ミニクロスオーバー ▲デザインも乗り味も、そして使い勝手も良好なことで大人気となっているクロスオーバーSUV「現行型ミニ クロスオーバー」の中古車平均価格が、この1年間で30万円以上下がっているとのこと。ならば注目してみるしかない! ということで、具体的には何年式のどんなグレードを狙うのが得策なのか、考えてみることにしましょう!

2023年の春先から平均価格はダウントレンドに

ミニファミリーならではのポップな内外装デザインと、クロスオーバーSUVゆえの良好な居住性と積載性を併せ持った現行型ミニ クロスオーバーは、ミニシリーズ全体の中で「最もコスパがいい、魅力的なモデル」といわれることの多い1台です。

しかし、そんな現行型ミニ クロスオーバーの中古車平均価格が今、比較的大きくダウンしています。

下のグラフをご覧ください。

ミニクロスオーバー

2022年中はおおむね横ばい傾向だった現行型ミニ クロスオーバーの中古車平均価格ですが、2023年の春先あたりからは明確なダウントレンドに。その結果、直近の平均価格は、約1年前にあたる2022年12月と比べて30万円以上お安い309.6万円になっています。

このように「ちょっとお買い得」になった現行型ミニ クロスオーバーの中古車をこれから狙うとしたら、何年式のどんなグレードをいくらぐらいの予算で探すのが得策となるのでしょうか?

次章以降、じっくり考えてみることにしましょう。
 

ミニクロスオーバー

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モデル概要:よりSUV的なサイズ感となって使い勝手が向上した第2世代

ミニ クロスオーバーは、ミニブランドとしては4番目のモデルとして2011年に上陸したコンパクトクロスオーバーSUV。今回取り上げる2代目は、初代よりもひと回り大きくなったボディを伴って2017年2月に発売されました。

デザインの基本部分は従来型の特徴を踏襲している2代目クロスオーバーのボディサイズは全長4315mm×全幅1820mm×全高1595mm。車内の居住空間は初代よりも明らかに広くなり、特に後席の足元スペースはかなり広くなりました。また、荷室容量も初代より100L拡大されて450Lになっています。
 

ミニクロスオーバー▲こちらが現行型ミニ クロスオーバーの前期型
ミニクロスオーバー▲従来型より1.5回りほど全体がサイズアップしたことで、居住空間は明らかに広くなった
ミニクロスオーバー▲同世代のミニ各種とおおむね共通するデザインとなるインパネまわり
ミニクロスオーバー▲リアシートは4:2:4の3分割可倒式で、前後スライド調整機構や3段階のリクライニング調整機構付き。ラゲージルームの容量は、従来型から100L拡大されて450Lに
 

当初搭載されたパワーユニットは、出力が異なる2種類の2L直4ディーゼルターボと、1.5L直3ガソリンターボエンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムの計3種類。しかし、登場から約4ヵ月後には「ジョン・クーパー・ワークス」用の強力な2L直4ガソリンターボエンジンが追加され、その約4ヵ月後には、最高出力102psの1.5L直3ガソリンターボエンジンを搭載するエントリーグレード「ワン」も追加されました。

2018年4月になると、2L直4のディーゼルターボではなくガソリンターボエンジンを搭載する「クーパー」と「クーパーS」を追加。そして2019年10月にはジョン・クーパー・ワークスのエンジンがさらに強力なタイプに刷新され、このタイミングでワン/クーパー/クーパーSのトランスミッションもDCT(ツインクラッチ式AT)に変更されています。

2020年9月にはマイナーチェンジを実施し、内外装デザインやセンターディスプレイの構造などを変更。さらにこの時、ガソリンターボエンジンを搭載するワンとクーパー、クーパーSが廃止されました。

翌2021年5月には、廃止されたワンに代わって新たなエントリーグレード「バッキンガム」が登場し、こちらにはワンよりも最大トルクを少し向上させた1.5L直3ガソリンターボエンジンが搭載されました。

そして2023年11月には、諸事情により日本でのみ使われていた「ミニ クロスオーバー」という車名から、本来の「ミニ カントリーマン」という車名に戻した新型モデルの予約注文受付が開始された――というのが、現行型(2代目)ミニ クロスオーバーの大まかなヒストリーです。
 

