レンジローバー ▲日本ではドイツ車ほどにはメジャーでなく、イタリア車のようなわかりやすい官能性があるわけでもない「イギリス車」の魅力とは、いったい何なのでしょうか? そもそも英国にはどんな自動車メーカーやブランドがあるのかという部分から徹底的に探ってみました

ある意味「謎の存在」ともいえるイギリス車の基本をご紹介

車は世界中の様々な国で製造されていますが、メジャーな自動車ブランドが自国にある国は日本/ドイツ/アメリカ/イギリス/フランス/イタリア/スウェーデン/韓国に限られます。

それらの中で「日本車」「アメリカ車」「ドイツ車」と言われたら、何となくそのイメージがすぐに浮かぶものですし、おそらくは「イタリア車」や「フランス車」もそうでしょう。

しかし「イギリス車」と言われても、いまひとつイメージがわかないかもしれませんし、英国にはどんな自動車ブランドがあるのかということを、ご存じない人も多いのかもしれません。

そこでこの記事では、決して超メジャーではないけれど、しかしその分だけ「じんわりとした魅力」をもっていそうなイギリス車とイギリス車メーカーの基本について、なるべくわかりやすい形でご説明してまいります。
 

 

代表的なイギリス車メーカーは7ブランド

過去に存在した自動車メーカーや、新興の小規模スーパーカーメーカーまで含めると、イギリスには「星の数ほど」と言いたくなるほどの自動車メーカーの名前を挙げることができます。

しかし「現在稼働している主要なもの」に限ると、英国の自動車メーカー/ブランドは下記の7つに集約されます。

●ランドローバー
「ディフェンダー」や「レンジローバー」など、超本格的な高級SUVを得意とするブランドです。

●ジャガー
昔から「スポーティな高級車」を作り続けているブランドです。

●ロールスロイス
航空機用エンジンなどとともに「超高級車」を作ってきたブランドです。現在、航空機エンジンなどを作る部門は分離されています。

●ベントレー
ロールスロイス同様の「超高級車」を作っているブランドですが、ロールスロイスが「主には運転手さんが運転する車」であるのに対し、ベントレーは「オーナー自身がハンドルを握る車」というスポーティな位置づけです。

●アストンマーティン
英国を代表する「超高級スポーツカー」を中心に作っているブランドです。映画007シリーズでも、数々のアストンマーティン車が「ボンドカー」として使われてきました。

●ロータス
レーシングカーの製造販売業に端を発する英国のスポーツカーメーカー。ライトウェイト(軽量)なスポーツカーを作ることを得意としています。

●マクラーレン
F1レースで大活躍した「マクラーレン・レーシング」の技術を反映させた、超高性能なスポーツカーを作っているブランドです。
 

 

イギリス車の特徴とは?

イギリス車といっても様々なタイプ、様々な世代に分かれるわけですが、多くの英国車におおむね共通している特徴は「良くも悪くも“伝統”を感じさせる」ということでしょう。過剰にトレンドを追うのではなく、いつだってトラディショナルなデザインや風合いに重きを置いているのが、イギリス車全般の特徴であるといえます。
 

Aクラスセダン▲たとえ最新世代のモデルであっても、イギリス車はどこか懐かしさのようなものを感じさせるデザインを採用している場合が多い

「伝統的なものを大切にする」というのは、新大陸であるアメリカと比べると、ヨーロッパ全般におおむね当てはまる傾向かもしれません。しかし、そんな欧州の中でも日本と同様に島国であり、かつては「七つの海を支配した」と言われたほどの一大帝国だったイギリスに暮らす人々は、その傾向がより強いように思えます。

そのため、よその国で生まれた何やら新しげなトレンドよりも、自国が長らく培ってきた「伝統的な文化や美意識」を大切に思い、なおかつ、そこにプライドを持っているのでしょう。

そうであるがゆえにイギリス車は、最新世代の車であってもどこかトラディショナルな雰囲気を感じさせる内外装をまとっている場合が多いですし、古めの車にも(当然ながら)トラディショナルで熟成された空気が流れています。

また、これは日本と少し似ている部分かもしれませんが「熟練職人による手仕事へのリスペクトがある」というのも、英国車全般におおむね共通する特徴かもしれません。そのため、大量生産された何かではなく「職人の手で丁寧にあつらえられた革シートやウッド内装ならでは」的な世界観を、多くの英国車において味わうことができるのです。
 

Aクラスセダン▲英国車の典型的なインテリアには「落ち着いた印象の革とウッド」が多用されているケースが目立つ
 

大人気の「ミニ」はイギリス車? それともドイツ車?

