Aクラスセダン ▲車というのは、新車で買うとなると最近は総額300万円を軽く超える場合が多く、中古車であっても200万円以上となるケースは珍しくありません。そんな時代に「総額80万円以下の安い車」を買うことは可能なのでしょうか? もし可能であったなら、どんなポイントに注意しながら探せばいいのでしょうか? オススメ17車の紹介とともに専門家が解説します!

総額80万円以下の予算でも車は買えるのか?

中古車には様々な魅力がありますが、ひとつ大きなポイントは「安い!」ということでしょう。新車を買うとなると、ノンターボの軽自動車でも支払総額はなんだかんだで180万円ぐらいにはなりますが、中古車であれば、それこそ総額10万円ぐらいから手に入れることもできます。

まぁ総額10万円は極端だったとしても「総額80万円ぐらい」を見越しておけば、けっこうな物件が買えてしまうのが中古車というものなのです。

しかし総額80万円というのは、車という機械を購入するうえでは「安い予算」といえますので、値が張る新品を買う場合と違い、様々な注意点はあるはず。

では、もしも総額80万円以内で車を買うとしたら、どんな点に注意を払い、どんなモデルを購入するべきなのでしょうか?

次章以降、順を追って考えてみることにしましょう。

 

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総額80万円以下 × 全国
 

総額80万円以下で買える「安い車」の選択肢は?

中古車事情に詳しいマニアは別として、一般的には「総額80万円以下で買える車って、そもそも世の中に何台ぐらいあるのだろうか?」というところから話がスタートするかもしれません。

結論からいいますと、「総額80万円以下で買える車」は世の中にかなりたくさん存在しています。

2023年9月上旬現在、カーセンサーnetには全部で約49万台の中古車が掲載されていますが、そのうち約12万台の価格が「総額80万円以下」です。……12万台というと、さすがに「天文学的な数字」とまではいえませんが、車の数としては「かなり多い」と言っていいはず。そしてその約12万台の内訳も軽自動車から輸入車まで、多岐にわたっています。

つまり「総額80万円以下の予算であっても“選択肢”はけっこう豊富である」ということです。
 

3シリーズ▲写真はドイツのBMW 3シリーズ。こういった輸入車でも、その気になれば普通に総額80万円以下で購入できたりもします
 

「安い車」ならではの特徴と傾向とは?

とはいえ車の平均的な値段は、新車の軽自動車でだいたい総額100万円台後半、いわゆる普通車の新車だと総額250万~350万円ぐらいですので、総額80万円以下のお安い車は「高額な新車と何から何まで同じ」というわけにはいきません。

安い車ならではの特徴というか、もっとはっきりいってしまえばデメリットも、当然ですが存在します。

総額80万円以下の安い車の特徴と傾向は、おおむね以下のとおりです。

●傾向1:多走行である場合が多い
軽セダンと呼ばれているベーシックな軽自動車では、きわめて走行距離が短い物件が総額80万円以下で販売されていることもありますが、一般的には、総額80万円以下の中古車の走行距離は多めになるのが現実です。

具体的に「◯万km以上」というのはケース・バイ・ケースなので断言できないのですが、例えば、総額150万円前後で買えるベーシックな普通乗用車の走行距離が3万~6万kmぐらいであるとしたら、総額80万円以下の同型・同年式車の走行距離は7万~12万kmぐらいになる場合が多いでしょう。この数字はあくまでイメージですが、まぁだいたいそんな感じです。

●傾向2:年式的に古い場合が多い
趣味的なクラシックカーの場合は別ですが、一般的な乗用車の中古車は「年式的に新しければ新しいほど好ましい」とされています。一概にはいえないのですが、基本的には年式が新しい方が車の内外がキレイで使用感が少なく、故障が発生する可能性も低いからです。

そのため「新しい車」は高めの値段で売られるわけですが、逆にいうと「安い車とは年式が古い車である」という理屈も成り立ちます。

これまた一概にはいえない話ではあるのですが、総額80万円以下で買える中古車は(特に軽自動車ではない普通車の中古車は)、1年落ちや3年落ちぐらいの新しめな中古車ではなく、7年落ち以上の「やや古い中古車」が中心になります。
 

フリード▲写真は初代ホンダ フリードというコンパクトミニバン。同じフリードでも、できれば現行型を買いたいと思うのが人情ではありますが、総額80万円以下で買う場合は必然的に初代(1つ前の世代)になってしまいます

