【メルセデス・ベンツ Mクラスの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどまとめ
カテゴリー: 特選車
タグ: メルセデス・ベンツ / SUV / クルマを選び始めた人向け / 高級 / フルタイム4WD / Mクラス / 人気中古モデル徹底ガイド / 田端邦彦
2021/09/22
▲メルセデス・ベンツ初のSUVとして開発されたMクラス。その後のSUVに及ぼした影響は大きいメルセデス・ベンツ Mクラスの中古車は今
Gクラスの製造で古くから本格四駆に携わってきたメルセデス・ベンツだったが、90年代当時、SUVと呼べるのはその1車種のみだった。
そこで新たにライト系SUVを企画。1997年に生まれたのがMクラスだ。
現在、初代の中古車流通量は20台以下とごくわずか。総額100万円で購入できる物件もあるが、できるだけ年式の新しい物件を選ぶのが無難だろう。
2代目の中古車流通量も約30台と多くはない。ガソリンの「ML350」が狙い目だ。
3代目は70台程度の流通量があり、ディーゼルの比率が多い。2013年9月以降の年式なら安全装備が充実している。
ここではMクラスの特徴、中古車を選ぶ際のポイントや現在の中古車相場について世代ごとに解説していく。
▼検索条件
M・ベンツ Mクラス × 全国Mクラス(初代)の特徴と中古車相場
■Mクラス(初代) DATA
生産期間:1998年8月~2005年9月
中古車流通量:約20台
中古車価格帯:50万~150万円
全長:4600mm × 全幅:1835mm × 全高:1820mm
▲初期のモデルではバンパー未塗装のグレードもあった初代Mクラス。革新的な設計思想だったが、伝統的な四駆らしさも兼ね備えていた■Mクラス(初代)の特徴
1997年にアメリカのアラバマ工場で生産を開始し、1998年8月から導入された初代のMクラス。
モノフォルムのボディ、四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション、ロック機構をもたないフルタイム式4WDシステム(ただし副変速機付き)など、当時のSUVとして画期的な構造を数多く採用していた。
これらはその後に登場するBMW X5、ボルボ XC90、アウディ Q5などに多大な影響を与えていく。
ただし、初代はボディ構造を現代において一般的なモノコックではなく、伝統的なラダーフレームとしたところなどに、先駆者ゆえの試行錯誤の跡もうかがえる。
▲飛び出し式カップホルダーをビルトインするなど、インテリアのデザインもユニークデビュー当初、日本市場に導入されたのは3.2L V6ガソリンエンジンを搭載する「ML320」のみ。
翌年5月に4.3L V8ガソリンの「ML430」を、2000年5月には2.7L 直5ディーゼルの「ML270 CDI」を、さらに2001年5月には5.5L V8ガソリンの上位モデル「ML55 AMG」を投入し、ラインナップを拡充していった。
初代Mクラスで大きな転機となったのは2001年10月のマイナーチェンジだ。
■2001年10月 マイナーチェンジ
【エクステリア】
・「ML270 CDI」、「ML320」のフロント&リアバンパーの形状を変更、ボディ同色化
・プロジェクターヘッドランプ「ML320スポーツライン」を新採用
・アルミホイールのデザイン変更。タイヤサイズを変更
【インテリア】
・センターコンソールの形状、スイッチ類のレイアウトを変更し、操作性を向上
・クライメートコントロールおよびリア中央にベンチレーション吹出口を装備
2002年11月には「ML430」と「ML270 CDI」の販売を終了。さらに、2003年3月には従来の「ML320」に代える形で、3.7L V6ガソリンエンジンを搭載する「ML350」が投入された。
▲フルタイム式4WDシステムとブレーキの四輪独立電子制御、副変速機により、高い悪路走破性能を確保■Mクラス(初代)の中古車相場
現在の中古車市場に流通している初代Mクラスは20台程度。
生産終了から15年以上を経過して、中古車平均価格(車両本体価格)65万円前後を維持しているのは、メルセデス・ベンツゆえのことだ。
台数こそ少ないが、走行距離10万km以下の良コンディション車も存在する。
