スバル アルシオーネSVXを見て、テリー伊藤の物欲に火がついた!「こんなに夢のある車はもう出てこないですよ」
2021/11/28
▲軽自動車からスーパーカーまでジャンルを問わず大好物だと公言する演出家のテリー伊藤さんが、輸入中古車ショップをめぐり気になる車について語りつくすカーセンサーエッジの人気企画「実車見聞録」。誌面では語りつくせなかった濃い話をお届けします!大衆化の波にのまれ、日の目を見なかったスペシャリティカー
今回は、「CLASICA」で出合ったスバル アルシオーネSVXについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。
~語り:テリー伊藤~
アルシオーネSVX。みなさんはこの車を覚えていますか? アルシオーネの後継モデルとして1991年に登場した、スタイリッシュなスペシャリティクーペです。
残念ながら80年代のハイソカーブームには乗り切れず、販売は振るいませんでした。
なぜだめだったかというと、バブルがはじけてから人々の車に対する価値観が大きく変わってしまったからだと思っています。
▲ジョルジェット・ジウジアーロが手がけた直線と曲線を見事にバランスさせたスタイルは今でも輝きを失っていませんSVXは、クールで気取った車です。僕はこういうデザインがずっと続くのだと思っていたら、ある時から車が大衆化して気取ったものは受け入れられなくなってしまった。
これは原宿という街の変遷と通じるものがあります。
▲ルーフ部分まで回り込んだドアガラスなので、窓の開閉はガラスの一部分のみになりますかつて原宿は日本の流行の発信地で、どこか近寄りがたい雰囲気がありました。
ところが、原宿に地下鉄が入り込むと押し寄せる人にこびたショップが増えて一気に大衆化し、街の魅力は薄れてしまった。
90年代に入り車の大衆化が進むと、作り手の思いよりもマーケティングの方が強くなりました。
荷物をもっと積みたいとか、コンビニ袋をかけられるフックがあると嬉しいなど、大衆の意見を吸い上げると車はどんどん便利になります。
でも、それと引き換えに息をのむような輝きは失われていったような気がします。
▲フロントとリアはライト部分をボディサイドまで回り込ませることで統一感を出しています以前、僕はある国産スポーツカーのデザイナーと対談しました。その際、僕は自分の率直な感想をデザイナーにぶつけました。
「デザインは先代の方がカッコよかったですよね」
すると、そのデザイナーは信じられないことを僕に言ったのです。
「あのデザインだと、ゴルフバッグを2つ積むことができないんですよ」
▲ユーザーにこびないクールな雰囲気。このような車はもう出てこないでしょう車が大衆化すれば、いろいろなことを言ってくる人が増えます。それに応えるのはメーカーの責務なのかもしれません。でも、大衆にこびて妥協を重ねると、美しさが置き去りになってしまうのではないでしょうか。
正直、今は車購入で強い決定権をもつ奥様の意見を聞きすぎているように感じます。だから、みんな箱型で乗り降りしやすいものになった。
「雨の日でも便利ですよ」「両手で荷物を持っていてもドアが開けられますよ」
便利なのは嬉しいことですが、本当にそれだけで満足できるのでしょうか。
▲デザイナーの思いが詰まったSVX。夢がありますねジウジアーロがデザインした、未来感溢れる宇宙船のようなSVXのデザインは、マーケティングよりも開発者やデザイナーの「こんな車を作りたい」という気持ちが優先された姿。
日本にこんなすごい車があったことを僕は誇らしく思います。
テリー伊藤ならこう乗る!
バブルがはじけるまでは、日本車にもため息が出るほど美しい車がありました。
いすゞ 117クーペやピアッツァは今でもスペシャリティ感に溢れているし、日産が1992年にデビューさせたレパードJ.フェリーも大好きでした。J.フェリーは“美しい妻と一緒です。”というキャッチコピーで、CMではアメリカのいかにもアッパークラスという女性が座っている映像が流れていました。
僕は「こんな世界観、あるわけないだろう!」と思いながらも、どこか悔しさの中に羨望を抱きながらカタログのページをめくっていました。
▲インテリアはボリューム感のある雰囲気。サイドブレーキのレバーに未来を感じます僕が今SVXを手に入れたら、これ見よがしに乗り回します(笑)。思い切ってオールペンするのもいいですね。僕ならエルメスの鮮やかな水色に塗り替えます。
今回出会ったSVXは298万円と、流通している中古車の中でも高めの価格がつけられていました。その分、状態は良く、数年間はなんの心配もせず乗ることができそうです。
そして、数年の間に相場は今より上がるでしょうから、手放すときも「コストパフォーマンスが良かった」と思えるでしょう。
▲搭載されるのは最高出力240ps、最大トルク31.5kg・mを発生する3.3L水平対向6気筒。駆動方式は4WD。「遠くへ、美しく」というキャッチコピーのとおり、高性能なグランドツーリングカーを目指して開発されましたただ、お店の人も話していましたが、この当時のスバル車は燃費が悪い。世界的に脱炭素の潮流でガソリン価格も高騰している今だとさすがに罪悪感があります。なので、SVXと一緒にヤリスのハイブリッドも手に入れて罪滅ぼしをしたいと思います。
実は昨年、SVXが欲しくて何度か販売店に見に行きました。残念ながらその時は購入には至りませんでしたが、今回再びSVXに出会い、物欲に火がつきました。もしかしたら買ってしまうかもしれません。
▲SVXを手に入れたら、タイトなファッションでこれ見よがしに乗りたいね今は80年代から90年代の旧車がブームですが、SVXは若い子の視界には入らないでしょうね。
彼らはボルボの古いやつやランクル、あるいはディフェンダーやGクラスといったモデルを好みます。これは彼らのライフスタイルやファッションの影響が大きい。オーバーサイズのアウトドアウエアにハマるのは、自然の中が似合う車です。
僕は逆にタイトなファッションが似合うSVXで、夜の摩天楼を楽しもうと思います。
スバル アルシオーネSVX
1985年に登場したスバルのスペシャリティクーペ、アルシオーネの後継モデルとして1991年9月にデビュー。広大なグラスエリアやサイドウインドウの一部のみ開閉する個性的なデザインは、イタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロによるもの。搭載されるエンジンは3.3L水平対向6気筒で、VTD機構付き不等&可変駆動トルクスプリット4WDシステムが組み合わされる。“500miles a day 500マイルを駆け抜けるために” “4WDグランドツーリングスポーツ”というデビュー時のキャッチコピーが示すように、そのGT性能は群を抜いたものだった。

演出家
テリー伊藤
1949年、東京・築地生まれ。早稲田実業高等部を経て日本大学経済学部を卒業。現在、慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科に在籍。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「ねるとん紅鯨団」「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。現在は演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。最新刊「出禁の男 テリー伊藤伝」(イースト・プレス)が発売中。また、TOKYO MXでテリーさんと土屋圭市さんが車のあれこれを語る新番組「テリー土屋のくるまの話」(毎週月曜26:35~)が放送中。YouTube公式チャンネル『テリー伊藤のお笑いバックドロップ』も配信中。
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