●傾向3:人気薄車/人気薄ブランドである場合が多い
例えば人気のアウトドアブランドである「パタゴニア」の各製品は、クオリティだけでなく人気も高いゆえに、中古品であっても高値傾向になります。しかし、逆に「微妙なブランド」のアウトドアウエアであれば、これまた市場原理の結果として必然的に安値傾向になるでしょう。

このメカニズムは中古車の世界でもまったく同じです。総額80万円以下で買える車のすべてがそうであるとはいいませんが、基本的な傾向としては、総額80万円以下で買える車は、微妙に人気薄なモデルあるいはブランドである場合が多いものです。
 

 

「安い車」を選ぶ際に重要となるポイントは?

総額80万円以下の「安い車」を買う場合は、おおむね以下の考え方に基づいて探すようにすれば、いわゆる失敗しないで済む可能性が格段に上がります。

●ポイント1:ベーシックな車種の廉価グレードを中心に狙う
「どうせなら様々な豪華装備が付いている上級モデルの上級グレードを探したい!」と思うのが基本的な人間心理ではありますが、総額80万円以下の中古車を狙う場合には、あまりオススメできない考え方です。

様々な豪華装備が付いている上級モデルの上級グレードというのは、そもそもの新車時価格が高めですし、中古車になっても、人気があるゆえに平均価格は高めになります。

で、そういった「高かったモノが安くなったモノ」には、たいてい何らかの理由があります。中古車の場合は端的にいってボロかったり、最悪の場合には、機械面にけっこうな問題をはらんでいるがゆえに安い……みたいな可能性もあるわけです。

そういった物件をいくら安く買ったところで、結局は「後からかかる修理費用」や「不満」が付きまとうことになるでしょう。

そのため「あくまで基本的には」ではありますが、総額80万円以下の中古車を探す場合には、高級車ではない「比較的ベーシックな車種」の、「その中でも比較的廉価なグレード」に的を絞ると、結果として満足できる結果となる可能性が上がるのです。
 

N-BOX ▲写真は2代目ホンダ N-BOXの上級ラインに相当する「N-BOXカスタム」。こういった上級ラインではなく標準モデルを狙う方が、「安い車」を買う際には成功確率はアップする場合が多い

●ポイント2:走行距離の多寡だけにこだわらない
「中古車を買うなら、なるべく走行距離の少ない物件を選びたい」というのが人情でしょうし、実際、中古車のコンディションは走行距離の多寡に比例する部分もあります。

しかしそれは「絶対」ではありませんし、特に、年式的に古めな場合が多くなる「総額80万円以下」というジャンルにおいては、走行距離が必ずしも状態の良さを表す指標になるわけではありません。

まだ走行距離5万kmなのに割とボロボロな物件もありますし、逆に10万kmを超えていても“生活習慣”が良かったせいか、外見も中身もかなりビッとしている物件があったりもするのです。

そのため、総額80万円以下の車を探す場合は「走行距離5万km以下」的な絞り込みは行わず、まずは走行距離をフリーにして幅広くサーチし、その中から“良い生活習慣”をもっていたように見える物件を見つけていく――というやり方がオススメです。

そして車の“生活習慣”は、主には「内装の状態」と「整備の頻度および内容」に現れます。この2点を重視しながら絞り込んでいけば、きっといい感じの「安い車」が見つかることでしょう。

●ポイント3:不人気ボディ色でも良しと考える
中古車の価格は「ボディカラー」によっても左右されます。かなり古い年式になってくると、ボディカラーによる価格差は「誤差の範囲」ぐらいまで小さくなりますが、比較的新しい年式の車の場合は数万円単位で、場合によっては10万円ぐらい値段が異なってきます。

そういった意味では、あえて不人気なボディカラーと選ぶか、もしくは「不人気色でも良し!」と開き直れば、同じ値段でも、数万円分に相当する「コンディションの良さ」を手に入れられる場合が多いでしょう。

車種によって細かな差はありますが、基本的には白(パールホワイト)と黒系のボディカラーは人気が高いため平均価格も高めで、赤・青・黄・緑・茶色あたりのボディカラーは日本では人気薄のため、若干ですが安くなる傾向があります。
 

フォレスター▲写真上のような「ワインレッドっぽいボディカラー」も日本では人気薄のため、その中古車価格は、同年式・類似コンディションの人気カラー車と比べて若干お安くなることも。写真はスバル フォレスター
 