ミニクーパーという俗称でお馴染みの「ミニ」は、その愛らしいデザインとキビキビした走りにより、世界中で大人気となっているモデルです。

そんなミニは、現在はいちおう「ドイツ車」なのですが、もともとはイギリス車でした。
 

ミニ▲こちらは1959年に英国で生まれた元祖ミニ
ミニ▲そしてこちらは現在の、ドイツのBMW社が作っている現行型ミニ

「クラシックミニ」と呼ばれることが多い元祖ミニは1959年、英国のブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)という自動車メーカーから発売されたイギリス車です。ごく小さなボディの中に、必要な部品を効率的に配置し、大柄な英国人であっても普通に着座できるように作られた元祖ミニは、まさに革命的なコンパクトカーでした。

そんな元祖ミニは走行性能の面でも非常に優秀で、高性能版である「ミニ クーパー」は当時のラリーでも大活躍。このことから、今日まで続いている「ミニクーパー」という、ミニのことを意味する俗称が誕生することになりました。

そんな元祖ミニもさすがに2000年には販売終了となったわけですが、諸事情により1994年からは、ドイツのBMW社が「ミニ」に関するすべての権利を有していました。

そして、元祖ミニの販売終了に伴ってドイツのBMW社主導による次期型ミニの開発が始まり、2001年5月に誕生したのが「現在のミニ」、すなわちドイツのBMW社が作っているドイツ車であるミニ――なのです。

以上のとおり、現在販売されているミニはまごうことなきドイツ車であり、BMWの車です。しかしBMW社は「ミニ」と「BMW」というブランドをまったく関連づけておらず、あくまでも「ミニ」として訴求しています。また、現在のミニは内外装のあちこちにユニオンジャック(英国国旗)のモチーフを使い、英国車ではないのですが「英国感」は強くアピールされています。
 

ミニ▲ドイツ車である現行型ミニだが、テールランプなどには「英国発祥」であることをアピールするべくユニオンジャックのイメージが使われている
 

代表的なイギリス車メーカー① ランドローバー

【概要】
ランドローバーは、第二次世界大戦後の1948年に当時のローバー・モーター社が発売したオフロード車「ランドローバー シリーズI」に端を発する英国の自動車メーカー。現在はランドローバーシリーズなどの高級四輪駆動乗用車を中心に製造販売しています。

【歴史】
前述のとおり1948年に、当時のローバー・モーター社がランドローバー シリーズI」を発表したのち、1970年には、今日まで続く「レンジローバー」の初代モデルを発売。そして1978年にランドローバー社という子会社として再編成された後も、「ディスカバリー」「ディフェンダー」など数々の高級4WD社を製造販売してきました。

1986年以降は親会社が目まぐるしく変転し、1994年からはBMW、2000年からはフォードが親会社となっていましたが、現在はインドのタタ・モーターズが「ジャガーランドローバー」社の親会社となっています。

しかし「ブランドとしてのランドローバー」は今も十分な独立性を保ち、英国ランドローバーブランドならではのプレミアムで本格的なSUVを多種多様に企画・製造し、そして販売しています。
 

レンジローバー▲写真は1970年に登場した初代ランドローバー レンジローバー

【代表的なモデル その①】ランドローバー レンジローバー(4代目)
中古車価格帯:総額460万~2100万円
 

レンジローバー▲初代レンジローバーの発展進化形である4代目レンジローバー

レンジローバーシリーズは、屈強なクロカン四駆に引けを取らない悪路走破性と、超高級サルーンも顔負けのプレミアム性を同時に実現させている高級SUV。1970年に発売された初代レンジローバーは「砂漠のロールスロイス」との異名を取りました。

現在は2021年11月に上陸した5代目レンジローバーが新車として販売されていますが、中古車市場のメインとなっているのは2013年3月から2021年10月まで販売された先代(4代目)のレンジローバーです。

