ミニ ミニコンバーチブル ▲車名で検索をかけると「やめとけ」的なワードが出てくる場合が多いミニコンバーチブル。このカワイイ車は、本当にそんなヤバい車なのでしょうか? それとも、意外とぜんぜんそうでもないのか? 実際のところを、本人も初代ミニクーパーに乗っていた中古車評論家がズバリお答えします!

ミニコンバーチブルは「買うと後悔する車」なのか?

普通の固定屋根が付いているミニでも十分以上におしゃれでステキなわけですが、そのオープンカーである「ミニコンバーチブル」は銀河系で一番(?)おしゃれでカワイイ車なのかもしれません。

しかし、そんなミニコンバーチブルが欲しいかもと思ってネットで情報収集を始めると、すぐ目につくのが「後悔」「やめとけ」などのネガティブなサジェストワードの数々です。

……歴代のミニコンバーチブルとは、本当に「買うと後悔する車」なのでしょうか?

実際のところを徹底的に考えてみることにしましょう。

 

 

そもそもオープンカーは後悔しやすい車なのか?

ミニコンバーチブルについて考える前に、そもそもの前提として「オープンカーそのものが、もしかしたら“買うと後悔する車”なのではないか?」という可能性について考えてみましょう。

結論から申し上げると「人によっては、確かに後悔するかもしれない」ということになります。

オープンカーは爽快で気持ちよく、なおかつおしゃれでカッコいい存在ではありますが、その分だけ、以下のようなデメリットも存在しています。

1|普通の固定屋根の車を比べると、走行中の車内はややうるさい。オープンにすると風も巻き込む。

2|鉄製の固定屋根は基本的にノーメンテでOKだが、オープンカーのソフトトップ(幌)は、長期的には劣化したり壊れたりする。

3|車の後方にソフトトップ収容スペースを確保しなければならない関係で、後席や荷室は普通の車よりも狭い場合が多い。

4|せっかく買っても、実はオープンにする機会はけっこう少なかったりする(※人によりますが)。


上記のうち4はさておき、1~3はどれもオープンカーの宿命というか、その基本構造にもとづく不可避な問題ですので、どうすることもできません。そのため、上記のことをまったく知らずに「カワイイ~!」みたいなノリだけでオープンカーを買ってしまうと、確かに後悔することもあるでしょう。
 

ミニコンバーチブル▲おおむねこのような構造になっている場合が多いオープンカーの幌。アーム部分が壊れたり、接合部分のシーリングが経年劣化して雨漏りが発生することなどは、確かにある

しかし1~3のことをあらかじめ承知してさえいれば、「オープンカーだから後悔する」みたいなことは特にはありません。そして「うるさい」「狭い」といっても劇的にうるさかったり、狭いみたいなことも特にはありません。

またソフトトップは、使っていればそのうち必ず劣化しますが、なにも新品の状態から数年でいきなり激しく劣化するものでもありません。さすがに固定屋根ほどの耐久性はないというだけで、ある程度は長く使うことができます。

で、こういったことを理解したうえでオープンカーを購入するのであれば……それはもう最高に楽しくておしゃれな日々を始めることができます。そのため、もしも本当にオープンカーへの興味があるのであれば、ぜひ臆することなくトライしてみることを本気でオススメいたします。
 

ミニコンバーチブル▲多少の欠点をあらかじめ承知のうえで乗るのであれば、「オープンカーほど素敵なものはない!」とすらいえるかも。それぐらい、気候の良い季節に屋根を開け放って走るのは気持ちのいいものだ
 

【モデル概要】ミニコンバーチブルってどんな車?

