価格と程度のバランスが良いのは5年落ち! 2015年にデビューしたジープ レネゲード & フィアット 500X兄弟は今が狙い目
2021/03/06
▲フィアットとクライスラーが統合したことで生まれた兄弟車のレネゲードと500X。ただし、それぞれの個性は異なる街乗りにピッタリなサイズ&個性的デザインSUV
発売されてから年月がたつほど中古車の台数が増えて選びやすいが、あまり年式が古すぎるのも困る。
そんな台数と年式のベストバランスが、最も販売台数の多いデビュー年に登録され、かつ車検を期に手放されがちな「デビュー5年落ち」モデルだ。
そもそも新車は、販売台数を見れば明らかだが、デビューした年が最も売れる。それを手放すタイミングは、車検時期が多い。「車検費用を払うならそろそろ次の車にしようかな」と考えやすいからだ。つまり、その車がデビューした3年後、5年後、7年後……が中古車の増える目安のひとつとなる。
その中でも「5年後」をオススメするのは、3年落ちよりは値落ちが進んでいて、7年落ちよりは中古車の状態に期待ができそうだからだ。
しかも5年落ちなら、たいていはまだ現行モデル。このように、価格と状態のバランスがちょうどいいのが“5年落ち"だと言えるだろう。
今回は、2015年に登場したプラットフォームを共有する兄弟車のジープ レネゲードとフィアット 500Xを紹介する。
どちらも4WDモデルが用意されているが、メインは2WD(FF)モデル。見た目がファッショナブルで、サイズも小さいこともあり街乗り向きのSUVと考えていいだろう。
2WDは両車に機能面の差はほぼないが、一方で4WDは搭載エンジンが異なるなどの違いがある。
原稿執筆時点での中古車台数と平均価格は、レネゲードが215台・281.4万円、500Xが169台・258.1万円と、500Xの方が若干手頃で、中には新車時の半額で狙える物件もある。両車についてそれぞれさらに詳しく見てみよう。
ジープ レネゲード(現行型)
4WDはより本格的な悪路走行も可能
▲レネゲードの4WDモデル「トレイルホーク」には、オフロード走行時にフューエルタンクなどをガードするスキッドプレートや、17インチマッド&スノータイヤが備わる
▲エアコンの吹き出し口やシフトベゼルのデザインは、スキーのゴーグルやブーツ、艶やかな色彩のカラビナがモチーフになっている。なお、500Xのドライブムードセレクターは備わらない500Xと同じく2015年9月にデビューしたレネゲードは、ジープ一族であることを示す7本の縦スリットが与えられているが、1940年代米軍がガソリン運搬用に使用したジェリー缶の表面に描かれたマーク「X」があちこちに配されるなど、ジープ一族の中では一番ポップなデザインだ。
2WDモデルのエンジンは500Xと同じで、最高出力140ps/最大トルク230N・mを発揮する1.4Lターボ。これに6速DCT(2ペダルMT)が組み合わされる。2019年2月のマイナーチェンジで最高出力170ps/最大トルク250N・mの1.3Lターボへと切り替わった。
4WDモデルでは両車のキャラクターの差が鮮明になる。レネゲードの4WDモデル「トレイルホーク」は、最高出力175ps/最大トルク230N・mを発揮する2.4Lエンジンが搭載されている。これに9速ATが組み合わされる。
4WDシステムも500Xのクロスプラスとは異なる。燃費の向上のため前輪のみで走り、必要に応じて瞬時に後輪にも駆動力を分配してくれる点は同じだが、レネゲードのトレイルホークは、39km/h以下で、悪路走破時に有効な1速による走行が可能な「Lowスイッチ」が備わる。
また、「ジープセレクテレインシステム」も搭載されている。これは、「オート(標準)」「スノー(雪)」「サンド(砂)」「マッド(泥)」「ロック(岩場)」と、路面状況に応じて走行モードを選べる機能だ。その他、急坂を下る際に車速を自動制御する「ヒルディセントコントロール」が備わるなど、ジープブランドらしい、悪路走破性を高める機能&装備を備えている。
デビュー時の衝突被害軽減ブレーキは、オープニングエディションとロンジチュードを除いて標準装備されていた。500Xより少し遅いが、2019年4月にはロンジチュードも含め全車に標準装備されるようになった。
レネゲードのデビュー時の車両本体価格は297万~340万2000円。2015年式は10台、2016年式まで含めると73台と、全体の3割以上を占める点は500Xと同様だ。ただし、こちらは新車時の半額までは届かず、走行距離5万km超のオープニングエディションとロンジチュードでも支払総額200万円以上は見ておきたい。それだけジープブランドは人気があると言えるだろう。