4代目レンジローバーは、SUVとしては世界初となるオールアルミニウム製のモノコックボディを採用し、エクステリアはそれまでの伝統を踏襲しつつも、よりモダンなスタイリングに生まれ変わりました。ボディサイズは全長5005mm × 全幅1985mm × 全高1865mmという堂々たるものです。

初期型に搭載されたエンジンは、最高出力375psの自然吸気5L V8と、同510psをマークするスーパーチャージャー付き5L V8の2種類。トランスミッションはいずれも新開発された8速ATです。その後は5L自然吸気エンジンをスーパーチャージャー付き3L V6に改め、数々の年次改良も加えながら、2021年10月まで販売されました。

中古車の最高値物件は総額2000万円を超えますが、おおむね800万円前後の予算でも、中古車として好バランスな1台は余裕で見つかるでしょう。
 

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ランドローバー レンジローバー(4代目)

【代表的なモデル その②】ランドローバー レンジローバー イヴォーク(2代目)
中古車価格帯:総額350万~960万円
 

イヴォーク▲「コンパクトなレンジローバー」といえる2代目レンジローバーイヴォーク

レンジローバーイヴォークは、ランドローバーの主力SUVであるレンジローバーよりふた回りほど小さなコンパクトSUV。ただしコンパクトといっても、日本では「ミドルサイズSUV」くらいに相当するサイズ感です。

非常にスタイリッシュなデザインを伴って初代モデルが登場したのは2012年3月。そこから大好評のまま2019年途中まで販売され、同年6月に登場したのが2代目、つまり現行型のレンジローバーイヴォークです。

ひと目でイヴォークとわかる独特のクーペ的スタイルは踏襲しつつ、さらにモダンで精緻なデザインとなった2代目のボディサイズは全長4380mm × 全幅1905mm × 全高1650mm。

ガソリンとディーゼルの双方が用意されるパワーユニットはいずれも2L 直4ターボで、ディーゼルは最高出力180psの「D180」が、ガソリンは同200psの「P200」と同249psの「P250」、さらにマイルドハイブリッド機構付きの「P300 MHEV」(同300ps)もラインナップされました。トランスミッションは9速ATです。

最高値圏にある低走行中古車の総額は800万円を軽く超えますが、総額400万円台前半あたりの予算感でも、状態良好な「P200」または「D180」を見つけることができるでしょう。
 

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ランドローバー レンジローバーイヴォーク(2代目)
 

代表的なイギリス車メーカー② ジャガー

【概要】
ジャガーはもともと1920年代の英国でサイドカーメーカーとして創立され、その後、自動車メーカーに転換していった、イングランド北部に本拠を置く高級乗用車メーカー。現在はランドローバーとともに「ジャガーランドローバー」を構成しています。
 

【歴史】
1922年に、ウィリアム・ライオンズと友人により「スワロー・サイドカー・カンパニー」として設立。1930年代からは自社で設計した車両を製造販売する「SSカーズ」に社名を変更し、1945年に「ジャガー・カーズ」へと社名を再変更しました。

その後は高級乗用車を製造販売すると同時にレーシングカーの開発でも名をはせ、1950年代には「ジャガー Eタイプ」という超高性能・高級乗用車も発売。

さらにその後は合併や再編成などを経て1989年にフォード傘下となり、2008年以降はランドローバーと同様にインドのタタ・モーターズ傘下となっています。とはいえ独自性は十分に保たれており、完全自社開発のエンジンと車台を用いた美しい高級スポーツカーやプレミアムSUVなどを幅広く作り続けています。
 

XJ-S▲写真は1970年代のジャガー XJ-S。なんとも優美なフォルムのスポーツクーペだった

【代表的なモデル その①】ジャガー Eペイス(初代)
中古車価格帯:総額210万~640万円
 

Eペイス▲現在のジャガーの売れ筋SUVであるジャガー Eペイス

ジャガー Eペイスは2018年2月に上陸し、今なお新車の販売が続いているジャガーのコンパクトSUV。コンパクトといっても全長約4.4m × 全幅1.9mですので、日本では「ミドルサイズSUV」と表現した方がいいのかもしれません。