それでは「ミニコンバーチブル」という車についての議題に移ります。まずはモデル概要をざっとおさらいしておきましょう。

ミニコンバーチブルは、ドイツのBMW社が作っている大人気のハッチバック「ミニ」をベースとするオープンカー。後席は狭いのですがいちおう4人乗りで、電動で開閉するソフトトップ(布製の幌)を備えています。

初代ミニコンバーチブル(R52)が登場したのは2004年9月のこと。グレードは大きく分けて「クーパー」と「クーパーS」の2つで、クーパーは1.6Lのノンターボエンジンを搭載。トランスミッション(変速機)はCVTまたは5MTです。そして高性能版であるクーパーSは1.6Lのターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速ATまたは6MTとなります
 

ミニコンバーチブル▲こちらが「R52」と呼ばれることが多い初代ミニ コンバーチブル

初代ミニ コンバーチブルは大好評のまま販売が続きましたが、ハッチバックの方のフルモデルチェンジにともなってミニコンバーチブルも2009年4月、2代目のR57型にフルモデルチェンジされました。

外観デザインは初代とさほど大きくは変わっていませんが、骨格はずいぶんビシッとしたものになり、エンジンも新開発されたものに変更。クーパーは1.6Lのノンターボエンジン+6速ATまたは6MTで、クーパーSは1.6Lのターボエンジン+6速ATまたは6MTです。

ちなみに、この世代からは「ジョン・クーパー・ワークス」という超スポーティなグレードも追加されました。
 

ミニコンバーチブル▲中身はブラッシュアップされたが、デザイン的にはほぼキープコンセプトで2009年に登場した2代目ミニ コンバーチブル(R57)

こちらの2代目も大好評を博したのち、2016年3月には3代目(現行型)が登場しました。外観デザインは相変わらず「キープコンセプト」といったニュアンスですが、ボディサイズは少し大きくなり、基本骨格もかなりしっかりしたモノに進化しています。

クーパーのエンジンは1.5Lの直3ターボとなり、クーパーSは2Lの直4ターボを搭載。トランスミッションは6速ATでスタートしましたが、2018年5月のマイナーチェンジ時に「DCT」という、新しい方式のATに変更されました。

以上がミニコンバーチブルのモデル概要となりますが、次章より各世代ごとに中古車の選び方を見ていくことにしましょう。

ミニコンバーチブル▲こちらは「F57」という型式名で呼ばれることが多い3代目ミニ コンバーチブル。写真は2018年5月にマイナーチェンジを受けた世代
 

【第1世代】初代にこだわるなら「CVTかどうか」が分かれ目

2004年9月から2009年3月まで販売された初代ミニ コンバーチブル(R52)は2023年12月中旬現在、総額40万~150万円ぐらいのゾーンで約60台が流通しています。

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ミニ ミニコンバーチブル(初代) ×全国

特に安めの価格帯の物件は、手が届きやすいため「いいかも!」と思うわけですが、この世代の選び方はちょっと難しいかもしれません。

というのも、まずは「そもそも古い車だから何かとちょっと大変」というのがあります。
 

ミニコンバーチブル▲キープコンセプトのモデルチェンジが続いたため、あまり古く見えない初代だが、よく考えてみれば最初期モデルはもはや19年落ち。「年式ゆえの大変な部分」は確かに存在する

初代の最初期モデルはもはや20年近く前の車であり、最終年式でも14年落ちです。車というのは、定期的に整備と部品交換をすれば、そのぐらいの年数がたっていてもごく普通に動きます。

しかし「その物件の歴代オーナーがちゃんと整備と部品交換を行ってきたかどうか?」を見極めるのは、正直かなり難しいものです。そして「必要な整備と部品交換が行われてこなかった物件」を買ってしまうと、納車後はけっこうな金食い虫になってしまうリスクがあるわけです。

そして初代ミニ コンバーチブルのクーパーに使用されていたCVTという無断変速タイプのATは、その耐久性に正直やや難があります。また肝心のソフトトップも、14~19年落ちのオープンカーでは途中で新品に交換されていない限り、故障や雨漏りのリスクがつきまとうでしょう。

ちなみに納車後にソフトトップを新品に交換するとなると、なんだかんだで20万円は確実にかかります。またソフトトップの開閉に関係する部品を交換するだけでも、けっこうなコストが必要になるものです。
 

ミニコンバーチブル▲幌そのものの部品代が(どこで何を買うかにもよるが)おおむね20万円で、取り付け工賃も5万円ほどは確実にかかるはず。また幌本体は交換しないとしても、それに付随する細かな部品も、いざ交換するとなるとけっこうな金額が必要となるものだ