ミニクロスオーバー▲こちらが2020年9月以降のデザイン。前後バンパーの形状が一新され、LEDヘッドライトの形状を丸形から角形に変更している。また、ヘッドライトにはコーナリングライト機能とデイライト機能が全車標準装備に
 

価格状況&考察:平均価格ダウンに特にネガティブな理由はない模様

1年間で30万円以上も中古車平均価格が下がったと聞くと、「……何か都合の悪い話でも発覚したのだろうか?」と思ってしまいますが、実際は、そういったことは特にない模様です。

F60という型式名で呼ばれることが多い2代目ミニ クロスオーバーは、機械モノゆえにマイナートラブル(ちょっとした故障や部品の脱落など)が起きる可能性は決してゼロではありません。しかし、「●●という部分がとにかく壊れやすい!」みたいなことは、特にはない車種です。

それでも中古車平均価格がこの1年で比較的大きくダウンしたのは、

・この1年で中古車の流通量がじわじわ増えた。
・初登場から6年以上が経過したことで、やや新鮮味に欠ける存在になった。
・「カントリーマン」へフルモデルチェンジされることになった。

という3つの「よくあること」が複合的に効いたゆえのことであると推察されます。

いずれにせよ機械ウンヌンの部分に爆弾を抱えているタイプの車ではないため、平均価格が比較的大きくダウンしたとはいえ、購入時に何かを過剰に心配する必要はほぼありません。

それでは次章より、「具体的なオススメ」の選定を始めてまいりましょう。
 

ミニクロスオーバー▲機械ゆえに、使っているうちに消耗部品が劣化したり、何かが壊れてしまうことは当然ある。しかし、現行型ミニ クロスオーバーに「決定的な弱点」のようなものは特に存在していない
 

中古車のオススメ1:コスパ重視で選ぶなら前期型クーパーDまたはバッキンガム

新型カントリーマンの予約受注がスタートしたとはいえ、まだまだ現行型である2代目ミニ クロスオーバーをコスパ重視で探すなら、つまり「なるべくお安く、なるべくいい感じの物件を買いたい」と思うならば、狙うべきは下記3グレードのいずれかでしょう。

●前期型ワン:最高出力102psの1.5L直3ガソリンターボを搭載するエントリーグレード
●特別仕様車時代のバッキンガム:前期型ワンの装備を充実させた特別仕様車
●前期型クーパーD:最高出力150ps/最大トルク330N・mの2L直4ディーゼルターボエンジンに8速ATを組み合わせたグレード
 

ミニクロスオーバー▲こちらはエントリーグレードであるワンの装備を充実させた特別仕様車「バッキンガム」
ミニクロスオーバー▲クーパーSDほどではないが、程よい力感の2Lディーゼルターボエンジンを搭載する「クーパーD」
 

これらのうち、最もお安く買える可能性が高いのは「ワン」なのですが、あいにくワンは流通量がかなり少ないため、現実的には少々難しいでしょう。

そのため実際の狙い目は、「ディーゼルターボエンジンの力強さが欲しいなら前期型クーパーD」「ガソリンターボエンジンの軽快さを魅力と思うならバッキンガム」ということになります。それぞれの注目価格帯は下記のとおりです。下記の総額にて走行5万km以下の、なかなか悪くない物件が容易に見つかるはずです。

●前期型 クーパー D:総額200万~230万円
●バッキンガム(特別仕様車):総額210万~240万円

 

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中古車のオススメ2:走りと走破性を重視するならクーパー SD オール4またはジョン・クーパー・ワークス

コスパうんぬんではなく、「走り」「走破性」といったあたりにこだわって現行型ミニ クロスオーバーを探すのであれば、狙うべきは「クーパー SD オール4」または「ジョン・クーパー・ワークス」のいずれかです。

クーパー SD オール4は、最高出力190ps/最大トルク400N・mの2L直4ディーゼルターボエンジンに、路面状態や走行状況に応じて前後の駆動力配分を100:0~0:100に電子制御で無段階に制御するフルタイム4WDシステムを組み合わせたグレード。トランスミッションは8速ATです。

一方のジョン・クーパー・ワークスは、前期型は最高出力231ps/最大トルク350N・m、2019年10月以降のモデルは同306ps/同450N・mの強力な2L直4ガソリンターボエンジンを搭載する超スポーティグレード。こちらも駆動方式は「オール4」で、トランスミッションは8速ATです。
 

