ヴォクシー▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「ミニバン回帰」。写真は2021年末にフルモデルチェンジし、中古車流通量も増えているトヨタ ヴォクシー(4代目)

夏休みは車でお出かけ? 乗車人数にも変化の兆し

ゴールデンウイークは遠出をしましたか? 夏休みは旅行に行く予定はありますか?

街中ではマスクを着けていない人が増え、いよいよ本格的にアフターコロナに突入している感じの今日この頃です。

リクルート自動車総研が毎年行っている『中古車購入実態調査』によると、2020年、21年と旅行やアウトドアなどのレジャーに出かけるための車利用が落ち込みましたが、2022年は少し回復基調にあります。

これに比例する動きをしているのが、中古車でミニバンを購入した人の推移です。
 

リクルート自動車総研グラフ

大きく影響を与えているのが「3世代家族」です。帰省したタイミングで多人数が乗車できるように、普段は使用しない3列目をもつ車、つまりミニバンを購入される方は少なくありません。

3世代利用を視野に入れて、子育てファミリーが3列ミニバンを買うことも、帰省先の祖父母側が買うケースもどちらもあります。

ですがコロナ禍で帰省自体が減り、さらにお出かけ時に友人家族を乗せる機会も激減していたはず。その結果、ミニバンを購入する人もお出かけ需要と一緒に一気に減ってしまっていたのです。
 

ノア ▲3列シート備えるミニバンの中でも屈指の人気を誇るトヨタ ノア(4代目)

ミニバンの発売ラッシュで中古車も買い時に

2022年はお出かけ需要が回復しただけでなく、同時にミニバンにも復活の兆しが見られました。社会や生活の変化に加え、中古車市場でもミニバンに注目を集める要因がありました。

2021年末、大人気ミニバンのトヨタ ノア、ヴォクシーがフルモデルチェンジ。また、22年に入ると、ホンダ ステップワゴン、トヨタ シエンタ、日産 セレナなど人気モデルの新型発売が続きました。
 

ノア ▲こちらはホンダのロングセラーミニバンのステップワゴン。2022年5月に発売された新型は通算6代目のモデル

新しいモデルが投入されると、乗り替えにより旧型が中古車としても流通量を増やし 選択肢が増え、同時に価格も一気に下がるためとっても買いやすくなります。

コロナ前中後で、日々の過ごし方が大きく変わった方も多いはず。その時々で生活にピッタリとはまる車を選び直すことで、日々の楽しさは倍増できます。ぜひ今の生活に最適な車を検討してみてください。
 

文/西村泰宏、写真/尾形和美、篠原晃一
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。