ただし、2001年のマイナーチェンジを受ける以前の初代Mクラスは、加工精度などの品質が低かった……といわれているので、できるだけ2002年式以降の物件を選んだ方が無難だろう。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Mクラス(初代)× 全国Mクラス(2代目)の特徴と中古車相場
■Mクラス(2代目)DATA
生産期間:2005年10月~2012年5月
中古車流通量:約30台
中古車価格帯:80万~210万円
全長:4790mm × 全幅:1910mm× 全高:1815mm
▲より洗練されたエクステリアデザインとなった2代目。初代のウイークポイントだったボディの剛性感やハンドリング性能も大幅に改善された■Mクラス(2代目)の特徴
試行錯誤した初代Mクラスだったが、その革新性が評価されて結果的には大ヒット。
その初代の登場から約7年を経て、2代目へとフルモデルチェンジされた。
ボディ構造は晴れてモノコック構造となり、剛性や静粛性、制振性が大幅に向上。
メルセデス・ベンツのセダンに匹敵するレベルにまで引き上げられた。
さらにボディサイズも全長、ホールベース、全幅ともに拡大され、車内の居住空間も初代より格段に広くなっている。
デビュー当初、日本に導入されたのは3.5L V6ガソリンエンジンを搭載する「ML350」と、5L V8ガソリンエンジンを搭載する「ML500」の2種類。
ともに7速ATを搭載し、ステアリングコラム右側の電子セレクターレバーおよびステアリングに組み込まれたプッシュ式スイッチでの変速を可能にする機構が採用された。
「ML500」にはAIRマティックサスペンションと、電子制御デファレンシャルロック、ローレンジモードセレクター、マニュアルモードセレクターを装備した「オフロードパッケージ」も新たに設定された。
▲2代目ではインテリアの質感も向上し、メルセデス・ベンツらしいインテリアとなった2006年10月にはAMGによるチューニングが施された6.3L V8ガソリンエンジンを搭載し、特別装備が与えられた「ML63 AMG」を追加。
2007年12月にはV8エンジンの排気量を5.5Lにアップし、モデル名も「ML550」へと変更された。
さらに、モデル末期となる2010年5月には3L V6直噴ディーゼルエンジンを搭載する「ML350ブルーテック4マチック」を追加。
また、同年11月には「ML550」が廃止され、代わりに19インチ10スポークアルミホイール、レザーARTICO(人工皮革)を採用したインテリア、AMGデザインの本革巻ステアリングとステンレスアクセル&ブレーキペダルを標準とした「グランドエディション」を「ML350」に採用し、装備内容を充実させた。
▲モノコック構造となったことで車内空間が拡大し、荷室の容量がアップ、使い勝手も良くなった■Mクラス(2代目)の中古車相場
約6年半にわたって製造された2代目Mクラスだが、現在の中古車流通台数は約30台と初代同様に少ない。
年式ではデビューイヤーから最終年まで満遍なく分布しており、中古車平均価格(車両本体価格)は130万円前後となっている。
燃費性能やトルクの面からは「ML350ブルーテック4マチック」が魅力的に映るが、モデル後期の約2年しか販売されなかったため、流通量はごくわずかであり、価格帯も高い。
しかも左ハンドル仕様のみなので、本命にする際にはその点に留意いただきたい。
3.5L V6ガソリンエンジンを搭載する「ML350」に的を絞れば多少選択肢が増え、2007年式頃までのモデルなら100万円前後で狙える物件もある。
走行性能を大きく左右するマイナーチェンジはなかったため、モデル前期の年式であってもコンディションが良ければ買いだろう。
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メルセデス・ベンツ Mクラス(2代目)× 全国Mクラス(3代目)の特徴と中古車相場
■Mクラス(3代目)DATA
生産期間:2012年6月~2015年10月
中古車流通量:約70台
中古車価格帯:170万~400万円
全長:4810mm × 全幅:1925mm × 全高:1795mm
▲ランプ類のLED化などで華やかな印象となった3代目。クロームメッキのアンダーガードもSUVらしい雰囲気■Mクラス(3代目)の特徴