80万円以下で買えるオススメな「安い車」|軽自動車編

ここからは総額80万円以下で買える軽自動車を5モデル紹介します。

 

ホンダ N-BOX(2代目)

N-BOX ▲2023年9月まではとりあえず「現行型」であるホンダ N-BOXの標準モデル

この秋には3代目が発売されますが、2023年9月の段階では「現行型」である大人気の軽スーパーハイトワゴンです。きわめて背が高いためスペース効率と実用性は抜群で、インテリアもちょっとおしゃれ。

そしてきわめて背が高いにもかかわらず、カーブを曲がる際などの安定性も十分です。もちろんスポーツカーみたいな運転はできませんが、普通に走らせる分には何の問題もありません。

上級ラインに相当する「カスタム」のターボ付きグレードや、標準車の超低走行物件などはまだけっこう高いのですが、標準車のノンターボ車であれば、普通に総額80万円以下で探すことができます。

ただし現行型N-BOXの総額80万円以下の物件は、走行距離多めな場合がほとんどです。その中から「なるべく“生活習慣”が良さそうな1台」を見つけ出してください。
 

N-BOX ▲現行型ホンダ N-BOXのインテリア。「ちょっと趣味の良い雑貨」に通じる世界観がある

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スズキ ハスラー(初代)

Aクラスセダン▲こちらが初代スズキ ハスラー

2014年に「軽クロスオーバーSUV」という新ジャンルを創出し、大人気となった軽乗用車。華やかで元気が出る感じの内外装デザインと、クロスオーバータイプゆえのまずまずの積載性が味わえる1台です。

2019年2月に登場した現行型(2代目)は総額80万円以下ではまだ無理なのですが、初代でも良しと考えれば、走行距離5万~8万kmぐらいの中間グレードを総額80万円以下で狙うことができます。

もちろん現行型(2代目)の方が総合的な能力は高いのですが、だからといって初代はぜんぜんダメということはまったくありません。初代ハスラーも普通に便利に、気持ちよく使える軽クロスオーバーSUVなのです。

総額80万円以下でターボエンジン搭載グレードを見つけることもできますが、基本的にはノンターボエンジン車の方が、この予算帯であればコンディションは良い場合が多いでしょう。
 

ハスラー▲ボディと同色のパネルを大胆に配置したポップなデザインが魅力的な、初代ハスラーのインテリア

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スズキ ハスラー(初代) × 総額80万円以下
 

ダイハツ ミラトコット(初代)

Aクラスセダン▲主には女性ユーザーをターゲットに開発されたダイハツ ミラトコット

ダイハツ ミラトコットは、前述した「総額80万円以下ではベーシックな車種の廉価グレードを中心に狙うべし!」という提言にぴたりと当てはまる軽乗用車です。

2018年に登場した、主に女性ユーザーをターゲットにしたモデルですが、内外装デザインは「過剰にフェミニン」ということもない、あくまで中性的なニュアンス。そして特に豪華な装備や高性能なエンジンなどは付いていないのですが、「とにかくシンプルに使えて、運転しやすい車である」という部分は徹底されています。

もともとの新車価格がさほど高くなかったことに加え、中古車としても正直さほど人気があるモデルではないため、総額80万円以下でも走行距離2万km台ぐらいの物件が見つかる可能性は十分にあります。
 

Aクラスセダン▲こちちらも「今どきのシンプルな生活雑貨」に似た世界観となるミラトコットの運転席まわり

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ダイハツ ミラトコット(初代) × 総額80万円以下
 

スズキ ジムニー(JB23型)

スズキ ジムニー(JB23型)▲最強の軽オフローダーであるスズキ ジムニーの先代モデル

総額80万円近くを拠出できるのであれば、きわめて趣味性の高い選択肢を狙うことも可能です。例えばそれは、過酷な環境をものともしない走破性により、アウトドア愛好家から絶大な支持を得ているスズキ ジムニー。この車で走っていけない道はほとんどありませんので、ソロキャンプや本気の釣りなどに打ち込みたい人には最高の相棒になるでしょう。

とはいえ、さすがに現行型(2018年~)は総額80万円以下では無理なのですが、先代(1998~2018年)であれば、総額80万円以下でも楽勝です。走行距離がかなり延びている物件も多いのですが、非常にタフな車なので、メンテナンス履歴がしっかりした物件でさえあれば、走行距離の多寡を過剰に気にする必要はありません。
 