ジャガーらしいスポーティな雰囲気を放つボディのスリーサイズは全長4410mm ×全幅1900mm × 全高1650mmで、パワーユニットは2L 直4ターボのガソリンとディーゼル。ガソリン仕様は最高出力249psを発生する「P250」と、同300psとなる「P300」の2種類で、ディーゼルは最高出力180ps/最大トルク430N・mを発生する「D180」を用意。トランスミッションはジャガーとしては初採用された9速ATです。

4WDシステムは2タイプが存在し、基本となるのは「エフィシエント・ドライブライン」という、路面状況に応じて、様々な駆動力配分ができるタイプ。そしてガソリンエンジンの「P300」搭載車に用いられたのは「アクティブ・ドライブライン」という、よりコーナリング性能の向上に主眼を置いたシステムです。

2018年12月には2L 直4ガソリンターボエンジンを搭載するエントリーグレードが追加され、2021年5月にはプラグインハイブリッド車も追加しています。

高値圏の中古車は総額500万円以上となっていますが、総額200万円台後半あたりの予算でも、走行距離2万km台の「P250」エンジンを搭載する物件が容易に見つかるはずです
 

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ジャガー Eペイス(初代)

【代表的なモデル その②】ジャガー Fタイプ クーペ(初代)
中古車価格帯:総額350万~1700万円
 

Fタイプ▲名車「ジャガー Eタイプ」をほうふつとさせるジャガー Fタイプクーペ。写真は後期型

ジャガー Fタイプクーペは、2014年1月に予約受注が始まったプレミアムスポーツカー。当初の搭載エンジンは最高出力550psのスーパーチャージャー付き5L V8の他、スーパーチャージャー付き3L V6の380ps版と340ps版というラインナップ。

トランスミッションは8速ATで、駆動方式はFRが基本ですが、2016年モデルでは4WDと6速MTの仕様も追加。また、2016年5月にはスーパーチャージャー付き5L V8エンジンが575psの最高出力を発生する最上級グレード「SVR」も追加しています。

その後も年次改良を重ね、2020年1月にはマイナーチェンジを実施。内外装デザインを変更するとともに、エンジンは2L直4ターボ(最高出力300ps)と3L V6ターボ(同380ps)、5L V8ターボ(同575ps)の3種類に変更されました。

中古車の価格帯は冒頭で記したとおり総額350万~1700万円といったところですが、程よいあんばいの物件は総額500万円前後で見つけることが可能。ただし、5L V8エンジン搭載グレードが欲しい場合は総額700万~1500万円ほどの予算が必要となります。
 

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ジャガー Fタイプクーペ(初代)
 

代表的なイギリス車メーカー③ ロールスロイス

【概要】
ロールスロイスは1900年代初頭の英国で設立された、航空機エンジンと自動車を製造する工業品メーカー。その自動車部門は、世界の王侯貴族や実業家などが乗るショーファードリブンカー(オーナーではなくお抱え運転手が運転する車)だけを作り続けてきました。

1970年代以降は航空機エンジン部門と自動車製造部門は分離していますが、自動車部門であるロールスロイス・モーター・カーズは今も、「超」が付く高級乗用車を作り続けています。
 

【歴史】
1906年、航空機用エンジンや乗用自動車を製造するロールスロイス・リミテッド社として創業。自動車部門は世界の王侯貴族や富豪が乗るための超高級車を次々と開発して大成功を収め、ロールスロイスという言葉は「超高級車の代名詞」的な存在にもなりました。

しかし戦後の1960年代には経営が悪化して、航空機用エンジン部門とともに国有化。そして1973年には自動車部門のみがイギリスのヴィッカーズという企業に売却され、1998年にはドイツのフォルクスワーゲンがそれを買収。しかしこの買収の際にいろいろとややこしい問題があり、結果としてロールスロイスブランドはドイツのBMW社のものとなりました。

しかしながら現在もロールスロイス・モーター・カーズは、資本的にはBMW傘下ではあるものの、「まさに英国の超高級車」としか言いようのない独自の高級サルーンや超高級SUVなどを製造し続けています。
 