▼検索条件
ジープ レネゲード(現行型)×2015~2016年式×全国▼検索条件
ジープ レネゲード(現行型)×全国フィアット 500X(現行型)
2WD/4WDとも走行モードを選べる機能を装備
▲SUVらしく着座位置が高いので、周囲を見渡しやすい。JC08モード燃費は車両重量の違いもあり、500Xは15.0km/L、レネゲードは14.6~15.5km/Lと微妙に数値は異なるが、ほぼ同じだと考えてよいだろう
▲500Xに備わるドライブムードセレクターは、「オート」モードが燃費重視で、「スポーツ」モードはスポーティな走りを楽しみたいときに、「トラクション」モードは、2WDでも雨天時や凍結時など滑りやすい路面でタイヤのグリップ力を高めてくれる一方、2015年9月にデビューしたフィアット 500X。前述のとおりジープ レネゲードとプラットフォームは共有するものの、キャラクターはしっかり分けられている。500Xは、ロングセラーでもある現行型500の面影を色濃く残すエクステリア&インテリアデザインでまとめられた。
2WDモデルに搭載されたエンジンも、両車共通の1.4Lターボ。最高出力140ps/最大トルク230N・mを発揮する。これに組み合わされるトランスミッションは6速DCT(2ペダルMT)だ。
2019年4月のマイナーチェンジで最高出力151ps/最大トルク270N・mを発揮する1.3Lターボへと切り替わり、WLTCモード燃費は13.5km/Lとなった。
ただし500Xのみ、走行状況や路面状況などに応じて3つのモードから選択できるドライブムードセレクターが備わる。500Xの方がレネゲードより、2WDを中心に据えたSUVであると言えるだろう。
4WDモデルはレネゲードと大きく異なる。500Xの4WDモデル「クロスプラス」は、2WDモデルと同じ1.4Lターボながら、最高出力は+30psの170ps、最大トルクは+20N・mの250N・mを発揮する。組み合わされるトランスミッションも9速ATと、2WDより多段だ。
また、4WDは前輪駆動を前提に、必要に応じて後輪を駆動させるシステムが採用されている。2WD同様、3つのモードから選択できるドライブムードセレクターが備わり、「オート」「スポーツ」は2WDと同じだが、「トラクション」モードでは2WD同様の制御にプラスして、後輪への駆動力配分も使いながら悪路を走破する。
衝突被害軽減ブレーキは、グレードによって異なるので注意が必要だ。デビュー時500Xの場合、ポップスターを除いて標準装備され、2017年6月の一部改良で全車標準装備されている。
500Xのデビュー時の車両本体価格は286万2000~334万8000円。原稿執筆時点で見ると169台中、2015年式は9月発売だったこともあり18台。2016年式も含めると58台で、全体の3割以上を占める。
走行距離が5万km超なら支払総額200万円以内で十分狙える。ポップスタープラスや4WDのクロスプラスで車両本体価格が150万円を切っているものがあるなど、2016年式までなら新車時の約半額で狙えると言えるだろう。
▼検索条件
フィアット 500X(現行型)×2015~2016年式×全国▼検索条件
フィアット 500X(現行型)×全国両車とも、2016年式までの中古車で、2WD/4WDの違いによる価格差は、新車時の車両本体価格の差と同程度。
兄弟車といえどもルックスが大きく異なるので、好みに応じて選んでもよいが、自分にとってどんなレネゲードや500Xがいいか、2WD/4WDの違いや装備の差を含めてよく検討してから探すといいだろう。

ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
この記事で紹介している物件
フィアット
500X クロスプラス 4WD 関東仕入 タイミングベルト ウォーターポンプ テンショナー ドライブベルト ドライブテンショナー プラグ エンジンマウント トルクロッド交換 ETC USB バックカメラ クルコン
本体価格88.0万円
支払総額98万円
フィアット
500X ポップスター 純正ディスプレイオーディオ アイドリングストップ ドライブレコーダー バックカメラ 車線逸脱防止 横滑り防止 パドルシフト パワーシート シートヒーター スマートキー プッシュスタート
本体価格59.8万円
支払総額69.8万円
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