Aクラスセダン▲先代ジムニーの運転席まわり。写真は特別仕様車なため、ステアリングが本革巻きになるなどしている

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スズキ ジムニー(JB23型) × 総額80万円以下
 

ダイハツ ミライース(2代目)

Aクラスセダン▲「孤高の燃費アタッカー」でもあるダイハツ ミライース。シンプルな作りの軽乗用車だ

ミライースは、軽スーパーハイトワゴンのような驚異的スペース効率は持ち合わせていない「軽セダン」と呼ばれるジャンルのベーシックな軽乗用車です。しかしながら、すべてを軽量に作っているため、WLTCモード燃費は25.0km/Lと非常に優秀。

そしてただ軽量なだけでなく「高剛性でもある」というマニアックな作りがなされているため、意外とキビキビ小気味よく走れる車でもあります。もちろん「高級感」みたいなものはありませんが、「便利な道具」を求めているのであれば素晴らしい選択肢です。

そもそもの新車価格が手頃だったモデルであるため、総額80万円以下でも「2022年式」という、きわめて新しい年式の中古車を探すことも可能です。
 

Aクラスセダン▲ベーシックな軽ではあるが、速度計などは割と今どきっぽいデジタル表示となっている

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ダイハツ ミライース(2代目) × 総額80万円以下
 

80万円以下で買えるオススメな「安い車」|ハッチバック編

ここからは総額80万円以下で買えるハッチバック(コンパクトカー)のオススメモデルを3車種紹介していきます。

 

スバル インプレッサスポーツ(初代)

Aクラスセダン▲こちらが初代スバル インプレッサ スポーツ

輸入車でいうとフォルクスワーゲン ゴルフぐらいのサイズに相当するスバルの5ドアハッチバックです。「スバルグローバルプラットフォーム」という新世代の車台を採用した2代目(現行型。2016年~)は総額80万円以下だとちょっと難しいのですが、2011年から2016年まで販売された初代であれば80万円以下でも楽勝です。

初代の乗り味は、新世代の車台となった2代目と比べるとやや劣りますが、それでも、いかにもスバル車らしい上質で堅牢な走りは十分に味わえます。

搭載エンジンは2Lと1.6Lの水平対向4気筒ガソリンエンジン。どちらの排気量を選んでもOKかと思いますが、1.6L車に運転支援システム「アイサイト」が搭載されたのは2015年10月で、それ以前の1.6L車にはアイサイトが付いていません。購入時、そこだけはいささかの注意が必要です。
 

Aクラスセダン▲この世代のスバル車全般とおおむね共通するテイストの、スポーティなイメージが強い運転席まわり

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スバル インプレッサスポーツ(初代) × 総額80万円以下
 

マツダ デミオ(4代目)

デミオ ▲その後「MAZDA2」という車名に変更された4代目マツダ デミオ

現在はMAZDA2という車名で販売されているコンパクトカーの、車名が変更される前の世代です。2014年当時最新だったプラットフォームを採用しており、搭載エンジンは1.3Lガソリン(※2018年8月からは1.5L)または1.5Lディーゼルターボ。

1.3Lのガソリンエンジンも軽快で素敵ですが、力強いトルクを発生するディーゼルターボエンジンを、総額80万円以下の予算でも入手できるというのはなかなかレアなことです。また、この車に限らず近年のマツダ車はインテリアのデザインが相当しゃれているため、その部分でも大いに満足できる選択肢だといえます。

様々な年式、様々なグレードが選べる総額80万円以下の4代目マツダ デミオですが、毎年のように細かな進化を遂げていった車なので、基本的には「より新しい年式がオススメ」ということになります。もちろん、年式以上に「全体のコンディション」の方が重要なわけですが。
 

デミオ ▲「上質感」と「シンプルなおしゃれ感」が炸裂している4代目マツダ デミオのインテリア

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マツダ デミオ(4代目) × 総額80万円以下
 

日産 ティーダ(初代)

ティーダ▲カーマニアからの評価も非常に高かった日産 ティーダ

ティーダは今となっては割と忘れられた存在になっているかもしれませんが、2004年に登場した当時は「小さな高級車」として大絶賛され、その後も熱心なファンが多数存在していた5ドアハッチバックです。