シルバークラウド▲写真は1961年のロールスロイス シルバークラウドをアメリカの「リングブラザーズ」が独自にレストアしたもの

【代表的なモデルその①】ロールスロイス ゴースト(初代)
中古車価格帯:総額1300万~3300万円
 

ゴースト▲全長5.4mの超プレミアムサルーン「ロールスロイス ゴースト」の初代モデル

ロールスロイスの最上級モデルである「ファントム」をひと回りほど小さくした4ドアサルーン。「小さくした」といっても初代ゴーストのボディサイズは全長5400mm × 全幅1950mm × 全高1550mmですので、普通に見る分には「とにかくデカい!」というニュアンスではあります。

搭載エンジンは最高出力570psの6.6L V12ツインターボで、0-100km/h加速にかかる時間はわずか4.9秒。おとなしくジェントルに走っている限りは「どこかの国の王様が普段の移動のために使う車」といったニュアンスの乗り味ですが、ひとたびアクセルを踏み込めば――相変わらず乗り味的には王様の乗り物的なのですが――スポーツカー顔負けの加速を披露できるという一面ももち合わせています。
 

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ロールスロイス ゴースト(初代)

【代表的なモデルその②】ロールスロイス カリナン(初代)
中古車価格帯:総額5000万~6200万円
 

カリナン▲ロールスロイス初のSUVとして2018年に登場した「ロールスロイス カリナン」

ロールスロイス カリナンは、英国のロールスロイス・モーター・カーズが2018年に初めてリリースしたSUV。ボディサイズは全長5340mm × 全幅2000mm × 全高1835mmで、車台は「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」と名付けられた、新世代のオールアルミ製プラットフォームをベースに開発されたもの。

そこに搭載されるパワーユニットは最高出力571psを発生する6.75L V12ツインターボエンジンで、駆動方式はロールスロイス初となる4WDです。

バリエーションはリアシートの形式により2種類に大別され、後席が3人掛けベンチタイプの「ラウンジシート」と、2人掛け独立シートの「個人シート」が用意されています。前者のラウンジシートにはロールスロイス初の後席折り畳み機構が備わっており、通常600Lのラゲージスペースを1930Lまで拡大可能。

そして個人シートの方はラゲージ容量こそ526Lですが、ガラス製のパーティションでキャビンと荷室を仕切ることで、3ボックス車的な静粛で快適な居住空間が実現されます。
 

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ロールスロイス カリナン(初代)
 

代表的なイギリス車メーカー④ ベントレー

【概要】
ベントレーは1919年に創業された自動車メーカー。当初は高性能スポーツカーを作っていましたが、1931年にロールスロイスに買収された後は「ロールスロイスのスポーティ版」的なモデルを主に製造販売。そして1998年からはフォルクスワーゲン傘下となり、独自性の強い「超ラグジュアリーだが、スポーティでもある」というニュアンスの高級車を製造するブランドになっています。
 

【歴史】
ロンドン生まれのウォルター・ウォーレン・ベントレーにより1919年に創業。当初はル・マン24時間レースなどで名を上げ、世界の富裕層が好んで乗る高性能スポーツカーの数々を製造販売していました。

しかし、世界恐慌の影響を受けて1931年にロールスロイスに買収され、それ以降は「ロールスロイスのちょっとスポーティなバージョン」に、ベントレーの名が付けられることに。しかし1971年に親会社のロールスロイスが倒産した後は、ロールスロイスの自動車部門とともに英国のヴィッカーズ社に売却され、その後、紆余曲折を経て1998年からはフォルクスワーゲン傘下の新生ベントレー・カーズ社として再スタート。

ロールスロイスとは異なる個性と中身を持つ「きわめてラグジュアリーだが、スポーティでもある」という様々な超高級乗用車を製造販売しています。
 

ブロワー▲写真は往年の「ベントレー 4 1/2リッター ブロワー」が12台限定で再生産されたもの

【代表的なモデルその①】ベントレー コンチネンタルGT(3代目)
中古車価格帯:総額1900万~3800万円
 

コンチネンタルGT▲ベントレーブランドを代表するラグジュアリースポーツクーペ「コンチネンタルGT」の現行モデル

ベントレー コンチネンタルGTは、その初代モデルは2003年に発売された高級4シータークーペで、ベントレーの基幹モデルのひとつであるといえます。

現在販売されている3代目のコンチネンタルGTが上陸したのは2017年12月。ボディサイズは全長4850mm × 全幅1954mm × 全高1405mmで、フロントの車軸を従来型より135mm前方に移動させることでホイールの後方に長さをもたせ、スポーツカーの古典的フォルムである「ロングノーズ・ショートデッキ」なニュアンスをより強調したスタイルになっています。