そのため2004年9月から2009年3月までの初代ミニ コンバーチブル(R52)については、下記の考え方でもって臨むのがオススメとなります。

1|中古車の見極めに自信がない人は、そもそも買わない(2代目以降を買う)
2|どうしても初代が欲しい場合は、「CVTのクーパー」を避ける。つまり5MTのクーパーか、CVTは採用していないクーパーSにする。
3|比較的最近にソフトトップが新品に交換されている物件を探すようにする。


以上のような選び方を基本に、そのうえで内外装の状態や整備履歴が良いモノをじっくり探せば、なかなか悪くない初代ミニ コンバーチブルが見つかる可能性はあります。
 

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ミニ ミニコンバーチブル(初代) ×MT×全国

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ミニ ミニコンバーチブル(初代) ×クーパーS×全国
 

【第2世代】故障リスクの高い定番箇所が修理されているか確認

2009年4月から2016年2月まで販売された2代目ミニコンバーチブル(R57)は2023年12月中旬現在、やや特殊なグレードであるジョン・クーパー・ワークスを除くと総額70万~210万円ぐらいのゾーンで、約50台が流通しています。

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ミニ ミニコンバーチブル(2代目) ×全国

総額80万円前後の物件は「まあまあ安いし、初代と比べれば新しいし、いいかも!」と思うわけですが、この世代も、選ぶにあたっては少し慎重になる必要があります。
 

ミニコンバーチブル▲価格と年式のバランスに優れているように思える2代目だが、実際は少々難しい部分もある?

コンバーチブル(オープンカー)であることとは直接の関係はない話ですが、この世代のミニはエンジン内部にある「チェーンガイド」「チェーンテンショナー」という部品が破損してしまうことがあり、そうなるとエンジンからガラガラという音が発生しはじめ、最終的にはエンジンが壊れてしまいます。

またこの世代のミニは、歴代オーナーのエンジンオイル管理がイマイチだった場合に「オイル下がり」という現象を起こし、マフラーから白煙を出してしまう可能性もあります。

さらにソフトトップに関しては、幌そのものは二重構造になっていて非常に丈夫なのですが、初期年式の場合はすでに14年ほど経過していますので、ゴムパッキンのようなものが劣化したり硬化したりして、結果として雨漏りが発生してしまうことがあり得ます。
 

ミニコンバーチブル▲世代を問わず、幌自体の素材や構造はかなり頑丈なミニ コンバーチブルだが、年数がたつとどうしてもゴムパッキン的な部品は劣化ないし硬化し、雨漏りなどを発生させることがある

もちろんこういったネガティブな問題というのは、すべての2代目ミニ コンバーチブルで発生するわけではありません。そのため、勘どころを押さえたやり方で焦らずじっくりと良質物件を探すようにすれば、きっと悪くない1台が見つかることでしょう。

具体的には、おおむね下記のような考え方で探すことをオススメします。

1|展示場ではエンジンをかけてみて、ガラガラという変な音がしないかを確認する。
2|エンジンをかけた後、マフラーから白煙が立ち上っていないかを確認する。
3|「タイミングチェーン」と「チェーンガイド」「チェーンテンショナー」という部品が交換済みであるか、販売店に確認する。
4|走行距離が比較的短めで、なおかつ正規ディーラーまたは専門店で定期的な点検整備を受けてきたことが確認できる物件に狙いを絞る。
5|さらに「ソフトトップの修理歴または交換歴」もチェックし、そのどちらかが確認できる個体を優先する。


以上のような選び方を基本に、そのうえで内外装の状態や足回りなどのコンディションが良いモノをじっくり探せば、なかなかステキな2代目ミニ コンバーチブルが見つかる可能性はあるでしょう。
 

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ミニ ミニコンバーチブル(2代目) ×全国
 

【第3世代】マイナーチェンジの前後でチェックポイントが異なる

2016年3月に登場し、マイナーチェンジを経て今なお販売中の3代目ミニ コンバーチブル(F57)は2023年12月中旬現在、やや特殊なグレードであるジョン・クーパー・ワークスを除くと総額160万~520万円ぐらいのゾーンで豊富な数が流通しています。

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ミニ ミニコンバーチブル(3代目) × 全国

2021年5月に行われた二度目のマイナーチェンジを受けた世代は、まだまだ新しいため、選ぶにあたって特別なテクニックは必要ありません。内外装がキレイで、ボディカラーや装備内容が気に入ったモノを選べばそれでOKです(ただし、その分だけ中古車価格はまだ高めですが)。
 