ミニクロスオーバー▲最高出力は190psとほどほどだが、400N・mという強大な最大トルクが発生する2Lディーゼルターボエンジンを搭載する4WDモデル「クーパーSD オール4」ミニクロスオーバー▲前期型は最高出力231ps、後期型では同306psという大パワーを炸裂させる2L直4ガソリンターボエンジンを搭載する4WDモデル「ジョン・クーパー・ワークス」。写真は前期型
 

「とにかく一番速いやつが欲しい!」ということであれば、最高出力が306psになった世代のジョン・クーパー・ワークスを買うのが基本的にはベストですが、実際は様々な前提条件を鑑みながら検討するべきでしょう。

というのも、後期型ジョン・クーパー・ワークスは確かに鬼のように速いのですが、世の中には「クロスオーバーSUVがそこまで速くある必要はない」という考え方だってあるはず。そして中古車価格も、後期型ジョン・クーパー・ワークスはけっこう高額です。

またジョン・クーパー・ワークスは、先代のそれよりはずいぶん乗り心地が良くなりましたが、依然としてやや硬めではあります。しかし、クーパー SD オール4であれば乗り心地は(ジョン・クーパー・ワークスと比べれば)快適であり、それでいて、400N・mという最大トルクを生かした力強い走りを堪能することが可能です。そして中古車価格も、後期型ジョン・クーパー・ワークスと比べれば断然お安く済ませられます。

つまり走りと走破性にこだわるといっても、「自分はどのぐらいのレベルでどうこだわりたいのか?」といったことを整理したうえで、狙うべきグレードを決めるのが得策となるわけです。
 

ミニクロスオーバー▲赤の差し色が各所の使われているジョン・クーパー・ワークスの運転席まわり。こういった部分を「カッコいい!」と感じるか「ちょっと大げさかも……」と感じるかは人それぞれ。走りだけでなく、このあたりのことも加味しながら検討したい
 

求める内容やレベルは人それぞれでしょうが、それぞれの個性とおおむねの予算感は下記のとおりですので、よろしければ参考になさってください。

●速くてまあまあ快適、そしてまあまあお安い「クーパー SD オール4」
注目価格帯:総額260万~310万円

●まあまあお安く、かなり速い「前期型ジョン・クーパー・ワークス」
注目価格帯:総額260万~350万円

●鬼のように速いが、ちょっとお高い「2019年10月以降のジョン・クーパー・ワークス」
注目価格帯:総額390万~480万円

 

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ミニ ミニクロスオーバー(現行型) × 前期型 × ジョン・クーパー・ワークス × 全国

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ミニ ミニクロスオーバー(現行型) × 2019年10月以降 × ジョン・クーパー・ワークス × 全国
 

中古車のオススメ3:プラグインハイブリッド車が欲しいならクーパー S E オール4

現行型ミニ クロスオーバーにはプラグインハイブリッド車もラインナップされています。そのシステムは最高出力136psの1.5L直3ガソリンターボエンジンに同88psの電気モーターを組み合わせたもの。前輪は6速ATを介してエンジンにより駆動し、後輪はモーターによって駆動します。カタログデータによれば、最大約40kmを電気モーターのみで走ることが可能です。
 

ミニクロスオーバー▲7.6kWhの駆動用バッテリーを、200V電源から約3時間でフル充電できるクーパーS Eクロスオーバー オール4
 

このプラグインハイブリッドシステムを搭載している「クーパー S Eクロスオーバー オール4」の流通量は、2023年12月半ば時点で約60台。中古車価格帯は総額230万~540万円というイメージです。

このうち、内外装デザインが変更される前の世代は総額230万~350万円ほどで、デザインなどが変更された2019年10月以降の世代は総額340万~540万円というのが価格の目安。

ご自宅に充電設備がある方であれば、もしくは今後設置可能な状態にある方であれば、ご予算や好みに応じて、いずれかの世代の良質な中古車を探してみるのは悪くない話でしょう。リアシート下方に搭載されるバッテリーの蓄電量は7.6kWhで、200V電源から約3時間でフル充電が可能です。
 

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※記事内の情報は2023年12月18日時点のものです。

文/伊達軍曹 写真/BMW、尾形和美
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。