当初搭載されたパワーユニットは最高出力635psの6L W12ツインターボエンジンで、トランスミッションはブランド初の8速DCT。最高速度は333km/hで、0-100km/h加速にかかる時間はわずか3.7秒という俊足ぶりを誇ります。2019年9月には最高出力550psとなる新開発の4L V8ツインターボエンジンを追加し、2021年3月には6L W12ツインターボの最高出力を659psまで強化した「GTスピード」も導入しました。

走行距離が数千kmレベルの高年式中古車を探すとなると総額2600万円以上となる場合が多い3代目ベントレー コンチネンタルGTですが、走行距離2万km台でも良しとするのであれば、総額2100万円前後でW12ツインターボ搭載グレードを見つけることができます。
 

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ベントレー コンチネンタルGT(3代目)

【代表的なモデルその②】ベントレー ベンテイガ(初代)
中古車価格帯:総額1200万~3600万円
 

ベンテイガ▲ベントレー初のSUVとして登場した「ベントレー ベンテイガ」の初期モデル

ベントレー ベンテイガは、2016年6月に発売されたブランド初のSUV。ボディサイズは全長5150mm × 全幅1995mm × 全高1755mmで、上陸当初のパワーユニットは最高出力608psの新開発6L W12ツインターボ。トランスミッションは8速ATで、駆動方式はフルタイム4WDです。

シートレイアウトは、後席がセパレートタイプの4人乗りとベンチタイプとなる5人乗りの2種類を用意。セパレートタイプのリアシートにはマッサージ機能やベンチレーション機能、フットレストに加え、大容量の収納スペースが備わるウッドパネル付きのセンターコンソールなどが装備されています。

2018年には最高出力550psの4L V8ツインターボエンジンを追加し、2020年7月にはデザインを変更するマイナーチェンジを行い、パワーユニットはさしあたって4L V8ツインターボのみに整理。しかしその後、最高出力635psの6L W12ツインターボを搭載する「スピード」を追加し、2021年11月には3L V6ターボエンジンを核とするプラグインハイブリッド車も追加しています。

最上にして最新に近い中古車を探すとなると総額3000万円以上の予算が必要となりますが、程よくいいあんばいの物件でOKならば総額1500万円前後にて、6L W12ツインターボまたは4L V8ツインターボエンジン搭載グレードを見つけることができるでしょう。
 

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ベントレー ベンテイガ(初代)
 

代表的なイギリス車メーカー⑤ アストンマーティン

【概要】
アストンマーティンは英国を代表する高級スポーツカーメーカー。モータースポーツの世界でも古くから結果を残してきた他、あまりにも造形的に美しいゆえか、映画007シリーズでも数々のアストンマーティン車が「ボンドカー」として使われてきました。

【歴史】
1913年に英国で設立。いきなり数々のモータースポーツで優秀な成績を残し、市販車の製造販売も開始しましたが、モータースポーツに注力しすぎたせいか、たびたび経営危機に。

第二次世界大戦後は実業家デイヴィッド・ブラウンの手腕で絶頂期を迎えますが、その後ふたたび経営難に。フォード傘下になるなどして危機をしのぎ、現在は独立したブランドとして、メルセデスAMGからエンジンの供給を受けながら数々の魅力的でハイエンドなスポーツカーを製造しています。
 

DB5▲1964年に公開された映画「007 ゴールドフィンガー」に登場したジェームズ・ボンドのボンドカー「アストンマーティン DB5」をアストンマーティン社が忠実に再現した車両。限定25台が販売された

【代表的なモデル】アストンマーティン DBX(初代)
中古車価格帯:総額2000万~4000万円
 

DBX▲2019年に登場したアストンマーティン初のSUV「アストン マーティン DBX」

2019年に発表された、100年以上にわたるアストンマーティンの歴史の中で初めて作られたSUV。

ボディサイズは全長5039mm × 全幅2050mm × 全高1680mmで、当初のパワーユニットは最高出力550psの4L V8ツインターボ。トランスミッションは9速AT、駆動方式は4WDです。その後2022年4月には最高出力707psの「DBX 707」も追加されています。
 

