シビック▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、マイナーチェンジした新型ホンダ シビックに試乗した際のレポートをお届け

デザインの変化は極少だが、乗り味は着実に進化

2021年に登場した11代目のシビック。フロントエンジンフードを伸ばしたようなデザインにより、FRのような雰囲気と後方に傾斜するルーフラインが特徴のファストバックである。

先代よりも落ち着いた大人のデザインであり、ステアリングを握ると軽快さを感じさせるシャシーとパワーユニットをもち合わせていた。新しいホンダの方向性を感じさせるモデルになったと言っていいだろう。
 

シビック ▲2021年9月に登場した前期型のシビック
シビック ▲今回試乗した、マイナーチェンジを受けた後期型シビック

そして、発売から3年が経過した2024年9月にマイナーチェンジが行われた。エクステリアではフロントバンパー変更と新たなカラーを取り入れることにより一層、雰囲気を高めた印象になっている。

注目は、MTのみの設定となる「RS(ロードセイリング)」モデルだが、まずはハイブリッドモデルのe:HEV EXに試乗した。
 

シビック
シビック
シビック
シビック

一般道をゆっくりと走り出す瞬間から心地よさが伝わる。街中では十分なパフォーマンスだ。

50km/h程度であればEVの感覚である。踏み込んで加速すると電気が足りなくなり発電のためにエンジンが始動するが、加速中のためか音がある程度キャビンに入るので気にならない。

一般道から首都高速に入る。ステアリングの柔らかさは個人的には違和感があるが、軽い方が好まれる傾向からそうしたセッティングにしているようである。

シビック
シビック

前期型と比べて、足回りの変化を感じる。サスペンションのセッティングはマイナーチェンジ前と変わらないと聞いたが印象は明らかに違う。

以前、マイナーチェンジした日産 ノートの試乗記事で言及したが、エンジニアが「何も変更はないと」コメントするものの、実際には変更しているケースもある。単に、接したエンジニアが知らされていない場合もある。

もちろんサスペンション系、特にダンパーにおいては現在でも個体差があるということも付け加えておこう。だが、明らかにスムーズな印象になっている。

実に完成されたモデルだという印象がe:HEV EXに試乗して感じられた。
 

シビック

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ホンダ シビック(6代目)× 2024年9月~ × 全国
※紹介したモデルとは異なるグレードのものもあります。

日常使いも快適な希少なMTモデル

シビック
シビック

続いてRSモデルに乗る。これは6速MTのみという設定の意欲的な仕様だ。しかもサスペンションも専用設計というからMT好きにはたまらない。

フライホイールを5kgほど軽量化しているとのことで、レスポンス的には大きな違いがある。

パワーシートでポジションを最適に合わせて発進する。少しブリッピング(空ぶかし)をしてみるが、レスポンスは実に良好だ。こういうタイプは圧力上昇がググッと加わるのでトルク特性に変化があって楽しい。

シビック

まずは「ノーマルモード」で発進させる。硬めにセットアップしたスプリングではあるが、ダンパーが微速から減衰力を最適にしてあるので不快な部分は皆無だ。

スポーツモデルのタイプRとまではいかないが、逆にこちらの方が街乗りや、後席乗員の乗り心地などで不愉快に感じることは少ないだろう。

スポーティなMTに乗りたいが、家族やパートナーから承認されにくいと感じる人にオススメできるMTセミスポーツモデルである。こういうモデルの方が力まずドライブでき、現代風だと感じる。
 

シビック

MTは自己実現の最短距離である。自分が思っているレシオとエンジン回転で車を動かす醍醐味は悦に達することができる。 次に「エコモード」でも走らせてみた。アクセレーションが扱いやすくさらに乗りやすい。

そしてレブマチックによって滑らかなシフトが可能だ。シフトダウンも軽く回転を合わせてくれて、同乗者はATに乗っていると思うかもしれない。

高速道路で80km/hで2000回転、6速からアクセルを踏み込むとジェントルな加速が心地よく、さらに高速へと誘うのだ。ただし雨の日には注意が必要だ。気の利いたトラクションコントロールではないので、トラクションを失う可能性が多分にある。加速には十分注意して扱ってほしい。

こういう味付けはホンダの得意分野である。「おーっ」と思わせる感じが、スポーツカーの感覚をドライバーに知らせてくれる。

コーナリングは軽快で実に楽しい。向こう見ずに走らせなくてもスムーズに曲がれる軽快なモデルである。

「スポーツモード」はさらにレスポンシブだ。このユニットの特性に慣れたら試してみよう。楽しさが倍増するかもしれない。

ただ速く走るだけではない、スムーズなシフトワークで路面にトラクションをかけながら操縦している感覚を養うにはこの上ないモデルだ。国産車で唯一無二の4ドアセミスポーツモデルといえる。

ホンダのリリースによるとMTの販売は非常に好調だという。自己実現の近道、それがシビック RSである。
 

KINTO vintage
文/松本英雄、写真/篠原晃一

▼検索条件

ホンダ シビック(11代目)× 2024年9月~ × RS × 全国

【試乗車 諸元・スペック表】
●シビック e:HEV EX

型式 6AA-FL4 最小回転半径 5.7m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.56m×1.8m×1.42m
ドア数 5 ホイールベース 2.74m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.54m/1.57m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.92m×1.55m×1.12m
4WS - 車両重量 1490kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -    
標準色

クリスタルブラック・パール

オプション色

プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、シーベッドブルー・パール

掲載コメント

-

型式 6AA-FL4
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 クリスタルブラック・パール
オプション色 プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、シーベッドブルー・パール
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.7m
全長×全幅×
全高
4.56m×1.8m×1.42m
ホイール
ベース
2.74m
前トレッド/
後トレッド
1.54m/1.57m
室内(全長×全幅×全高) 1.92m×1.55m×1.12m
車両重量 1490kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 LFC 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 40リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1993cc 燃費(WLTCモード) 24.2km/L
└市街地:21.7km/L
└郊外:27.6km/L
└高速:23.4km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準
達成車
最高出力 141ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
182(18.6)/4500
エンジン型式 LFC
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1993cc
最高出力 141ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
182(18.6)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 40リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 24.2km/L
└市街地:21.7km/L
└郊外: 27.6km/L
└高速: 23.4km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準 達成車

●シビック RS

型式 5BA-FL1 最小回転半径 5.7m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.56m×1.8m×1.41m
ドア数 5 ホイールベース 2.74m
ミッション 6MT 前トレッド/後トレッド 1.54m/1.57m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.92m×1.55m×1.15m
4WS - 車両重量 1350kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.13m
マニュアルモード -    
標準色

クリスタルブラック・パール

オプション色

プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、シーベッドブルー・パール

掲載コメント

-

型式 5BA-FL1
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 6MT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 クリスタルブラック・パール
オプション色 プラチナホワイト・パール、ソニックグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、シーベッドブルー・パール
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.7m
全長×全幅×
全高
4.56m×1.8m×1.41m
ホイール
ベース
2.74m
前トレッド/
後トレッド
1.54m/1.57m
室内(全長×全幅×全高) 1.92m×1.55m×1.15m
車両重量 1350kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント -
エンジン型式 L15C 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 47リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1496cc 燃費(WLTCモード) 15.3km/L
└市街地:11.3km/L
└郊外:15.6km/L
└高速:17.8km/L
燃費基準達成 -
最高出力 182ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
240(24.5)/4500
エンジン型式 L15C
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1496cc
最高出力 182ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
240(24.5)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 47リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 15.3km/L
└市街地:11.3km/L
└郊外: 15.6km/L
└高速: 17.8km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。