全長4250mm × 全幅1695mm × 全高1535mmという5ナンバーサイズではあるのですが、車内はコンパクトカーとは思えないほど広く、後席は240mmのロングスライドが可能。さらに「リアアームレスト」や「10段階40度のリクライニング機能」も備わっていました。 そしてフロントシートの手触りや座り心地も抜群で、1.5Lまたは1.8Lのガソリンエンジンも十分なパワーを発揮。

本当に「小さな高級車」と呼びたくなる、いい車だったのです。

そんなティーダは今でもまずまず豊富に流通しており、総額80万円以下のゾーンでも150台以上が流通中です。走行距離がきわめて短いものから、そうでもないものまで様々ですが、前述したとおり「距離」だけではなく「生活習慣=歴代オーナーからの扱われ方」を推測しながら探せば、ナイスな1台と巡り会えるでしょう。
 

ティーダ▲コンパクトカーの平均値を大きく超えた、たっぷりとした作りのフロントシート

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日産 ティーダ(初代) × 総額80万円以下
 

80万円以下で買えるオススメな「安い車」|ミニバン編

ここからは総額80万円以下で買えるミニバン(3列シートモデル)のオススメモデルを3車種紹介していきます。

 

日産 セレナ(4代目)

Aクラスセダン▲2010年から2016年まで販売された4代目日産 セレナ

3列シートのミニバンはもともとの新車価格がそこそこ高いため、総額80万円以下で探すのは若干難しい部分もあります。しかし、日産 セレナの4代目モデル(2010~2016年)であれば、まずまず悪くない条件の1台を総額70万円台で見つけることも可能です。

4代目セレナは、当時新開発だったの2Lガソリンエンジンを搭載する5ナンバーサイズの3列シートミニバン。従来型と比べてボディの剛性をアップしたことにより、不快な振動が抑制されており。静粛性も向上。開放感が強く使い勝手のいい車内の諸装備と併せ、快適な居住空間が作り上げられています。

また、上級グレード「ハイウェイスター」では「ハイスピードダンピングコントロールショックアブソーバー」というものを採用し、低速でフワフワせず、かといって高速でゴツゴツしない乗り心地も実現しています。

そのハイウェイスターも普通に総額80万円以下で狙えますが、走行距離は多めとなる場合が多いでしょう。距離の多寡だけでなく、「どのように扱われ、どのぐらい整備されてきたか」を見極めるニュアンスで探すようにしてください。
 

Aクラスセダン▲有機的な曲線が印象的な4代目セレナのインパネまわり

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ホンダ フリード(初代)

フリード▲「ちょうどいいホンダ」というコピーとともに登場したコンパクトミニバン、初代ホンダ フリード

ホンダ フリードは、日産 セレナよりもひと回り小さい(というか、ひと回り短い)5ナンバーサイズのミニバン。ある程度以上のボディサイズを必要とするユーザーには向きませんが、「普段の乗車人数は1~3人または4人ぐらいで、大きな荷物を積載することもあまりない」的な人でしたら、このサイズでも十分というか、むしろこのサイズ感こそが適切でしょう。

2016年以降の2代目(現行型)の方が当然ながら全体としての実力は上ですが、さすがに総額80万円以下ではまだちょっと無理な状況。とはいえ初代でも、普通に使う分には普通に便利なコンパクトミニバンですので、特に問題はないはずです。

大掛かりなマイナーチェンジは行われなかった初代フリードですが、ちょこちょこと改良は重ねられましたので、基本的には年式がより新しい方がオススメとなります。

その中でも、見つけやすくて高コスパなのは、2013年11月に発売された特別仕様車「Gジャストセレクション」でしょうか。総額70万円台後半で容易に検索可能です。
 

フリード▲初代ホンダ フリード Gジャストセレクションの運転席まわり

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三菱 デリカD:5(初代)

デリカD:5▲アウトドアを楽しむアクティブなユーザーからの人気が高い三菱 デリカD:5

日産 セレナやホンダ フリードは「普段使い」に適しているミニバンですが、ミニバンという乗り物を「趣味の相棒」としても使いたいのであれば、コレがオススメとなります。特にその4WDモデルはミニバン離れした悪路走破性能を有している三菱 デリカD:5です。

