プジョー 208 ▲自動車ライターの竹井あきら氏が久しぶりに購入した愛車は、プジョー 208のMTモデル。その理由や「リアルオーナー」だからこその感想をお届けします

愛車の208に1年半ほど乗ってわかったことを紹介

自動車ライターとして日々たくさんの車に触れる機会がある一方で、3人のママとしても奔走する竹井あきら氏

実は10年近く車を所有していない期間がありましたが、あることをきっかけに現在の愛車の初代 プジョー 208を手に入れたといいます。

10年ぶりになぜその車を選んだのか? そして久しぶりに手に入れた愛車はどうなのか?

購入に至った経緯とともに、リアルなオーナーとして1年半ほど経った今だからこそのレビューをお届けします。
 

竹井あきら

ライター

竹井あきら

自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。

 

プジョー 208のMTを愛車に選んだ経緯

26歳の時に新車で購入したお気に入りの306カブリオレを13年乗って、手放したのが10年ちょっと前のこと。

2人目、3人目の出産育児と仕事の両立は難しく、財政難から十分に手をかけてやれず、みすぼらしくなっていく姿に心を痛めながら乗った最後の数年を経て、「次のオーナーに幸せにしてもらってくれ! もう車からは解脱じゃ」とばかりに泣く泣くお別れしたのでした。

以来車が必要なときはレンタカーや母の車を拝借して暮らしてきたのですが、思い知らされたのはMT車への煩悩の強さです。 306カブリオレは初めて買ったAT車でしたが、仕事でMT車に乗る機会も多く、MT熱は薄められていました。しかし車の仕事から離れ、借り物にお世話になっているうちに、「次に買うなら絶対MT」という気持ちが固まっていきました。

2020年の春、ひょんなご縁からカーセンサーで仕事をさせてもらうようになり、必然的にカーセンサーを見るようになりました。そこには「これは買い!」という魅力的な個体が散見され、車から解脱したはずなのに、煩悩にまとわりつかれる日々が始まりました。

それから1年ほど経った2021年5月、長引くコロナ禍で旅行に行けずにたまったのは、うんざりした気分と移動欲がたんまり、現金も少々。そこにきて自宅マンションの駐車場に空きが出て、しかも賃料が下がっているじゃないか!

次期愛車の条件はもちろんMT、5人家族なので5人乗れること(ちなみに306カブリオレは4人乗り)、予算は100万円。安全性と維持費から、ESCが付いた5年落ち程度のベーシックカーに狙いを絞りました。

本命は2014年デビュー当時試乗した際の軽やかな印象が鮮烈だったルーテシア・ゼン、0.9Lターボ。しかし、なにしろ玉がない。対抗はマツダ デミオの最終型、できればディーゼルがいいと思うと予算オーバー。

そんな中、たまたま目に付いたのが当時5年落ちとなるこの2016年型の208スタイル、1.2Lです。「これATはターボだけどMTは自然吸気エンジンのやつ!」と、がぜん惹かれました。

走行5万km未満で98万円也。すぐに実車を見に行きました。
 

 

試乗して感じた「肌なじみのよさ」

プジョー 208▲前オーナーが大切に乗ってくれたおかげか、エクステリアはもちろんインテリアもきれい。即決でした

ボディもシートもきれいで、ETCもドラレコも完備し、黒いスパルコの10本スポーク16インチホイールもりりしく、タイヤはスタッドレスでしたが山もしっかりある。

試乗したら機関良好。小さく軽いボディを思いのままに動かす気持ちのいいハンドリングは秀逸で、「これ私が今朝脱いだ部屋着のTシャツかな?」ってくらい肌なじみがいい。

まさにシンデレラフィットの、しかも半年くらい履き慣れた靴を見つけた気分でした。

その日に契約して、6月の頭には納車となりました。
 

プジョー 208▲あえてインチダウンすることで、よりすっきりしたハンドリングに。鉄チンというのも渋い!

