本場ドイツの名門レース「DTM」が、再び注目を集めるワケ!【EDGE MOTORSPORTS】
カテゴリー: レース&イベント
タグ: マクラーレン / トヨタ / 日産 / ホンダ / メルセデス・ベンツ / BMW / アウディ / アルファ ロメオ / フェラーリ / ランボルギーニ / クーペ / FR / MR / 2WD / R8 / 190クラス / ケイマン / アルファ155 / Cクラス / RS5 / ウラカン / M6 / M4クーペ / メルセデスAMG GT / 720S / 488GTB / EDGEが効いている
2021/05/25
▲DTM(ドイツツーリングカー選手権)はドイツの主要メーカーが参戦していることから、国際的に人気の高いレースだDTMは、近年スーパーGTとのコラボや規格の統一などが行われ、GT3カテゴリーの車両を採用するなどし、変革期を迎えている。
今回は参戦車を紹介しながらDTMの歴史から最新事情まで、その魅力を解説したい。
参戦カテゴリーの改革で大注目の2021年シーズン
ドイツツーリングカー選手権(DTM)は、1984年に始まった市販車をベースにしたレースカーで争われるドイツの独自シリーズ戦。1990年代にはメルセデス・ベンツ 190E エボリューションやアルファ ロメオ155をベースとしたマシンが大活躍し、日本でも人気を博した。しかし、マシン開発コストの高騰からメーカーが相次いで撤退し、1996年シーズンをもっていったんシリーズは廃止に追い込まれた。
▲ホモロゲーションモデルであるメルセデス・ベンツ 190E エボリューションをベースとしたグループAマシン(当時のDTMでの参戦カテゴリー)。ベースにはF1マシンにエンジンを供給していたコスワース製2.3L直4を搭載。空力性能を重点的に磨き上げ特徴的なリアウイングなどを採用している▼検索条件
メルセデス・ベンツ 190E × 全国その後、2000年にシリーズが復活。幾度もレギュレーション変更を重ねながら時代に合わせて変化してきた。2014年からは、DTMシリーズの運営団体である「ITR」と日本のスーパーGTを運営する「GTA」が統一戦に向けて、「Class One(クラス1)」と呼ばれる車両規定の統一化の準備を進めてきた。
近年のDTMは、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの3メーカーによって争われてきたが、メルセデス・ベンツがフォーミュラEに参戦するため2018年シーズンをもってDTMから撤退。翌年のシーズンは、アストンマーティンが加わり、3ブランドでシーズンが行われ、ドイツ・ホッケンハイムリンクで行われた2019年の最終戦に、トヨタ、日産、ホンダという日本メーカーが、スーパーGT GT500クラスマシンで参戦。DTM史上初のドイツメーカーvs日本メーカーというシーンを見ることができた。
▲2020年シーズンで出走したアウディ RS5がベースのマシン。BMWとの一騎打ちとなった2020年は、18レース中16勝を獲得しマニュファクチャラー部門でも圧倒的勝利を挙げた▼検索条件
アウディ RS5(初代) × 全国
▲2018年に出走したメルセデス・ベンツ C63ベースのマシン。競技マシンはレギュレーションによって2018年まで4L V8エンジンを搭載していた。ベースモデルもエンジンは違うものの4L V8を搭載している▼検索条件
メルセデスAMG Cクラス × 全国 × グレード:C63
▲ベース車のM4は直6エンジンを搭載しているがレース車両はV8となる。2019年からはレギュレーションの変更で直4ターボを搭載している。また、2016年にはこの競技車をベースにしたDTMエディションが25台限定で販売されていた▼検索条件
BMW M4(初代) × 全国これで、ついにDTMとスーパーGTの本格的な交流戦が始まると期待されていた矢先に、なんとアウディが2020年シーズン限りでDTMからの撤退を表明。ワークスとして残ったのはBMWのみとなり、コストのかさむクラス1規定に新規参入メーカーを望むべくもなく、DTMはふたたび窮地に立たされた。
ITRがとった措置は、すでに多くのメーカーが参入し、新規参入へのコストも抑制できるFIA GT3カーを使うというものだった。すでに欧州にはGTワールドチャレンジ・ヨーロッパやドイツ国内にもADAC GTマスターズといったGT3マシンによるシリーズが存在しており、それとの差別化という課題に対して試行錯誤しながら第3期DTMはスタートすることになる。
2021年シーズンは、GT3カーによる「DTM」をメインに、GT4カーによる下位シリーズ「DTMトロフィー」を設定。さらに、過去のDTM車両やグループC、F1などのクラシックレーシングカーが走行する「DTMクラシック」なども開催予定だ。そして、2023年には電動レーシングカーの「DTMエレクトリック」の導入を目指すという。
▲DTMは2023年の電動カテゴリーを見据え、プロトタイプのEVレーシングカー「Eカー」を公開。バイワイヤ式(完全電子制御)のステアリングや水冷バッテリーを搭載し、出力は1000psにも及ぶというコストが抑えられたことで、アウディとBMWがDTMに残ることとなり、メルセデスAMGが復帰。フェラーリはレッドブルとジョイントして参戦し、ドライバーには昨年までF1をドライブしていたアルボンを起用。また、ランボルギーニ ウラカンGT3、マクラーレン 720S GT3も参戦予定といま再び盛り上がりを見せている。
5月には合同テストが始まっており、メルセデスAMG GT3、BMW M6 GT3、アウディ R8 LMS、フェラーリ 488 GT3などが走行テストを開始した。
2021年シーズンは、6月18日からのイタリア・モンツァを皮切りに全8戦が開催される予定。新生DTMは果たしてどのような戦いが繰り広げられるのか、大いに注目だ。
2021年のDTMで出走するGT3マシンの一部を紹介
▲メルセデスAMG GTがベースとなったAMG GT3。GT3カテゴリーではエンジンのレギュレーションはパワー制限のみ。直6からV12まで様々なエンジン搭載車が2021年シーズンからは見られるという。ベースモデルのAMG GTはロングノーズにV8エンジンを搭載するラグジュアリー性の高いモデル▼検索条件
メルセデスAMG GT × 全国
▲日常性を兼ね備えたスーパーカーとして人気の高いR8ベースのR8 LMS。2021年シーズンから参戦する車両ということ、GT3カテゴリーでの熟練度が高いことから今年注目のマシンともいえる。ベースモデルはV10を搭載した2代目。初代はV10に加え、V8を搭載したリーズナブルなグレードも用意されていた▼検索条件
アウディ R8(2代目) × 全国
▲BMW M6がベースのM6 GT3。他のGT3マシンと比べ競技車もベース車もリーズナブルな価格となっている。ワイド&ローのボディはコーナリング性能も高くGT3でも屈指の強さを誇っている。2020年に行われたニュルブルクリンク24時間耐久レースでは、大雨という悪コンディションで見事勝利している。また、今後は新型M4をGT3マシンとして導入予定だ▼検索条件
BMW M6(2代目) × 全国【関連リンク】
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