新型eKクロスEV(初代)をマンガで解説! 話題の軽EVはどんな車?【人気車ゼミ】
2023/04/19

自動車テクノロジーライターの松本先生と、漫画家の田代先生が話題のモデルを深く分かりやすく掘り下げていく連載『人気車ゼミ』。今回紹介するのは新型三菱 eKクロスEV。
講師紹介

自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。

マンガ家
田代哲也
マンガ家・イラストレーター。1987年『週刊少年ジャンプ・サマースペシャル』(集英社)でデビュー。少年マンガ誌、青年マンガ誌、スポーツ雑誌などジャンルを問わず執筆。絵本『田んぼの昆虫たんけん隊』『水泳大好き!トラ』(星の環会)。2004年より東放学園高等専修学校、東放学園映画専門学校で講師を務める。スズキの車を5台乗り継ぎ、現在の愛車はエスクード。



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三菱 eKクロスEV(初代) × 全国重要ワード(マンガ内※)解説
eKクロスEVとプラットフォームを共有化する日産初の軽EV。eKクロスEV同様に2022年5月に発表され、発表から3週間で受注が約1万1000台に達した。スタイリッシュな内外装が特徴的。グレードはS、X、Gの3種類で、価格帯は233.31万~304.04万円。
▲eKクロスEVとともにヒットしている日産 サクラ
国内で発表された車から、最も優秀な1台を選定する賞。1980年からの歴史の中で、軽自動車がイヤーカーに選ばれたのは初。EVの受賞は2011-2012の初代日産 リーフ以来。
▲日産 サクラ/三菱 eKクロスEVはK CAR オブ・ザ・イヤーも同時受賞している
日産と三菱の折半出資したNMKVで企画し、日産が開発。基本デザインは共通でキャラクターを作り上げる部分を両社のデザイナーが担当する手法を採用している。日産 デイズと三菱 eKワゴン、日産 ルークスと三菱 eKスペースも同様の手法を取り入れている。
ステアリング奥には高画質の7インチカラー液晶メーターを配置。インパネ中央には9インチの大画面ディスプレイを採用した。エアコン操作はタッチパネル式で先進性を表現している。インパネやドアトリムには質感の高いファブリックが用いられている。
NMKVが企画した軽自動車は日産車を含めて三菱の水島製作所(岡山県)で生産されている。三菱は1962年に発表した初代ミニカ以来、様々な軽自動車を送り出してきた。そこで培ったノウハウをルノー・日産・三菱自動車アライアンスの中で生かしている。
軽自動車の最高出力には47kW(64ps)の自主規制があるが、トルクに自主規制はない。最大トルク195N・mはeKクロスのターボエンジン(100N・m)のほぼ2倍の数値。しかもモーターは最大トルクを発進直後から発揮できるので、スムーズで力強い加速が可能。
日産のe-POWER 4WDは、第1世代ではリアモーターが補助的なもので、最高出力は3.5kW(4.8ps)だった。現行型が搭載する第2世代では50kW(68ps)の大出力モーターを搭載。
▲サクラ/eKクロスEVはモーターを新開発ではなく既存のものを流用することでコストを抑えた
エンジンを後輪車軸後方に置いたRR方式の軽自動車『(i アイ)』をベースに開発された軽EV。駆動用バッテリーを床下に、パワーユニットを荷室下に配置している。2018年4月の改良で全長が軽自動車規格(3.4m以下)を超えるスタイルになったことで普通車になった。
▲三菱 アイ・ミーブ
EVはエンジンの熱を利用できないため、暖房をつけると電力使用量が多くなり一充電あたりの走行距離が短くなる。eKクロスEVは車内をすぐに暖めるPTCヒーターと少ない電力で効率的に暖めるヒートポンプシステムを組み合わせて快適性と省電力を両立している。
三菱の調査によると約8割の軽自動車ユーザーは、1日あたりの走行距離が50km以下。そんな軽自動車の使い方に着目し、バッテリー容量を小さくすることで低価格を実現した。買い物や送迎などのシティユースならバッテリー残量を気にせず快適に使うことができる。
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