試乗のとき「インチダウンしてノーマルタイヤ買おうかな」と話していたら、ありがたいことに純正15インチ鉄ホイール&ホイールキャップをおまけしていただいたので、さっそく履き替え、スパルコ&スタッドレスは冬用にキープ。

乗り心地はさほど変わらないものの、ハンドリングは明らかにすっきりしました。「黒いホイールの方が断然カッコよかった」と、末っ子の中1男子には不評ですが、ふふふ、坊やにはわかるまい。
 

プジョー 208▲シートベルトに取り付けて使ううたた寝用枕。主に末っ子の息子が、都内から茨城県稲敷市にある乗馬クラブの往復で使用
 

愛車として1年半ほど乗ってみた感想

ちょっとあか抜けないかつてのプジョーらしいエンジンも、NAならではの素直さが好ましく、低速でよくねばり、とても実用的。

今どき珍しい「ブーン!」というマンガのように元気な音をさせつつ、6000回転あたりまでしっかり回って力強く走るので、高速の料金所ダッシュなども気持ちのいいものです。

2000~3000回転程度でつないでいけば、一般道でも16.6km/Lは走る燃費もありがたい。

段差でのゴツンとした突き上げは気になりますが、実用車だし収まりはいいので許容範囲。

2速が高めのギア比のため、2速発進ができない不便さが唯一の不満でしょうか。
 

プジョー 208▲2015年のマイチェンでこっそり登場した5MTの5ドア「スタイル」。全長4m未満のボディの四隅にタイヤを配した5ドアで、車重は1040kgと軽量
 

とはいえトラブルに見舞われたことも……

購入して16ヵ月、1万6000kmを走って総走行距離6万kmを超え、トラブルはないと胸を張りたいところですが、走行5万kmを超えたあたりから、エンジンを切るたびに「設定電圧を下回ったため駐車監視モードを停止します」とドラレコに言われ、バッテリー替えなきゃと思っていた数ヵ月後、ついにバッテリーが上がりました。

翌朝から仕事で使いたかったため、慌てて在庫があるカー用品店を探してバッテリー交換へ。ネットで2万円弱のパナソニック製に目星をつけていたのに、倍の値段の高級ボッシュ様を定価で搭載するはめになりました。
 

プジョー 208▲ボッシュ様のバッテリーは、今もエンジンルームに鎮座……。性能はもちろん素晴らしいのですが(笑)

交換ついでに念のため電圧をとってもらったら、ハイビーム、フルエアコン、1500回転で12.3Vしか出ていない。

「208 オルタネーター ジェネレーター設定値」とグーグル先生にぼやくと、なんとリコール対象車であることが判明。

走行6万kmを超えると出力電圧が下がる設定になっているとのこと(私の個体は約5万kmからだったけど)。ディーラーに持ち込み、エンジンコントロールユニットの書き換えですっきり解決したので、今となってはトラブルというほどでもないかなと思っていますが、2015~2016年製208乗りのみなさん、オルタネーターが逝ったと思って手放す前にご確認を。
 

 

初代208をオススメしたいのはどんな人?

MTが好きというとものすごい車好きのように思われがちですが、私は例えばエアコンもマニュアル派。

設定温度も風量も風向もいちいち自分好みに調整します(落ち着きがないともいう)。

選択肢は多くとも実際に選び取るのはたやすくない人生ですから、シフトチェンジくらい好きにしたい…そんな大げさな話ではありませんが、ただ意志を持って、自分にぴったりのものや状況を選ぶのが好きな方には、心からオススメします。
 

プジョー 208
プジョー 208▲ラゲージルームには趣味の乗馬用品と乗馬クラブでおなかが空いたとき用のカップ麺、買い物用の保冷バッグやエコバッグを複数完備。あと花火の残り(笑)

ベーシックカーは精神的にも肉体的にも経済的にも気負いなく楽しめるのがいいところ。

スポーツモデルのようにわかりやすいときめきはないかもしれませんが、繊細なMTのようなめんどくささもなく、肩の力の抜けた自由があります。

もうすぐ免許を取りに行ける高3の娘が練習するにもちょうどいいと、近い将来の母娘ドライブも楽しみな今日この頃です。
 

プジョー 208

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文/竹井あきら 写真/篠原晃一