スズキ ハスラー▲柔らかい雰囲気の初代ハスラー。まだほぼ新車のような程度の車も買えますが、一部のモデルは残り台数が本当に少ないんです

初代ハスラーの"ほぼ新車"はこだわって探すと意外と少ない

もはやブームという範疇を超え、すっかり定番ジャンルとなったクロスオーバーSUV。多くのメーカーから様々な新型車が登場していますが、中でもかなりのヒット作となったのが、スズキのハスラーではないでしょうか?

ワゴンR系のプラットフォームを流用して誕生した、まさにクロスオーバーSUVであるハスラー。乗用車的な乗り味と、SUVらしい最低地上高に余裕のある佇まい、そしてどことなくユーモラスな雰囲気をもつエクステリアが相まって、老若男女問わず人気の車種となりました。

そんなハスラーも、2代目となる新型が1月から発売をスタート。基本的には初代のコンセプトを残しつつ、不満点として挙げられた点をブラッシュアップしたモデルとなっています。

しかし、その結果なのか、ボディのデザインがよりスクエアなものとなり、先代モデルにあった可愛らしさが減少してしまった、という声もチラホラ……。

そこまでハスラーに思い入れのない人からしてみれば、大差ないように感じるささいな部分かもしれませんが、ルックスに惚れた人からしてみれば、その違いは大きく感じるもの。

とはいえ、すでに新型が登場しているため、新車の初代ハスラーは手に入れることが不可能……「新車で欲しかったけど、大人しく新型を買うか……」と諦めるのはまだ早いのです。

販売終了からまだ日の浅い初代ハスラーは、走行距離100km以下の“ほぼ新車”といえるコンディションの車を手にすることができるのです。

もちろん完全な新車ではないので、車検は3年フルではありませんし、現在市場に流通している物件の中からチョイスすることになります。

グレードやボディカラー、メーカーオプションを自由に決めることはできませんが、自分好みの仕様に近い個体が見つけられるかもしれません!

そこで気になる走行距離100km以下の掲載台数は、執筆時点で253台となっています。

一見多いように思いますが、実はその中からこだわりをもって検索すると、ヒットする台数がググッと減ってしまうのです。

もし、あなたがこれから解説するようなハスラーが欲しい! と思うのであれば、急いだ方がよいでしょう!!
 

スズキ ハスラー▲ピカピカな初代ハスラーを手に入れたいなら早めの行動が吉です!

4WD車の掲載台数は、なんと56台!

ジムニーのような本格的な悪路走行をするためのモデルではないとはいえ、高い最低地上高をもつハスラーは、積雪地域などに住んでいる人からの需要も高いと言えるでしょう。

そこで、4WDであることを検索条件に追加すると、ヒット数は56台と、一気に1/5ほどになってしまいます。

最もベーシックなAグレード以外には、ヒルディセントコントロールやグリップコントロールなどの機能もプラスされるので、できればAグレード以外からチョイスしたいところですね(Aグレードの4WDは4台のみ)。
 

スズキ ハスラー▲急坂などであると安心のヒルディセントコントロール

▼検索条件

スズキ ハスラー(初代)×走行距離100km以下×4WDモデル×全国

ターボモデルが少なく、4WDになると極少

最も重いグレードでも900kgを切る軽量なハスラーだけに、ノンターボエンジンでも大きな不満なく乗れる車に仕上がっています。ですが、長距離ドライブや多人数乗車が多いユーザーには、ターボエンジンの力強さも魅力的です。

しかし、ターボモデルに絞って検索すると、なんと25台のみという厳しい状況に。

さらに、4WDという条件をプラスしてしまうと、なんと10台のみとなってしまうのです。ターボ/ターボの4WDを探している人は一刻も早く動き出した方がよさそうです。
 

スズキ ハスラー▲ジムニーなどにも搭載されるR06Aターボエンジン

▼検索条件

スズキ ハスラー(初代)×走行距離100km以下×ターボモデル×全国

ピンクやオレンジなど個性的なボディカラーは希少

ピンクやブルーといった個性的なボディカラーの設定が多かったハスラー。それだけに、一般的な車では無難な色といわれる白、黒、シルバー以外のカラフルな色をチョイスしたいと考えている人も多いことでしょう。

しかし、現在掲載中の100km以下の個体は白、黒、シルバーのボディカラーが半数以上の144台を占めているのです。

逆にピンク系、オレンジ系はともに11台、ブルー系は16台、イエロー系は34台とカラフル系のボディカラーはそれぞれ少なめ。

見た目に惹かれて買う人にとって、ボディカラーはかなり重要なポイントと言えるでしょうから、まずは目当てのボディカラーを中心に探してみるのがいいかもしれません。
 

スズキ ハスラー▲ハスラーといえばコレ! といったカラフルな色が希少に

▼検索条件

スズキ ハスラー(初代)×走行距離100km以下×ピンク系、オレンジ系、ブルー系、イエロー系のボディカラー×全国

初代にあったMT車はたったの2台!

ハスラーが新型となって失われてしまったのは、可愛らしい外見だけではありません。それが、3ペダルのマニュアルミッション仕様です。

実は、初代ハスラーにはベーシックな「A」と中間グレードの「G」に5速MTが設定されていました。

残念ながらターボエンジンとの組み合わせはありませんでしたが、NAエンジンをフルに使いきってキビキビ走らせる楽しみは初代だけの特権だったのです。

ただし、走行距離100km以下のMT車となると、その台数はたった2台だけ……。その2台もショップのデモカー的に作られたものなのか、社外アルミホイールやローダウン、エアロパーツなどをまとっており、カスタムベースとしてなのか、Aグレードとなっていました。

▼検索条件

スズキ ハスラー(初代)×走行距離100km以下×MT車×全国

なお、走行距離100km以下の物件の気になる価格は、新車時の価格とほぼ同額か若干安いものが中心で、現状はプレミア価格にはなっていない様子。

そもそも新車時の価格もおよそ110万~180万円と、グレードによって差があったハスラー。なので、新車に近い状態の個体でも、その価格差がそのまま反映されている、といった印象でした。

ということで、253台とまあまああるように見えて、こだわり出すと意外と少なくなってきてしまう初代ハスラーの新車に近い走行距離100km以下の個体。

あなたが狙っているドンピシャの個体があるならば、それを見逃す手だてはないと言えるでしょう。迷っている時間はありませんよ!
 

文/小鮒康一、写真/尾形和美、スズキ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。