ブガッティ トゥールビヨンがエグい! 価格6億円以上で最高出力1800ps!
2026/04/23
▲6億円以上のブガッティ トゥールビヨン。車好きなら、知る人ぞ知るハイパーカーだ「ブガッティ トゥールビヨン」なる車をご存じだろうか? 昭和の子供たちの間で「見つけると幸せになれる」とささやかれた黄色いフォルクスワーゲン ビートル以上に超絶レアな、ブガッティの新型モデルだ。
車両価格は6億円以上というエグさで、その性能も負けず劣らずの規格外。とはいえニッポンの某車好き有名社長氏は、2026年に納車が始まる同車をすでに注文しているらしい。
ハイパーカー界隈における新スターになること間違いなしのブガッティ トゥールビヨンとはどんな車なのか、チェックしておくことにしよう!
ブガッティから新型車「トゥールビヨン」登場!
ブガッティ トゥールビヨンは、日本では2024年6月に予約販売が開始されたハイブリッドのハイパーカー。生産計画台数は250台のみで、価格はなんと380万ユーロ。つまり、当時のレートで約6億5000万円だ。そんな価格でもあっという間に完売となったらしい。
2026年中には納車開始となる予定なので、もしかすると近々、必ずしも大都市とは限らない日本のどこかで、あなたも私も「6億円オーバーのハイパーカー」を見かけることになるのかもしれない……!
▲写真はブガッティ社の広報用画像。背景はおそらく生成AIによるものだろうが、2026年以降は日本のどこかで、このような光景が実際に見られるかも?すべてが規格外! ブガッティ トゥールビヨンを解説
全世界でわずか250台、価格は6億円以上、そして某社長も注文したというブガッティ トゥールビヨンとは、そもそもどんな車なのか? 詳細に見ていくことにしよう。
最高出力は1800ps! 0-100km/h加速は2秒
▲量産車としては1991年登場のチゼータ モロダー V16T以来となる「V16エンジン」を搭載するブガッティ トゥールビヨンパワートレインは、総排気量8.3LのV16自然吸気エンジンに3基のモーターを組み合わせたハイブリッドシステム。……「8.3L」「V16」というのはほとんど目にしたことがない文字列であり、自動車メディア生活30年の筆者も今、就業以来初めて「8.3L」「V16」という単語をタイプした。
V16エンジンは単体でも1000psという強烈な最高出力を発生するわけだが、そこに3基合計で800psのモーターが組み合わされるというのだから、どのような力感になるのか、もはや想像もできない。
フロントの車軸に搭載される2基のモーターは、コーナリング時に左右輪の駆動力を変えるトルクベクタリング機能も備えているらしい。
▲レーシングエンジンビルダーであるコスワース社の協力を得て開発した8.3LのV型16気筒自然吸気エンジンを車体中央に搭載。この他に3基のモーターも組み合わせることで、1800psのシステム最高出力をマークするe-アクスルに電力を供給する油冷式の800Vバッテリーは容量25kWhで、電気のみでも約60kmの距離を走行可能。
そして最高速度は暫定で445km/hとのこと。0-100km/h加速は2.0秒、0-200km/h加速は5.0秒未満(!)を目指しているそうだ。
▲なおボディサイズは全長4671mm×全幅2051mm×全高1189mmm。ホイールベースは2740mmで、車重1995kgと発表されている
▲ブガッティのデザイン哲学である「Form Follows Performance(フォルムはパフォーマンスに従う)」を具現化したエクステリア。ドアは前ヒンジの自動開閉式シザーズタイプで、ボディ後端には高速走行時の空力特性を高める可動式リアスポイラーも装備カーボン・アルミを多用! 最新技術・素材がてんこ盛り
▲バッテリーモジュールも剛体として用いている、複合材料製のモノコック。フロントおよびリアセクションには低圧薄肉アルミ鋳造材と、3Dプリンターの技術を用いた構造ブレース(補強材)を配置している車両骨格はT800カーボンコンポジット(東レ製の高強度炭素繊維を用いた複合材料)製のモノコックだ。フロントとリアのフレームには、低圧薄肉アルミ鋳造と3Dプリンター技術を用いた構造ブレース(補強材)を装備。
既存モデルよりも大幅に軽量でありながら、きわめて高剛性な構造を実現している。
▲フロントの車軸には最高出力250kWのモーターを2基搭載し、リアの車軸には同250kWのモーターを搭載。総電力量24.8kWhの800Vリチウムイオンバッテリーは、センタートンネルおよびキャビン後方に設置されているサスペンションは、2016年に登場したブガッティ シロン(こちらはこちらで車両価格約3億円)がスチール部材のダブルウィッシュボーン式であったのに対し、トゥールビヨンは鍛造アルミ部材を用いたマルチリンク式。リアにはAIが開発した3Dプリントの中空翼型アーム(航空機などにも使用される構造体)も装備しているという。
カーボンセラミックディスクを用いたブレーキ機構は可動式のペダルボックスを用いた専用のバイ・ワイヤ・システムを採用。そしてフロント285/35R20、リア345/30R21という極太サイズのタイヤは、トゥールビヨンのために専用設計された「ミシュラン パイロットカップ スポーツ2」だ。
400km/h以上の世界を想定した空力性能
▲流体力学に基づくコンピューターシミュレーションと、半スケールモデルによる風洞実験、そして実物大プロトタイプによる風洞実験を重ね、リアウイングを展開せずとも400km/h超の世界までに到達できる空力性能を実現させた最高速度445km/hを想定しているということは(タイヤやエアロパーツなどの条件次第では445km/h以上となる可能性も高いらしいが)、空力特性もきわめてスペシャルでなければならない。