全長4730mm × 全幅1795mm × 全高1825mmというなかなかのサイズ感ですので、「普通に居住性の良い家族の車」としても使える1台ですが、4WD車であれば「ミニバンの皮をかぶったクロカン四駆」として使うことも可能。釣りやキャンプなどを楽しんでいる人には最適なミニバンだといえるでしょう。

2019年2月のビッグマイナーチェンジで顔つきが大幅に変わった世代はさすがに総額80万円以下では無理ですが、2011~2012年式付近のものであれば、ガソリンエンジンの4WD車を見つけることができます。

注意点としては、アクティブに使われることが多い車であるため、走行距離が延びている場合が多いということ。メンテナンス履歴と「内装の状態(手荒く扱われた痕跡はないか?)」をチェックしながら選ぶようにしてください。
 

Aクラスセダン▲運転席まわりも「ファミリーカー」というよりは「道具」というニュアンスのカッコよさを感じる

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80万円以下で買えるオススメな「安い車」|SUV編

ここからは総額80万円以下で買えるSUVのオススメモデルを3車種紹介していきます。

 

マツダ CX-5(初代)

Aクラスセダン▲こちらが初代マツダ CX-5

マツダ CX-5は、程よいミドルサイズの寸法とシュアな走り、そしてしゃれた内外装デザインによって手堅い人気を維持しているSUV。2016年12月に発売された現行型(2代目)はさすがにまだ総額80万円以下では無理ですが、2012年2月発売の初代モデルであれば、総額80万円以下でも比較的楽勝です。

安い部類であれば総額50万円台からイケますが、コンディションなども考慮すると、狙い目は総額79万円付近の2012~2013年式になるでしょう。

2Lガソリンエンジンを搭載するグレードと、2.2Lディーゼルターボエンジンを搭載するグレードの双方を狙うことができ、基本的にはどちらを選んでも良いかと思います。しかし走りの力強さと経済性のことを考えると、オススメはやはりディーゼルターボエンジンを搭載する「XD」系のグレードであり、中古車流通量もXD系の方が豊富です。
 

Aクラスセダン▲奇をてらったところのない「正統派の美」を感じる初代マツダ CX-5のインテリア

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スバル フォレスター(3代目)

フォレスター▲4WD性能には定評があるスバル フォレスターの3代目モデル

フォレスターはモノコック構造のSUVでありながら、悪路や雪道でも安心して走ることができる本格的な4WD性能を持ち合わせている、人気の中型SUVです。現行型(2018年~)や先代(2012~2018年)は総額80万円以下では狙えませんが、2007年から2012年まで販売された3代目フォレスターであれば、総額約40万~80万円のレンジでも比較的豊富に流通しています。

グレード的には「ベーシックな2.0X」と「中間グレードの2.0XS」「強力なターボエンジンを積んだ2.0XT」という主には3種類となり、車本来の魅力で考えるとXTやXSのいずれかがオススメとなります。

とはいえ、総額80万円以下という予算に限定して考えるのであれば、ベーシックな2.0Xに良コンディションな掘り出し物中古車が潜んでいる可能性を否定できません。それゆえグレードの決め打ちはせず、幅広い視野を持って「程度優先」にて探してみるのが得策となるでしょう。
 

Aクラスセダン▲グレードにより細部は異なるが、スポーティなイメージが強い3代目フォレスターのインテリア

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日産 デュアリス(初代)

デュアリス▲欧州では「キャシュカイ」という車名で販売された日産 デュアリス

やや異色の存在にはなりますが、2007年から2014年まで販売された日産 デュアリスという中型SUVも、総額80万円以下で狙うことができる貴重なSUVです。

デュアリスは、もともとは「キャシュカイ」という車名にて欧州市場で販売されていたSUV。それが日本へ逆輸入される形となり、当初は生産も日産の英国工場で行われていました。

ヨーロッパで人気を博したモデルだけあって、その走りはかなり本格的。やや硬めの足回りでもって、気持ちの良い高速走行をキメることができます。「純国産車」と比べれば内装デザインなどはやや素っ気なくも感じられますが、そこも「欧州車っぽくてイイ!」という見方をすることもできるでしょう。

マニア以外にはさほど人気が高い車種ではないため、その分だけ、お値打ちなコンディションの1台を比較的安価な予算で見つかる可能性が高いモデルです。
 

デュアリス▲こちらの写真はデュアリスではなく、欧州仕様であるキャシュカイの運転席まわり

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日産 デュアリス(初代) × 総額80万円以下
 

80万円以下で買えるオススメな「安い車」|輸入車編

ここからは総額80万円以下で買える輸入車(外車)のオススメモデルを3車種紹介していきます。

 