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ベントレー DBX(初代)
 

代表的なイギリス車メーカー⑥ ロータス

【概要】
ロータスはイングランド東部のノーフォークを本拠地とする、レーシングカーの製造販売業に端を発するスポーツカーメーカー。ライトウェイト(軽量)なスポーツカーを作ることを得意とし、日本の自動車ファンからも昔から何かと愛されている海外ブランドのひとつです。

【歴史】
1947年当時、ロンドン大学の学生だったコーリン・チャップマンが副業として行っていた中古車販売業で、売れ残った車両を自分のレーシングカーとして改造したところからビジネスがスタート。チャップマンが作るレーシングカーは数々のモータースポーツで結果を出し、以降は乗用ライトウェイトスポーツカーの製造販売も開始し、これも自動車愛好家の間で高い人気を博すことになりました。

チャップマンの死後は経営危機にも陥りましたが、その後は別のオーナーの手で復活を果たし、現在は中国の吉利汽車を筆頭株主としつつ、依然として魅力的なライトウェイトスポーツカーの開発と製造販売を続けています。
 

エスプリ▲写真は1980年に発表された「ロータス エスプリ ターボ」

【代表的なモデル】ロータス エリーゼ(初代)
中古車価格帯:総額320万~1000万円
 

エリーゼ▲中期型の途中からはトヨタ製エンジンを搭載した「ロータス エリーゼ」

1995年のフランクフルトショーでデビューし、翌1996年に発売された2シーターのライトウェイトスポーツ。アルミ合金製の部材を接着剤で組み立てたバスタブフレームと、FRP(繊維強化プラスチック)製の外装で実現された超軽量な車体が、ロータス エリーゼの最大の特徴です。

当初はローバー製の1.8L 直4エンジンを搭載していましたが、中期型の途中からはトヨタ製の1.8Lエンジンが搭載されています。
 

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ロータス エリーゼ(初代)
 

代表的なイギリス車メーカー⑦ マクラーレン

【概要】
マクラーレンはF1レースで大活躍した「マクラーレン・レーシング」の技術を反映させた、超高性能な市販スーパースポーツカーを作っている英国の自動車メーカー。同社の最初の市販車は1992年に発表された「マクラーレン F1」で、その車両価格は当時の為替レートで約1億1800万円でした。

【歴史】
F1レースにおいて数多くの勝利を収めてきたマクラーレン・レーシングの技術を反映した高性能な市販車を製作するべく、1989年にマクラーレン・カーズ社が創立。

そして1992年に「世界最高の市販スポーツカー」と言えるマクラーレン F1を発売した後は活動休止状態となりましたが、2010年に現在の「マクラーレン・オートモーティブ」社が設立され、レースの世界と直結したテクノロジーを使用する数々のスーパーカーを開発および製造販売しています。
 

マクラーレン▲マクラーレン・カーズ(現マクラーレン・オートモーティブ)が1992年にリリースしたスーパーカー「マクラーレン F1」

【代表的なモデル】マクラーレン 720S(初代)
中古車価格帯:総額2500万~3600万円
 

720S▲車名どおり最高出力720psの4L V8ツインターボエンジンを搭載する「マクラーレン 720S」

2017年3月に発表された、マクラーレンの中核である「スーパーシリーズ」の第2世代モデル。ボディ構造はそれまでのマクラーレン製ロードカーと同様にカーボンファイバー製のシャシーを採用していますが、720Sは新しいカーボンファイバー製の「タブ」に上部構造の「モノケージⅡ」を組み合わせることで、フルカーボン骨格を実現。より軽量で、より強度と剛性を備えた基本骨格となっています。

パワーユニットは新型の4L V8ツインターボエンジンでで、その最高出力720ps。0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は341km/hとアナウンスされています。
 

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マクラーレン 720S(初代)
文/伊達軍曹 写真/尾形和美、ジャガーランドローバー、ロールスロイス、BMW、ベントレー、アストンマーティン、ロータス、マクラーレン
※記事内の情報は2023年12月10日時点のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。

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