そのため、ブガッティ トゥールビヨンの車両底部には、モータースポーツから着想を得たクラッシュコンポジット製の巨大なディフューザーを新採用。そしてフロントには「フライングフェンダー」と呼ばれる左右フェンダーを装着し、ヘッドランプの下に空気を送り込んでサイドエアインテークへのマスフロー(定められた時間に流れる気体の重さ)も高められている。
▲複雑に入り組んだ車両の前面投影面積を引き下げると同時に、車両底部の空力も徹底的に検証したうえで、高度なリアディフューザーシステムを組み合わせているリアには、中低速走行時に高いダウンフォースを生み出すだけでなく、超高速域からの減速時にはエアブレーキとしても作動する可動式ウイングを装備。ちなみに最高速度付近では、大型ディフューザーが超絶ダウンフォースを発生させ、このウイングは完全に格納される設計になっている。
計器には宝石が! 内外装が超豪華
▲チタンやウッド、カシミア、サファイア、ルビーなどの最高級マテリアルをふんだんに使用するとともに、アナログ感のあるデザインを優先しているブガッティ トゥールビヨンのインテリアブガッティ トゥールビヨンはインテリアも相当強烈だ。ステアリングホイールの内側に備わる固定式のスケルトンクラスターは、スイスの時計職人が設計から手がけたもので、チタンやサファイア、ルビーなど600以上のパーツが精巧に組み上げられている。
このメーターパネルこそが、機械式時計における3大複雑機構のひとつ「トゥールビヨン」を車名にもつこの車のアイデンティティと言えるだろう。
▲ドライバーの眼前には、腕時計の「トゥールビヨン」をオマージュした600以上の部品で構成されるスケルトンクラスターを配置。この設計と製造にはスイスの時計技師も参画したダッシュボード上にあるスマホサイズの小型ディスプレイは格納式で、後退時には2秒で縦に回転し、バックカメラの映像を映し出すとのこと。このあたりも、どことなく時計の「トゥールビヨン」を感じさせる部分だ。
▲格納式ディズプレイが後退時に縦回転するというのも、なんとなく時計のトゥールビヨン(フランス語で渦の意味)に通じるものがあるトゥールビヨンだけじゃない! ブガッティの代表的な車種を紹介
約6億5000万円也のトゥールビヨンは相当エグいわけだが、もちろんブガッティには、その他にも相当エグいモデルが多数存在している。
そしてそれらは――お金さえあればだが――中古車市場を通じて購入することもできる。ここでは、そんな「買える(?)ブガッティ」をご紹介しよう。
ブガッティ EB110(初代):ブガッティ復活ののろしを上げたスーパーカー
▲ブガッティの創立者であるエットーレ・ブガッティの生誕110周年となった1991年に発表されたブガッティ EB110長らく消滅していたブガッティブランドが1987年に復活し、1991年に発売したV12エンジン搭載のスーパーカー。ちなみに、EB110という車名の「EB」はブガッティ創立者のイニシャルで、「110」はブガッティの生誕110周年を意味している。
炭素繊維強化プラスチック製のバスタブ形モノコックシャシーのミッドに縦置きされるエンジンは、1気筒あたり5バルブをもつ3.5L V12DOHC。これに4基のIHI製ターボチャージャーを組み合わせ、560psの最高出力を8000rpmという高回転で発生した。
新車時価格は約3980万円だったが、近年のオークションでは3億円以上で落札されることも。
ブガッティ ヴェイロン(初代):最高速度は驚愕の430km/h超。そして燃費も驚愕レベル?
▲疾走するブガッティ ヴェイロン。正式な車名は「ヴェイロン 16.4」で、W型16気筒エンジンに4基のターボチャージャーを装着していることを意味している1995年にブガッティ・アウトモビリ社が経営破綻した後、1998年にフォルクスワーゲンが設立したブガッティ・オトモビル社初の市販車がヴェイロン。2005年に発売されたハイパーカーだ。
パワーユニットは最高出力1001psの8L W16クワッドターボ(ターボチャージャー×4基)で、2010年7月には最高速度431.072km/hというギネス認定世界記録を樹立。
とはいえ超絶ハイパーな性能の代償としてこの車、冷却水は50L、エンジンオイルも23Lという途方もない量を必要とする。そして加速時に本気を出した際の燃費は、約0.8km/Lまで悪化するらしい。
ブガッティ シロン(初代):最高速度は往年の戦闘機並みの「ほぼ500km/h」!
▲500台の限定生産で2016年に登場したブガッティ シロン。何種類かあるグレードのひとつである「スーパースポーツ300+」は最高速度480km/h超の世界記録を樹立したヴェイロンの後継モデルとして2016年にデビューした超絶ハイパーカー。シロンの8L W16クアッドターボエンジンは最高出力1500ps、最大トルク1600N・mという、ちょっと聞いたことがない次元のスペックで、0-100km/h加速はわずか2.4秒を記録した。
最高速度は、通常は電子制御によって380km/hに抑えられているが、“Speed Key”を使用してトップスピードモードに切り替えると420km/hに。2019年8月2日には、量産車における最高速度記録となる「490.485km/h」を達成している。とはいえ普通に走る際の燃費は約4km/Lと、まずまず低燃費(?)らしい。
新車時価格はベースモデルでも約3億円だったが、より高性能なグレードは約4億~6億円にまで達していた。

自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。