フォルクスワーゲン ゴルフ(6代目)

Aクラスセダン▲「ゴルフ6(シックス)」という通称で呼ばれる場合が多い6代目フォルクスワーゲン ゴルフ

フォルクスワーゲン ゴルフは「実用ハッチバックの世界的定番」とされているドイツ車。比較的小ぶりなボディサイズではありますが、クラスを超えた走りと実用性を同時に味わうことができる1台です。

現在は2021年6月にデビューした8代目のゴルフが新車として販売されていますが、総額80万円以下で狙うことができるのは2009年から2013年まで販売された「ゴルフ6」こと6代目のゴルフです。

これ以前の5代目ゴルフは今やデザイン的に少々古く見えてしまいますが、こちら6代目は、その後の7代目ゴルフにも通じるイメージの内外装デザイン。そしてなおかつ今どきの「ダウンサイジングターボエンジン」も搭載していますので、いわゆる古さをあまり感じさせません。

車名に「TSIトレンドライン」と付くグレードは1.2Lのターボエンジンを、「TSIコンフォートライン」と付くグレードは1.4Lのターボエンジンを搭載。「TSIハイライン」は、1.4Lエンジンをターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類で過給しています。

走りはどれも十分以上ですが、装備内容的には「TSIコンフォートライン」以上が望ましいかもしれません。しかし、コンディション優先で「TSIトレンドライン」を狙ってみるのも悪くない話です。
 

Aクラスセダン▲シンプルで上質な機能美を感じるゴルフ6の運転席まわり

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BMW 3シリーズ(5代目|E90型)

3シリーズ▲こちらが5代目BMW 3シリーズ。写真はマイナーチェンジを経た後期型

ドイツのプレミアムブランドであるBMWの中核モデルの3シリーズも、総額80万円以下で狙うことは十分に可能です。

とはいえ、もちろん現行型や先代モデルなどはさすがに無理ですが、2005年から2011年まで販売された「E90」こと5代目の3シリーズであれば、総額70万円台後半の予算でまずまず悪くない1台が見つかるはず。

様々なエンジンが搭載されたE90型BMW 3シリーズですが、この予算帯で狙えるのは2L 直4ターボエンジンを搭載する「320i」という系統です。必要以上にパワフルなエンジンではありませんが、逆にいうと必要十分なパワーは備えています。いかにもBMWらしいスポーティなハンドリング性能と併せ、胸のすく走りを堪能できるでしょう。

消耗部品の交換にはどうしても国産車の場合以上の費用がかかるため、替えるべき消耗部品が交換されている1台を、BMWのメンテナンスに強い販売店で買うのがオススメとなります。この車は特に、走行距離よりも「整備履歴」を重視して探すようにしてください。
 

3シリーズ▲スポーティな「Mスポーツ」の場合は写真上のようなインテリアが採用される

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ボルボ V60(初代)

V60▲こちらが初代ボルボ V60。写真は2013年途中からの後期型

V60は、北欧スウェーデンのボルボが作っているスタイリッシュな中型ステーションワゴン。その初代モデルも、今や総額80万円以下で見つけることができます。

初代ボルボ V60が販売されたのは2011年から2018年までのこと。その初期モデルであれば総額40万円台から検討可能ですが、初期モデルは今や年式的にいささか古く、デザインもちょっと個性的であるため、基本的には2014年式以降の後期型がオススメとなります。後期型はフロントマスクのデザインも落ち着いたニュアンスに変わったため、きっと気に入るのではないかと思います。

とはいえ、総額80万円以下の中古車を探す場合の常として、グレードや年式の“決め打ち”は禁物です。「後期型=コンディションがいい」とは必ずしも限らないのがこの世界ですので、前期型を含め、そして走行距離だけを目安にするのではなく、内外装の状態と整備履歴を重視しつつ、柔軟に検索してみることをオススメいたします。
 

V60▲センターコンソールの何気ない曲線すらもいちいち美しいのは、北欧製品の特徴か?

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ボルボ V60(初代) × 総額80万円以下
文/伊達軍曹 写真/尾形和美、阿部昌也、マツダ、ホンダ、ダイハツ、スズキ、スバル、日産、三菱自動車、BMW、フォルクスワーゲン、ボルボ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。

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