ガレージと趣味部屋が隣接した、人生を楽しむための家【EDGE HOUSE】
2020/09/28
▲地下1階はガレージと施主の趣味部屋。部屋から愛車が眺められるようにと、ガレージとの仕切りは全面ガラス張りに。部屋の奥に設けられたトップライトから太陽の光が差し込むので意外と明るい人生最後の車とともに、これからの人生を謳歌する邸宅
「これが人生最後の車」
納車されたばかりの2008年式ベントレー コンチネンタルGTを、施主のMさんはそう紹介してくれた。60歳を過ぎ、免許返納のタイミングを考えれば、あと30年間乗るのは難しい。だから最後の車なのだという。
これまで連れ添ってきたのは、1990年式メルセデス・ベンツ SEL( W126型)。新車で購入してぴったり30年間乗り続けたが「夫婦でロングドライブするには、そろそろ心もとなくなってきた」と買い替えた。
良い車を長く乗る。メルセデス・ベンツの前にもポルシェ、ジャガー、ミニ、ダッジ……。「短くて5年。だいたい10年以上は乗っていましたよ」
今回のベントレーは「人生の最後を飾るにふさわしい車って何があるかなと、40 年以上付き合いのある“車屋さん”に相談して決めた」という。
そんなベントレーを収めるのが、約2年前に竣工したガレージハウス。これもまた、Mさんのこだわりが至るところに散見される。
ガレージの奥にある趣味部屋の床は、アンモナイトなどの化石を含んだドイツ製の天然石。ガレージから2階LDKまでへと続く階段は、手すりの造形や踏み板の色や材料にこだわり、納品まで約7ヵ月かかった。
趣味部屋に置かれているオーディオ機器なども同様だ。
「 好きな音楽を聴きながら、愛車を愛でられるガレージハウスが欲しかった」とMさん。建築家の川久保さんと約2年間かけて細部を詰めていった。
▲奥のドアはエントランス手前の階段脇へとつながる。ガレージに収まるコンチGTは1年探して購入したもの
▲スワロフスキー仕様のエンブレムが特徴
▲ボリュームを上げて好きなジャズやブラックコンテンポラリーを聴いてもいいように、趣味の部屋はしっかり防音されている
▲住宅密集地でもプライバシーを守りながら自然光が入るよう、建築前に隣家の窓位置をすべて計測し、窓の形状や位置が決められたシンプルでモダンな佇まいに、デコラティブなアクセント
「どちらかというとデコラティブなものが好みのMさんと違い、奥さまはモダン志向。そのバランスをどう取るかに腐心しました」と川久保さん。
洋服で例えると、シンプルでモダンなシャツに、アクセントとしてのボタンを、どれくらい大きくしたり、どんなカタチや色にするか、という感じだったという。
加えてここは都心の住宅密集地。隣家からの視線が届かないように、けれど太陽の光は入るように、窓の位置や形状を緻密な計算も必要。
こうしてシンプルでモダンな邸宅に、装飾性のある細部が見事に調和したガレージハウスが完成した。
このように緻密な計算がされた、繊細なデザインの邸宅は「実は災害に強く、省エネ性能も高い」と川久保さん。屋根には9.73kWの大容量太陽光発電パネルや蓄電池を備え、万が一の災害時でも自宅でしばらく過ごせる。
断熱性が高いので、夏は涼しく冬は暖かい。そんな、これからの快適な暮らしを約束する家。
終活とは、最後まで自分らしく人生を送るための準備。
車選びもガレージハウスの建築も、Mさんにとっての終活、これからの人生を楽しむためのものだ。
ベントレーが納車した当日には200㎞以上も走ったというMさん。「あまりにも気持ちいいから思いのほか遠くまで行っちゃった」
最後まで自分らしく、の第一歩だ。
▲アルミ製のスライダーを閉めた際、隙間ができないよう施工時に細かく調整。閉めるとガレージ内に風もホコリも舞い込まない
▲玄関から地下1階のガレージへと続く階段からの眺め。階段の手すりの形状だけでなく、壁に飾られた照明も施主が吟味して手に入れたもの
▲エアコンが黒い柵で隠されているなど、シンプルなデザインにまとめられた2階のLDK。だからこそ天井のシャンデリアが映える
▲玄関の天井は黒いシャンデリア。それに合わせて床には円上にガラスの焼き物を埋め込み、その周りに大理石を放射状に敷いた■所在地:東京都
■主要用途:専用住宅
■構造:木造 一部RC造、S造
■敷地面積:132.32 ㎡
■建築面積:63.95 ㎡
■延床面積:222.07 ㎡
■設計・監理:川久保智康(川久保智康建築設計事務所)
■TEL:03-5214-6080
※カーセンサーEDGE 2020年11月号(2020年9月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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