第2位と、もはや人気中古車の常連車。
今回は、昨年登場したばかりのトヨタ ハリアーとヤリスクロスに1位と2位を譲ったものの、来年度に再び1位に輝いてもおかしくないほど、絶対的な人気を得ている軽SUVの王者だ。
そんな人気車を今中古で狙うとしたら、どのような探し方をすれば良いのだろうか? 詳しく見てみよう。
▼検索条件
スズキ ジムニー(現行型)×全国数の多いSUVの中でも高い人気を獲得し続けている軽4WD車
▲スクエアで堂々としたフォルムは見切りがよく、傾斜地での車の姿勢や状況を把握しやすい。また凹凸がないため、雪が降ってもボディにたまりにくい。写真はXCのツートーンルーフ仕様
▲2021年9月の一部改良で、背面に積むスペアタイヤのロアカバー(タイヤ下部のトレッド面を覆うようなカバー)が全車に備わるようになった。写真はXL中古車の状況を見てみる前に、簡単に現行型ジムニーについて振り返ってみよう。
2018年7月に現行型へとフルモデルチェンジしたジムニー。街乗り中心のSUVがたくさん登場している中にあっても「ジムニーにしか行けない道がある」などと評される、悪路走破性に優れた本格派四輪駆動車で、現行型はその正常進化型だ。
ラダーフレーム構造やFRレイアウト、副変速機付きパートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションという歴代ジムニーの伝統を継承。 さらに、新開発されたラダーフレームによって旧型と比べ乗り心地は改善され、ブレーキLSDトラクションコントロール(全車標準装備)が採用されて悪路走破性能はますます極められている。
現行型から「スズキセーフティサポート」が用意されたのもトピックだ。衝突被害軽減ブレーキや、車線逸脱警報機能、ハイ/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシストなどを備えられるようになった。
2021年8月には一部改良が行われ、スズキセーフティサポートを装着していない車にもオートライトシステムが搭載された他、4速AT車にアイドリングストップ機能が備えられた。
搭載されたエンジンは660ccのターボのみ。安価な順からXG、XL、XCの3グレード構成で、いずれも5速MTまたは4速ATが選べる。
デビュー時の車両本体価格は145万8000~184万1400円。驚異的な人気と半導体不足などのため、納車待ちは1年以上といわれている。
▲機能性に徹したシンプルなインテリア。直線基調のため、傾斜地などでの車両姿勢を把握しやすい。スイッチ類など操作部は光の反射を抑え、小キズも目立ちにくいシボ加工が施されている。写真はXC
▲シートフレームも一新され、クッション性が高められている。XCとXLには撥水ファブリック地が採用され、リアシートは左右独立リクライニング機能が備わる。写真はXGの5速MT車
▲XCとXLのラゲージフロアと後席背もたれの背後には防汚加工が施され、ラゲージ床下に濡れた物も収納できるラゲッジボックスが備わる。XCとXLのラゲージ容量は352L、ラゲッジボックスのないXGは377L。写真はXC
▲3リンクリジッドアクスル式サスペンションによって、車輪がこんなふうに複雑に傾くような路面も走行できる。急な下り坂を一定速度で降りられるヒルディセントコントロールや、上り坂の発進時等で車が下がらないようにするヒルホールドコントロールが全車に備わる気になる現行型ジムニーの中古車相場や流通台数は?
デビュー時から生産が追いつかないほど人気が高く、そこに新型コロナウイルス感染拡大の影響による部品の納品遅延や半導体不足などが重なり、新車の納車は1年以上といわれている。
そのためすぐに納車できる中古車需要が高まり、価格は安いとは言い難いばかりか、中には新車時価格を超える物件も見られる。
中古車平均価格の推移を見ると、市場が形成され始めた2019~2020年8月まで上昇。その後、一時期下落傾向に入ったものの、2021年には再び上昇に転じ、直近11月にはほぼ過去最高に近い239.7万円となっている。
▲2020~2021年初頭にかけて、価格は落ち着くものとみられた。しかし現在、価格は上昇中だでは、掲載台数はどうだろうか?
