新しいCX-3は、マツダの年次改良に対する熱意が伝わるモデルだ
2016/02/12
▲クリーンディーゼルの豊かな加速に取り回しのいいジャストサイジング。「人馬一体」へのこだわりを集約した新しいマツダのCX-3商品改良を施したCX-3
発売からおよそ1年を迎えるマツダ CX-3は相変わらず好調だ。ただ、販売台数が増えればカスタマーからのフィードバックも多い。その結果を吟味したマツダの技術陣は、この度、次なる一手として目には見えないチューニングを実施し商品改良を加えたCX-3を発売した。
発売後、CX-3に課せられた課題とは
CX-3は、デミオのシャシーを用いてクロスオーバーSUVに仕立てただけに、サスペンションには少々無理があった。せっかくのAWDにも関わらず、車高が高いためしなやかな動きを作ることが難しく、トラクション(発進・加速時にタイヤの空転を防止する装置)が力を発揮できない。つまり、ちょっとした段差などでも動きがスムーズでなく、ドライバーが感じる衝撃が大きい印象だった。開発陣もそれについては把握しており「年次改良モデルにはネガティブな要素をできる限り取り除く」と言っていたが、その言葉を証明してくれたのが今回の試乗会だった。マツダ側もより理解してもらうために新旧のモデルを用意。グレードはXD ツーリング Lパッケージ 4WD 6ATで300万円を超えるCX-3ではフル装備のモデルだ。
随所から感じる1.5リッターとは思えない高級感
新旧それぞれのモデルを交互に乗り降りした後、改良モデルで公道試乗に出た。 まず、ドアを閉めた際の音が旧型に比べ機密性が良く感じた。見た目の変わりもなく特に変更したところもないというが、組み立て制度は確実に向上しているだろう。 そして、走り出してすぐ実感したアップデートが、ダンパー(衝撃を弱めたり、振動が伝わるのを軽減したりするための装置)。実際に、踏み切りで線路を横断した際、路面からの突き上げ方が明らかにソフトになっているのが分かった。不快感を制限しているのだ。路面からの入力に対して細かくダンパーを働かせている証しである。ハンドリングもスポーティから少しソフトな感じになっていた。接地感が増した印象だ。また、時速40km以下でのトルク感がずいぶんと増した。市街地で加速する場面など、必要以上にアクセルを踏むことなくスムーズなドライバビリティが可能となっていた。
車は一般道から首都高速へ走る。加速も素晴らしいが、高回転まで回るという割には、回っているだけで押される加速は得られない印象だった。とは言え高速道路での静粛性はさらに向上している。日本のディーゼル市場を盛り上げた1.5リッターディーゼルターボは、そもそも欧州勢と比べても静粛性が高い。ディーゼル特有の振動は全く気にならない。旧型と比べてもさらに静粛性が増したような雰囲気だ。一般道走行時にも実感はあったが、高速道路だと風切り音はもちろん、エンジンのノイズも低減していることをより感じることができた。
総じて、新しいCX-3は1.5リッターとは思えない高級感をより感じさせてくれるモデルとなっている。 「もうこれ以上改良はできないというところまで、マツダの車を進化させたい」そんな意気込みをエンジニアと車を通して感じ取れる試乗会であった。
▲XD ツーリング Lパッケージに黒革内装仕様を追加。全ボディカラーで選択可能
▲シックなインテリア空間を実現【SPECIFICATIONS】
■グレード:1.5 XD ツーリング Lパッケージ ディーゼルターボ 4WD ■乗車定員:5名
■エンジン種類:S5-DPTS 直列4気筒DOHC ターボ ■総排気量:1498cc
■最高出力:77(105)/4000[ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:270(27.5)/2500[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:6AT
■全長x全幅x全高:4275x1765x1550(mm) ■ホイールベース:2570mm
■車両重量:1330kg
■車両本体価格:302.4万円(税込)
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