2012年に3代目となったMクラス。ボディサイズは2代目に比べて全長を拡大し、全幅もワイド化。
全高は逆に低く設定され、主にオンロード性能の安定性向上が図られた。
エクステリアはすっきりとしたシンプルなフォルムだが、ヘッドランプやリアコンビネーションランプにはLEDが多用され、きらびやかな印象となっている。
ラインナップは3.5L V6ガソリンエンジンを搭載する「ML350 4マチック ブルーエフィシエンシー」、V6直噴ディーゼルエンジンを搭載する「ML350ブルーテック4マチック」、そして「ML63 AMG」と2代目後期とほぼ一緒だが、3.5L V6ガソリンエンジンは直噴化され、動力性能を向上させた。
「ML63 AMG」には新たに5.5L V 8直噴ツインターボエンジンが搭載され、こちらも最高出力、最大トルクを大きく伸ばしている。
いずれのモデルにも新開発の7速AT「7G-TRONICプラス」やアイドリングストップ機構が採用され、燃費が良くなっているのも3代目の美点だ。
なお、3代目ではディーゼルも含めて全車右ハンドル仕様となった。
▲代を経るほどボディのディメンションは拡大されていき、3代目の全幅は1925mm(ML350)にまでなっている比較的大きな変更があったのは2013年9月。特に安全性能が強化された点は、注目に値する。
■2013年9月 一部改良
【エクステリア】
・「ML350 ブルーテック 4マチック」のアルミホイールを19インチ化およびデザイン変更
・「ML63 AMG」にステンレス製ランニングボード(ラバースタッド付き)を標準装備
【安全性能】
・安全運転をサポートする「レーダーセーフティーパッケージ」、駐車時や狭い道などで車両周囲の状況を俯瞰で確認できる「360°カメラシステム」を全車標準装備
【快適性能】
・「ML63 AMG」の後席にシートヒーターを追加
【オプション装備】
パッケージの装備内容を「コンフォートパッケージ」、「ラグジュアリーパッケージ」、「AMGスポーツパッケージ」、「AMGエクスクルーシブパッケージ」の4種類に整理し、価格を統一
3代目Mクラスの生産期間は2015年10月までとなっているが、これは「GLEクラス」へと名称変更されたため。
GLEクラスはその後モデルチェンジされ、現在も生産されている。
▲操作性、視認性の高さと高級感を備えた3代目のインテリア■Mクラス(3代目)の中古車相場
数年前までGLEクラスとして生産されていたモデルであり、中古車平均価格(車両本体価格)は290万円前後と、初代、2代目に比べて高めとなっている。
ただし、新車時の車両価格が700万円台後半から1500万円台だったことを考えると、かなりリーズナブルと言えよう。
中古車流通台数は70台前後で、デビュー年から最終年式まで、ほぼ満遍なく分布。
安全装備を重視するなら2013年9月以降の物件がオススメで、300万円台から狙える。
流通量全体の6~7割がディーゼル車となっているのも、3代目における大きな特徴のひとつだ。
動力性能、燃費において3代目Mクラスはディーゼルの評判が良く、人気も高い。
装備面においても全く不満がないため、「絶対にガソリン車じゃなきゃイヤ」という人を除いてディーゼル車を選ぶのが正解だろう。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Mクラス(3代目)× 全国※記事内の情報は2021年9月20日時点のものです。

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
この記事で紹介している物件
メルセデス・ベンツ
Mクラス ML350 ブルーテック AMGスポーツパッケージ 4マチック 4WD V6 3L ジーゼルターボ 4WD AMG ブラックレザー パワーシート シートヒーター 純正HDDナビ 地デジ ACC フロントカメラ サイドカメラ バックカメラ 7AT パドルシフト
本体価格183.0万円
支払総額192.6万円
メルセデス・ベンツ
Mクラス ML350 4マチック グランドエディション 4WD サンルーフ 社外ナビ 地デジ Bカメラ ETC 19インチAW 革シート シートヒーター
本体価格111.9万円
支払総額119.2万円
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