延べ掲載台数の推移を見ると、2020年中旬より大幅な増加を見せ、2021年4月には過去最高となる1571台を記録。以降、波はあるものの
1000台以上をキープし続け、直近11月は1419台とかなり潤沢な状況だ。
▲2020年半ばに、一気に中古車が増加した。選択肢も多く、好みのものが見つけやすそうだ前述のとおり、新車の納車が大幅に遅れている今、中古車を選ぶメリットのひとつである「価格の安さ」に目をつぶっても、選ぶ価値はあるのではないだろうか。
では、このような状況下で現行型ジムニーの中古車を探す際には、どのような点に注意すれば良いのだろうか?
ナビやオーディオの有無、車検残の確認を忘れずに
高値安定しているものの、流通台数が豊富なジムニーの中古車の中から何を選ぶべきか。まずはどんな中古車があるのか見てみよう。
走行距離で最も多いのは5000km未満で、全体の半数近くを占めている。新車ディーラーの試乗車落ちや届出済未使用車なども多く、全体の4割近くを占める。
一方で、走行距離1万km以上は2割ほどで、5万km以上はほとんどない。5万km超の物件でも、大きく値下がりしているわけでもなさそうだ。
また先述のように、デビューしてまだ3年で大きな改良も行われていないため、年式の違いで気にすべき点はほとんどない。
そのため走行距離や年式にとらわれず、まずは希望するグレードと、5速MTか4速ATかを決め、あとはボディカラーやオプションの有無で選ぶのが正解だ。
選ぶ際の参考として、デビュー時の3グレードによる装備の違いをおさらいしておこう。
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■XG
16インチスチールホイール、ハロゲンヘッドライト、ファブリックシート地。スズキセーフティサポートはオプション
■XL
XGに対して撥水加工シート地になり、カラードドアハンドルやドアミラー、左右独立リクライニング機能付きリアシート、ラゲッジボックス、フルオートエアコン、運転席&助手席シートヒーター、キーレスプッシュスタートシステム、ハロゲンフォグランプなどが標準装備になる。スズキセーフティサポートはオプション
■XC
XLの装備に加えて、16インチアルミホイール、LEDヘッドライト、クルーズコントロール、LEDサイドターンランプ付きドアミラーなどが標準装備に。スズキセーフティサポートも標準装備
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台数が最も多いのは最上級グレードのXCで、全体の8割近くを占める。また、XLやXGとの価格差は新車時価格差相応で、そう大きくはない。
ただし、全車オーディオレス仕様なので、後付けすると比較的高額となるカーナビの有無については確認しておきたい。ちなみにXCの中古車の約4割はカーナビ付きで、価格は走行距離一ケタでも支払総額200万円ちょっとから見つけることができる。
また、購入後のランニングコストに大きく関係する車検残についても、選ぶ際の検討項目に入れた方がいいだろう。現時点で車検残が2年以上ある中古車は約5割あり、支払総額260万円以内のXCで絞っても約150台見つけることができる。
ちなみに少しでも安く狙いたい場合、人気の高い黒や白、グレー系以外のボディカラーを選ぶと若干安くなることもある。また、4速ATより5速MTの方が比較的安い。
新車時よりも価格が高い物件を見ると、購入をためらってしまうかもしれない。しかし、よくよく見ると、それらの中には上記のようにオプションが付いていたり、車検残が長いものが含まれていることもある。
少しでも早くジムニーを手に入れたいのならば、新車だけではなく中古車もチェックしておいて損はないはずだ。ぜひピッタリの1台を手に入れてほしい。
▼検索条件
スズキ ジムニー(現行型)×カーナビ付き×全国▼検索条件
スズキ ジムニー(現行型)×車検残2年以上×全国▼検索条件
スズキ ジムニー(現行型)×全国
ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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この記事で紹介している物件
スズキ
ジムニー 660 XC 4WD 4WD セーフティサポート バックカメラ 衝突被害軽減システム シートヒーター LEDヘッド 純正16インチアルミ ドラレコ スマートキー ビルトインETC LEDヘッドライト 車線逸脱警報
本体価格218.7万円
支払総額225.8万円
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