ミニコンバーチブル▲予備知識ゼロでも、普通に買えば普通に乗れる2021年5月以降の直近世代

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ミニ ミニコンバーチブル(3代目) ×2021年5月以降生産×全国

2018年5月の最初のマイナーチェンジを受けた世代も、基本的にはさほど難しく考えずに探すことが可能です。しかし2018年式または2019年式あたりとなる「4~5年落ちの中古車」というのは、ミニ コンバーチブルに限らず“個体差”が目立ち始めるお年頃です。丁寧に扱われてきた個体はまだまだ普通か普通以上に元気ですが、荒っぽくノーメンテで乗られてきたような個体は、そろそろちょっとヤバいポイントが出始める頃なのです。

そのため2018~2019年式ぐらいの2代目ミニ コンバーチブルを探す際は、グレードにかかわらず「前オーナーがその個体を丁寧に扱ってきたかどうか?」をチェックするようにしてください。「丁寧に扱われてきたことの証」は、主には内装の美しさ(小キズやスレなどの少なさ)と、正規ディーラー(または有名専門工場)での定期的な点検の記録として現れているはずです。
 

ミニコンバーチブル▲写真は2018年式の3代目ミニ コンバーチブル。前オーナーの「扱い方」は内装の状態に現れることが多い。意味不明な小キズが内装に多い中古車は、決して絶対ではないのだが、まぁ「乱暴に扱われ、ろくに点検整備も受けてこなかった個体かもしれない」と判断するのが安全策ではある

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ミニ ミニコンバーチブル(3代目) ×2018年5月~2021年4月生産×全国

そして初期世代の3代目ミニ コンバーチブル(2016年3月~2018年4月)を探す際は、上記の「前オーナーがその個体を丁寧に扱ってきたかどうかのチェック」をさらに綿密なニュアンスで行えば、ハズレ物件はおおむね回避できるでしょう。

ただ、ここでちょっと重要となるのは「走行距離の多寡だけで物事を判断しない」ということです。
 

ミニコンバーチブル▲中古車の走行距離は「少ない方がいい」とは必ずしもいえない? 写真は3代目ミニ コンバーチブルの前期型

最初期年式の3代目ミニ コンバーチブルというのは2016年式ですから、もしも年間1万kmのペースで走ってきたとすると、直近の走行距離は「7万kmぐらい」ということになります。

この7万kmというのがちょっと曲者で、車というのはちょうどこのぐらいのタイミングで、各部の消耗部品が要交換時期を迎えることが多いのです。

そのため、例えば走行9万kmの物件と6.5万kmの中古車があったとして、6.5万kmの方に引かれるのは人として自然なことですが、もしもその6.5万km車が「新車で買ってから、ほとんど何も部品交換をしてこなかった車」だとしたら? もしかしたら、それを買った人が5000kmほど走った後に、高価な消耗部品多数を自費で交換するハメになる可能性もあるわけです。そして「消耗品はあらかた交換済みの9万km車」の方が、実はモノが良かった――なんて可能性もあります。

そのため、おおむね7年落ちとなる初期の3代目ミニ コンバーチブルを買いたい場合は、走行距離計の数字だけでなく「メンテナンス履歴」をしっかりと確認するようにしてください。逆に言うと、それをやればきっと、なかなかいい感じの3代目ミニ コンバーチブル前期型が、比較的手頃な総額で見つかるはずです。
 

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ミニ ミニコンバーチブル(3代目) ×2016年3月~2018年4月生産×全国

オープンカーというのは本当に楽しくて気持ちのいいものであり、中でもミニ コンバーチブルは特に素晴らしい開放感が味わえる1台です(なにせAピラーという柱の角度が他のオープンカーのように寝ていないため、空が広いんです!)。ぜひこれを機会に、ナイスでカワイイ1台を探し出してみることをオススメいたします。
 

ミニコンバーチブル▲近年のオープンカーはAピラー(運転席から見て斜め前の柱)が寝ている場合が多いが、ミニ コンバーチブルのAピラーはご覧のとおりけっこう切り立っているため、開放感はかなりのもの
文/伊達軍曹 写真/BMW
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。